南アルプス深南部(寸又峡温泉から前黒法師岳・黒法師岳・沢口山)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 3,147m
- 下り
- 3,144m
コースタイム
6:13 寸又峡温泉 → 6:52 前黒法師登山口 → 7:37 林道 7:45 → 8:07 栗ノ木段8:11 → 9:13 白ガレの頭 → 9:35 展望所 → 9:59 前黒法師岳 10:11 → 10:51 林道 → 11:05 ヘリポート 11:46 → 12:17 二ツ山 12:24 → 13:07 1812 M点 → 13:16 水場のコル 13:22 → 14:16 黒法師岳 14:30 → 14:59 黒バラ平
2日目
6:15 黒バラ平 → 6:47 バラ谷の頭 6:56 → 8:02 房小山 8:13 → 9:39鋸山 9;52 → 10:03 千石平 → 10:13 千石沢のコル → 10:17 水場 → 10:47 千石沢登山口 → 11:19 五樽沢登山口 → 12:29 山犬段 → 12:59 広河原峠 → 13:19 板取山 13:24 → 13:46 天水 → 13:55 ウツナシ峠 → 14:41 沢口山 14:51 → 15:05 富士見平 → 15:56 寸又峡温泉
天候 | 11/8 晴れ 11/9 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
(ゴールデンウィーク、お盆、秋、連休などで混雑が予想される時期は有料となるようです。また、寸又峡温泉への道路も交通規制が行われます。) http://sumatakyo-spa.com/index.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
山犬段から五樽沢コル登り口までの南赤石林道は全面通行止めでした。 |
写真
感想
暗いうちに寸又峡温泉の水車のある駐車場に到着。朝食をとったり、着替えたりしているうちに明るくなり始める。
ひと気の少ない温泉街を通っていく。手造りの店さとうは既に開店している
天子トンネルを抜け、夢の吊橋へ下る道を右に見送って進む。飛竜橋を渡ると案内板が立っている。ここから大間川左岸の林道を歩き、道標の立つ前黒法師登山口から山に入る。
湯山集落の跡などを見つつ歩き、一度林道に出る。ここからは朝日岳がきれいに見えた。
再び登山道に入り、一旦増した斜度が緩むと栗ノ木段に到着した。
しばらく緩やかに尾根を登って行き、斜度が増した後、イワカガミ群生地の標識を過ぎ白ガレの頭に着いた。
さらに進んで行くと展望所の標識が立っていた。折角なので立ち寄ると、光岳、信濃俣と雪を被った聖岳がきれいに見えた。
その先、再び斜度が増した道を登って行き、緩やかになると程なくして前黒法師岳に到着した。この先に備えて、おにぎり2個を補給する。
前黒法師岳山頂からコンパスを見て西進を始める。全く踏み跡がないなと思っていたらすぐ北側にはっきりした踏み跡を発見。山頂で良く確認するべきだった。(その後は、ポイントになるような地点には思ったよりはっきりとマーキングが有りました。)
前黒法師岳の山頂部からの下りは、踏み跡とマーキングに従い北西へと進む。やがて尾根がはっきりしてきてコルを過ぎ、1800Mの平坦部に乗る。平坦部の西端は北西への尾根へ行きたくなる所だが、南西へ導くペイントがはっきりとあった。
一旦廃林道にぶつかり、1706 M点へ登って行くが、気持ちのよい笹原で深南部に来たことが実感できる。
1706 M点から下ると再び廃林道に合流。ここは大きな広場が2つつながったような感じになっていて西側の広場がヘリポートのようだった。東側の広場から地中へと進行中の青いトラックを横に見ながら進むとヘリポートへ出た。ここは展望が良く、テントを張るにはもってこいの場所だ。
ヘリポートから一旦林道を南西へ下り、水場へ向う。水場への下降点には消火器が転がっていて、倒木の破片でできた「←水」と赤ペイントされた標識が有り分かりやすかった。林道から覗くと水が確認できる。降りてみると流量は充分。足場は悪いが便利な水場だ。3L背負ってヘリポートへ戻る。景色を楽しんだ後、二ツ山へ向けて歩き出す。
ヘリポートから先の道も気持ちのよい笹原が続く。緩やかなのぼりでひっそりとした二ツ山南峰(1810 M点)に到着。休憩してから北峰へ向う。ところが踏み跡がはっきりしない。探すと尾根形状が目に入り下り出そうと思ったが、一応コンパスを見ると南を指している。自分は今、南峰から北峰へ向おうとしている。コンパスが狂っているのかと思い地図を確認すると、当たり前だが間違っていたのは自分だった。そこから西側へ回り込んでルートに復帰し、コルから登り返して北峰を通過する。
北峰からは北へ方向を変え、黒法師岳へ向っていくようになる。1812 M点辺りではササが少し深くなり、胸近くまで潜るようになる。1812 M点から下り、最低鞍部の次のコルには立ち枯れの木に木片が打ちつけられていた。近づくと「水」の文字が確認できた。標識の西側は大きく崩れていて水の流れは確認できない。ここの水場をあてにしない方がよいと感じた。
水標識からは黒法師岳への登りとなる。きついのは覚悟していたが、早々にササを掴んでの登りとなる。プロトレックを見ると1850M。200 Mもこんな調子で登るかと思ったら気が遠くなりそうだった。幸い斜度が緩むところもあったが、山頂へ着いた時にはザックを投げ出すようにして休憩した。体力的には一番きつい所だった。
黒法師岳山頂から西に進み、丸盆岳への分岐で写真を撮り、黒バラ平へ下る。基本的に北西の端が一番楽だと思って下り始めたが、樹が邪魔で左側に避けた後、踏み跡の無いササの中を左側下方へドンドン引き込まれる。ササの中を滑り落ちているような感じだ。かなりいいペースで確実に高度を落としているので、それはそれでいいかもしれないが、全く前が見えない状態で現在地が全く分からずさすがに不安になる。50 M位下りてから右に向きを変え、踏み跡を見つけた時はホッとした。そこからは、足を滑らさないように慎重に黒バラ平へ降りた。斜度が緩んだ後は、風の影響を考えながら南東側にテントを張る良い場所がないかと探しながら歩く。適当な場所を見つけてザックを降ろす。
テントを張る前に水場の確認へ行く。さらに最低鞍部まで下り、水場標識を撮影した後南東へ下る。5・6分で水場到着。流量は充分。今回は補給の必要がないので写真を撮って引返す。上りは標識よりも北東側の別のコルに戻るという誘惑にかられたが、踏み跡がないと痛い目に合うと思いおとなしく標識の所へ戻った。そこから来た道をザックの場所まで引返した。出来るだけ水場標識に近い所まで進んでテントを張るという選択肢(数箇所いいかなと思う場所)もあったが、最初のひらめきを信じてササの上にテントを設置した。黒法師岳が見える良い場所だった。服を着替え暖かくなり、ラーメンを食べてささやかな幸せを感じる。食べたら後は寝るのみ。寒さを感じることはなく良く眠れるかと思ったが、頻繁に目が覚めた。
明け方テントから出るとあまり寒いとは感じない。星は見えるがやはり天気は下り坂かと思う。もう一度シュラフに潜って少しウトウトした後、出発の準備を始める。
テントを撤収し、バラ谷の頭に向け歩き始める。思っていたよりあっさりとバラ谷の頭に到着。しかし、雲っていて景色はいまいち。
房小山へ向けて歩みを進める。日差しが差すようになると気分も良くなり、楽しい笹原下りとなる。尾根が広がり1930 M付近から南東への尾根ははっきり見送ることが出来たが、1910 M付近でどちらへ進むか悩む。ここは前方を良く見て右方向南西へ進む。視界が悪ければ地図を見ての確認が必要だろう。(もっと怖いのは悩むだけの情報が得られずにそのまま南に進んでしまうことですが・・・)その先は地形が複雑になり、視界が悪かったら自分は絶対に迷うだろうなと思いながら、東から西へ尾根を乗り換えて下って行く。尾根が細くなり房小山が見えてきて一安心。
はっきりとしてきた踏み跡を辿り房小山に着く。早くもお腹がへったので2回目の朝飯を食べる。
房小山からは濃くなった踏み跡を下っていく。良い雰囲気なのだが、ここまで2時間以上の霜の降りた笹原歩き(スパッツだけでしたが、膝からモモくらいの深さですのでカッパのズボンをはくのが良かったと思います。)。濡れてきたなと感じ始めていた靴の中は、水の中にいるような状態になり不快。頭の中は次の休憩で靴を脱ぎたいという思いに支配される。枯れた立ち木に「○ 千石平」と縦書きされた赤ペイントのところを右側から周りこむように降りていくと笹原歩きが終了。その後尾根に沿って歩き、一度マーキングに従い尾根の東側を巻ながら進んでいく。再び尾根に合流し、アップダウンを経て鋸山に到着。靴をぬぎ、靴下を絞る。靴下を履きなおすと暖かさを感じ、ウールの良さを実感する。
その後、千石平を経てコルから千石沢へ下る。5分程の二俣地点が水場。樹に掛けられていた塩ビのトイを使って手軽に給水。水場の先、千石沢は下部へいくほど荒れていた。以前(3年半前)上った時よりも状態は悪くなっていて、林道まで降りられないのではないかと思い、今回のルートの中で一番不安を感じた。千石沢はもうハイキングコースではないと思った方が良い。
林道へ降り立ち、山犬段へ向けて歩いていると一人の男性とすれ違った。あいさつをして話をすると、林道通行止めで山犬段へは行けないとのこと。大ショック。五樽沢登山口から280M登って蕎麦粒山のピークを踏んでいかなければならない。それがなくても明るいうちに寸又峡温泉に着けるか微妙だと思っていた。寸又峡温泉目指して歩くか山犬段で1泊するか悩みながら歩く。明日は雨の予報。疲れた体で暗い中を歩き続けるか、1泊して雨の中を歩くか大いに悩む。そして、山犬段でヒッチハイクして国道まで乗せてもらい、そこから鉄道とバスで寸又峡温泉まで戻るという最高?の案まで頭に浮かぶ。蕎麦粒山を通過し、山犬段まで降り、小屋へ入ると団体が臭いと煙をあげながらバーベキューで盛り上がっていた。ここで泊まる気がなくなり、ちょうどよい車もなかったので今日中に寸又峡温泉に下山することを決意する。パンを1個食べ、気合を入れ直して出発。
山犬段を出たのは12時半。山犬段へ戻ってくる登山者から何か変な目で見られているような気がする。天水の手前でどこまで行くのか聞かれ、「暗くなってもライトを点けて寸又峡温泉まで下る」と答える。口に出したことで気持ちが強くなった。天水、沢口山も想定より早い時間に到着。沢口山山頂からまずは富士見平へ向け一気に降りる。富士見平でどちらへ下るか考える。尾根の方向から日向山コースの方が暗くなるのが遅いだろう。でも尾根から降り始めれば条件は同じ。思っていたより暗くなっていなかったこともあり、駐車場に近い猿並平コースを選択。全力で下る。しかし、途中でハイドレーションが水切れ。水なしでも降りられそうだったが、大事をとり盤台跡展望所でザックを降ろし、千石沢で汲んだ水に付け替え。その後も赤ペイントと道標のおかげで順調にくだり、明るいうちに猿並平コース登山口に降り立つことができた。
その後太い道を歩き、営業中の(入口が開いた)熊檻を過ぎた先で右側の踏み跡へ外れて駐車場に戻った。
行動を終えた後は、いつもの翠紅苑で温泉に入り、交通規制で何回かとまりながら帰りました。
コメント
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お疲れさまでした。 クロバラ平での一泊。 先を越されてしまいました。(9月に戸中林道から入ったら道路が崩落して入れませんでした) しかも 前黒からの縦走で。 前黒から先も入ったことが無くて これも一度やってみたかったんですけど ・・・ gen0715 さんほどは歩けないので ヘリポート跡辺りで 一泊で・・
千石沢が やけに荒れて見えますが、 雨で痛めつけられたんでしょうか?
それにしてもこの厳しいロングコースを一泊で走破されるとはさすがですね。 健脚が羨ましいです。
こんばんは、ijikemusiさん。コメントありがとうございます。
2日目の行程が長いので、バラ谷の頭へあがってテントを張ろうかとも思いましたが、やはり黒バラ平で泊まりたいという気持ちが勝ちました。
最初は山犬段の小屋でも泊まる2泊を考えましたが、ぎりぎりなんとかなるかと思い1泊で計画しました。結果、2日目の午後は重荷を背負ってのタイムアタックになってしまいました。
戸中山林道早く復旧するといいのですが、かなりかかりそうですね。
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