同じ京都府内なのだが,いくつも峠を越えなければいけないため思いのほか遠く,現地到着まで3時間以上かかってしまった。永谷の350m付近二俣には地形図にない大きな砂防堰堤ができており,その付近に駐車した。(ネット上の「地理院地図」では砂防堰堤が描かれている)
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8/16 7:45
同じ京都府内なのだが,いくつも峠を越えなければいけないため思いのほか遠く,現地到着まで3時間以上かかってしまった。永谷の350m付近二俣には地形図にない大きな砂防堰堤ができており,その付近に駐車した。(ネット上の「地理院地図」では砂防堰堤が描かれている)
地形図上では何とも言えない不思議な形をした谷のため,どんな谷なのかうまく想像できず,不安が大きかったのだが,砂防堰堤を越えていざ右俣に入ってみると,なかなかいい感じの渓相で出迎えてくれた。
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8/16 7:52
地形図上では何とも言えない不思議な形をした谷のため,どんな谷なのかうまく想像できず,不安が大きかったのだが,砂防堰堤を越えていざ右俣に入ってみると,なかなかいい感じの渓相で出迎えてくれた。
周囲は植林が多いが,谷筋には自然林も残っており,大きな株立ちのカツラもある。
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8/16 7:53
周囲は植林が多いが,谷筋には自然林も残っており,大きな株立ちのカツラもある。
入渓してすぐ,小滝が連続し始めた。
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8/16 7:57
入渓してすぐ,小滝が連続し始めた。
3〜5mほどの小滝が,谷の奥へと連なっている。この緩み切った等高線の一体どこに,こんなにたくさんの小滝が隠れているのか,と不思議に思うくらいの眺めだ。
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8/16 8:00
3〜5mほどの小滝が,谷の奥へと連なっている。この緩み切った等高線の一体どこに,こんなにたくさんの小滝が隠れているのか,と不思議に思うくらいの眺めだ。
まさかこんなに滝が出迎えてくれるなんて。
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8/16 8:03
まさかこんなに滝が出迎えてくれるなんて。
嬉々として小滝と戯れながら登っていく。
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8/16 8:04
嬉々として小滝と戯れながら登っていく。
美しい多条の小滝。
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8/16 8:05
美しい多条の小滝。
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8/16 8:07
ややっ,奥に大きめの滝が。
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8/16 8:10
ややっ,奥に大きめの滝が。
8mほどの滝が出現。黒い岩盤の裂け目にどうどうと瀑水を落としている。
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8/16 8:12
8mほどの滝が出現。黒い岩盤の裂け目にどうどうと瀑水を落としている。
この滝は登ろうと思えば登れそうだが,水勢がかなり強いので右手の斜面を巻いた。
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8/16 8:13
この滝は登ろうと思えば登れそうだが,水勢がかなり強いので右手の斜面を巻いた。
その上にもナメ滝が続く。
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8/16 8:17
その上にもナメ滝が続く。
滝場の両岸には写真のような大きな岩場が発達している。本当に地形図の穏やかそうな姿からは想像できない渓相だ。
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8/16 8:21
滝場の両岸には写真のような大きな岩場が発達している。本当に地形図の穏やかそうな姿からは想像できない渓相だ。
しかししばらく進むと滝場は終わり,谷は急に大人しくなってしまった。周囲も植林になってしまい,さっきまで大きなカツラやトチノキがあって雰囲気が良かったのに,少し残念。
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8/16 8:29
しかししばらく進むと滝場は終わり,谷は急に大人しくなってしまった。周囲も植林になってしまい,さっきまで大きなカツラやトチノキがあって雰囲気が良かったのに,少し残念。
この平凡な植林区間が,少し長く続く。ちょっと退屈だが,谷中は歩きやすく,サクサク進むことができる。
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8/16 8:31
この平凡な植林区間が,少し長く続く。ちょっと退屈だが,谷中は歩きやすく,サクサク進むことができる。
しばらく歩くと,地形図上で気になっていた地点に近づいた。永谷右俣のちょうど真ん中あたりに,谷底と稜線が等高線一本(つまり,たったの高さ10m)だけで隔てられた場所があり,どんな景色なのか気になっていたのだ。多分,ここだな。確かに見上げると稜線がすぐそこに降りてきている。
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8/16 8:47
しばらく歩くと,地形図上で気になっていた地点に近づいた。永谷右俣のちょうど真ん中あたりに,谷底と稜線が等高線一本(つまり,たったの高さ10m)だけで隔てられた場所があり,どんな景色なのか気になっていたのだ。多分,ここだな。確かに見上げると稜線がすぐそこに降りてきている。
稜線に上がってみると,なんと明らかに人為的な切通しのようになっていた。
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8/16 8:48
稜線に上がってみると,なんと明らかに人為的な切通しのようになっていた。
切通しの向こうには,明らかな道形が続いている。どうやら,この場所は峠のような役割を果たしていたらしい。一体,どことどこをつなぐ峠なのかは不明だが…。
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8/16 8:49
切通しの向こうには,明らかな道形が続いている。どうやら,この場所は峠のような役割を果たしていたらしい。一体,どことどこをつなぐ峠なのかは不明だが…。
さて,谷に戻り,先へ進む。時々小滝が現れるものの,単調な平流歩きが続く。
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8/16 9:02
さて,谷に戻り,先へ進む。時々小滝が現れるものの,単調な平流歩きが続く。
平流区間も悪くはないのだが,これで周囲が自然林だったらもっと気持ちよかったんだけどな…。
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8/16 9:20
平流区間も悪くはないのだが,これで周囲が自然林だったらもっと気持ちよかったんだけどな…。
しかし,この谷の面白いところは,植林区間でも,ところどころびっくりするくらいのトチノキの巨木が残っていることだ。
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8/16 9:21
しかし,この谷の面白いところは,植林区間でも,ところどころびっくりするくらいのトチノキの巨木が残っていることだ。
おそらく,意識的に伐採せずに残してあるのだと思うが…(トチノキは実が食料になるため,切らずに残すことが多い)。このトチノキも立派だ。
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8/16 9:22
おそらく,意識的に伐採せずに残してあるのだと思うが…(トチノキは実が食料になるため,切らずに残すことが多い)。このトチノキも立派だ。
ようやく植林が終わり,周囲が再び自然林に包まれ始めた。
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8/16 9:32
ようやく植林が終わり,周囲が再び自然林に包まれ始めた。
ここにも立派なトチノキ。
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8/16 9:36
ここにも立派なトチノキ。
谷は何度が分岐を繰り返す。地形図で見ると複雑な谷の形をしており迷ってしまいそうだが,実際は一番水量の多い谷を選んでいけば大丈夫なので,迷うことはない。
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8/16 9:37
谷は何度が分岐を繰り返す。地形図で見ると複雑な谷の形をしており迷ってしまいそうだが,実際は一番水量の多い谷を選んでいけば大丈夫なので,迷うことはない。
またまたトチノキの巨木。本当に大きなトチノキが多い。
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8/16 9:41
またまたトチノキの巨木。本当に大きなトチノキが多い。
大きなトチノキと点在する天然スギ,そしてブナとミズナラの森…。何だか芦生の森のようだ。昔よく歩いた芦生の大谷やカズラ谷に,雰囲気が良く似ている気がする。芦生とは地理的にも近いので,当然なのかもしれないが…。
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8/16 9:41
大きなトチノキと点在する天然スギ,そしてブナとミズナラの森…。何だか芦生の森のようだ。昔よく歩いた芦生の大谷やカズラ谷に,雰囲気が良く似ている気がする。芦生とは地理的にも近いので,当然なのかもしれないが…。
おや? 谷が急に岩っぽくなり,両岸が立ち始めた。
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8/16 9:42
おや? 谷が急に岩っぽくなり,両岸が立ち始めた。
やや,急に滝が。しかも,奥にもさらに大きそうな滝が見える。
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8/16 9:43
やや,急に滝が。しかも,奥にもさらに大きそうな滝が見える。
1段目の5mほどの滝を越えると,谷はぐぐっ左に曲がり,そこにも大きな滝が! このまま穏やかなまま終わってしまうかと思いきや,最後の最後に大きな滝が潜んでいるとは…。
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8/16 9:45
1段目の5mほどの滝を越えると,谷はぐぐっ左に曲がり,そこにも大きな滝が! このまま穏やかなまま終わってしまうかと思いきや,最後の最後に大きな滝が潜んでいるとは…。
2段目の5mほどの滝を登りながら撮影。まだまだ滝が続いている。
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8/16 9:47
2段目の5mほどの滝を登りながら撮影。まだまだ滝が続いている。
3段目の10mほどの滝に対峙。なかなか美しい滝だ。この滝も手掛かりが豊富で,冷たい水を浴びながら直登できて楽しい。
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8/16 9:49
3段目の10mほどの滝に対峙。なかなか美しい滝だ。この滝も手掛かりが豊富で,冷たい水を浴びながら直登できて楽しい。
3段目を登り切ると,その上でも5mほどのナメ滝が迎えてくれた。全段合計すると,4段25mくらいか。地形図では想像もできない箇所に大滝が隠れていて,全く驚きだった。
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8/16 9:52
3段目を登り切ると,その上でも5mほどのナメ滝が迎えてくれた。全段合計すると,4段25mくらいか。地形図では想像もできない箇所に大滝が隠れていて,全く驚きだった。
最後のナメ滝を登り切ると,谷は打って変わって穏やかになる。あー,この優しい感じ。芦生の岩谷みたいで気持ちいい。
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8/16 9:54
最後のナメ滝を登り切ると,谷は打って変わって穏やかになる。あー,この優しい感じ。芦生の岩谷みたいで気持ちいい。
周囲は美しいブナとミズナラの森。(しかし,下層植生はシカの食害のためか衰退してしまっている。そんなところも芦生の森と同じだ。)
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8/16 9:59
周囲は美しいブナとミズナラの森。(しかし,下層植生はシカの食害のためか衰退してしまっている。そんなところも芦生の森と同じだ。)
またもやトチノキの巨木。巨木率高し。
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8/16 9:57
またもやトチノキの巨木。巨木率高し。
源頭が近づき,だいぶ水量が少なくなってきたが,この辺りから沢床にひたすらナメが続くようになる。
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8/16 10:00
源頭が近づき,だいぶ水量が少なくなってきたが,この辺りから沢床にひたすらナメが続くようになる。
黒く磨かれたような岩盤の上をひたひたと歩いて行く。それだけで楽しい。
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8/16 10:11
黒く磨かれたような岩盤の上をひたひたと歩いて行く。それだけで楽しい。
こんなに長く続くナメは久しぶりだなぁ。
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8/16 10:12
こんなに長く続くナメは久しぶりだなぁ。
ようやく水切れ。水音の絶えた静寂の森の中を,稜線を目指して登っていく。
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8/16 10:13
ようやく水切れ。水音の絶えた静寂の森の中を,稜線を目指して登っていく。
目指していた820mピークにぴったり到着。
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8/16 10:28
目指していた820mピークにぴったり到着。
稜線を少し東へ歩くと,ほどなく頭巾山山頂。
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8/16 10:48
稜線を少し東へ歩くと,ほどなく頭巾山山頂。
安永6年(1777年)銘の「御神燈」と掘られた石塔。山麓の村人たちの信仰を集めた山だったようだ。結構立派な石造りの手水鉢まで据え付けてある(よく持ち上げたなぁ…)。
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8/16 10:49
安永6年(1777年)銘の「御神燈」と掘られた石塔。山麓の村人たちの信仰を集めた山だったようだ。結構立派な石造りの手水鉢まで据え付けてある(よく持ち上げたなぁ…)。
晴れていれば北方面の眺めが素晴らしそうだが,今日はガスの合間から近くの峰々が時々見え隠れする程度。雨に降られないだけありがたい。
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8/16 10:53
晴れていれば北方面の眺めが素晴らしそうだが,今日はガスの合間から近くの峰々が時々見え隠れする程度。雨に降られないだけありがたい。
さて,頭巾山をあとにして,今度は永谷の左俣を下降するため,P820mから尼来峠方面に稜線を北上する。この辺りはブナの森が素晴らしく,歩いていて気持ちいい。
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8/16 11:32
さて,頭巾山をあとにして,今度は永谷の左俣を下降するため,P820mから尼来峠方面に稜線を北上する。この辺りはブナの森が素晴らしく,歩いていて気持ちいい。
これは良い森。
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8/16 11:42
これは良い森。
そして,P765の北側の鞍部から西側の永谷左俣に下降しようとするが…。うーむ,さきほどまでの美しい自然林から打って変わって,完全な植林だ…。ちょっと,いや,かなり残念。
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8/16 11:57
そして,P765の北側の鞍部から西側の永谷左俣に下降しようとするが…。うーむ,さきほどまでの美しい自然林から打って変わって,完全な植林だ…。ちょっと,いや,かなり残念。
気を取り直して谷に下降し,上流側を見ると,すぐそこに20mほどの段瀑があってびっくり。この谷は,どの枝谷でも源頭部は必ず滝がでてくるらしい。
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8/16 12:00
気を取り直して谷に下降し,上流側を見ると,すぐそこに20mほどの段瀑があってびっくり。この谷は,どの枝谷でも源頭部は必ず滝がでてくるらしい。
しかし,下流側に少し下ると…。はい,残念なお知らせです。永谷左俣は,ばっちり林道が入ってました!
左俣の下降も楽しみにしていたので,がっかりしつつも,幸か不幸か歩きやすい林道を下っていく。
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8/16 12:02
しかし,下流側に少し下ると…。はい,残念なお知らせです。永谷左俣は,ばっちり林道が入ってました!
左俣の下降も楽しみにしていたので,がっかりしつつも,幸か不幸か歩きやすい林道を下っていく。
そういえば,一箇所,地形図上で滝がありそうで気になっていた箇所があったんだった。この辺りかな? 林道から外れて斜面を下っていくと…。
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8/16 12:10
そういえば,一箇所,地形図上で滝がありそうで気になっていた箇所があったんだった。この辺りかな? 林道から外れて斜面を下っていくと…。
おお,あったあった,やっぱり滝だ。
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8/16 12:14
おお,あったあった,やっぱり滝だ。
急斜面を慎重に巻いて谷底に降り立つと…15mほどの段瀑。地形図の読みからは,もっと大きな滝を予想していたのでちょっと残念。
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8/16 12:16
急斜面を慎重に巻いて谷底に降り立つと…15mほどの段瀑。地形図の読みからは,もっと大きな滝を予想していたのでちょっと残念。
再び林道に復帰し,車を停めた砂防堰堤まで戻ってきた。
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8/16 12:37
再び林道に復帰し,車を停めた砂防堰堤まで戻ってきた。
【おまけ:尼来峠と,尼来峠の滝】車を停めた永谷350m付近二俣の砂防堰堤の右岸側に,尼来峠から直接降りてきている谷が出合っており,そこに多段40m位の結構立派な滝が掛かっていたので,寄り道がてら登ってみた。これは1段目。
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8/16 12:42
【おまけ:尼来峠と,尼来峠の滝】車を停めた永谷350m付近二俣の砂防堰堤の右岸側に,尼来峠から直接降りてきている谷が出合っており,そこに多段40m位の結構立派な滝が掛かっていたので,寄り道がてら登ってみた。これは1段目。
2段目の斜滝。
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8/16 12:46
2段目の斜滝。
3段目。
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8/16 12:47
3段目。
4段目。
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8/16 12:49
4段目。
5段目。10mくらいある。
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8/16 12:49
5段目。10mくらいある。
その上も,ひたすらナメが続いている。
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8/16 12:51
その上も,ひたすらナメが続いている。
そしてそのまま谷を詰めれば,尼来峠(あまぎとうげ)に登り着く。八百比丘尼も越えたという,京都と若狭をつなぐ古くからの主要な峠の一つだ。
※尼来峠への通常の峠道は林道のもっと手前からついています。ネット上でも紹介されているのでご参照を。
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8/16 13:16
そしてそのまま谷を詰めれば,尼来峠(あまぎとうげ)に登り着く。八百比丘尼も越えたという,京都と若狭をつなぐ古くからの主要な峠の一つだ。
※尼来峠への通常の峠道は林道のもっと手前からついています。ネット上でも紹介されているのでご参照を。
このお地蔵さまに会いたかったのです。
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8/16 13:16
このお地蔵さまに会いたかったのです。
【おまけ2:野鹿の滝】帰り道の途中で,若狭の名瀑・野鹿(のか)の滝(30m)も観てきた。この滝が掛かる野鹿谷も,永谷と同じく,地形図上では等高線がゆるゆるであり,とてもこんな長瀑がかかっているようには見えない。この周辺の谷は本当に予測不可能で面白い。なお,余った時間で野鹿谷の右俣も途中まで探ってみましたが,野鹿滝のような大滝は残念ながら見つかりませんでした(小滝は多数)。
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8/16 16:08
【おまけ2:野鹿の滝】帰り道の途中で,若狭の名瀑・野鹿(のか)の滝(30m)も観てきた。この滝が掛かる野鹿谷も,永谷と同じく,地形図上では等高線がゆるゆるであり,とてもこんな長瀑がかかっているようには見えない。この周辺の谷は本当に予測不可能で面白い。なお,余った時間で野鹿谷の右俣も途中まで探ってみましたが,野鹿滝のような大滝は残念ながら見つかりませんでした(小滝は多数)。
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