南ア編笠山 山頂直下のシャク藪突破出来ずに敗退 釜無ゲートから


- GPS
- 15:30
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 1,768m
- 下り
- 1,750m
コースタイム
天候 | 1日目 晴れ 2日目 小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場所まで数キロは未舗装路でタイヤ真っ白に汚れます。 |
写真
感想
編笠山といっても南アルプス鋸岳近くの編笠山です。あの辺は他にも横岳とか三ツ頭とか八ヶ岳と同じ山名で紛らわしいですね😅
綿密に計画を立てたつもりでしたが、山頂直下の密なシャク藪を突破出来ず敗退しました。この場合ルートも見出せないまま力尽きてしまったので、撤退というより敗退。
計画では編笠山経由で角兵衛沢のコルでテント張り、鋸第一高点ピストンして横岳峠を経由し釜無ルートで戻る予定でした。
このルートをテント装備では無理があったなと。
山頂の積雪状況が分からず念のためアイゼン、ピッケルと、防寒具も増えて15キロ越え。
多分夏にツエルトだけ持って日帰り前提でやってたらいけてたかも?と思ってしまった。
まだ暗い4:00過ぎ、今日は誰も来ないだろうと思っていたら車が1台入って来る。
ピストンで鋸岳との事。同じ山域に人がいるというのがわかって少し嬉しい。その単独男性は自転車を押しながら途中の中川出合まで少し離れて後ろを歩いていた。
林道の崩落は後半なので、私の歩いた区間はただ単調な道を5キロちょい歩く。途中猿や鹿の警戒音を聞きながら。特に鹿が多く、暗闇に光る目を何頭も見た。
中川出合で休んでいると男性が追いつき、少し会話をしてから私は林道を降りて釜無川を渡渉し尾根に取りつく。
飛び石で行けそうと思ってた渡渉は右足を滑らせて少し濡れてしまい早速凹む。黒い石はやっぱり滑る。
気を取り直してこの先の急登、藪に備えて最初からチェンスパと、引っかけにくいようザックカバーを装着。
取り付き始めは踏み跡があるものの、掴める立木や岩は無く、それでも手を付き脚を踏ん張りながらかなりの傾斜をを登る。(下山時はそこを下る自信がなく、ぐるっと迂回して少し登り返してから河原へ降りた)
尾根に乗ってからも急登続きだけど踏み跡らしきを辿れればさほど苦ではない。途中何度か尾根が変化したり尾根上の藪や倒木を迂回するためルーファイに気を使う。(特に下りは難しかった)
2000m辺りまでくると次第に藪や倒木が目につくようになる。そして2200越えると予想どおり雪が出てきた。
計画では編笠山山頂までゆっくり見積もっても12時には着ける予想だった。
あと標高20メートルも登れば山頂という所でシャクナゲに進路を断たれる。頭の上から足元まで簡単には折れない太い枝が張り巡らされている。とても人が通れる状況ではない。
他にルートを探すべく、少し下りて西へ迂回したいのだけれど藪がびっしりで通れない。(後で気づいたがもっと降りて下から大きく迂回していれば突破出来たかもと思った)
ならばと東へ移動してから何箇所か上がってみる。やはりどこも同じ酷いシャク藪。GPSで見るとほんとにあと僅かで広いスペースのある山頂。ダメ元で一度藪に突っ込んだら案の定はまって身動き出来なくなり、抜け出すのに数十分かかった。折れる枝は折り、枝を踏んづけて乗り越え、地面を這いながら枝を潜り何とか脱出。そこで心が折れてしまい撤退の二文字が。。
ところが戻ろうにも既に藪を越えて来てしまっていたのでスムーズに戻れない。立ちはだかる藪を何とか迂回しようやくまともに歩ける所へ出られた時は既に13時を過ぎていた。
このまま明るいうちに下山するのは難しかったので、ビバーク地を探すことに。でも記憶ではテントが張れるような平地は無かった。最悪斜面に寝そべってテントと寝袋だけ被るしか無いかなと考えながら歩いた。その途端、登りで見かけたピンクテープの所に出た。そこは丁度テント1張り分の平地となっていた。助かった。
検討する余地もなくすぐさまテントを広げ、やっと一息つけた。
テント内に入り暖かい寝袋に包まると、それまでとは別世界となる。その日は風もなく本当に心地よくてすぐに眠ってしまった。途中2度程目が覚めたがまたすぐに眠り、結局朝方まで12時間近くも眠ってしまった。
横になりながら考えた。もっと西側の傾斜の緩いところから迂回すれば山頂に出られるんじゃないかと気がついた。確実では無いが行けるはず。編笠山頂から見える甲斐駒・鋸・三角点ピークがキレイに並んだ三兄弟が見たかった。このルートを登りで登ってその三つのピークを見ることが一番の目的だったけれど。。
夜中起きてスマホの電波を入れてみると樹林帯にも関わらず意外にも繋がった。ヤマテンの予報を見るとやはり朝から雨が降るらしい。もちろん山頂は雪。元々の積雪状況が分からないままこの先雪の中は進めない。明日は何としても無事に下山しなければ。
テントを撤収する時に雨だと厄介なので、早めに片付ける事にした。
明るくなって来た6時頃に下山を始め、1時間ほど経ってから予報どおり小雨が降り出した。
あらかじめ雨具を着ていて良かった。一度行動し始めると、ザックを下ろして雨具を着るだけでもかなりの労力となる。
下りは濡れた落ち葉で余計に滑りやすくなるのでとにかく滑らないよう気を使った。
やはりルーファイが登りよりも難しく、地形と進むべき方向がすぐ分からなくなってしまう。GPSでの現在地確認の頻度が高くなる。
出来るだけ踏み跡らしき所辿らないと、途端に危険を感じる傾斜で足場が不安定になる。
2度程まずい所に立ち入ってしまい肝を冷やした。それでも時間があるというのは助かる。それだけで気持ちの余裕が全く違う。
沢の音が聞こえてきて、始めここは下りたくないなと思っていた斜面が近づく。よく見ると迂回出来そうな踏み跡らしきものが見えた。辿ってみたら取り付いた一つ下の堰堤の上に出た。ここは降りられたとしてもその先の渡渉が難しそうだったので、やはり一つ上の堰堤に登り返す必要があった。幸い上に登る踏み跡があったものの、際どい立木の登攀で腕力で体を引き上げてようやく元の取り付きに辿り着けた。
帰路の渡渉はあえて石の上に乗らず2m幅の浅い所をそのまま素早く通過。やっぱり防水の靴とゲイターなら意外と染み込まない。
これでやっと緊張から解き放たれた。
ダラダラと長い林道を歩きながら、無事に下山出来ただけでも有難いはずなのにやはりスッキリしない。なんと自分は贅沢で欲張なのか。
目的は達成出来なかったけれど、自分が思うようにやってみて色々収穫はあったので良かった。
やはり計画を練り直してまたリベンジしたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人