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Yamareco

記録ID: 348104
全員に公開
沢登り
白山

白山・境川大畠谷左俣(大滝)〜左沢

2013年09月21日(土) ~ 2013年09月22日(日)
 - 拍手
GPS
35:24
距離
25.5km
登り
4,917m
下り
4,921m

コースタイム

(21日)入渓6:15-2段30m7:35-大谷出合9:40-2段40m14:45-二俣16:00
(22日)二俣6:40-大滝下部6:50-大滝上11:10-右沢出合11:55-稜線16:40-登山口20:00
※各日休憩を含むコースタイム
天候 (21日)晴れ
(22日)晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
東海北陸道五箇山ICから桂湖林道を終点まで20分。
林道終点が大笠山への登山口で、ここに駐車する。特別な駐車地はない。
コース状況/
危険箇所等
谷が勢いを見せるのは大谷を過ぎて15分ほど先から。ここから連瀑となり、現れる滝は登攀可能なものが多い。
CS8mは左岸を捲き上がって15m弱の懸垂(残置あり)。
下流部2段30m、上流部2段40mは登攀不可能なので捲くことになる。
大滝登攀ルートは左右に取れそうだ。今回は左岸を登った。また大滝の捲き上がりは人数が多いと時間がかかる。プロテクションも悪い。
大滝上も小滝ながら捲き、ロープ要の直登がある滝が幾つか出てくる。

●大滝登攀ルート図
http://2702m.com/blog/imglink/rootmap.html
(Y)
桂湖のどんツキまで進んだ大笠山登山口が目印(ポスト有り)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
桂湖のどんツキまで進んだ大笠山登山口が目印(ポスト有り)
駐車場から延びる林道をしばらく歩く(入輪不可)。
駐車場から延びる林道をしばらく歩く(入輪不可)。
大畠谷橋。ここが大笠山への登山口。
大畠谷橋。ここが大笠山への登山口。
(Y)
明日ここへ下りて来る 
ハズ(^^)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
明日ここへ下りて来る 
ハズ(^^)
(Y)
さっさと床に下りる。
ダム満水だと下りられないのかな
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
さっさと床に下りる。
ダム満水だと下りられないのかな
沢に降り立つ。上にかかるのが大畠谷橋。
沢に降り立つ。上にかかるのが大畠谷橋。
(Y)
水量は普通?
とにかくヘツリまくって水には浸からないように
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
水量は普通?
とにかくヘツリまくって水には浸からないように
(Y)
水が結構冷たい
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
水が結構冷たい
(Y)
よい天気
ゴルジュってほどせまくないけど、両岸は共に立ってます。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
よい天気
ゴルジュってほどせまくないけど、両岸は共に立ってます。
(Y)
地図上にもある滝かな
ここまでは飛び石&へつりで越えてきた。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
地図上にもある滝かな
ここまでは飛び石&へつりで越えてきた。
2段30mを捲き上がる。
2段30mを捲き上がる。
(Y)
右岸大高巻き
上部に抜けるまでは頼りない草付きとボロイ壁で 早速泣きそうになる(笑)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
右岸大高巻き
上部に抜けるまでは頼りない草付きとボロイ壁で 早速泣きそうになる(笑)
(Y)
ローカル沢とは規模が違う
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
ローカル沢とは規模が違う
(Y)
早くもヤブトラバースに体力を削られたっ
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
早くもヤブトラバースに体力を削られたっ
(Y)
唯一といっていい一息つける場所で一本立てた。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
唯一といっていい一息つける場所で一本立てた。
大谷を越えるといよいよ本領発揮ゾーンへ。
1
大谷を越えるといよいよ本領発揮ゾーンへ。
(Y)
一気に狭まり この先ほとんどゴルジュとなる。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
一気に狭まり この先ほとんどゴルジュとなる。
登攀滝でのF1となる2段滝。
登攀滝でのF1となる2段滝。
(Y)
岩に登ったりしてルート検討。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
岩に登ったりしてルート検討。
(Y)
右岸を絶妙なムーブでへつる
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
右岸を絶妙なムーブでへつる
(Y)
2段滝上に上がる直前。
ここに行くまでが難しい
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
2段滝上に上がる直前。
ここに行くまでが難しい
2段滝上から。
水線左を行くが、これがなかなか際どい。
水線左を行くが、これがなかなか際どい。
(Y)
全員落ちずに突破です。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
全員落ちずに突破です。
CS8mの懸垂ポイント。ここには残置(ハーケン、ボルト)がある。
CS8mの懸垂ポイント。ここには残置(ハーケン、ボルト)がある。
(Y)
斜め懸垂。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
斜め懸垂。
2段13m。下段は楽だが、上段はパス。戻って高捲くことに。
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2段13m。下段は楽だが、上段はパス。戻って高捲くことに。
(Y)
幕装備で釜に浸かって越えていくのはちょっとね
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
9/24 23:52
(Y)
幕装備で釜に浸かって越えていくのはちょっとね
(Y)
カンテ状を高巻くが高度感が(笑)
多段になっているのが見て取れる。
上部も釜付きだね
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
カンテ状を高巻くが高度感が(笑)
多段になっているのが見て取れる。
上部も釜付きだね
(Y)
高巻きをフリーで降りられないのが大谷のあるある
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
高巻きをフリーで降りられないのが大谷のあるある
(Y)
ゴルジュも一息の2段40m手前
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
ゴルジュも一息の2段40m手前
見せ場はいっぱい。
見せ場はいっぱい。
2段40mは滝下まで行くが手が付けられず、これまた捲く。
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2段40mは滝下まで行くが手が付けられず、これまた捲く。
(Y)
3度目の「大」高巻きかぁ。
(結構疲れてきた)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
3度目の「大」高巻きかぁ。
(結構疲れてきた)
捲き上がる途中から、通称「黒池スラブ」が見える。
捲き上がる途中から、通称「黒池スラブ」が見える。
(Y)
高巻き後はゴーロを超えるだけ。
腹減ったっす(笑)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
高巻き後はゴーロを超えるだけ。
腹減ったっす(笑)
いよいよ二俣。左俣大滝が・・・。
いよいよ二俣。左俣大滝が・・・。
(Y)
見えてきましたよ
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
見えてきましたよ
二俣到着。まさに大伽藍。圧倒的なスラブ壁。
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二俣到着。まさに大伽藍。圧倒的なスラブ壁。
(Y)
思わず、「うぉー」とか「スゲー」とか 言葉になってない声を発してまった
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
思わず、「うぉー」とか「スゲー」とか 言葉になってない声を発してまった
(Y)
ここ数年 天気に恵まれず来られなかった彼の地に立つ。
20年前の記憶と共にボスは今 何を想う…
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
ここ数年 天気に恵まれず来られなかった彼の地に立つ。
20年前の記憶と共にボスは今 何を想う…
明日はここへ。左俣大滝多段85m。
明日はここへ。左俣大滝多段85m。
今夜の幕場はこんなところで。
今夜の幕場はこんなところで。
(Y)
土木工事並みの整地作業で快適な寝床を作る。
ただ、常時風が吹きつけて頭が寒く、何度か起きた。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
土木工事並みの整地作業で快適な寝床を作る。
ただ、常時風が吹きつけて頭が寒く、何度か起きた。
何度見てもスゴい、スゴすぎ。
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何度見てもスゴい、スゴすぎ。
(Nさん提供)月明かりに浮かぶ大岸壁と焚き火。
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(Nさん提供)月明かりに浮かぶ大岸壁と焚き火。
(Y)
全員無言で落花生を剥きまくってた(笑)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
全員無言で落花生を剥きまくってた(笑)
(Y)
2日目早朝。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
2日目早朝。
(Y)
月明かり(すごく明るい)もよかったけど、朝焼けの大岩壁も素晴らしい。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
月明かり(すごく明るい)もよかったけど、朝焼けの大岩壁も素晴らしい。
(Nさん提供)三人衆w
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(Nさん提供)三人衆w
いよいよ左俣大滝へと向かう。
いよいよ左俣大滝へと向かう。
左俣大滝最下段35m
左俣大滝最下段35m
(Y)
青空に向かって…
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
青空に向かって…
1P目から足下を覗く。
1P目から足下を覗く。
(Y)
V字渓谷
寝床(雪渓付き)も見えるよ
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
V字渓谷
寝床(雪渓付き)も見えるよ
2P目はルンゼ直上
2P目はルンゼ直上
3P目終了点から右俣ゴルジュ俯瞰。
1
3P目終了点から右俣ゴルジュ俯瞰。
こちらは左俣大滝の中間部に見せる多段滝。
こちらは左俣大滝の中間部に見せる多段滝。
3P目を登るYottyさん。
3P目を登るYottyさん。
じわじわと登ってきます。
じわじわと登ってきます。
3P目のビレイ点からは、右俣を越えて行く別パーティーのコールが響いていた。いるの見えます?
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3P目のビレイ点からは、右俣を越えて行く別パーティーのコールが響いていた。いるの見えます?
(Y)
4Pはカンテ状
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
4Pはカンテ状
(Y)
右俣ゴルジュ
七ツ以上の釜の個数
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
右俣ゴルジュ
七ツ以上の釜の個数
(Y)
4Pを登るNさん
画角いっぱいを埋め尽くすボロい岩
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
4Pを登るNさん
画角いっぱいを埋め尽くすボロい岩
(Y)
寝床までの高度感がすごすぎてもうわけわからん(笑)
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
寝床までの高度感がすごすぎてもうわけわからん(笑)
とうとう大滝最上段の「噴水滝」が見えてきた。
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とうとう大滝最上段の「噴水滝」が見えてきた。
核心の斜下降トラバース。
核心の斜下降トラバース。
(Y)
細かいスタンス、ホールドがいちいち信用できん
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
細かいスタンス、ホールドがいちいち信用できん
(Y)
最後の最後が苦しかった
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
最後の最後が苦しかった
手前が落ち口。こんなトラバース。
手前が落ち口。こんなトラバース。
噴水滝。当然だが、ここに来なければ見ることはできない。
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噴水滝。当然だが、ここに来なければ見ることはできない。
トラバース近接撮影。
トラバース近接撮影。
ようやく登攀終了で溯行開始。登攀4時間半でした。
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ようやく登攀終了で溯行開始。登攀4時間半でした。
上はパッと開ける。
上はパッと開ける。
(Y)
支流にかかる滝だが…
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
支流にかかる滝だが…
(Y)
本筋にも滝がかかる
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
本筋にも滝がかかる
大滝上に最初に現れる直瀑。この捲きがいやらしかった。
大滝上に最初に現れる直瀑。この捲きがいやらしかった。
(Y)
4〜5Mが何本もかかり、登攀・巻き共に楽なものは無かった。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
4〜5Mが何本もかかり、登攀・巻き共に楽なものは無かった。
(Y)
結局ロープ出すこと数回
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
結局ロープ出すこと数回
(Y)
ちょっと曇ってきて、水を浴びると体が震える
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
ちょっと曇ってきて、水を浴びると体が震える
(Y)
詰めも垂壁、藪など枚挙にいとまが無い。
久しぶりに体力切れ切れで精神力だけで登った。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
詰めも垂壁、藪など枚挙にいとまが無い。
久しぶりに体力切れ切れで精神力だけで登った。
(Y)
登山道に這い出た。
未踏の大笠山だが、行く気力は微塵もなかった。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
登山道に這い出た。
未踏の大笠山だが、行く気力は微塵もなかった。
(Y)
全員ヘッデン装着。
下山開始です。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
全員ヘッデン装着。
下山開始です。
(Y)
土台しかない避難小屋跡。
ホースから水が出てた。
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
土台しかない避難小屋跡。
ホースから水が出てた。
(Y)
前笈までのアップダウン。
「フカバラの尾」の激下り(しかも浮砂利付き)
垂直梯子のおまけ付きだ
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
前笈までのアップダウン。
「フカバラの尾」の激下り(しかも浮砂利付き)
垂直梯子のおまけ付きだ
(Y)
そしてフィナーレは大畠谷橋
2013年09月24日 23:52撮影 by  DSC-TX20, SONY
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(Y)
そしてフィナーレは大畠谷橋

感想

ボス(mt2702氏)に「行きたいところがある」と言われ見せてもらった写真が大畠谷の大岩壁。
ここ数年計画してはいたものの、天候に恵まれずに延期となっていたそうな。

そして今年ついに計画が実行されるとのことでお誘いを受け、二つ返事でついて行くことになったのでした。
(前書き)


沢登りを初めて1年生の私は、大畠谷についての情報はBOSSの写真だけでしたので、「あの岩のどこを登るんだよ…」と岩壁の事ばかり考えていましたが、今回の遡行は岩壁ばかりではなく そこに至までの行程も連続徒渉・大滝の巻き・藪トラバースからの懸垂・微妙なヘツリやボルダーチックな乗り越えと枚挙に暇がないほどのボリューム。

様々な要素で体を揉まれ ヘロヘロになりながらたどり着いた二俣大岩壁の光景は 記録としてみた写真とは異なり記憶として忘れることはないでしょう。


今回は初めて沢中泊を経験。
焚き火を起こし 月明かりに照らされた岩壁を眺め 落ち着いたひとときを過ごしていると、日常の慌ただしさを完全に忘れられ 体に疲れはあるものの心はとても穏やかな気持ちになり 苦労してここまで来たことが凄く嬉しいことに感じた。


夜は岩壁から吹き下ろされる風で少々冷えたが、シュラフカバーがウインドブレーカーの役割を果たしたのか(あるいは3人中真ん中で暖かかったのか)底冷えするほどではなかった。(それでも数回目が覚めた)


翌朝早朝
すっきり晴れ渡った空が赤く染まり、次いで岩壁も赤く染まる。
早起きは苦手だが今日は早く起きて良かった。(ボスは珍しく熟睡で後から起きたが、準備は一番早く 結局私がお待たせさせてしまった。)


早速滝下にたどり着き登攀開始。
ボスがトップで私が二番手 NKCさんがラストで登る。

1ピッチ目の登り
出だしからボロボロ崩れる細かい手がかりのスラブを10数メートル登った頃 「ローカル沢の小滝を登ってりゃよかった」「来なきゃ良かった」と内心激しく思ってますた(笑)

2ピッチ目
幾分傾斜がゆるんだイメージのルンゼ状であったので1ピッチ目とは雲泥の差で気持ちが楽(そもそもセカンドだし)
と言いますか、既に高すぎて地面のイメージが湧かなかったからよかったのか?

3ピッチ目
ルンゼの切れ目から灌木沿いに行ってカンテに出ると思ったら普通に直登(終了点がカンテだったけど)
1ピッチ目よりは悪く感じなかったのは生意気にもクライマーズハイか?

4ピッチ目
カンテを行く。終了点の支点が効いてないらしく(どの場面でもそうだが)多少緊張。
浮き石量が凄いが、まあ何とか。
(次のピッチで滝の落ち口へ行く場合、この位置取りがかなり重要)


5ピッチ目(核心)
滝の落ち口への斜滑降トラバース。
ボスがルート上を掃除(石を払い落す)してくれたのですが、私のルートが微妙に違うようで ちょいと時間をかけてしまった。
安全圏までの最後の1手が最も悪く 最後はホールドにしがみつき靴のフリクションでズルズルしながら落ち口へ到達。

全編を通して こんなところをトップで行けるボスの凄味を味わい尽くした。


落ち口からしばらくは登攀後のご褒美とばかりに水流で削られた白さの目立つ容易なゴルジュ。

これで「キツイ所もおわりかぁ、大笠山からの眺めはどうだろうなぁ」なんて一本立てながらのんきに考えていましたが、その後すぐ甘い考えは吹き飛ばされる。

ヌメル小滝、シャワー小滝、登れないから巻き上げたらスラブで行き止まり、ズルズル泥壁でバイル連打+腕力で無理矢理這い上がる
、腕を上げるのがおっくうになるほどの根曲がり竹のヤブコギ。 
悲鳴を上げながら登山道に出たときは既に17時近く
そこから三時間近くかかったアップダウン+急傾斜の下山路

登山口近くのハシゴが見えるまでの時間帯は大滝登攀より短いが 体感的には遙かに長くツライ道のりでした。

右俣を溯行して20年近い年月が経つ。その間、下流部の支流を含め、この境川には幾度となく足を運んできた。しかし唯一残された谷があった。それがこの左俣大滝だった。

圧倒的な岸壁がそびえ立つ二俣の絶景は、写真で見るのとは違って実際は凄まじいほどの威圧感がある。しかし20年前は自分の力量も未熟だったため、また計画のすべてをパートナーに委ねての溯行だったためか、いつしか意識の中ではこの谷そのものを軽んじてしまっていた。

今回20年ぶりに再遡行してみると、この谷の緊々とした渓相に見事に圧倒されてしまった。こんなに厳しい谷だったのか、それが今の正直な印象である。

よく知った下流部をなんなくこなし、大谷を越すと大畠谷の本当の姿が見えてくる。しかし余りに長い年月を経てしまったために、この先の記憶は実に曖昧だった。

満天の星空と、煌々とした、月明かりに照らされて浮かぶ大岸壁を背景に、私たちは盛大な焚き火を囲んで一夜を過ごした。しかし岸壁からは、まるで振り下ろすかのような谷風が常に流れ込み、壮大な景色の中の豪勢な一夜とは裏腹に、この谷底はあまりにも寒かった。

前日から、どこから登り始めるかを考え悩んでいた気持ちも、その真下に立ったときに吹っ切れた。私たちは滝の左岸ラインに進路を見いだし、そして4時間半にわたる登攀を開始した。

ボロボロと崩れる岩壁と、ロープによって振り落とされる落石、そしてピンを打ち込むとごっそりと周りの岩が割れ砕けるという、精神衛生上好ましくない中での登攀は想像以上に神経をすり減らした。中でも5P目においては下り気味のトラバースが予想以上に悪く、落ち口である噴水滝が目前にあるにもかかわらず、なかなか近寄ることができなかった。

しかし然しものの左俣大滝も滝上に出ればその勢いを落とし、谷は一気に温和しさを見せた。とは言え、まだまだ左俣は終わらなかった。大滝登攀達成の充実感、難関を越えたという重圧からの解放感は、詰めに現れた難儀な小滝群で見事に打ち砕かれ、一層の疲労となってパーティーに重くのしかかってきたのだった。

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コメント

おおお…
おばたきたん、ですか…
うーん。すごい。
とただただ驚くばかりでしたが、
ボスの感想を読んで、少し安心というか、、
そんな気分になったのでした。

しかし滝とボスって合いますよね。
滝を攀じるボスはかっこいいなぁ〜〜
2013/9/27 22:23
お恥ずかしい・・・(^0^;)
日頃自分の写っている画像などほとんど見ない(見られない)のですが、こうして見てみるとなんとも恥ずかしいというか、なんというか。キャー(^0^;)/

M_TERAさんも是非この谷に訪れてみてください。白山境川はなかなかいい谷ばかりですよ〜
2013/9/27 22:38
いや〜かっこいいですよ〜!
ゲレンデマジックならぬ、アルプスマジックみたいな効果も期待してください(笑)
でも冗談でなく、今年渾身の一本ですよね? すばらしいです。
地形図を眺めていて見つけたおそろしく長い毛虫マーク…、調べると有名な沢らしくて。私には一生無理な領域だと思っていたので、驚いちゃいました。そんな「くろうとの沢」と認識する、谷です。
2013/9/28 11:41
背は伸びる
> 調べると有名な沢らしくて。私には一生無理な領域だと思っていたので、驚いちゃいました。

私も20年前はそう思っていました。でも、よいパートナーに恵まれ溯行することができました。要するにこうしたきっかけがあれば、たいがいどうにかなるものです。

目標は常に高くして、手がちょっとだけ届かないような位置に置いてください。そうるすと、ある日「あれっ?」とそこに手が届くようになっていますから
2013/9/28 19:58
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