駒の尾山から鍋ヶ谷山北尾根経由周回


- GPS
- 05:37
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 560m
- 下り
- 566m
コースタイム
天候 | 晴れたり曇ったり、時々小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登りの冬道のある谷筋は水流が雪を融かして亀裂となっているため渡渉箇所を吟味する。雪はかなり固くなってきているが、新雪の蓄積あり、特に上部ではそれなりに厳しいラッセルとなる。下りの尾根と裾での作業道選択に慎重なルートファインディング要。 |
その他周辺情報 | 山崎町に「よい温泉」ほか。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
スノーシュー
ストック。
|
---|
感想
1月には2回にわたり、降ったばかりの新雪を踏んでの雪山行脚を果たしたが、まだまだ雪遊びが出来そうな雰囲気が続いている。この日はようやく兵庫県北部の天気もまずまずの予想となり、先月行きそこなった駒の尾山周辺に出撃だ。
冬型が崩れて移動性高気圧が本州の上を通過中なので、気温が高めに推移し、いつも寒々としている中国道東播地域のパーキングエリアの空気も少し優しい。暖かいのは助かるが、山の雪が緩むと格段に重くなりエネルギーを食われるので、そのバランスが難しいところだ。いつものように山崎インターで高速を降り、北に向かって車を走らす。前回来た時にはこの辺りの田畑も雪に埋もれていたのだが、今日はすっかり雪が消えて、季節が動いているのを感じる。それでも鳥が乢トンネルを抜けて千種の側に入ると、周囲は雪景色に変わる。この辺りの路面はきれいに乾いていて、不安はない。前回の天児屋山の時には、路面まで真っ白で除雪車がフル稼働だった。14年を過ごした冬の東北を思い出したものだが、今日は兵庫県の顔に戻っている。松の木公園の駐車場も雪が完全に取り除けられているので、足を濡らさずにトイレに行ける。さらに少々車を走らせ、鍋ヶ谷林道入口直下のアスファルトの出ている駐車スペースに到着だ。
曇天の空は少々恨めしいが、山中で晴れてくることを期待し、早速行動を開始する。林道入口でスノーシューを装着して、スタートだ。林道上には一名分だがトレースが付いていて、ほっと一安心。だがそれもつかの間、冬道分岐に達するとトレースは林道方向に向かっていたのだ。我々が向かう冬道はしっかり雪に覆われている。ここからラッセルとなる。とはいえ、2メートル近い新雪の積もっていた前回とは違い、雪はかなり堅くなっている。沈むのは上部に積もった新しい雪の分でなんとか収まってくれている。それに、古いトレースらしきわずかな窪みが続いているので、それを踏んで進めば大分楽ではある。一方前回とは異なる問題も。斜面や樹上から落下した雪が谷筋にたまってきているのだ。途中で左岸をまっすぐ進むのが難しくなり、水流でぱっくりと口を開けた沢を何とか渡渉して右岸に移る。ここから上部の作業道に向かって急登する。作業道上には再び古いトレースに由来するわずかな窪みが続いていた。これを辿って作業道跡がわからなくなる谷の上部まで進んでいく。この辺りまで登ってくると時々背後に視界が開けてくる。青空も見え始めた。谷の源頭部からは、すり鉢状の斜面を登るが、古いトレース痕跡はもはやここにはなく、木々の幹を頼りながら斜上してゆく。雪面にクランボンを効かせて高度を稼ぐが、足の沈みは深まり、ラッセルに息が上がる。苦しい。稜線はまだか〜、と喘ぎながら一歩一歩進む。傾斜が緩み、赤テープなどが散見されると、目前に一般ルートの道標が飛び込んできた。ついに稜線だ!
主稜線に出ると、段ヶ峰(だるがなる)方向からのワカンのトレースがしっかりと残っていた。助かったー! と言っては見たが、さっきまでのラッセルの後遺症で、ちょっと胸元が不快である。それでも1211mPKを越してほぼ平坦路になると徐々に回復していった。左から、スノーシューの跡が登ってきていた。そして、尾根が広がり始め、がっしりとした三室山の雪景色などが眺められるようになると気分はハイにスイッチング。そして目前には駒の尾山の避難小屋が見えてきた。一か月前にはほとんど屋根しか出ていなかったという小屋も、今ではしっかりその姿を顕している。そしてすぐに広々とした山頂直下に出る。岡山県最高峰の後山、それと背丈を競わんと並ぶ舟木山が左前方に大きい。広々と伸びやかな後山への稜線、まばらに立つ木々の霧氷。黒い雪雲の切れ間から陽光が降り注ぐと、まばゆいばかりに霧氷が輝き、垣間見える青空を背景に冬山の神秘を漂わせる。小屋の前の案内板の上縁に積もった雪を払いのけて、それを椅子にかえ、昼食だ。ラッセルで消耗した体が早くATPを〜と悲鳴を上げているのだ。素晴らしい雪原風景を前に、タイムリーな陽光のもと、巨大チキンカツサンドを頬張る。すると、次々と登山者が登ってくるではないか。みんな、待ちかねていた好天の休日なのだ。
食後、すぐ後ろの駒の尾山の山頂を踏み、鍋ヶ谷山へと向かう。美しい雪のスロープと、意外に切れ落ちた斜面の高度感が、伸びやかな眺望と見事なコントラストを作り、小気味がいい。
丸い雪面を登りきるとそこは鍋ヶ谷山の山頂。山名を書いた杭が顔を出している。ここから我々は北の支尾根を下る。ここにはトレースはない。最初のうちは伸びやかな尾根で、林下のふかふかのまま残された雪を快適に飛ばして下るが、すぐに激傾斜に変容する。慎重にスノーシューを運んで木の幹を抱きながら一歩一歩進む。ジグザグに下るが、気を抜くことができない。さらに尾根型が不明になるので、進行方向にも注意が肝要である。しばし緊張の時を過ごす。やっと傾斜がなくなり、と同時に尾根型が現れる。しばらくは尾根に沿って問題なく下降を続ける。最後の登り返しのあと、作業道跡を利用して下るが、途中に出くわすブル道に引き込まれると迷路に入り込むので要注意である。作業道を慎重に選びながら隣の谷に向かって降りてゆく。谷筋の上までくると、スキー登山のトレースに出くわした。これに沿って下りに下る。最後は、鍋ヶ谷林道に合して、そこから入り口までは5分とかからない。
こうして本シーズン3回目の充実の雪山行脚を無事終えたのだった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する