鬼ケ城山系厳冬期用半回遊コース
- GPS
- 07:31
- 距離
- 12.3km
- 登り
- 955m
- 下り
- 943m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口周辺には数台分ほどの駐車スペースあり。 往路は丸山公園コース分岐まで一切、道標や赤テープはない。 尚、丸山公園コース登山口の公園駐車場利用時間は8〜22時。但し年末年始は短縮される。 野川コース登山口には駐車場がない。 |
写真
感想
[森林軌道跡〜櫨ケ森〜毛山〜中岳〜鬼ケ城山〜大久保山〜尻割山]
積雪期の鬼ケ城山(1151m)周辺の山へ登るコースとしては、野川コース(登山口高度40m)、丸野公園コース(登山口80m)、薬師谷渓谷コース(登山口160m)がよく利用されているが、どれも登山口の高度が低く、登頂には長い時間を要する。
そこで厳冬期でも路面凍結の心配が殆どない、スーパー林道の標高390m弱にあるヘアピンカーブから丸穂へと下る峠道から登ることにした。そのコースから四本松〜長命水(生命の水)〜猿のコル〜櫨ケ森〜毛山〜鹿のコル〜中岳〜鬼ケ城山〜猪のコル〜大久保山〜猪のコルよりトラバース道〜鹿のコル〜尻割山〜四本松へと辿る、半回遊コース。休憩等入れてコースタイムは7時間半。
地形図ではその丸穂へと下る峠道は全ルート、破線で記されているが、何割かは林道になっている。峠の少々西までの林道の区間は、滑床渓谷から四ヶ所のインクラインを経由して、野川奥まで達していた滑床林用軌道の廃線跡である。
その林道入口にはゲートが設けられており、一般車の通行は禁止されているが、徒歩時は脇から入る。
林道を数百メートル歩くと、左手にシダに隠れた歩道が分岐しているが、ここが地形図に記載の破線と林道との分岐点。そこから破線の道を辿る。
最高所は峠風になっており、歩道や作業車道が交差・合流している。尚、ここの地形図の破線は若干間違っている。この尾根に乗った地点は実際、破線の位置より若干南である。国土地理院の作図では、こういう微妙なミスが少なくない。
そこからは尾根上に造られた森林管理署の民有林境界道を辿って、大引尾根の丸山公園コースとの合流点へと登る。その合流地から上を千本松と言うが、昔は道の両側に沢山の松があった。今では杉・桧に変わっており、松は数えるほどしかない。
そこからはこの大引尾根コースを上がることになるが、この尾根も民有林境界道で傾斜はきつい。
第20番の民有林境界目出し標周辺は八本松と言い、昔、八本の松の大木があった所だが、大木に相当するような松はない。
721m独立標高点は四本松と言う。ここには辛うじて、四本の内の一本が、枯木となって佇んでいる。
ここは宇和島湾から宇和海の眺望が優れており、古くから登山者の休憩地として親しまれてきた。
そこから2分弱登ると、スーパー林道・生命の水との分岐道標が立っている。これ以上、傾斜のきつい大引尾根は上りたくないので、そのトラバース道に折れる。こちらの道は傾斜が緩やかだが、最初の内は路面が石ころだらけで若干歩き難い。
途中、道が抉れた箇所に梯子風の板橋が架けられているが、どれも苔で滑り易い。
最も南に切れ込んだ谷の岩盤に生命の水こと、長命水が流れている。
スーパー林道に出ると、若干北に下った所に梅ケ成峠登山口道標が立っているので、そこを上る。
猿のコルに到ると、そこから尾根を櫨ケ森(1064m)目指して直登したが、後で後悔することになる。と、言うのは、上部に行くと想像以上の傾斜で、ステップが思うに任せず、足がずり落ちるようになったからである。少々遠回りでも梅ケ成峠から市境尾根を登るべきだったが、もう引き返すことはできない。
何とか櫨ケ森山頂に達したが、予想通り樹林の中で展望はない。ここから毛山(1089m)までの尾根道は、雪上に登山者の足跡はあるものの、藪化が進行しており、多少、藪漕ぎを要する。夏場は歩きたくない尾根である。
毛山も展望はない。山頂は三叉路となっているが、南の鹿のコル方向へと下る。
滑床林用軌道跡から延長されてきた林道に下り立つと、目の前にスーパー林道との合流地である鹿のコルが見えている。
尚、鬼ケ城山周辺には、鹿の他にも猿や猪の名称を冠したコルがあるが、それらのコルの名称は皆、元滑床観光開発推進講師で登山家の大谷彰氏が昭和期に命名したもの。
スーパー林道を若干南に歩くと、八面山方面への道標が出ているが、その道標の裏から道なき尾根を南に上がる。その最高所である中岳(1058m)山頂は細長く狭く、流石に山名板や登頂記念板もない。そこからは一旦東に振った後、南の鞍部に下って、鞍部からは鬼ケ城山への上りにかかる。
地形図の破線が鬼ケ城山の北東の稜線に乗った地点は、道標の建つ三叉路となっている。
鬼ケ城山山頂は前述の各山と比べると明るいが、残念ながら周囲の樹木が生育しているため、展望は殆どなくなっていた。山頂からは南東へ下る。
猪のコルは道標の建つ四差路となっており、ここから眼前に迫る大久保山(1155.5m)までは西側一帯が開けており、鬼ケ城山から権現山に到る尾根を越えて宇和海まで見渡すことができる。是非また、春から初夏の天気のいい日に訪れてみたい。
大久保山山頂は、これまでの展望の悪かった山々とは正反対で、草原状の頂上からはパノラマが広がっている。天気が良ければ、周辺の山々や宇和海の胸のすく眺望が得られるはずである。
大久保山からは猪のコルまで戻り、そこから鹿のコルへの道標に従い、北西に下りる。この道は地形図にも記載されているように、山腹の道だから起伏は少ないものの、展望はなく、単調な道。
鹿のコルからはスーパー林道を歩き、右ヘアピンカーブから道標を見て、すぐ下の尻割山(982m)へ「下山して登頂」する。この尾根道は往路登った大引尾根で、森林管理署では「登山道・大引尾根線」と呼称している。
尻割山山頂からの眺めは、この日のコース中では、大久保山に次ぐ展望を誇り、眼下の宇和島城下から宇和島湾、戎山、堂崎、九島等が手に取るように分かる。戎山と言うと余談だが’08年、宇和島市の嘱託職員や歴史研究家たちと共に幕末の恵美須山砲台跡を史上初、同定したことがある。
尻割山からは急勾配の大引尾根線を一直線に下る。往路に利用しなくて良かった、と誰しも思うことだろう。四本松からは来た道を引き返すのみ。
[感想]
登山初級者は、大引尾根線を尻割山まで登るのは辛いだろうが、今回紹介した長命水コース(登山道・若山線)を登れば、気軽に雪上軽登山を楽しむことができる。中級者以上なら、大久保山から八面山(1166m)を往復することもできる。
尚、丸山公園コースと野川コースは林道によって繋がっている。
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