8歳児とゆくキノコもりもり!絶景と雨の南八ヶ岳・編笠山【山梨百名山】
- GPS
- 08:27
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 982m
- 下り
- 969m
コースタイム
天候 | 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備は完璧 山頂付近はガレ 青年小屋付近は海岸みたいな岩場 青年小屋から下は雨の後は川になるところも |
その他周辺情報 | 青年小屋 泊まりたかった |
写真
感想
夏休み後半、どうもすっきりしない天気が続いていた。平日に休みをとっておやまに行こうにも、雨じゃ身動きがとれない。
なんとか曇りの日があったから息子にどこに登ろうか聞いたところ
やつがたけ!
あーうん、はい、了解……。じゃあ日帰りできそうな編笠山にしようか。
朝6:30、ねむい息子を車に押し込んで高速道路へ。しんなりしていた息子だが、中央道で甲府より先に行くのは2回目、須玉より先は初めてなので興奮ぎみ。ちなみに平日休みのとれなかった妻は家においてけぼり。
編笠山登山口の観音平は小淵沢インターからすぐ、距離は遠いが山奥に行くより時間はかからない。うまいこと9時過ぎに到着することができた。
赤岳や権現岳は日帰りは無謀、なんとかできそうなのがこの編笠山。でもまがりなりにも八ヶ岳なのでそれなりにハード、早めに登り始められるのはラッキーだ。
登山届けポストがあるので届けを書いて提出、登山道へ。最初はほとんど傾斜なし、緑の森をぬけてゆくのがまた気持ちいい。
やがてだんだんと坂になり、岩が増えてくる。森のなかをひたすら登ってゆく。
しばらく進むと、雲海と名付けられたひとやすみポイントに到着。ベンチがある。晴れだと見晴らしがよいのかもしれない。コガネニカワタケや黄色い蝶を愛で、ケルンに石を積む息子。山を楽しんでいる。
雲海からは川跡のような道を進む。というか時々水が流れている。かなり岩っぽくなってきて、歩きづらい。
だんだん傾斜が急になってきた、そんなところにキノコたちが登場! ベニタケのなかまはどっさり、イグチもいろいろ。ひとつひとつ写真をとって息子となんだろうってやって……たらめちゃめちゃ時間ロスしてる! あと写真とるのにしゃがむの繰り返すと何気に体力使うよこれ!
どんどん急になる坂をなんとか登って、押手川に到着。平らで川みたいになってるところもある、けどあまり特徴的なものはない。先に進もう。
ここからさらに道は岩っぽくなる。キノコは相変わらず多い。疲れていたのと判別できなかったのとで取り逃がしたけど幻の美味・アカジコウが生えていたらしい。高度もそれなりにあるので写真のためにしゃがむのがキツい。
9時台から歩き始めたけれど、ここで1時をまわり息子の正確な腹時計がごはんタイムを要求する。ちなみにこの日はコンロとコッヘルと水2ℓを持ってきながらガスを忘れるという失態を犯していた。息子にコンビニのおにぎりを食べさせる。
さて再出発。このあたりになるともうかなりキツい急登である。ガスを忘れたことに気づいてから、無駄に持ってきた水2ℓがとても重く感じる。岩を乗り越えるハシゴがあった。ヒーヒー言いながら登る。
生えている木がだんだん低くなり、道は岩の筋になってきた。頂上はもうすぐ。かなりくたびれて歩いていたら息子に「後ろが絶景だよ見てごらん」「足元にきれいなお花があるよ」といろいろオススメされる。君は元気だな。そしてこんな高いところにもキノコが群生している。息子はほうほうとながめている。青年小屋の看板が「あとほんとに少し」だと励ましてくれた。
そして植生がなくなった。完全な岩場、頂上まであとわずかだけどこのボロボロの足でこのゴロゴロはかなりきつい。父はもうかなり限界だ、先におゆき。
そして、編笠山山頂に到着! 息子が先に! はしっこだけど八ヶ岳に登ったよ!
登り始めのころは晴れ間ものぞいていたけれど、もうほとんど真っ白な雲。快晴のときに来たらスゴい景色なんだろうな、と思っていたら、少しだけ雲がよけてくれた。韮崎のほうの街が遠く見える。息子も、雲がなかったらそりゃすてきだけどこれでも絶景だねえ、と喜んでいる。岩に横になって、雲を楽しんだりもしている。元気ですねあなた。
さて、2時半か……かなり遅くなったぞ、9時半に登り始めたのにこんなに遅いとは。キノコにうつつをぬかしすぎたようだ。しかし息子、トウモロコシ食べてからにする!という。おお、まあ、君の得意なくだりだ、少し急いでくれるならいいか。
そうして3時近くに下山スタート。来た道は傾斜が急で岩だらけ、少しウェットなのでくだると危ない気もする。なによりピストンを少しでも避けたくて、青年小屋経由でくだることにする。
ハイマツの間を抜けていく道は、来た道よりわずかにあるきやすい。岩がひかえめだ。息子はストンストンとおりてゆく。濃密な雲に囲まれていたが、隙間から青年小屋が見えた。気持ちいいね、ここ。
道端の岩の上に、大きなベニタケが生えていた。キノコ者の息子はうれしそう。
そして、青年小屋……の前の岩だらけスポットに到着! まっ平らなんだけど、でかい岩だらけ! 三崎あたりの海岸かよ!! 赤のペンキで印が書いてある岩を見つけてわたってゆくのがルートらしい。不安定で不規則で正直これはかなりしんどいのだ、しかし息子は本当に楽しい最高!みたいな感じでどんどん岩から岩へと飛んで進んでいく。やっとの思いで岩場の端までたどり着くと、そこに青年小屋があった。
できるならコーヒーなんか飲んでひと休みしたい、しかしこの日に限って財布を車に置いてきてしまった。小屋の提灯に「遠い飲み屋」と書いてある、素晴らしい風情。いつか飲みに来て、夜を明かしてみたい。
さてここからの道は地図によればほぼ平ら。岩がちな急斜面を下るより楽だ……と思っていたら、軽い雨がしとしと降りだした。急ごう。
平らではあるけれど、道の真ん中が掘れていたりして歩きにくいところがある。雨で道がすべる。思ったより進まない。キノコはそこかしこに生えている。
ひとつ、とてもきれいなベニテングタケがあった。写真にとって進もうとしたら、息子が採りたいという。ごめんいまその時間ない、と断って進んだが、息子にとってはかなりこれが悲しかったようで、「とりたかったよ」とずっと言っていた。確かにすごくきれいだったもんね、そんなにほしかったなら取ればよかった。
雨でスピードが出ない。なんとか押手川の登山道合流までたどりつきたい。想像していたより遠い。ふたりもくもくと歩く。
道が長いくだりになって、池のようなものが見えた。ふー、やっと押手川! ここからはいちど登った道なので計算できる。
悲しそうに進んでいた息子が、あっ!と声を上げた。きれいな赤いキノコが立っている。タマゴタケだ! ずっと悲しそうだった息子がうれしそうな声をあげる。息子いわく、これでさっきベニテングタケを見逃したのがもうよくなった、今日は満たされたとのこと。
あとはもうひたすらにおりていく。小雨はずっと降り止まないが、息子はまったく気にせずに歩いていく。雲海から別ルートを通りたかったけど、時間も余裕もないからそのままおりる。
笹やぶのところで息子がカエルをつかまえる。雲海を過ぎたので気分は楽、息子がカエルとラブラブするのにお付き合いする。雨だけどね! カエルは息子につかまって、おびえているのか微動だにしない。そんなカエルを息子はひとしきり愛し、やぶに放った。
道の斜度がなくなって、車が見えてきた。そっちのほうに歩いて行ったら、息子が少しへんな顔をした。うん、登り始めたところとは違うね。
かくして車に到着。編笠山に!登りました!なんかすっごいキツかった!!
登山口からくだる道のはしっこに人が何人かいる、ちょっと危ないなあと思ったらシカファミリーだった。さすが八ヶ岳。
8月後半の平日、渋滞のない中央道を2時間。ヘロヘロだったけれど、八ヶ岳に登ったんだという自信でまんまるの息子を安全に連れて帰るべく、ギリギリと口を噛み締めながら東京に帰っていった。
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