若狭熊川宿から冬枯れの江若国境尾根を歩く
- GPS
- 05:59
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,017m
- 下り
- 662m
コースタイム
天候 | 晴れたり曇ったり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・所々植林がせりあがってきているが全体的に自然林の尾根となっている。起伏は緩やかで尾根芯はブナやミズナラ、カエデの素晴らしい自然林の回廊が続く。下生えなく藪もない。 ・マーキングは疎らにあるが踏み跡薄く獣道を辿る所も多い。GPS必携 |
その他周辺情報 | 熊川宿道の駅 |
写真
感想
naoさんに野坂縦走と比良横断を提案するも、どちらも長いと却下されてしまう。uriさんをお誘いすると寒風トンネルから横谷峠手前までの県境尾根を歩いてみたいとの提案。お〜、そこは素晴らしい尾根。即決した。先月、この尾根全工程の半分を歩いたが、全てを歩くのは11年ぶりだ。そのときは国道から県境をたどったが、今回はひとつ西の尾根を登ることになった。古道があるとは聞いていたが、急斜面にまっすぐ続いているこの掘割のことだろうか。まともに歩けるものではない。しかも掘割は2本ある。昔、なんのために作ったのか気になるところ。標高差350mを登りきるとそこは断崖絶壁。砂利採取現場の頂上だ。見晴らし良好。ここをもう一度訪れたかったので大満足。そこからはゆるゆるのんびり歩きとなる。さっそくブナの森となって楽しませてくれる。所々、両側から植林が尾根まで上がってきているが、尾根上は広くて真ん中だけ自然林が残されている。雪の重みでブナがグニャグニャだ。ブナフェチにはたまらないルート。しかも葉が落ちて視界は良好。周りの山々を眺めながらのゆるゆる歩きを楽しめた。高島トレイルに合流したら横谷峠へ下りるのだが、naoさんが赤線繋ぎをしたいというので池原山分岐まで行くことにした。そこまで行ったら明神池まで行きたいところだが、行ったとしてもゆっくりする時間がないので諦めて戻ることにした。横谷峠への道も十数年ぶり。忘れていたがけっこういい尾根だった。
ところで、先月の山行記録で載せた植生地図の見方をnaoさんに聞かれたので書いておきます。これは環境省が作成した環境アセスメントデータベースで、全国の植生地図を見ることができます。ちなみに、今回のコースの植生地図はこちら。スマホは不可です。
https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/Service/PermaLinkAgreement?pLink=132832414727998313_3izcajbrabhhjpt4yj12vgos
「利用規約に同意する」を押すと地図が表示されます。「凡例と表示設定」の窓は消します。地図上の知りたい場所をクリックすると窓が現れ、上にスクロールするといちばん下にその場所の植生が書いてあります。
植生以外にも動植物の生息域や風力発電予定地などの情報が豊富にあります。詳しいことは日記に書いておきました。 日記はこちら
https://www.yamareco.com/modules/diary/137930-detail-256425
このデータベースはバリルートマニアにとっては情報の宝庫です。ぜひ活用してください。
比良横断か野坂縦走かとflatwellさんと画策していたらuriさんの乱入?により熊川宿から県境(江若国境)尾根に落ち着く。この国境尾根は先日にflatwellさんが一部を歩かれている。実に気持ち良さそうな自然林尾根だったので是非とも歩きたいと思っていたのだった。ヤマレコではwataharuさんの記録があるのみでワンダーランドが期待できそうだ。
R303沿い天増川合流付近に行者堂登山口と書かれた古い石柱がある。石段を上がると石積みの大きな祠跡がある。裏手からダンコウバイの林を抜け植林の急勾配を登って行く。尾根には深く堀割れた直登路がずっと続いている。古道にしては直登しているので変だ。uriさんが木を降ろす道ではないかと言われる。そうだこれが木材搬出のための木馬道(きんばみち)なのだろう。尾根のかなり上部まで続いていた。flatwellさんは道だと意地でも歩こうとされるので可笑しい。
傾斜が緩やかになるとミズナラ等の自然林となる。南の尾根と出合うと採石場の上のピークに躍り出て一気に開ける。広場では武奈ヶ嶽や二ノ谷山が眼前に見える。比良は雪雲がかかったままだった。
ここから江若国境尾根が始まる。ワクワクする自然林の尾根はケヤキ、ミズナラ、カエデ、ブナ、シデの気持ち良い疎林が延々と続く。何故か所々に赤く熟した柿ノ木がある。食べたら渋柿だった。若狭側は杉の植林が上がってきているが台地状の広い尾根が続き、尾根芯には木がなくまるで2〜3mの幅の道があるように錯覚してしまう。
P628前後は杉の植林地帯である。ここで右に90度転じて西進する。空腹なので植林帯を足早に抜け琵琶湖が見える処でランチタイムとした。眼下には椋川の集落が見える。
食後は更に横谷越えまで尾根を西進する。ブナの奇樹や大樹が次々に現れ一同が歓声を上げてしまう。細い木はカエデだろう。立ち止まり周りから大樹の枝振りを首が痛くなるほど見上げる。皆さんいい歳なのに曲がった木の上に乗ってはしゃいでいる。
横谷越えで高島トレイルに合流するが池原山分岐まで繋げたいので皆さんに付き合ってもらう。植林でアップダウンが激しいだけの区間だった。タイムアウトなのでflatwellさんご希望の明神池周回は断念してもらい引き返す。横谷峠登山口への尾根も自然林が続いている。登山口に下り立つと空は晴れ渡っていた。是非とも季節を変えて歩いてみたい素晴らしい山旅だった。
flatwellさんよりnaojiroさんとの山行計画に同行しないかとお誘いをいただく。嬉しくて速攻で行くと返事し、どこの山をご予定ですか?とお聞きする。まだ決まってないとのこと…なんじゃそりゃぁ〜と思う。
高島トレイルの横谷峠から駒ヶ岳へ向かう稜線に北から合流する県境稜線を辿ってみたいものだと以前から気になっていたので提案してみる。すると、あっさりとそのコースに決まった。
しかし元々はお二人の間で、比良か野坂の山を歩くことを目論んでいらっしゃったようだ。しかも私が日々の仕事で疲労が蓄積していることに配慮して、比較的短いコース取りを計画していただいた。
道の駅くつき新本陣でflatwellさんと待ち合わせして、それぞれの車で横谷峠へ。峠に一台をデポする。もう一台で国道303号の道の駅若狭熊川宿へ。ここでnaojiroさんと合流した。
道の駅をスタートし寒風トンネルの西側にある行者堂登山口から尾根に取り付いた。
序盤の上り坂は道なき尾根でかなりの急峻だ。ヘトヘトになった。
しかし県境稜線に乗っかった場所は広々として視界が開け、比良や湖北や若狭の山々の大展望。
さらに尾根上は自然林が広がり、立派で形の良い樹々が林立している。
なんて素敵な稜線なんだろう。flatwellさんは素晴らしい場所をご存知だなぁ。
その後も縁起の良さげな名前で三等三角点のある布袋岳を経由して、高島トレイルに合流するまで、予想していたよりは長い長い稜線歩きではあったのだが、その大半が疎林の美しい広くて快適な尾根道である。
次々と現れる魅力的な大樹、麗樹、珍樹の数々を見ては、これは何だ、あれは何だ、とか言いながら、抱きついたり、こすったり、木に登ってみたり、写真を撮ったりして楽しい。
随所に得られる好展望も魅力。北に武奈ヶ嶽、三重嶽、三十三間山、東に二の谷山、南東に武奈ヶ岳、釣瓶岳、蛇谷ヶ峰などの比良山地の山々と琵琶湖。
初めてのルートから観ると、いつもの山々も角度が変わって新鮮な風景だ。感動的だった。
仕事の疲れも吹っ飛ぶほどの素晴らしい山行を愉しむことができた。
帰路途中でflatwellさんオススメの「朽木梅竹」さんの鯖寿司を購入し、帰宅後、家族で舌鼓を打ったのだった。1人一切れずつだけど…
naojiroさん、今日もまた私の幼稚でくだらない話を聞いては優しく相槌を打ってくださり有難うございました。
flatwellさん、素敵なルートをご案内いただき感謝です。甘くて柔らかな味わいの干し柿、ご馳走さまでした。
お二人さま、またこの若輩者にお付き合いくださいますよう、よろしくお願いします。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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登山経験は少ないですが、登るたびにブナ好きになりflatwellさんの「ブナフェチにはたまらないコース」というレコにあこがれて12月12日に同じ場所から登りました。お堂の右を進み、小さな沢を超えて鉄塔から尾根の斜面を這うようにして登りましたが、コースサインはどこにもなく急登を1時間進みましたが、登山道らしい感触はどこまでもなく下山しましたが、途中から迷った挙句1時間さまよい、ようやく元の地点まで戻ることが出来ました。最初から間違ったのだと思いますがもともと難しいコースなのでしょうか?山行計画でも明確なコースを自動で描けないようです。小さな沢を超えずにお堂を背にしてアブラギリの中を進むのが正しいコースでしょうか?なお、私はGPSを持っておりません。
春の新緑の季節になったら再度挑戦して駒ヶ池まで行こうと考えていますので
何か参考になることがあればアドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
このルートは登山道ではなく、いわゆるバリエーションルートです。踏み跡も道標も何もありません。GPSを持っていないとのことですが、スマホのヤマレコアプリで十分です。行ってみたい山行記録を見つけたら「この山の計画を立てる」を押せば自分の山行計画ができあがります。出発前に地図をダウンロードしておき、登山開始を押せば計画のルートと自分の軌跡が表示されますので、ルートを間違えていたら一目でわかります。またスマホを見なくても間違っていたら「ルートからはずれているようです」と音声で教えてくれます。ぜひ使いこなして自由な山歩きを楽しんでください。一般登山道だけを歩いているより世界が広がります。
おすすめの山は、野坂岳と赤坂山の間に芦谷山があって、その南側に立派なブナがたくさんあります。あと2年もすれば風力発電のために伐採されてしまいますので、それまでにぜひ行ってみてください。山集落から登るのが近道です。naojiroさんの山行記録を参考にどうぞ。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2380661.html
ちなみに、11月14日は私も駒ヶ岳へ登っていました。あなたの1枚目の写真に私の車が写っています。いつかどこかの山でお会いするかもしれませんね。
また何かわからないことがあればお尋ねください。では
早速のコメントありがとうございます。同じ日に近くを登っていたことに驚いています。ひとまず、ヤマレコのGPSの使い方をわかりきった山で練習して春以降の一人登山で実践しようと考えています。
山の楽しみ方も変えていけそうです。ありがとうございました。
九月頃にメッセージを頂戴いたしましたね。ヤマレコに山行地図の挿入ができないと言われてましたが、次の山行レコでは挿入されていたので理解されたのだと思っていました。でもよく見ると記録作成時にヤマレコの地図に直接入力されていたようですね。
取付きのポイントは行者堂裏手のアブラギリ群落を突っ切って正面の尾根に取付きます。古いテープも散見されました。木馬道(昔の木材搬出路)がある尾根です。
送電線の巡視路が東西に山の裾野を通っていました。それに釣られて一つ北の尾根に取付かれてしまったのでしょうか。
以下、Hama‗Yanさんの登山スキルが分からないので失礼があればお許しください。
バリエーションルート(一般道を通らない山歩き)は地図とコンパスが必携です。しかしGPSがあれば瞬時に現在地を知ることが出来て道迷いの不安を解消してくれます。
地図とGPSの二段構えで登山を楽しんでください。今回の尾根を下山にも使われるのであればGPSなしでは危険です。
地図付きGPSはガーミンが有名ですが非常に高価です(スマホをお持ちでないならお勧めですが)。でもスマホならヤマレコのアプリを入れて代用できます。しかも高機能です。バリエーションを歩かれる時は、ヤマレコアプリに先人のログをダウンロードしてからスタートすれば安心です。是非ともご検討ください。下山したらマイページに山行ルートが自動作成されています。長々と失礼しました。
とても親切なアドバイスありがとうございます。ご指摘の通りスタートから間違えていたようです。私のスキルは殆ど初心者並みで、敦賀山友クラブに入会して3月で2年目になります。会の代表から地理院地図と現地での確認や、等高線から尾根、谷、距離、急か緩いか、送電線・鉄塔による自分の位置確認などを習い、コンパスを携行しております。従いましてバリルートを好むわけではありませんが、クラブの月2回例会では地図をじっくり確認することもできないため、一人登山もやっているようなわけです。
教えていただいたヤマレコアプリを使えるようになれば安全に登れそうです。
既にスマホにパソコンと同じユーザ名でインストしましたので、今後の登山で使用していこうと考えております。
この度は誠にありがとうございました。
レコへのコメント、ありがとうございます。
すでに大先輩のお二人が返信してくださってますので其れ以上の事は無いのですが…
一般登山道ではないルートではヤマレコマップでの位置確認が威力を発揮します。
私も、さぞベテランハイカーのように振る舞って(見せかけて)バリエーションルートを歩いたりしておりますが、ほとんど全てがヤマレコで過去に先人が歩かれた軌跡を辿っているだけの、所詮は素人ハイカーなのです。
でもこの文明の利器さえあれば、だいたい何処でも道に迷わずに行けますね!ありがたいです。
ただ、スマホの電源が切れることは命取りに繋がりますので、予備電源としてモバイルバッテリーを必ず携行しています。
まぁ、それでもスマホを落とす・壊すなどしたら、どうしようも無いんですけど…
どうぞ今後はヤマレコを活用して、自由で有意義な山行を楽しんでくださいませ。
また何処かでお目にかかれますように!
アドバイスいただきありがとうございます。
1/9(日)にクラブの例会登山があります。毎年登り初めと登り納めは地元の野坂岳と決まっており、幸い山行記録には野坂の冬コースのレコがありますので、”この山へ行く”でGPS実習してみようと考えています。
これで、安全な登山につながればと楽しみにしています。
この度はお気にかけていただいてありがとうございました。
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