記録ID: 4104262
全員に公開
山滑走
槍・穂高・乗鞍
乗鞍岳
2022年03月21日(月) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 06:46
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,468m
- 下り
- 1,489m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 5:34
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 6:45
13:22
山スキー35日目。ゲレンデ10日。
今回、K2 COOMBACK 177cm 136-104-122mm R23m を使用したが、一般的に春スキーは細め短めの板が良いらしい。なぜだろうか?少し考えてみた。例えば、今回ように薄く硬いクラスト層がある場合、細め短めの板だと板の面積が狭いために薄いクラスト層を踏み抜きやすくなり、その下層の柔らかく滑走しやすい雪の層にエッジを効かすことが可能となり、比較的安全に滑走しやすくなるだろう。また、クラスト層を踏み抜けなくとも、エッジにかかる単位面積あたりの荷重が高くなり、よりエッジにパワーをかけることができ、安定した滑走が可能となるのだろう。もし、自分が使っている板より30%面積が小さければ、実感を持って滑走のし易さが変わるような気がする。そういえば、今回、他の板のトレース跡の中に、相当に細い板のものがあった。あの板を使っていた方は、乗鞍からのカリカリクラスト斜面からのドロップを考慮したのだろうか。
今日の乗鞍に対して先週の野伏ヶ岳では、皆さんは比較的、細め短めの板だったが、雪がぐずぐずに緩んでいたため、自分の幅広の板のみ、きちんと浮力を得ることができ、快適に滑走できたのではないだろうか。
春スキーの場合、気温によってカチカチクラスト、ぐずぐずの雪など両極端になることが多いことが想定されるので、そういったことも考慮して板を選択すべきなのだろう。
ただし、自分はクンバックとヘーガンツアーエキスパートだけしか選択肢がないので、とりあえずはクンバックで行くしかないだろう。この辺のことは、来シーズンの課題となりそうだ。なんにしても山スキーはお金がかかる・・・・。
手の凍傷対策としては、スキー板の装着なども考慮して、指が動くようにテムレスにウールインナーまでとした。結果的にちょうど良かったが、念のためもう一回りの対策をした方が良かっただろう。
〇近年の雪崩情報まとめ
https://www.yamareco.com/modules/diary/303466-detail-202937
ツアーコース終点を含む2400m以上の北側の急斜面では雪崩被害が散発している。この付近を通過する際は、可能な限り南側を短時間で通過する方が無難。休憩や雪洞作りはしない。先行者等がいた場合は、様子をみて少人数で立ち入るなど対応した方が良さそう。
〇課題
今回、ツアーコース終点の北側を復路で滑走したが、ここを含む北側では、2021/3/14に雪崩事故が発生している。滑走時はできるだけ南側の樹林帯付近を滑走した方が安全。特にこれからの気温上昇により、雪崩リスクが高くなる。
あくまでも所感だが、位ヶ原山荘あたりの雪崩箇所は、斜度が急であるだけでなく、斜度上部のノール地形の角度が急激に落ち込んでいることが雪崩が頻発する原因となっているように感じる。斜度だけならば山頂付近の方が雪崩事故が多そうだが、実際には位ヶ原山荘付近の斜面で雪崩が多いことからも、この所感はそれほど外れていないように思う。
今回、K2 COOMBACK 177cm 136-104-122mm R23m を使用したが、一般的に春スキーは細め短めの板が良いらしい。なぜだろうか?少し考えてみた。例えば、今回ように薄く硬いクラスト層がある場合、細め短めの板だと板の面積が狭いために薄いクラスト層を踏み抜きやすくなり、その下層の柔らかく滑走しやすい雪の層にエッジを効かすことが可能となり、比較的安全に滑走しやすくなるだろう。また、クラスト層を踏み抜けなくとも、エッジにかかる単位面積あたりの荷重が高くなり、よりエッジにパワーをかけることができ、安定した滑走が可能となるのだろう。もし、自分が使っている板より30%面積が小さければ、実感を持って滑走のし易さが変わるような気がする。そういえば、今回、他の板のトレース跡の中に、相当に細い板のものがあった。あの板を使っていた方は、乗鞍からのカリカリクラスト斜面からのドロップを考慮したのだろうか。
今日の乗鞍に対して先週の野伏ヶ岳では、皆さんは比較的、細め短めの板だったが、雪がぐずぐずに緩んでいたため、自分の幅広の板のみ、きちんと浮力を得ることができ、快適に滑走できたのではないだろうか。
春スキーの場合、気温によってカチカチクラスト、ぐずぐずの雪など両極端になることが多いことが想定されるので、そういったことも考慮して板を選択すべきなのだろう。
ただし、自分はクンバックとヘーガンツアーエキスパートだけしか選択肢がないので、とりあえずはクンバックで行くしかないだろう。この辺のことは、来シーズンの課題となりそうだ。なんにしても山スキーはお金がかかる・・・・。
手の凍傷対策としては、スキー板の装着なども考慮して、指が動くようにテムレスにウールインナーまでとした。結果的にちょうど良かったが、念のためもう一回りの対策をした方が良かっただろう。
〇近年の雪崩情報まとめ
https://www.yamareco.com/modules/diary/303466-detail-202937
ツアーコース終点を含む2400m以上の北側の急斜面では雪崩被害が散発している。この付近を通過する際は、可能な限り南側を短時間で通過する方が無難。休憩や雪洞作りはしない。先行者等がいた場合は、様子をみて少人数で立ち入るなど対応した方が良さそう。
〇課題
今回、ツアーコース終点の北側を復路で滑走したが、ここを含む北側では、2021/3/14に雪崩事故が発生している。滑走時はできるだけ南側の樹林帯付近を滑走した方が安全。特にこれからの気温上昇により、雪崩リスクが高くなる。
あくまでも所感だが、位ヶ原山荘あたりの雪崩箇所は、斜度が急であるだけでなく、斜度上部のノール地形の角度が急激に落ち込んでいることが雪崩が頻発する原因となっているように感じる。斜度だけならば山頂付近の方が雪崩事故が多そうだが、実際には位ヶ原山荘付近の斜面で雪崩が多いことからも、この所感はそれほど外れていないように思う。
天候 | 晴れ 気温-6〜-11℃(山頂) 風速は蚕玉岳と剣ヶ峰の間のコルで最大25m/s |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場から山頂まで雪はつながっている。 〇風と気温等について 森林限界から下は風は穏やかで‐6℃。暑い。アンダーと素手。 森林限界から上は次第に風が強くなる。森林限界からはハードシェル上とモンベルウィックロンジオサーマルロングを装着。 肩の小屋からは15m/s以上。バラクラバ、化繊帽子、ジオサーマルロングからモンベルトレールアクションパーカーに交換。アイゼン装着してシートラ。稜線上では25m/s程度の爆風が常時安定して吹く。気温-11℃。シートラで登ったが、爆風過ぎて体が煽られる。自分以外の方3名(山スキーのkohtaniさん、登山者2名)は台風姿勢でやり過ごす。自分は岩の裏まで歩いて3名を待つ。 〇雪の状況 全体的に5〜10僂離ラストでカリカリ。板では踏み込まないとクラスト層は踏み抜けない程度。森林限界までは踏み跡多数でガチガチ。シールも効きにくい。 森林限界以上では、サンクラストとウインドクラストで表面が雨粒のように氷化していてカリカリというか斜度が緩くてもシールが効かない。板の上に風で乗った雪も太陽光で溶けた瞬間から凍結。板に氷が張りつく。-10℃でも太陽光で雪が溶けるのを初めて見た。 蚕玉岳と剣ヶ峰の間のコルからドロップしたが、カリカリ過ぎて自分の技術ではターンもできず、スキッドで標高を落とす。時々吹き溜まりの雪があり、そこを利用してターンする。一緒に登ったkohtaniさんのお話では、よくあるケースは、コルから20m位はカリカリでその下は吹き溜まりとのことだが、今日は肩の小屋まで基本、カリカリだった。斜度はそれほどないが、氷粒付きのカリカリクラストはエッジが抜けそうで少し怖い。肩の小屋まで降りてからは、やや雪が緩んで滑走できたが、森林限界から下は踏み跡でギタギタ。楽しくない。 駐車場から肩の小屋までは昼頃の方が日差しで雪が緩んで滑走しやすいと思う。肩の小屋から上は多分、終日カリカリだと推測される。 〇その他 復路は間違えてスキー場へ迷い込んでしまった。リフト乗り場まで降りて、板を担いて車まで戻った。とんだヘマをしてしまった。 |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
ジオラインLWシャツ1枚
ミレードライナメッシュシャツ
カシミヤ混成タイツ下1枚
モンベルウィックロンジオサーマルロング(使用)
モンベルトレールアクションパーカー(使用)
モンベルのジオラインバラクラバ2枚(1枚使用)
ミズノの化繊帽子(使用)
防寒テムレス2セット
インナー手袋(使用)
ハードシェル上下
スキー板(K2クンバック)
スキーブーツ(マエストラーレ)
ザック(モンベルチャチャパック45)
パンなど2個(消費1000kcal)
非常食(柿の種)
ヘッドランプ(レッドレンザーMH5を2個)
GPS(ガーミンmap66sを2個)
スマホ
BDウィペット(直径12cmのスノーバスケット)
ココヘリ
防寒着(化繊ジャンパー)
ツェルト(juza)
ゾンデ(モンベル240cm)
スコップ
自作スノーソー
ゴーグル
ヘルメット
シール(ポモカ)
マムートビーコンBarryvox
G3クトー
水0.5L(0.3L消費)
0.3Lお湯入り水筒(消費せず)
アイゼン
合計14.5kg(板
ブーツ
シール
ウィペット除く)
|
---|
感想
今日は昨日のめいほうスキー場でのコブ練習の疲れを引きずったまま乗鞍岳まで移動して車中泊。今シーズン3回目の乗鞍岳の山スキーで、多少なりとも特訓の成果を確認したかったのだが・・・。
肉体面では、前日の疲れが予想以上に足にきていて、なんだかスピードが出ない感じがした。特に滑走では、しょっぱなから足の筋肉が辛く、その上ギタギタカチカチ斜面に翻弄された。
技術面では、肩の小屋から上のカチカチクラスト斜面においては、滑走どころかターンすらもできる気がせず・・・。結局スキッドで落ちていくのが精いっぱいだった。一度だけ斜度が緩くなったクラスト斜面でターンしてみたが、エッジが十分に効かずに、ガリガリガリと、そのまま加速して下に滑り落ちて行った。なんとか止まったが、あんな時、いったいどうやって滑走すればよいのか、まったくわからない。皆さんはどうしているのだろうか。細め短めの板ならば、コントロールできたのだろうか?
かくして、「多少は滑れるようになったかな?」と感じていた自分の愚かさを思い知り、またもや凹んだ1日だった。
どこかに、クラストカチカチが練習できる適度な斜度のあるゲレンデはないだろうか?・・・あるわけないよな。そんな危険なゲレンデは・・・。やはり、こればかりは山で練習しないといけないんだろうなあ・・・。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:489人
乗鞍岳名物の爆風は凄いね、それが伝わってきました。( ̄□ ̄;)!!
僕もここだけは滑ってみたいんだよね。🎵
乗鞍の爆風は名物なんですね。どうりでいつも爆風遭遇率が高いと思っていました。
独立峰はやっぱり、こんなものなんでしょうね。ほんと、笑えるくらいの爆風でしたが、突風はあまりなかったので、対応はし易かったほうだと思います。そういえばshigeさんのホームマウンテン、入道ヶ岳でも一度、20m/s程度の爆風にあったことがあります。入道も海風がダイレクトにあたるので、爆風がきますよね。山は高い低い関係なく地形的、立地的条件からそういったことが起こるのも興味深いですね。
滑走は・・・、雪質が良くギタギタが少なければかなり楽しめると思いますが、伊吹山が良い条件ならば、伊吹山に行くと思います。ただ、乗鞍の凄さは、やはり高山ならではの絶景だと思います。これから気温が高くなってくると、権現池のドラゴンアイとか見れるのかなあと期待しています。滑走は別として大雪原も素晴らしいです。高山ならではの気候の厳しさも魅力の一つだと思います。ですので、山スキーの魅力だけでなく、登山の魅力という観点からは伊吹山よりも上だと感じています。本当は今回登った反対側の斜面も素晴らしいのを知っているので、いつか滑走したいです。
対して伊吹山は山スキーという観点からは、相当なものだ感じました。琵琶湖めがけて急斜面を落ちていくあの感覚は何物にも代えがたい魅力です。
結論としては、山ごとに全く別物としての魅力が尽きないからこそ、あちこちに行きたくなるということなのかなあ・・・と。
あれっ?また話が長くなってしまいました。悪い癖です。
shigeさんもぜひ、乗鞍滑走をトライしてみてください。
カモシカゲレンデで最近、雪崩があったそうです。それと位ヶ原山荘あたりの斜面も毎年雪崩があるので、そこだけは特にお気を注意した方が良さそうです。
ではお気をつけてm(__)m。
追記
少し気になったので雪崩情報を再確認して追加しましたので、もし乗鞍に行かれるようであれば時間があるときにご確認ください。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する