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Yamareco

記録ID: 4001353
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

奥秩父前衛・新府城跡駐車場から金ヶ岳─茅ヶ岳─韮崎駅

1996年06月02日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
30.7km
登り
1,615m
下り
1,733m

コースタイム

日帰り
山行
8:15
休憩
2:03
合計
10:18
6:14
11
新府城跡駐車場
6:25
21
6:46
6
国道141号
6:52
40
三村橋
7:32
2
茅ヶ岳広域農道
7:34
7:44
6
休憩
7:50
35
茅ヶ岳広域農道記念碑
8:25
29
行き止まり
8:54
9:04
3
茅ヶ岳広域農道記念碑
9:07
15
栃沢川
9:22
14
浅尾交叉点
9:36
15
東大宇宙線研付属明野観測所
9:51
13
コンクリート造りの休憩小屋
10:04
10:14
41
休憩
10:55
11:30
32
「山頂まで1.0 km」標識
12:02
12:17
7
12:24
2
金ヶ岳南峰
12:26
15
12:41
13
12:54
13:14
9
13:42
13:52
32
14:24
14:29
23
14:52
18
柳平2つの池
15:10
34
柳平下バス停
15:44
13
茅ヶ岳広域農道
15:57
16:05
10
中央自動車道跨道橋
16:15
17
穂坂橋
16:32
韮崎1649━1653新府
1653 新府駅 発
1705 新府城跡駐車場 着
天候 曇り時々晴れ
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新府城跡の駐車場にクルマを置いた。帰りは韮崎駅から新府駅まで電車でひと駅戻った。
金ヶ岳頂上
金ヶ岳頂上から南アルプス
金ヶ岳頂上から南アルプス
甲斐駒を中心に
金峰山を中心とした奥秩父の山やま
金峰山を中心とした奥秩父の山やま
茅ヶ岳頂上
さっきまで居た金ヶ岳の背後に、八ヶ岳。
さっきまで居た金ヶ岳の背後に、八ヶ岳。
茅ヶ岳頂上から南アルプス
茅ヶ岳頂上から南アルプス
茅ヶ岳頂上から金峰山(奥秩父方面)
茅ヶ岳頂上から金峰山(奥秩父方面)
百の頂に百の喜びあり
百の頂に百の喜びあり

装備

個人装備
Tシャツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 ザック 行動食 非常食 飲料 ライター 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ロールペーパー 時計 タオル カメラ

感想

 甲府盆地の北西に位置する茅ヶ岳は『日本百名山』の著者として知られる深田久弥氏が登山途中に病死したことで知られる山である。氏の死によって『日本101番目の名山』とされた観もある茅ヶ岳の登山拠点となる韮崎市には車で前日のうちに入り、新府城跡の駐車場で一夜を明かした。
 基本的に茅ヶ岳は『富山(車5時間)大明神登山口(2時間)茅ヶ岳(1.5時間)大明神登山口(車5時間)富山』で強行日帰りのできる山なのだが、個人的にはピストンの登山が嫌いだし、車で入れるところまで入る発想も気にくわない。縦走形態の登山ができるコースを組むと、韮崎から茅ヶ岳の西麓の明野村までバスに乗り、そこから金ヶ岳、茅ヶ岳を経て南麓の大明神登山口へ降り、さらに麓の柳平からバスで韮崎に戻るコースとなる。ところが韮崎駅でバスダイヤを確認すると、バスの本数が少なく、明野村雪のバスの始発は8時台。これじゃ前日のうちから韮崎に来ていた意味が全くないので、新府城跡から歩くことにした。
 6時過ぎに新府城跡駐車場を出発、国道141号線に出たあと、塩川を三村橋で渡る。中央道の下をくぐり、バス路線のある県道を横切り、茅ヶ岳広域農道に出るまで新府から1時間20分の歩きだった。茅ヶ岳広域農道に沿って歩くと、やがて農道竣工記念碑が現れ、地元の特産品の販売所が建っているが、時間が早いせいでまだ閉まっていた。地形図上ではここから茅ヶ岳の登山道まで林道で繋がっている風に記載されているので近道のつもりでこの林道に入った。すると林道を進むに従って雑草の繁茂が凄くなり、車は勿論のこと、人すら通れぬ状態。結局もとの農道竣工記念碑まで戻ることになり、時間を1時間20分もロス。『急がば回れ』は登山の鉄則ということを再認識した。
 ガイドブックに載っている浅尾から東光、東大宇宙線観測所を経由するコースに乗り、コンクリート造りの休憩小屋に着いたのは10時前。ここからいよいよ樹林帯の中の登山道を歩く。天気予報ではこの日は「晴れのち時々曇」と言っていたのだが、朝からドンヨリと曇った天気。お蔭でアスファルト道の歩きは暑くなくて済んだが、頂上からの展望が望めそうもないのを半ば覚悟し、適度に緩い山道を登る。
 この登山道、何とも親切なことに100 mおきに『頂上まであと何m』の標識が付いている。『頂上まであと1.0 km』という標識のところで昼食を摂り、ここから30分ちょっと登るとアッサリと金ヶ岳の頂上に着いた。実は茅ヶ岳より60 m標高が高いこの山頂、少し雲より頭が抜けているようで、展望が全くないわけではなかった。雲海のむこうに南アルプスの鳳凰三山や甲斐駒が見えた。他の登山者が甲斐駒を『北岳だ!』と言っていたが、北岳は鳳凰三山のウラに隠れてしまうはず。北側に眼を移すと、これまた雲海のむこうに奥秩父の盟主・金峰山が見事なスカイラインを引いて立っていた。金峰山がこんなに綺麗に見たのは初めてだ。
 金ヶ岳頂上から少し下り、天然の石門をくぐって登り返すと茅ヶ岳の山頂。天気は回復傾向にあるのか、仙丈ヶ岳や八ヶ岳も見えるようになってきた。茅ヶ岳の山頂には東京方面からの登山ツアーの連中がいて、うるさかったが、彼らが下山してしまうと、途端に静かになった。
 頂上から10分も下ると『深田久弥終焉の地』に着く。この碑に手を合わせた後、さらに下ると女岩の水場に出た。緩い坂道を下るとやがて道は林道状になり、大明神登山口に着いた。登山口付近の深田公園には『百の頂に百の喜びあり』と彫られた久弥の自筆の碑が建っていた。
 大明神登山口からほんの数百mで県道に出る。ここは韮崎市と敷島町の境に当たり、茅ヶ岳へピストンするひとたちの車が多数駐まっており、先の登山ツアーの人たちの観光バスも駐まっていた。近くのボッチ峠でいわゆる『ローリング族』が“合同練習”もしくは“相互技術鑑賞会”をやっているのか、タイヤの軋む音がやたら聴こえる。そんな県道をバス停目指して下っていると、14:10に柳平下のバス停に着いた。1日4往復しか便がないこのバス停の次の便は、なんと17:08…。3時間も待っていられないので、韮崎駅まで歩くことにした。天気が完全に回復したため照りつける陽差しのなか、1時間20分の歩きで韮崎駅に着いた。
 ということで当初の予定と大幅に異なり、バスを一切使わず、必要以上に歩きの多い山行になってしまった…。韮崎駅から新府駅までは電車で一駅。新府駅から新府城跡駐車場に戻り、車を回収。富山へ戻った。

(越中やたらと登る会会報「さんぼ」No.15(1996.8.8発行)掲載の記事をほぼ全文忠実に転載)

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