強風吹きすさぶ地蔵尾根を登り赤岳へ
- GPS
- 09:52
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,324m
- 下り
- 1,327m
コースタイム
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 9:58
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地蔵尾根の鉄階段と急勾配の鎖場は慎重かつ確実なステップで登りましょう。 |
その他周辺情報 | 立川市民がリーズナブルに利用できる立川八ヶ岳山荘に宿泊 |
写真
感想
地元のランニングチームメンバー8名で赤岳登頂を目指して赤岳山荘登山口を早朝4時に出発し往路は南沢コースを辿って行者小屋を経由し地蔵尾根を登り稜線へ、そこから赤岳山頂を踏んだ後、中岳分岐まで下ってたら、文三郎尾根を下り、行者小屋へ、復路は北沢コースを選択し、赤岳鉱泉から赤岳山荘に戻るコースを選択しました。
今回、八ヶ岳の主峰赤岳の登山計画を立てランニング仲間から希望者を募ったら総勢8名から参加希望がありました。
やはり、気心の知れたメンバーと行く登山はすごく楽しいので、今か今かと指折り数えるくらいに楽しみにしていました。
1週間前から毎日下手したら毎時、天気予報を暇さえあればチェックする日々、低気圧や前線の影響もあり、すっきりとした秋晴れの快晴という予報には一切ならず、数時間ごとに刻々と天気予報が変化する状態でした。
ここまで天気予報を気にする理由の一つは、今回、日帰りではなく、下山後、立川市が運営する立川八ヶ岳山荘に宿泊する予定であること、ちなみに立川市民は宿泊費2000円、プラス朝晩飯が豪勢な料理で2600円余りで晩飯に生ビールを付けても5200円足らずで宿泊できるので立川市民の特権を今回は上手に利用したい。
但し、山小屋のように天気の急変やコースタイムの遅れなどで、前日や当日キャンセルみたいなことが簡単にできないしキャンセル料がかかってしまう。
また今回、初心者が3-4名ほどいたため、山行が雨となると危険度も高くなり、楽しい登山のはずが、なんのために行ったのか?わからないくらいつらくきつい修験者の荒行のような登山になってしまわないようにしたい。せっかくなら、山頂から素晴らしい絶景を拝んでいただきたいという願いからでした。
前日の天気予報ではなんとか、山行中は雨は振らないまでも山頂では風速20m近くの強風が吹く予報でした。
登山天気の示す登山指数は1週間前はA、3〜4日前からは登山指数がDと悪化して、当日をむかえても変わらずのDでした。
「登山天気」は有料版のアプリですが、私が最も信頼する天気予報アプリだと思っています。
これまで、予報が大きく外れたという記憶はなく、ほぼ、だいたい予報通りになっているところが素晴らしいところで愛用させて頂いております。
ただ、予報では午前9-10時頃に曇り時々晴れマークになっており、もしかすると?、晴れ間から下界が見えるのでは?というかすかな期待を持っていました。
深夜1時に立川を出発、中央道甲府あたりを走行している際に八ヶ岳方面の夜空を見上げると、まったく星は見えず、曇っている状態でした。
空が曇で覆われているというときは、赤岳は2899mなので山頂は雲よりも上になるので、もしかすると雲海が拝めるのではないか? という期待もふくらんでいました。
諏訪南インターを出たときには、視界は少し白く霧の中に覆われている感じでした。
今回の登山口は美濃戸口から、更に奥深く車を乗り入れなければならない赤岳山荘です。ここまで車を乗り入れることができれば、山頂までのコースタイムも1時間ほど短くなるので、何時に赤岳山荘に到着すれば駐車場が空いているのか? また、何時に赤岳山荘を出発すれば、午後2時頃に下山できるか?を逆算して計画を立て3時に駐車場に到着、4に時出発としました。
美濃戸口から赤岳山荘までの道のりは、一般車両が普通に通行できるような舗装された道路ではなく悪路の連続であることは、以前ヤマレコの山行記録を見ると多数あったのである程度は覚悟していました。
今回、参加したメンバーのさとしさんは、数年前に赤岳山荘に車を乗り入れた経験があるということで
その車のあとを何の疑いもなくついていきました。
美濃戸別荘地周辺に入ったところで、鹿の群れに遭遇しました。6-7頭の群れです。車のヘッドライトがあたると、こちらを一度凝視してからあわてて道をあけました。恐らくは人が出歩かない時間帯を見越して毎夜、ここらへんに現れるのでしょう。
その後、先頭を行く仲間が車を止めると車をUターンさせたので理由を聞くと、道をロストしたということでした。
一度来たことがあるが、しばらくぶりだったので記憶が定かではなかったようです。
この赤岳山荘に向かうには、純正ナビゲーションではここらへんの詳細な道は表示されず正確な道案内ができないようです。
今度は私の車が先頭車両になり、Google mapを使って道案内させます。
しばらく走ると、鋭角に曲がらなければならない右折ルートを案内してきました。そこで車を止めて車から降り、その道を眺めるととても、車が通行できる道ではないことが、わかります。
後続車の仲間に近づき、道案内ではここを右折となっているが、この道は登山道じゃないでしょ?と話しかけると、仲間もGoogle mapだと、やはり、ここを右折と表示されている。
この道はあきらかに車が通行できる道じゃないしなあ。おまけに舗装されてない。
とにかく、真っ暗だし、登山道と書いてあるが、道の先が暗くて見えない。
ちなみにここまでの道には、小さな電球みたい街灯が付いていました。到底、車で走れる道じゃないと判断し、そのまま直進しましたが、やはり、しばらく走ると、さっき鹿と遭遇したところに戻って来てない?と仲間が言ったのをきっかけに、また再びUターンして、先頭を譲って先ほど止まったところまで戻ると、記憶を思い出したのか、そこから左方面に疑わずに入っていきました。
思っていたよりも数倍も悪路で、普通の砂利道ならまだ全然、いい方です。
私の車はかなり旧式のステップワゴンですが、車が左右に大きく揺れます。
路面には大きく陥没したようなへこみがあるので、まともに通行すると、車の底を擦ってしまう恐れがあり、オイルパンや燃料タンクなどに穴をあけてしまう可能性があるので恐る恐る走ります。
正直、真っ暗なので、路面の凹凸の大きさが肉眼では捉えきれません。
上手に凹凸をよけたつもりでも何度か車の底を擦ってしまいました。
轍の跡もかろうじてついていても、逆に轍が深くて、それはそれで車底を擦りそうな感じで怖い。
感覚的には登山道を車で走っている気分でひやひやしながらの運転です。だから、ヤマレコの書き込みに車高が高いジムニーや4WDが最適だと書いてあったのかあ!と。それを証拠に帰りの北沢コースの赤岳山荘手前にこの山荘の人たちが乗る車が4〜5台駐車してあったのですが、全て車高の高い4WDタイプの車でした。
どのくらい走ったか、時間が長く感じましたが、恐らくは30分くらいはこのような悪路をゆっくりと走っていたと思います。速度はせいぜい10kmほどしか出せなかったと思います。
しばらくすると、駐車場と建物らしきものが見えてきたときには、安堵感が! やっと着いた!
と思った瞬間、待ち合わせしていた仲間のまほさんがやまのこ村建物の前に立って待っていました。
その仲間は有給休暇を取り八ヶ岳に前日入りすると言っていましたが、どこに行くのか?など詳細は聞いておらず把握していなかったのですが、
まほさんは、いつも山に入るときは、単独で山に入ることが多いのですが、用意周到にハイテク機器を駆使し、完璧な計画を立てて山に入るようには見えず、かと言って、無茶苦茶な行動をとるわけでもなく、でも、実はちゃんと頭の中では計画を立てている人なんですが、昨年も八ヶ岳に登りかけて、帰りの電車に間に合わないと思いきや、途中で引き返すような計画的ではない気ままな登山をされると言われたら叱られそうですが、思い立ったら登山に出かけるみたいな方です。
奥多摩の山をあちこち一人で散策するくらい山慣れしてるし、しっかりと装備も持たれている人なので、全然、心配はしていなかったのですが、なんで、前日入りして何をしていたんだろうか?と
前日の夕方17時25分頃に到着しました!と赤岳山荘と駐車場の画像にメッセージをそえてLINEに届きました。
どこから歩かれたのですか?という仲間の問いに、清里駅からタクシーとリフトと徒歩。詳細は内緒と書き込まれていました。
合流したら、どこを歩いてきたのですか? と聞けばいいと思っていたので、こんな寒い中、外で待っているわけないなあ、赤岳山荘に宿泊したんだろうなと勝手に思い込んでいました。
話はもとに戻します。車で道迷いしていたこともあり、予定よりも30分くらい遅く到着しました。3時到着予定が3時半ころになっていたと思います。
駐車場から夜空を見上げれると星が瞬き山頂での天気がかなり期待されます。仲間のさとしさんが、ヘッドライト、ストックなど複数持っていたので、それを仲間に貸し与え、トイレを済ませて、予定通り4時に出発しました。
8人で隊列を組み標高を上げていきます。さとしさんが先頭を引っ張り、私が最後尾につけて登っていきます。最初のうちは、和気あいあいと会話しながら一定間隔で登って行きましたが、8人となると、次第に先頭集団と後方を歩くメンバーとの間隔が広がっていきます。みんなとのペースについていけないメンバーも必死についていこうとするものの、中々、足が前に出ず、口数もなくなってきて、かなり、きつそうな表情を浮かべていました。
一生懸命声をかけながら奮起を促し続けましたが、一向に晴れることはなく、先頭と後方集団とに差が生じてくると、先頭集団が止まっては、くっつき再スタートを繰り返していたので、先頭は早いから後続が追いつくまで止まって休めるけど、後続の遅い人は追いついたと思ったらすぐに動き出されるために休む暇もなくレースに出ているような気分ですと、(後から聞いたご本人の感想ですが、このままではリタイアも覚悟していたと話していました。)
このままはまずいと思って、私が先頭となり一行を引っ張る形にしました。
ペースの遅いメンバー二人を私の後ろに入れて目の届く位置に変更しました。こうすることで顔色を見ながら、ペースメイクできるようになっていきました。登り始め、しばらくしたところで一人で登山をする年配女性と遭遇したのですが、その方は、たまたま道迷いしているところに我々と遭遇しコースに復帰することが出来たとのことでした。このままでは赤岳山荘に舞い戻ってしまうところだったそうで、我々に遭遇して良かったと言う話をされていました。しばらく我々の最後尾につけて行動をともにされていました。その方も歩いているうちに道を思い出したのか?行者小屋は、あともう少しと声をかけてくれていました。それでもなかなか、行者小屋が見えてきません。お先にどうぞと声をかけましたが、いや、また迷ってしまっては怖いのでしばらくはご一緒させてもらいます。と答えられていましたが、それでも我々の隊列が止まって休憩している間に、やはり遅いと感じたのでしょう。
お先に行者小屋に行っていますと声をかけて先に行かれました。
しばらくすると行者小屋に到着しました。
先程の方が待っていてくれ、赤岳をバックに集合写真を撮ってくれました。
その後、その方は文三郎尾根を登られるとのことで先に進まれて行きました。
我々はここでトイレ休憩と軽食を取りました。
行者小屋では、山頂でカップ麺とお手製のシチューを調理するために私はあらかじめ用意していた2リットルの水にプラス2リットルの水を補給し、合計4リットル背負いました。
いつもテント泊装備で20垓瓩げ拱を背負ったりしているので、これしきの重量なら問題ありません。
ここから急な上り坂の地蔵尾根を登りますが、一人トイレに行っている間に、少しペースの遅いメンバー二人を引き連れて、先に進むことにしました。
そのうちの1名は小屋前では足も攣り体力的にもかなり、きついと悲鳴をあげていたので行者小屋手前でメンバーから、塩飴や足攣り漢方薬を提供され服用していました。早速、行者小屋でおにぎりをほうばったこと漢方薬を服用したこと、それと呼吸法や歩き方についての助言も上手に取り入れてコツを掴むことができたようで、みるみる回復していき、生まれ変わったようにペースアップして後続を引き離して登っていきました。
こうして歩く順番を入れ替えることで、私からも後ろを振り向きながら後続の表情を伺いながら、加減速が出来ますし、その方も追いかけなければならないという義務感から、自らが隊列を引っ張らなければならないという責任感にマインドが大きく変化していくことでグループ全体のペースも安定していくんだなあと改めて感じていました。
地蔵尾根ルートは行者小屋から見ると、八ヶ岳の主稜線までは、標高差350mの急登です。そそり立つ岩壁が行く手を遮っている感じです。
あんなところ取り付くところがあるの?
ほんとに登れるの?と思ってしまうくらい急に見えます。どんな登りなんだろうか?とワクワク感と不安感が入りまじり登って行きます。
行者小屋から、しばらくは針葉樹林帯の中の登りですが、それもあっという間に樹林も無くなり、ザレた登山道に石段が設置されよく整備された登りです。
鉄の階段が現れるところから急な勾配の岩壁に移っていきます。
初心者からすると、これが不安と恐怖をそそるところだと思います。ジグザグに登りながら登っていくと、更に急な勾配になった鎖場が現れます。ここらへんが地蔵尾根最大の難所と言われています。
この登山ルートの左右は赤茶けたゴツゴツとした迫力あるリッジ(岩尾根)や岩壁が下の下まで切れ落ちていたルンぜ状(岩溝)になっているので、否応なく緊張感がましていきます。また、高度もあり、空気も薄くなり、ドキドキ感も合わさっておのずと呼吸も激しくなっていきます。
この地蔵尾根を下ってくる登山者もいて、お互いに様子を伺いながら譲り合いすれ違います。
最初は後続のさとしさんに、先頭に追いつき接近せず一定間隔をあけるようにお願いしていましたが、そのうち、完全に集団が2つに割れていました。
我々集団も2つにわかれたので、第二集団グループの状況を上から見守りつつ、先に進むメンバーも、一人だけにしては危険だと思いながら、私も第二集団を気にしつつ、前を行く仲間を追いかけ慌てて鉄階段を急ピッチで登って行きます。ここに設置してある鉄階段はステップ部分の幅は狭く、また手すりは片側のみなので片側は良い意味でも悪い意味でも開放的に空いています。これも怖さを助長しているのだと思います。
記憶ではこの小さな階段がいくつかありましたが、特に長い階段があってそこで下りの方とすれ違ってから左90度に折れ曲りながらトラバースしていく階段もありました。相変わらず、風は強いです。
後ろを振り向けば、眼下には行者小屋が、そして遥か彼方には蓼科高原が眺望できます。
そして視線をそのまま左に移すと赤岳と阿弥陀岳
右手には横岳から蓼科山に連なる八ヶ岳連峰の稜線が
一望できて、八ヶ岳山麓のの大迫力な展望が楽しめます。
途中、私達を見守るようにお地蔵さんが1体立っているのですが、1年365日春一番の風が吹くときも、夏の太陽が照りつけるときも、また、台風や雷雲が通り過ぎるときも、晩秋の木枯らしの風が吹くときも、そして白銀の世界に覆われているときも、この地蔵尾根を登っていく登山者を優しく見守ってくれているんだなあと思うと、感慨深げになります。
そこでてつさんと小休止したときにそのお地蔵さんの顔をのぞき込むと、少し笑みを浮かべているような、それでいて強く優しい雰囲気を持つお地蔵さんという印象でした。
帰宅後、改めてよーくお顔を見ると、かなり彫りも深く、小顔だし、すごく凛々しくイケメン地蔵さんなんだなあと思うと、また、ここに会いに行きたいなあとも思ってしまいました。今度、登られる方は顔の表情を是非、チェックしてみてください。
ここまで登ると八ヶ岳の主稜線もしっかりと確認でき、赤岳展望荘も確認できます。
空を見上げれば青空に湯気っぽい白いガス混じりの雲が勢い良く流れているのが確認できます。稜線に出た瞬間にかなりの強風が吹き付けて来るだろうことは想像か出来ました。山頂までもうすぐだと感じてくると、てつさんの表情もおのずとやわらいできます。てつさん自ら横岳をバックに撮ってくれないか?と自らリクエストがあったので少し不安もやわらぎ、余裕も出てきた感じで、とてもいい表情をしていて、ご本人の記念すべき写真になったのではないかと思います。
時計で標高を確かめると2700m以上だったので残りの標高差も100mをきり、あともう少しです。
山頂手前の登山道には比較的大きめの石が詰め込まれた金網状の壁が設置されています。これだけの人口建造物は山道でも小屋の手の届くところでないと、なかなか用意できるものではないため、山頂か小屋が近いことが伺い知れます。
こうしたものは登山者を守るために日々、登山道を整備してくれている山小屋の方々のおかげです。
そして、地蔵の頭が見え一気に稜線まで登り切ると地蔵の向こう側一面には、雲!雲!雲!雲!雲!の雲海が広がっていました。何度も見ているはずなのにどうしてこんなに毎回、息を呑むほどに感動するのだろうと、今までの疲れが一気にどこかへ吹き飛んでしまうんですよね。その証拠にてつさんの変わりようには驚きでした。
稜線に上がり地蔵さんの向こう側に広がる雲海を見た瞬間、今まで移ろい気味だったてつさんの表情が180度がらっと切り換わったんですよね。正確になんと話したか?忘れましたが
「わあ〜スゲーッこの景色」だったか? 「いやー自分の足で登ってきたので達成感がすごいですね」だったかなあ?とにかく、私から、来てよかったですか?の問いかけに「本当に来てよかったです!有難う御座いました。」と言ってくれた時は、本当にお誘いして良かったなあと思える瞬間でした。
そして、みんなが到着するまでの間、てつさんと私はその雲海を写真に収め、地蔵さんと雲海と外界の景色をバックにして交互に撮り合いました。
その後、さとしさんが登って来て、「富士山が雲海の上から顔を出ているよ」と教えてくれ、私も気が付きませんでしたが、5合目あたりから上の山体部分が雲海から出て、はっきりと確認出来ました。
てつさんは、「この高さだと富士山も雲海から顔を出すんですね」とさらなる感動を味わっていました。
その後、仲間が一人また一人と登ってきて、稜線の向こう側に広がる雲海を眺めながら、写真に収めていました。強風が吹き荒れ体温が奪われないようにレインウェアの着用を促しました。ほぼ予定通りのタイムで来ていたが、これだけ強風が吹いていると横岳へのアプローチは危険と判断し、そのまま赤岳山頂を目指すことにしました。
全員が登り終え赤岳展望荘に向かいました。
赤岳展望荘の東側なら風もしのげるのではないかということで、行ってみるとベンチが設置され、風も静かになっていたのでここでカップ麺食べようか?と提案したが、これだけ風が強いので下山してという案が出ました。私も行者小屋で2リットル水を付け足しここまで登ってきたので無駄にはしたくないなあと話し
とりあえず赤岳山頂で風の様子を見てから判断しようということになりました。
一人赤岳展望荘でトイレに行っている間に、そうへいさんがあらかじめヘルメットに装着したGoProのバッテリーを交換して、音声コントロール機能を使って記録を再スタートしました。
マップでコースタイムを見ると1時間弱で登れることを確認し、稜線上は注意して歩きましょうと声をかけて、トイレ休憩で待っている間に、てつさんとそうへいさんを引き連れて一足先に登り始めました。
そうへいさんに冗談交じりに先程のセッティングしたGoProで後ろから記録してもらえるよう依頼して再スタートしました。
山頂付近は相変わらず風が強く、辺り一帯は白いガスで覆われ、その白いガスが稜線上を高速で横切るように気流が流れているのがはっきりと確認できるほどです。
後続も追いついてきました。自分も今朝からお腹に入れたのはおにぎり1個だけだったので、腹が減ってはなんとやらのとおり、流石に足が前に出ないことを実感し、風が通り抜けない山影で、しかも休めるスペースが無いのに、人も来ないしまあ、いっか〜と座り込みゼリーに食らいつきました。
その後、次々と我々の仲間が追いつき狭い山道を取り囲むように座り込みり小休止して待っていました。
標高2000mくらいの大菩薩峠で高山病になったと言うエピソードを持つケンジロウさん
今日は途中までは、比較的調子が良く、しゃべりも快調だったようですが、山頂に近づくにつれて高山病の症状では無いと自己分析しながらも、頭が痛くなってきたらしく、岩壁に座り込み休んでいました。
今日は終始、調子が悪かったみたいでお気の毒でした。ケンジロウさんはハセツネレースに何度もチャレンジする常連のトレイルランナーですが、いつも山ではお腹の調子を崩されているそうで、山には縁がないのかなあ。
ほぼ全員の姿が視界に入ってきたので、先頭も動き出します。山頂は目前です。
山頂直下は狭く、岩の向こう側を覗けば断崖絶壁が何箇所かあって、のぞき込むと、ガスってることもあり、下の下までは確認できませんが、すぅーっと吸い込まれそうになります。
みんなにも、ここ断崖絶壁だよって教えると恐る恐る覗き込んでいました。
私はみんなより、一足先に歩き山頂に到着する一人ひとりにお祝いの言葉をかけ、がっちりと手と手を握り出迎えました。八ヶ岳山頂山荘前の岩場に集まったメンバーを1枚記念に撮ろうと合図したところで、みんな思い思いのくだけたいい感じのポースで写真に収まってくれました。
山頂を示す、山頂標識は小屋の先にあり、全員揃ったところで移動して全員で記念撮影するつもりでしたが、とにかく、先程よりも真っ白なガスが山頂標識に勢い良く吹き付けていました。このままでは、うまく写せないなあと思いながら、小屋前でガスが晴れるタイミングを見計らっていました。
他の登山客、数名もこの強風を避けるように、一段下がったところで座って待機していました。
仲間からも、このまま待っていてもガスは晴れないから行っちゃおうと言われましたが、もうちょい待ってと返して、様子を見ていたところ、少し風がやわらいだところで一気に山頂標識になだれ込みなんとか全員集合で記念撮影することが出来ました。
さらに、代わる代わる一人ずつ記念撮影もしました。
下山ルートは予定通り中岳分岐まで降りて文三郎尾根ルートです。てつさんから、何度も、今、登ってきた地蔵尾根を下るのは怖いと頑なに拒否されていたためです。さとしさんは、以前、ご家族と訪れていたときに地蔵尾根をピストンしており、このルートで行きたい感じでしたが、ここは予定通りのルートで、しかも安全性の高いルートを選択しました。
山頂直下は急な岩場と鎖場が多く登り下りのすれ違いや落石させないように慎重に下りていけば問題ありません。このあたりから、少しづつ、ガスが薄くなり、阿弥陀岳の山体も確認できるほどになってきました。
山頂の姿は確認できませんが、皆、思い思いのところで足を止めて撮影していました。
文三郎尾根はマムート階段と言われる階段があります。マムートはご存知のとおり登山ブランドですが、この階段ステップにマムートのシンボルマークが付いていることから通称「マムート階段」と言われているようです。YAMA HACKの記事に記載された内容には
赤岳鉱泉登山道に協賛しており、階段を提供しているからと書かれていました。
全国の登山道でこのマムート階段は赤岳のこのルートだけのようで珍しいものを見させてもらったということですね。我々も登りは緊張感の連続だったので、文三郎尾根は階段の連続で単調ではありますが、安全に降りていけたのでてつさんはじめ、メンバーも良かったのではないかと思います。
この文三郎尾根を下りながら、右手から赤岳を見上げるように確かめると赤岳の山頂部分は、名前の由来になったと言われるとおり、酸化して赤褐色した岩肌と自然の成り立ちでしか形作れない荒々しい岩肌がむき出しになり、まるで鬼ヶ島のような雰囲気を醸し出しており、八ヶ岳連峰の中でも最高峰であるのと同時にその存在感は筆頭峰であることは言うまでもないなく、赤岳に登っているという実感を体感し楽しめるコースだと思います。
続くストーリーは編集中です。
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