ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 36751
全員に公開
沢登り
奥秩父

滝川水晶谷

2008年05月03日(土) ~ 2008年05月05日(月)
 - 拍手
GPS
49:30
距離
17.1km
登り
1,479m
下り
1,311m

コースタイム

5/3 天狗岩トンネル15:30−16:15滝川・豆焼沢二股C0
5/4 7:00 C0−8:00曲沢出合手前−11:30枝沢(遡行図では熊穴沢)手前の釣橋小屋−14:00ブドウ沢出合手前−15:50水晶谷と古礼沢二股−16:20二股先台地C1
5/5 7:00 C1−9:00奥の二股(1550m付近)−10:30 3段25mの滝−12:10 大滝上−14:20 水晶山直下−17:00 国道140号線沿いの道の駅
天候 5/3晴、5/4 晴のち曇、5/5 曇のち雨
過去天気図(気象庁) 2008年05月の天気図
アクセス

感想

5/3
 12:30に私と池田・穂高が西武秩父駅に集合。駅近くの名物(?)ワラジカツドンを食した後、元木と合流する。秩父鉄道のお花畑駅から終点三峰口へ。予定では三峰口からバスに乗り、秩父湖経由川俣で下車し、徒歩で天狗岩トンネルに向かうつもりであったが、滝川の出合で焚き火がしたかったので、タクシーで天狗岩トンネルへ(7280円)。

 15:30 天狗岩トンネル到着。ここから滝川に下るのは、地形図上の登山道を下るのだが、ほぼ廃道になっており、判りづらい。トンネルの少し手前のふみ跡から下る。急斜面で、少々嫌らしい。
 20分ほど下ると、おそらく旧道であろう明瞭な道に出る。小さい尾根沿いに下ると、滝川・豆焼沢の二股に繋がる道がある。トラロープが張られているので、それを目印にするとよい。

 16:15二股到着。ツェルトを張って、焚き火をする。薪が豊富で、うれしいことこの上ない。私は焚き火の脇で寝る。その他全員シュラフカバーだけだったので、大層寒いだろうと思ったら、元木は平気そうだ。強い。

5/4
 5:00起床。のはすが起床係穂高寝坊。朝食を取り、7:00 出発。
 滝川はいかにも奥秩父の沢らしく、沢は森の中を蛇行して進む。ひざくらいの深さの渡渉を繰り返し、ゆっくりと進む。5月初旬の沢の水はやたらと冷たい。当初は泳ぎも考えていたが、とても泳げない。

 8:00 曲沢出合手前。
 9:00 金山沢と槙之沢との中間部。巨大な淵があり、ゴルジュの奥に3mくらいの滝が見える。池田が泳いで偵察する(こんな冷たいのによく泳ぐよ)が、淵を泳いで突破して、滝に取り付くのは困難そう。左岸から巻く。巻き道がいやらしく、ロープをフィックスする。

 11:30 枝沢(遡行図では熊穴沢)手前の釣橋小屋。
 ここからゴルジュが始まる。途中、釜がサラシ場になっている斜瀑があり、滑って釜で巻かれたら嫌なので、高巻くことに。これが失敗。右岸の小尾根を越えて、落口に出ようとすると、小尾根の向こうは、岸壁になっている。 S字ゴルジュだったということ。
 懸垂下降で戻り、斜瀑は釜の右をトラバースし、水流右から登る。ゴルジュを渡渉し、直登し、越えると、河原になる。

 14:00 ブドウ沢出合手前。
 この付近の滝は、事前に注意をしていたところだが、思ったほどでもない。立派な門を思わせる8mは、右壁から登り、落口へのトラバースで、残地シュリンゲに助けてもらう。次の6mは左壁をこれまた残地シュリンゲに頼って越える。

 15:50 水晶谷と古礼沢二股。幕営適地は右岸にあるが、どうもあまり明るくないし、薪も少なそう。ということで、水晶谷に入り、 25分ほどの右岸にある台地で幕営することに。こちらは明るく、薪も豊富。これから水晶谷に行くなら、ぜひご利用ください。

 昨日はツェルトの設営に慣れていなかった現役も、すばやく設営できるようになった。焚き火を起こし、夕食にする。穂高は主将に食当を任せイワナ釣りに行く。釣果はイワナ一匹。後二匹は釣れたはず、と穂高は残念そうだ。焚き火で焼いて、皆で食べる。美味い。今日も私は焚き火の脇で眠る。

5/5
 5:00 起床。早速焚き火を起こし、暖まる。朝食を食べて、7:00出発。
 滝川本谷に比べて、水晶谷の水量はグッと少なくなる。源流に向かいつつあることを感じる。

 小滝をいくつも越えていくと、狭いゴルジュの奥に、形相の悪い10mの滝が現れる。面蔵滝だ。右岸から高巻く。巻き終えると、左に雁坂トンネルの通風孔がある。4階建てのビルのようである。この工事によって、水晶谷が荒れたと聞いていたが、確かに遡行図の記述と実際はかなり違っている。滝の数はかなり減っているはずだ。
 面蔵滝を越えて10m ・8mなどは右岸から巻く。高度感のある巻きなので心配していたが、皆落ち着いて越えて行く。

 さてここまで来ればあとは詰めるだけ、と安心していたが、ここからが大誤算。沢が狭くなり、ゴーロ帯になるにつれ、沢は尋常ではない倒木と、残雪に覆われてくる。実に荒れている。トンネル工事の影響だろうか。トップの穂高が四苦八苦しながら、ルートファインディングをするが、なかなか進まない。要修行。

 9:00 奥の二股(1550m付近か)。左の沢のほうが水量も多く、本流と思われるが、二股から見える 2 ・3の滝にべったりと雪が付いている。とても行く気が起こらない。右は水量が少なく、登りやすそう。こちらを選択する。 ここからは源流部だ。しかし相変わらず倒木と雪に悩まされる。水の冷たさが酷い。

 10:30 3段25mの滝に到着。1段目・2段目は右から簡単に登れそうだが、3段目が読めない。事前に3段目は水流跡のクラックを登るとあるが、現実は無理である。そもそも水流は跡どころか、どうどうと流れ、クラックなぞ見えはしない。水流沿いを行くにも、この水温では厳しい。とはいえ高巻くのもかなりの困難が予想される。3段目はなんとかして直登するほかない。
 行動再開。2段目までは難なく登り。テラスから3段目を眺める。水流右の壁が登れそう。しかし取り付きから3mくらいが、ホールド・スタンス共に細かいので、倉本が空身で登り、ザックは荷上げすることにする。実際に登ってみると、最初が少し難しいが、上部は簡単。落ち口付近の倒木でビレイ。池田・元木・穂高の順に登る。その後、荷上げに取り掛かるが、ザックが岩に引っかかって上がらない。仕方ないので、懸垂下降し、池田に確保してもらって、登り返す。寒くてしょうがない。

 大滝上12:10。ここからは再び雪と倒木との格闘。沢でキックステップを使うとは。残雪を踏み抜くのが恐いので、小滝でも小さく巻くうちに、右岸の緩やかな尾根に取り付き、稜線を目指す。拾った棒をピッケル代わりに、尾根を登りきる。

 14:20 水晶山直下に到着。14:35 視界ゼロ強風の雁坂峠にて大休止を取る。なかなか緊張感のある行動が続いたので、ホッと一息をつく。池田・穂高・元木もがんばった。西沢渓谷までは登山道。

 17:00 国道140号線沿いの道の駅へ下山。 最終バスが行ってしまったので、タクシーで塩山へ。温泉に入り、のんびりする。 コンビニでビールとおつまみを買って、塩山駅前で打ち上げ。 お疲れさまでした。

 WWVで沢中泊のワンダリングを行うのは久しぶりで、今の現役にとっては初めての経験だった。とはいえ池田・穂高・元木とも安定した行動をすることができていた。特に元木の行動力や気持ちの強さは、見ていて非常に安心した。しかし全体的にルートファインディングや突破力には不安も残る。より素早い、的確なザイルワークも望みたい。


 滝川・水晶谷については、逐一遡行図と照らし合わせたわけではないが(遡行図は持って行かないので)、事前・事後の確認からかなり地形が変わっていると思われる。トンネル工事の影響かどうかは不明だが、残念である。また遡行図も古い情報が散見されるので、あまり信用しないようがいい。どんな状況にも対処するのが、沢登りの醍醐味の一つなので、つねに知識・技術などを磨いておこう。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:5318人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら