胎金寺山−中丹の低山で2本の天狗杉に出合う
- GPS
- 02:56
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 393m
- 下り
- 403m
コースタイム
- 山行
- 2:10
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 2:40
天候 | 晴れ後くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
<プロローグ>
この日は、午後から丹後で仕事があるため、道中に2、3時間で登れる山はないかと探したところ、京丹波(南丹市園部町)に低山(423.4m)ではあるが、ヤマケイの「京都府の山」に「槍ヶ岳を思わせる山容と2本の天狗杉に出合う」と書かれてあったので、興味が湧き、この山に登ることにした。同書の案内ではピストンであったが、山頂から北東に延びる尾根があり、これを使うと周回できそうである。
<駐車地〜摩氣神社>
登山口は摩氣(まけ)神社。京都縦貫道八木西ICで降り、国道9号→県道54号を経由して摩氣神社に着いた。この神社は、平安後期(1079年)に白河天皇が行幸したという由緒のある神社と言われている。境内に数台駐車できるスペースがあったので、ここに車を駐めさせてもらうことにした。神社の参道には立派な鳥居があり、その奥には杉が林立している。絵馬舎、鳥居、神門は、京都府登録文化財に指定されているが、江戸時代に園部藩主によって再建されたという。本殿前には江戸末期の有名な石工丹波佐吉の作となる狛犬が鎮座していた。一対が相対して参詣者を威圧していないこと、躍動感のある姿、たてがみの優れた彫りなど精神性と技量が最高度に発揮された名作といわれている。最奥には、京都府指定文化財の本殿とその両脇に東西摂社がある。いずれも「こけら葺」で、本殿のそれは苔生していた。
<摩氣神社〜口の天狗杉>
摩氣神社にお参りした後、右手に幅2mほどの山道があり、ここから歩き始める。道端に農作業をしていた男性がいたので、あいさつして神社に車を駐めさせてもらうことの了解を得た。最近は登山者が増えたと言っていた。まずは、最初の天狗杉である「口の天狗杉」を探すことだ。ヤマケイガイドによると「右手の山道に登らずに分岐から左手の谷を詰めていき、突き当たり付近の右手に見つかる」ということである。しかし、植林の中を進むと分岐らしいところがあったものの、右手は倒木で塞がれていて、むしろ左手の方が登山道らしく思えたので、これを直進することにした。間もなく小川に架かっている4本の丸木で作られた橋のところで、細い植林の向こうに注連縄が巻かれた大きな杉があるのが目に止まった。近づくと明らかに大きな杉であり、これが「口の天狗杉」であるに間違いない。樹高40m、幹周6.7mという。直ぐ傍まで近づいてみると、確かにデカく貫禄十分である。懸けられた注連縄は地元の人の信仰を集めたものだろう。
<口の天狗杉〜奥の天狗杉>
登山道は、口の天狗杉の右手から高巻きながら左に回り込んで登っていく。途中で口の天狗杉を見下ろすことができる。ここに朽ちかけた「園部町指定樹木」と書かれた標柱があった。ここから左手に小谷を見ながら登っていくが、小さな滑滝状のものがあった。やがて登山道が緩やかになってきて、何度か小沢を越えると、伐採された倒木に「胎金寺山登山道」と書かれたプレートがあった。ここで左の方を目を凝らして見ると奥に大きな杉があることに気づいた。これが「奥の天狗杉」である。プレートから左手にやはり30mくらい入ってところに、その大杉が鎮座していた。幹周7.5mあるというだけに、口の天狗杉よりもさらに大きく見えた。途中で2本に分岐し、太い方はさらに右に枝分かれていた。奥の天狗杉も直ぐ傍まで近づくことができる。2本の天狗杉に出会えたことに感謝したい。天狗杉から先ほどの分岐点に戻るのも面倒くさいので、登山道が右手にあることから、斜面をトラバースしてショートカットするように登山道に戻った。
<奥の天狗杉〜胎金寺山山頂>
登山道は緩やかに登っていくと間もなく尾根に出た。ここからはもう植林もなく自然林のはっきりとした登山道になっている。小さなピークを越えると「胎金寺山登山道」と書かれたプレートが壊れて地上に落ちていた。やがて胎金寺山の山頂に到着した。まず目に入ってきたのは三角点であるが、何と小さな四等であるのは残念な気がした。山頂には、祠(行者小屋)があり、最近正面の扉が新しくなっていた。祠の中には役行者の木像が鎮座していた。山頂からの展望はもともとよくなかったようで、最近南方向の斜面の樹木が伐採されていて、眺望が得られるようになったいた。正面には半国山が見えており、左手には牛松山、愛宕山、地蔵山を確認することができた。また眼下には宍人(ししうど)の集落も見下ろすことができる。
<胎金寺山山頂〜下山>
胎金寺山山頂からの下山路は、北東に延びている尾根を下ることにしたが、実は尾根は3つあり、そのうちの最も右手(東側)にある尾根である。この尾根はP335のすぐ左側を下っている。もちろん登山道はないので、地形図をよく見ながら下っていく。尾根にはプラスチックの境界杭が打ってあり、途中にはロープも散見された。もっとも急なところではないので、何のためのロープであろうか。この山はマツタケ山だというので、その関係なのかも知れない。今の時期はマツタケシーズンも終わっているので泥棒と間違われることもない(もっとも今秋は丹波松茸は全くの不作だったようだ)。ピークハンターとしては、P335に立ち寄ってみることにし、尾根の途中から谷に下って登り返した。P335付近からは胎金寺山を眺めることができた。下った尾根にはヤブも下草もほとんどなく、すんなりと下ることができた。左手に林道が見えてきたところで林道に降り立ち、そのまま舗装道路(県道454号)まで下った。途中には右手の丘に建物があり、堆肥か何かの蓄積場であるのか、鼻が曲がりそうになるほどの悪臭が漂っていたのには参った。舗装道路を歩いて摩氣神社まで戻る途中で胎金寺山を眺めることができたが、「槍ヶ岳を思わせる山容」というのは些か大袈裟であろう。舗装道路の途中でショートカット道があり、少し登った下るが、峠には少し大きな杉、祠と六地蔵が祀ってあった。そして、摩氣橋という園部川に架かる擬宝珠を持つ木造の橋があり、時代劇の撮影によく使われたというが、今は橋自体も欄干が傾いて壊れていて、通行はできるものの、とても撮影に使えるものではない。橋のたもとには、大きな石で造られた燈篭があり、その由緒を窺わせてくれた。摩氣神社まで戻り、もう一度神社の境内を散策して、胎金寺山の登山を終えた。
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