紅葉の空木岳
- GPS
- 27:00
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,584m
- 下り
- 1,584m
コースタイム
(29日)6:35駒峰ヒュッテ-6:50空木岳山頂-7:20駒峰ヒュッテ-8:00駒石-8:30空木平分岐-10:00迷尾根入口-10:50大地獄小地獄出口-11:25マセナギ-12:20水場-13:50下山
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山道入口にポスト有(用紙、筆記具は無し) ・温泉は駒ヶ根エリアに多数(今回はこまくさの湯を利用)。 ・名物ソースカツ丼が食べられるお店も多数。 ・行程は長く、結構体力勝負です。 ・水場までは比較的穏やかな道ですが、それから段々岩混じり、急坂等が出ます。 ・大地獄小地獄〜迷尾根までが、痩せ尾根での梯子、鎖の続く危険箇所です。 分かり易く難所の大地獄小地獄を抜けても油断禁物、道幅の細い急峻な 崖上のトラバースが続く、迷い尾根での重大事故が頻発しています。 ・空木平分岐から先は眺望が開けます。山頂付近〜縦走ルートでは、悪天時の 行動は危険があります。天気をよく確認し、体力的にも無理のないプランを。 |
写真
感想
週末はどこへ行こう…
最近あまり登れて居なかったので、体重増加に体力低下…どれだけ登れるやら。
登り始めてダメならダメでエスケープ、ピークは踏まずとも山を歩き愉しみ、
そして気持ちよく判断し無理なく帰る、そんなのもまた良いかと思いました。
去年千畳敷からの縦走で中途敗退した空木岳が心残りでしたが、池山から登っても
それはそれで、5〜7時間目安、しかも難所有で大変そう・・・いつも2の足を踏ませてくれる山域です。がしかし、そう思え慎重になれる事も大切かも。
途中でじっくり仮眠もとりつつ、先週に続いて駒ヶ根へと向かいました。
狭い荒れた林道を車で慎重に登っていくと、やがて車の列が道端に。
後ろから来て先行していった車の方が、「上はいっぱいだけどUターンは出来るよ」と教えてくれ、自分もそれに倣って登山口からUターン。
車を停めてからザックの中身を吟味しパッキング、着替え、食事…スタートがすっかり遅くなってしまいました。先程の方ももう登って行かれたようです。ちょっとスタートには遅すぎますが…途中小屋もあるし。まー体力と相談しながら・・・とのんびり構えました。
降りてくる人には出くわすものの、登りの人にはなかなか会いません。でも、トレランをされている女性の方が後ろから追いついてきて、ペースが速いので先に行かれました。池山小屋付近の水場に着くと、先程駐車場でお会いしたご夫婦が。aircanadaさんご一行でした。話をしていると、どうも目的地や目論んでる到達時間、ペース、経験量等、結構近い感じが…お話しながら一緒に登る内に、段々と山旅仲間の雰囲気にさせてもらって来ました。
途中、自然を楽しんだり、大地獄小地獄の難所を緊張しつつも声をかけあって進んでいったり、眺望の感動を共有したり…充実感ありました。
大地獄小地獄は、どこからが大でどこからが小かはよく分かりませんでしたが、
何となく丹沢の尾根が一番痩せた辺りや、奥沼津アルプスの核心部を彷彿とさせる岩場鎖場などが続いていました。足元も滑りこそしないもののザレ気味の箇所が多く、通過には40分程要しました。
そこを抜けるとそのまま迷い尾根に突入。道幅が細めのトラバース道ですが、ナンか道の外の絶壁っぷりが中々の角度・・・うーん、落ちたらヤバイかな助かるかなレベル。
大地獄の緊張感あるアスレチックを抜けた後なので、でも気を少し楽にして進んでいました。
途中ちょっと崩れて景色が開けた場所があり、南アルプスが見えていました。わー、と景色を見ていると、進行方向先の梯子の上から降りて来ているおじさんが。
「お先にどうぞー」声をかけると、「ヤダヨ。こっちまで先に上がってきな。そこ2人落ちて死んでるトコなんだから」。
ゾゾゾゾ…っとしました。おじさんを見ると、遭対協の方でした。実際にレスキューや収容に当たられたり、危険箇所を整備しなおしてくれたりして、安易に危険に身をさらしてしまう登山者に苦い思いもされてるのでしょうか…
迷い尾根では、難所を越えた直後のこの短い区間で、8人もの方が命を落とされてしまっているとの事でした。そう何という事は無い道にも見えるのですが、やはり難所を越えた後の緊張感の途切れから、ちょっとしたスリップや躓きで転落してしまうのでしょうか。ついこの間もその倒木の所で…その後木をどけて整備したんだよ、と仰っていました。
そういう事実もあるんだな、という事を肝に銘じ、長い行程で疲れが出たり体力不足や注意力の途切れる瞬間なんかも来ますが、事例から学ばせて頂き、そういうマネジメントを今一度しっかりとしていこうと思いました。
難所を抜けてもまだ先は長い…途中垣間見える山頂方面はまだまだ先に見えました。
それでも、樹林の合間から空が見えてきたり、紅葉が出てきたり…といった事から、
高度は1歩ずつ稼げているんだな、と実感、元気を出して行きました。
空木平では、黄色と赤の紅葉が見事でした。途中何度も立ち止まり、ついつい写真を撮っていました。テントを張っている方1人、小屋で休んでいる方1人。自分達は、山頂直下の駒峰ヒュッテを目指します。
最後の急登を登り終える頃には、日暮れが近づいていました。本日小屋は53人、かなりいっぱいです。ビールを買って、シュラフを借りて、ほっと一息…つく間もなく、土間で食事に。自炊小屋なので、ですが、そういうのもまた良し、です。
食料を沢山担いで来たので、いろいろぶちこんだ猫まんまを作成。アルファ米に鍋キューブに味噌汁に焼き豚に…ガッツリメシでした。
食事が終わるともうすぐに消灯の時間。中々寝付けず、気がつけば0時半。それまでの間は、暗い中、日常を離れて瞑想。今なぜ山に来ているか、忙しく過ぎて行くばかりの日常の中、自分はどこへ行きたいのか、直近の、親しい人達とのこれからの関係、これまで過ごして来た人生…いろんな事が頭をよぎります。
窓からは、満天の星空が見えていました。
周囲では、高低の音程がついたLRステレオのイビキや、そこへ時々聞こえる歯軋りパーカッションなど、中々賑やかでした。外はきっと氷点下ですが、2800m超の山の上で、小屋があるから、人が沢山居て身を寄せ合っているから、多少うるさくても狭くても、寒くもありません。何だか不思議な気持ちでした。
翌朝、雲ひとつない快晴の空。
段々朱に染まっていく空木岳の山肌。南アルプスの稜線のシルエット。
4時半になると皆一斉に起床していそいそがさがさと出発準備。もう少し寝ていたかったけど、それドコじゃない感じでした。人がはけてきてから、朝の食事。昨日のアルファ米だけじゃイマイチ回復しきれてない感じだったのでカップ麺を追加購入、2杯行きました。
夜明けの景色を愉しみ、空木岳の山頂へ。中央アルプスの連峰が見え、どちらを見ても、名山の数々が見えました。
白砂と花崗岩が緑の上に乗っかった稜線。その下に広がる紅葉。中央アルプスらしい景色でした。
帰りは、尾根のほうを通過。駒石を見たりしながら、長い行程をボチボチのペースで。aircanadaさんご夫妻のおかげで、楽しみながら行けました。
迷い尾根〜大地獄の難所では、さしかかる前は緊張もしましたが、前後と途中の安定した場所で一息いれつつ、落ち着いて無理なく通過できました。
池山小屋付近の水場の水の美味しかった事。ひんやり冷たかったです。
帰りは、温泉に立ち寄り、ソースカツ丼を食べてから解散しました。
百名山のれんにバッジをつけてコレクションしていますが、下から2段目の列、
20座が今回でコンプリート、計50座弱になりました。今の力で登れそうかなと
思える山が現在75座程、山行後に紀行文を読み追体験するのも楽しみの1つ、
無理なく体作りを続けながら、これからもまた登っていこうと思いました。
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