屋久島・宮之浦岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 904m
- 下り
- 1,647m
コースタイム
天候 | 雪(あられ) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
当日の夜中に大分雪が降ったようで新雪の中を歩きました。 平石までくれば、宮之浦岳がみえて楽ができるはずが雪(あられ)と風(風速15m位?)と濃霧で全然、見えなくて往生しました。この時期に登られる方は注意してください。 |
写真
感想
屋久島・縄文杉編はこちら
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-388000.html
新高塚小屋を03:00起床で朝食を取って出発。当然、ヘッデン装備です。まだ、樹林帯なので大丈夫でしたが、風の音が凄くて登頂できるか不安だったので記録として道標がある度に写真撮ってました。途中、ヘッデンの明かりが弱くなってきて道が見え辛くなったので電池交換。持ってて良かった予備電池。
樹林帯はまだ道が見えるので良かったです。途中、シャクナゲのトンネルをくぐるので歩伏前進しないと通れない箇所もありましたがそんなに長くは続かないのでそれほど疲れは感じませんでした。
平石岩屋(平岩)についた時、もう登頂は目前だと思いましたがこれが大間違い。樹林に守られたこれまでの道の方が分かりやすくてよっぽど楽でした。まだ、日もあまり出ておらず、雪と濃霧で宮之浦岳がどこにあるのか全然解りません。普段は使わないコンパスを腰のポシェットから取り出すと「あれ、方角示さないんだけど???」どうやら、歩伏前進している時に割れて壊れてしまったみたい。流石にコンパスの予備は持ってないよ〜。
ここで引き返す判断もありでしたが、休憩を取っている間に太陽が出てきてくれたのか視界が開けました。視界が開けたところでどこに向かうのが正解か分かりませんでしたが尾根伝いにひたすら歩きました。なんとか、焼野三叉路の道標を確認できた時は嬉しかったですが、ここまで来てもまだ宮之浦岳が見えないのには落胆しました。薄っすらと宮之浦岳らしき影が霧の向こうに見えたので道は雪に覆われていて分かりませんでしたが直登に直登して行くとなんとか山頂部へ着きました。
山頂標があったので何かの山頂に着けたことは分かりましたが雪(氷?)で字が読めません。必死に雪を削るとそこには「宮之浦岳」の文字が!マジ歓喜!!!これが「永田岳」とか「栗生岳」とか「爺岳」とかだったら、凍死していたことでしょう。
視界は相変わらずのガスに覆われていたのでひと通り写真を取って下山しようとしたら、もうさっきの踏跡が消えてるしw
しかも、登る時は真後ろからの風だったので気にならなかったのですが、下山はモロに風に煽られた雪あられが顔面を襲います。このコンビネーション攻撃には閉口しました。真っ直ぐ前を向いて歩けないので、ただでさえ道が分かりづらいのに更に追討ちをかけられた気分です。実際、登りよりも平石まで行くのに時間がかかりました。平石からはすぐ樹林帯に入るはずなのにここでも道を間違えて50m位登り直す羽目に。本当に弱り目に祟り目でした。
樹林帯に戻ったらあとは、樹林に守られた安全な道をひたすら下山するのみ。新高塚小屋で昼食休憩を取り、シュラフやマットを片付けて雉撃ちも済ませて一安心で下山再開。ヤクシカも登山道が歩きやすいのか可愛い足跡を沢山つけていました。でも、それに釣られていつの間にか獣道に誘われてしまったこともありましたが。新高塚小屋から縄文杉までは200m位下るのですが実際はアップダウンがありながら下っていくのでここでの登りが結構、堪えました。行きは体力も気力も十分ありましたから登りでも全然気になりませんでしたが。
標高1,000m付近に降りても雪が止まず、昨日に比べて大分積雪があるので荒川登山口(標高600m)が通行止めになっていないか不安になって自然と足早になっていました。昨日の縄文杉ツアーガイドの方とお話しした時に、「今日の夜、雪が降ったら荒川登山口も通行止めになるかもしれないから、高塚小屋か白谷山荘に泊まることも考えておいたほうが良いよ」と聞いていたからです。予備の食料や非常食は持っていたので一泊ぐらいは大丈夫ですが、やっぱりそれは避けたいところです。
この雪の中を登ってくる人もおらず、自分の不安を払拭するかの様にドンドン下山して行きました。ウィルソン株手前あたりで1人に登山者に出会えたので荒川登山口の状況を聞くと「荒川登山口は雪はまだ無いよ」と教えていただきました。これで安心して下山できると思ったら、今まで酷使していた足裏が痛み出しました。何気に10時間位行動し続けていますから当然かもしれませんね。
ようやく大株歩道を下りきり、トロッコ道に出て歩くところでも行きとは全然、感覚が違います。整備された200m位の下り道を2時間かけて歩くだけのはずなのにすっごく遠く永く感じました。流石に限界を感じて小杉谷集落前の休憩所で休憩を取りました。同行者にもらった塩キャラメル3つがとても美味しかったです。
で、休憩を取っている間に今度はドンドン暗くなっていきます。まあ確かにこの道は島の東側にあるので日の出が早く、日の入りも早いのです。今度は日の入り時刻との戦いが始まりました。でも途中でもう、暗くて道が見えないのでまたヘッデン装備しました。橋が多く慎重に歩を進めないと危ないので時間がかかりました。まあ、ここまで来て日の入りにも間に合わなかったら急ぐ必要はないわけで。「荒川登山口はまだかなあ」と頭のなかで千回位考えたところでようやく荒川登山口の明かりが見えました。もう既にあたりは真っ暗でしたが、無事登山口まで着けたことで安心しましたよ、本当に。
行動時間も距離も環境も今まで無いくらい過酷でしたが、それが故に無事下山できた達成感も感じることができました。登山を始めて2年ちょい。大分、危険への備えを意識してきたつもりですが、それでも不測の事態は起きるのだということを学べた気がします。
出発前は縦走の方が楽しいだろうとか考えて計画も立てたりしていましたが、今回もし縦走していたらきっと下山で遭難していたでしょうね。みなさんも安全な登山をお楽しみください。
屋久島・白谷雲水峡編へこちら
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-388216.html
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