大崩山トレッキング(上祝子in/out)
- GPS
- 07:37
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 1,175m
- 下り
- 1,157m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
上祝子登山口までのアクセス道は、12/28現在、一切の凍結なく、ノーマルタイヤ車でアクセス可。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【上祝子登山口→大崩山荘】 普通の登山道。所々で丸太橋等での渡渉あり。 【大崩山荘→小積ダキ(坊主尾根コース)】 ※中級コース 山荘出てすぐに祝子川の渡渉あり。冬の早朝は石の大部分が凍結しており、チェンスパをつけるか、凍結していない石を探して渡る。渡渉後は急登が始まるが、日の出前だと、ピンクテープを見つけにくく、ルートファインディングするスキルも必要。ハシゴが出現し始めると、以降軽く10を超えるハシゴが連続し、岩登りとなる。三点支持の基本スキルは必須です。小積ダキ手前、「象岩」のトラバースは、足元の一枚岩が今回は凍結しておらず、鎖を頼りに一歩ずつ進めばそれほど難易度は高くなかったが、足元が凍結していると滑落リスクが急上昇するため要注意。象岩を過ぎると、ロープで急傾斜の岩場を直登し、ほどなくラスボスにしてこのコースのハイライト、小積ダキという巨大な一枚岩。傾山や九重連山、日向灘など眺望は抜群。 【小積ダキ→大崩山】 緩やかな樹林帯の傾斜を登っていくと坊主尾根と湧塚尾根の分岐点。更に標高を上げていくと、このルートで初めて祖母山も見え始めます。山頂の手前、岩々した展望台・石室では、日向灘〜尾鈴山〜桜島〜霧島連山〜市房山〜祖母山方面の大展望が待ってます。空気が澄んだ日は、島原湾の奥に雲仙岳も見えるようです。石室からは5分足らずで大崩山山頂です。 【大崩山→二枚ダキ登山口(二枚ダキコース)】 ※中級コース 二枚ダキの肩までは、急斜面を下っていく。時折、テープがあるが、あまり期待できない。踏み跡らしきものを辿る形だが、誤ったコース(谷筋)を下りていくと、行き詰まる可能性があり、適宜ルートファインディングが必要。二枚ダキの肩から、右に90度折れ、ガレた浮石だらけの崩落谷筋(涸れ沢)を下る。岩も枝も根も安定していないものが多く、踏み出した片足に全体重を乗せる前に、一歩一歩荷重をかけて大丈夫な石かどうか見極めながら進む必要あり。道中、時折テープがあるが、間隔はマチマチで、頼りすぎてもダメ。途中から水流のある沢と合流するので、基本的には沢に沿って下っていく。ヤマレコの"みんなの足跡"が本当に役立ちます。悪天時は遭難する可能性がある、危険な中級ルートです。 ※二枚ダキの肩以降、山と高原地図(ヤマプラ)の登山道は誤っているのか、ほぼ経由せず、ヤマレコの"みんなの足跡"通り辿ります。 【二枚ダキ登山口→上祝子登山口】 緩やかな傾斜(廃道)を下っていく。危険箇所はないが、眺望もなく退屈。冬季は、随所に見事に凍結したつららが連なり、目を楽しませてくれます。 |
その他周辺情報 | 下山後、別府温泉(健康ランド・やまなみの湯)で、3,000円で一泊。 |
写真
感想
九州山旅のターゲット3座(未踏の二百名山、桜島、高千穂峰、大崩山)のラスト1座、大崩山へついにアタックする日がやってきました。元々はDay2(12/26)の晴天予報時に登頂予定でしたが、九州最難関クラスの岩峰と聞いており、強風予報のため、大事を取って日を改めました。この日は、晴天でほぼ無風予報、心が踊ります。
早朝、最寄りのコンビニから1時間かけて上祝子登山口へ。心配した路面凍結もなく、ノーマルタイヤ車で乗りつけることができました。すれ違い困難な狭い道が続きますが、往路は1台もすれ違わず。というか、入山〜下山まで誰にも会わず、下山時も自分以外の駐車なく、この日は上祝子登山口から登山した人はいないと思われます。晴天・弱風のThe Dayだったのに♪。
上祝子登山口から大崩山荘までは、ヘッデンの灯りを頼りにそこそこの急登を黙々と登っていきます。大崩山荘先にトイレがあり、利用します。その後、予定では湧塚尾根コースを行くつもりでしたが・・・、誤って坊主尾根ルートに乗ってしまいました。気づいたのは、以下の渡渉後であり、そのまま進むことにしました。
大崩山荘の少し先に祝子川があり、まず渡渉します。が、川沿いの岩が凍結しており、ツボ足では絶対に危険。チェンスパつけようか悩みましたが、少し下流寄りの岩は凍結していないので、そこから渡渉することに。が、結局足を滑らせ、両足ドボン。ミドルカットシューズでしたが、靴下までぐっしょり。渡渉でドボンしたのは登山史上初の失態。しかも真冬。以降、坊主岩辺りまでの1時間半で、合計4回、靴下を脱いで絞る羽目に。凍てつく寒さであり、足指がしんどかったです。反省。
渡渉後は急斜面に取り付きますが、陽が射し込む前の早朝はテープも見つけにくく、頻繁にヤマレコMapの"みんなの足跡"でルートファインディングしながら進みます。ハシゴが現れだすと、もう道迷いの心配はないですが、巨岩の隙間を縫いながら、時に巨岩自体をクライムしながら進む岩峰コースとなります。基本的な三点支持ができれば問題ないですが、初級者がソロで来るコースではありません。どれが坊主岩かもわからぬまま、あらゆる巨岩を踏破していくと、このコースのハイライト(最も危険な場所)とも言える象岩のトラバースポイントへ。剱岳・早月尾根はじめ、普段は岩場でも積極的にポールを使い、決してポールをしまわない私でも、ここでは万一のリスクを考え、トラバース区間の30mほどはポールを畳んでしまいます。しっかりと両手で鎖をホールドし、一歩一歩着実に進みます。象岩以降もハシゴやロープが続きますが、ほどなくラスボスの巨岩・小積ダキへ到達します。
小積ダキからは360度の展望が待ってて、このルートで初めて大崩山の山頂や、傾山、九重連山が見渡せます。山頂も眺望はありますが、360度ではないため、ここまでの難易度も踏まえ、小積ダキ登頂が、今回の大崩山アタックにおける最大の感動ポイントとなりました。
その後は緩やかな傾斜を登り、坊主尾根/湧塚尾根の分岐点を越えて、更に登っていきます。この頃から、祖母山地の盟主・祖母山も見えるようになり、九重連山も九州本土最高峰・九重中岳(12/25登頂)もしっかりと見えるようになっていきます。そして山頂手前の石塚も、絶好の展望台。このコースで初めて尾鈴山〜霧島連山(前日登頂)〜市房山〜国見岳まで見渡せます。この日は、桜島もしっかりと輪郭が見えました!
石塚からは5分ほどで大崩山の山頂です。大崩山踏破(二百名山49座目)で、九州の二百名山全8座を2年越しで完登したことになります(※登れない桜島は湯之平展望所で登頂扱い)。今回の九州遠征のターゲット3座(桜島、高千穂峰、大崩山)をいずれもで晴天下で登頂でき、しかも九州でこれまで登ったすべての山で、間違いなく難易度No1の岩峰・大崩山へ、快晴・ほぼ無風といった最高のコンディションで登ることができ、感謝感激です♪。
下山は、二枚ダキコースで。二枚ダキの肩までは順調に下りれますが、そこからはほぼすべて浮石と言える、崩落した急傾斜のザレた沢筋を下ることになり、とっても危険です。再びポールを畳み、両手両足に全神経を集中させ、慎重に一歩一歩下っていきます。ヤマレコMapの"みんなの足跡"と、山と高原地図(ヤマプラ)で予め計画したルートは途中から異なっており、どう見ても山と高原地図の登山道は存在しません。私が見つけられなかっただけかもしれませんが、ヤマレコMapの"みんなの足跡"のほうが、遥かに信憑性が高く、みんなの足跡に沿って、ルートファインディングしながら下っていきます。コース名にもなっている二枚ダキ(巨岩)は、樹間越しに見えるだけで、小積ダキのような威圧感・貫禄は感じられません。
二枚ダキ登山口まで下ってくると、後は廃道と思しき、緩やかな傾斜を下るのみ。ここまで来ると、もう迷う要素はありません。この時期、随所随所で巨大なつららが道中に出現し、目を楽しませてくれます。途中にあった、平ヶ岳でいう玉子岩のような球形の直径1m超の岩が静止している自然の摂理にはビックリしました♪。
大崩山。登り(坊主尾根コース)も、下り(二枚ダキコース)も、難易度は高めで、厳冬期に入り始めた今回はチェンスパを持参しましたが、結局雪の付き具合的に、出番なし。とは言え、時期が時期だけに、山中で誰にも出会わず、何かあればすべて自己解決しないといけないため、可能な限りパーティー登山がよいと思います。両コースともに、ルートファインディングを強いられるシーンが多かったので、ソロでアタックする人は、最低でもヤマレコMapの"みんなの足跡"をオンタイムで見れるよう、予めルートをダウンロードして臨みましょう。
九州山旅、まだまだ続きますが、九州内の二百名山全8座完登を、ここ大崩山で達成です。感無量!
Day6-1:傾山へ続く)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3870589.html
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