ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3974946
全員に公開
雪山ハイキング
京都・北摂

【京都北山】小野村割岳・光砥山 吹雪の日は北山散歩

2022年02月05日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
13.1km
登り
633m
下り
646m

コースタイム

日帰り
山行
8:00
休憩
1:30
合計
9:30
8:00
120
駐車地
10:00
30
稜線
10:30
130
12:40
20
13:00
14:30
30
谷を滑ったり登り返したり
15:00
110
16:50
40
早稲谷林道入り口
17:30
駐車地
稜線付近で1時間半ほどスキーで遊んだので,その分,所要時間が長くなっています。
天候 終日,雪(稜線上は風雪)
過去天気図(気象庁) 2022年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
広河原スキー場付近の除雪スペースに駐車。
コース状況/
危険箇所等
・広河原で70cm程度,稜線上で100〜150cm程度の積雪。昨夜からの新雪は稜線上で20〜30cmほど。今回はスキーを使いましたが,新雪の下に比較的締まった雪の層があるため,ワカンやスノーシューでも十分登れそうな状態。
・小野村割岳や光砥山のある芦生研究林南縁の稜線は,穏やかな樹林の尾根が続き難しいところはないが,いくつか枝尾根に誘い込まれそうな箇所があるため,読図注意。特に北側の由良川の支谷は険谷が多く,過去に道迷いによる遭難事故も起こっている。
雪深き2月の広河原の里。道路上には昨夜からの新雪が15cmほど積もっていた。
雪深き2月の広河原の里。道路上には昨夜からの新雪が15cmほど積もっていた。
ネジリキ谷沿いの林道にスキーを進める。
ネジリキ谷沿いの林道にスキーを進める。
標高点532mの二俣から中間尾根に取りつく。植林のスギと雑木のやや散漫な印象の尾根で,そこまでお勧めできない感じ。しかも急斜面かつユズリハなどの低木の密度が濃く,スキーだと登りにくいことこの上ない。佐々里峠から地道に回って来ればよかったなぁ…。
標高点532mの二俣から中間尾根に取りつく。植林のスギと雑木のやや散漫な印象の尾根で,そこまでお勧めできない感じ。しかも急斜面かつユズリハなどの低木の密度が濃く,スキーだと登りにくいことこの上ない。佐々里峠から地道に回って来ればよかったなぁ…。
ちょこまかとキックターンを繰り返して,やっと稜線に出た。稜線上は吹雪いているが,視界は十分にあり,冬でも葉を落とさない芦生スギが密に生えているおかげで風も少し弱められている。今日,この山域を選んだのは正解だったかもしれない。
ちょこまかとキックターンを繰り返して,やっと稜線に出た。稜線上は吹雪いているが,視界は十分にあり,冬でも葉を落とさない芦生スギが密に生えているおかげで風も少し弱められている。今日,この山域を選んだのは正解だったかもしれない。
雪をまとったブナや芦生スギの森を縫っていく。
1
雪をまとったブナや芦生スギの森を縫っていく。
積雪は100cm〜150cmくらいか。今年はもっと積もってるかな,と思っていたのだが,近年ではこれでも多いほうだろう。
積雪は100cm〜150cmくらいか。今年はもっと積もってるかな,と思っていたのだが,近年ではこれでも多いほうだろう。
一面の雪の中に佇立する雷杉。
3
一面の雪の中に佇立する雷杉。
ウロの中から雪景色を眺める。
2
ウロの中から雪景色を眺める。
稜線周辺に林立する芦生スギの巨木を眺めつつ,うろうろ。
1
稜線周辺に林立する芦生スギの巨木を眺めつつ,うろうろ。
この稜線には何度も来ているが,よく考えたら2月のこの時期は初めて。雪をたっぷりまとった芦生スギも何とも言えない謹厳さがあり,いいものだ。
3
この稜線には何度も来ているが,よく考えたら2月のこの時期は初めて。雪をたっぷりまとった芦生スギも何とも言えない謹厳さがあり,いいものだ。
芦生スギの巨木があるあたりだけ,空気感がぴりっとしている気がする。
1
芦生スギの巨木があるあたりだけ,空気感がぴりっとしている気がする。
一瞬だけ青空。おそらく,このあたりは雪雲と晴天域との境目なのだろう。しかし,すぐ元のとおり曇天に閉ざされ,風雪に覆われてしまった。
1
一瞬だけ青空。おそらく,このあたりは雪雲と晴天域との境目なのだろう。しかし,すぐ元のとおり曇天に閉ざされ,風雪に覆われてしまった。
稜線を東へ。この天候では眺望は望めないが,軽い新雪の中,スキーを進めているだけでも楽しい。
稜線を東へ。この天候では眺望は望めないが,軽い新雪の中,スキーを進めているだけでも楽しい。
また立派な芦生スギ。
4
また立派な芦生スギ。
これも立派。
時折強まる降雪に,みるみるうちに真っ白になっていく芦生側の森。
1
時折強まる降雪に,みるみるうちに真っ白になっていく芦生側の森。
雪をまとった異形のスギたち。
1
雪をまとった異形のスギたち。
時々ガスが薄れて,芦生側の遠景がうっすらと見える。眼下の谷間では,由良川源流が雪の峡谷の中を黒々と流れているのだろうか。
1
時々ガスが薄れて,芦生側の遠景がうっすらと見える。眼下の谷間では,由良川源流が雪の峡谷の中を黒々と流れているのだろうか。
ついついシールを剥がして滑り込みたくなるような,真っ白な谷の源頭。でもこれは険谷として有名なゲロク谷右俣なので降りませんが…。
ついついシールを剥がして滑り込みたくなるような,真っ白な谷の源頭。でもこれは険谷として有名なゲロク谷右俣なので降りませんが…。
細かいアップダウンをいくつか越えて。
細かいアップダウンをいくつか越えて。
小野村割岳に到着。
2
小野村割岳に到着。
この稜線でよく見る標柱。あとひと降りで完全に埋没しそうだ。
この稜線でよく見る標柱。あとひと降りで完全に埋没しそうだ。
ここまで来たら,光砥山にも寄ってこう。こんこんと雪が降りしきる中,稜線をさらに東へ。
2
ここまで来たら,光砥山にも寄ってこう。こんこんと雪が降りしきる中,稜線をさらに東へ。
とはいうものの,せっかくスキーで来ているのに,歩くだけではもったいない。いい感じの斜面を見つけたので,シールを剥がしてドロップ。
とはいうものの,せっかくスキーで来ているのに,歩くだけではもったいない。いい感じの斜面を見つけたので,シールを剥がしてドロップ。
たーのしーい。寒気のおかげで気温が低いのでサラサラのパウダー。良い斜面を見かけては,3回ほど滑ったり登り返したりを繰り返して遊んだ。
2
たーのしーい。寒気のおかげで気温が低いのでサラサラのパウダー。良い斜面を見かけては,3回ほど滑ったり登り返したりを繰り返して遊んだ。
そしてまだまだ出てくる氷雪の芦生スギ。
2
そしてまだまだ出てくる氷雪の芦生スギ。
板取大杉 in 厳冬
そして光砥山(こうんどやま)に到着。もう少しで看板埋まりそう。
しかし,毎度思うが,「こうんどやま」という山名自体も面白いが,「光砥山」とは渋い漢字を充てたもんだと思う。
3
そして光砥山(こうんどやま)に到着。もう少しで看板埋まりそう。
しかし,毎度思うが,「こうんどやま」という山名自体も面白いが,「光砥山」とは渋い漢字を充てたもんだと思う。
無雪期でも人声まれな静かな山頂だが,いまは一面の深い雪に覆われて,閑寂の感がさらに強くなっている。
1
無雪期でも人声まれな静かな山頂だが,いまは一面の深い雪に覆われて,閑寂の感がさらに強くなっている。
さて,スキーのシールを剥がして,光砥山山頂から直接,早稲谷に滑り込む。
さて,スキーのシールを剥がして,光砥山山頂から直接,早稲谷に滑り込む。
静かな林間を,新雪に浮き沈みしつつ滑り降りていく。
静かな林間を,新雪に浮き沈みしつつ滑り降りていく。
早稲谷林道に着地。この林道も最初は結構傾斜があり,板が痛快に走って気持ちいい。
1
早稲谷林道に着地。この林道も最初は結構傾斜があり,板が痛快に走って気持ちいい。
おっとっと,橋が落ちてる…。3回ほど橋がない箇所があり,スキーを脱いで渡渉。(水量は少なく,容易)
おっとっと,橋が落ちてる…。3回ほど橋がない箇所があり,スキーを脱いで渡渉。(水量は少なく,容易)
林道が平坦になってからは,手漕ぎも交えてするすると林道を下っていく。気温が低いおかげで板が良く滑り,助かった。
林道が平坦になってからは,手漕ぎも交えてするすると林道を下っていく。気温が低いおかげで板が良く滑り,助かった。
ダム湖が凍っている…。
2
ダム湖が凍っている…。
ゲートは雪の下となっていた。
ゲートは雪の下となっていた。
最奥の人家。雪に深く埋もれ,人の気配はなかった。
1
最奥の人家。雪に深く埋もれ,人の気配はなかった。
除雪地点に到着。スキーを脱いで山行終了。
除雪地点に到着。スキーを脱いで山行終了。
一面の雪景色を眺めながら,ぶらぶらと駐車地に戻った。
2
一面の雪景色を眺めながら,ぶらぶらと駐車地に戻った。

装備

備考 ・スキー使用

感想

 この週末はあまり時間がなく,強い冬型気圧配置と寒気で天候も厳しいので,地元の京都北山で散歩。厳冬期の芦生スギの巨木たちがどんなたたずまいなのか見てみたかったし,雪深い時期の広河原の集落も久しぶりに訪れてみたかったので,芦生研究林南縁の稜線をうろついてみることにした。足ごしらえはちょっと迷った末,スキーを持っていくことにした。今年はせっかく雪も多いことだし,京都北山をスキーでうろついてみるのも悪くないだろう。
 稜線上は予想通り吹雪いていたが,このエリアの稜線は終始樹林に包まれているうえ,冬でも黒々とした芦生スギの密生が風を遮ってくれるおかげで,問題なく行動することができた。林道も奥まで付けられていてアクセスもいいので,今日のように標高の高いところや樹林のない雪稜ではホワイトアウトで行動が難しそうな日のスノーハイクに向いているかもしれない。一面の純白の雪に覆われ,見通しの良くなった森の中で,芦生スギの巨木の一本一本が存在感を増しており,分厚い氷雪に覆われ風雪に唸る姿は凄みを感じさせた。もともと芦生スギの特異な形態や,伏条更新などの特殊な生態も,日本海側の多雪に対応したものだそうなので,今冬の豊富な積雪の中で,芦生スギも本来の姿を取り戻していると言えるのかもしれない。
 そして意外にスキーも楽しめた。近年,京都北山はシカの食害などでヤブがほとんどなくなってしまい,下層植生が貧弱になっているので(それ自体は本当に悲しむべきことですが…),積雪がそれほどでもなくても割とすっきりした雪尾根になってしまい,もともと穏やかな山域であることとも相まって,スキーでも歩きやすく滑りやすい印象だった。
 そうそう,芦生といえば,昨年暮れ,芦生研究林に市民研究者として長年通われている福本繁さん(「芦生短信」のブログ主の方)が「芦生原生林を歩きつくす フィールドワーク20年の調査と発見」を刊行された。好著なので京都北山好き・芦生好きの方,そうでなくても山好きの方は是非ご一読を。山の動植物の生態の記載が豊富で本当に勉強になる。 

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:544人

コメント

hillwandererさん こんにちは
京都の北山はもとより眺望を期待しないので、晴天でない時には必然的に北山に足を運ぶことが多く、この日は私も北山を目指したものの、一昨年に新調した車がスタッドレスではないので登山口ですごすごと引き返してしまいました。最初から京都バスに乗って北山の奥を目指せば良かったかな〜とhillwanndererさんのレコを拝見して思いました。

というのも、この光砥山、小野村割岳の山域、芦生杉に惹かれて何度も足を運んではいるのですが、雪を纏った芦生杉を見てみたい・・・と思いながらも、まだその機会を得ていないのでした。

杉の写真写りは陽射しがない時の方が明らかによくて(私の技術がないせいかもしれませんが)、杉の樹影というか存在感をより強く感じるのですが、雪の日はまた違った存在感を感じるのでしょうね。

芦生杉の特異な形態が多雪に対応したもの・・・杉にはオモテ杉とウラ杉の二種類しかないようですが、確かに台から板(支幹)が生じるのは着雪により枝や幹を彎曲させることが出来るウラ杉ならではの特質のせいですね。

芦生原生林のご本の紹介、有難うございました。早速、ネットで注文致しました。
2022/2/8 19:01
yamaneko0922さん
こんばんは! yamaneko0922さんも同じ日に北山を目指されていたんですね。今年は京都北山を含めどの山域も雪が多くて、楽しいですね。
私もこの時期のこの稜線は初めてで、雪がたっぷり乗った芦生スギの大杉は初めて見ました。吹雪いていたこともあると思うのですが、荒々しさがさらに際立つというか、新鮮な眺めでした。
白山周辺や奥美濃のあたりを歩いていると、尾根の上で複雑怪奇な枝振りのスギの巨木に会うことがあり、芦生スギみたいだな〜と思っていたのですが、よく考えたら、yamaneko0922もおっしゃるとおり、どちらもウラ杉の仲間で、同じものなんでしょうね。
芦生の本、博物誌のようで本当に面白いです。こんな風な目で山を見つめながら歩けたら本当に楽しいだろうな、と思います。
2022/2/8 22:50
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら