【京都北山】小野村割岳・光砥山 吹雪の日は北山散歩
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.1km
- 登り
- 633m
- 下り
- 646m
コースタイム
天候 | 終日,雪(稜線上は風雪) |
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過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・広河原で70cm程度,稜線上で100〜150cm程度の積雪。昨夜からの新雪は稜線上で20〜30cmほど。今回はスキーを使いましたが,新雪の下に比較的締まった雪の層があるため,ワカンやスノーシューでも十分登れそうな状態。 ・小野村割岳や光砥山のある芦生研究林南縁の稜線は,穏やかな樹林の尾根が続き難しいところはないが,いくつか枝尾根に誘い込まれそうな箇所があるため,読図注意。特に北側の由良川の支谷は険谷が多く,過去に道迷いによる遭難事故も起こっている。 |
写真
装備
備考 | ・スキー使用 |
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感想
この週末はあまり時間がなく,強い冬型気圧配置と寒気で天候も厳しいので,地元の京都北山で散歩。厳冬期の芦生スギの巨木たちがどんなたたずまいなのか見てみたかったし,雪深い時期の広河原の集落も久しぶりに訪れてみたかったので,芦生研究林南縁の稜線をうろついてみることにした。足ごしらえはちょっと迷った末,スキーを持っていくことにした。今年はせっかく雪も多いことだし,京都北山をスキーでうろついてみるのも悪くないだろう。
稜線上は予想通り吹雪いていたが,このエリアの稜線は終始樹林に包まれているうえ,冬でも黒々とした芦生スギの密生が風を遮ってくれるおかげで,問題なく行動することができた。林道も奥まで付けられていてアクセスもいいので,今日のように標高の高いところや樹林のない雪稜ではホワイトアウトで行動が難しそうな日のスノーハイクに向いているかもしれない。一面の純白の雪に覆われ,見通しの良くなった森の中で,芦生スギの巨木の一本一本が存在感を増しており,分厚い氷雪に覆われ風雪に唸る姿は凄みを感じさせた。もともと芦生スギの特異な形態や,伏条更新などの特殊な生態も,日本海側の多雪に対応したものだそうなので,今冬の豊富な積雪の中で,芦生スギも本来の姿を取り戻していると言えるのかもしれない。
そして意外にスキーも楽しめた。近年,京都北山はシカの食害などでヤブがほとんどなくなってしまい,下層植生が貧弱になっているので(それ自体は本当に悲しむべきことですが…),積雪がそれほどでもなくても割とすっきりした雪尾根になってしまい,もともと穏やかな山域であることとも相まって,スキーでも歩きやすく滑りやすい印象だった。
そうそう,芦生といえば,昨年暮れ,芦生研究林に市民研究者として長年通われている福本繁さん(「芦生短信」のブログ主の方)が「芦生原生林を歩きつくす フィールドワーク20年の調査と発見」を刊行された。好著なので京都北山好き・芦生好きの方,そうでなくても山好きの方は是非ご一読を。山の動植物の生態の記載が豊富で本当に勉強になる。
コメント
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京都の北山はもとより眺望を期待しないので、晴天でない時には必然的に北山に足を運ぶことが多く、この日は私も北山を目指したものの、一昨年に新調した車がスタッドレスではないので登山口ですごすごと引き返してしまいました。最初から京都バスに乗って北山の奥を目指せば良かったかな〜とhillwanndererさんのレコを拝見して思いました。
というのも、この光砥山、小野村割岳の山域、芦生杉に惹かれて何度も足を運んではいるのですが、雪を纏った芦生杉を見てみたい・・・と思いながらも、まだその機会を得ていないのでした。
杉の写真写りは陽射しがない時の方が明らかによくて(私の技術がないせいかもしれませんが)、杉の樹影というか存在感をより強く感じるのですが、雪の日はまた違った存在感を感じるのでしょうね。
芦生杉の特異な形態が多雪に対応したもの・・・杉にはオモテ杉とウラ杉の二種類しかないようですが、確かに台から板(支幹)が生じるのは着雪により枝や幹を彎曲させることが出来るウラ杉ならではの特質のせいですね。
芦生原生林のご本の紹介、有難うございました。早速、ネットで注文致しました。
こんばんは! yamaneko0922さんも同じ日に北山を目指されていたんですね。今年は京都北山を含めどの山域も雪が多くて、楽しいですね。
私もこの時期のこの稜線は初めてで、雪がたっぷり乗った芦生スギの大杉は初めて見ました。吹雪いていたこともあると思うのですが、荒々しさがさらに際立つというか、新鮮な眺めでした。
白山周辺や奥美濃のあたりを歩いていると、尾根の上で複雑怪奇な枝振りのスギの巨木に会うことがあり、芦生スギみたいだな〜と思っていたのですが、よく考えたら、yamaneko0922もおっしゃるとおり、どちらもウラ杉の仲間で、同じものなんでしょうね。
芦生の本、博物誌のようで本当に面白いです。こんな風な目で山を見つめながら歩けたら本当に楽しいだろうな、と思います。
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