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Yamareco

記録ID: 410799
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
蔵王・面白山・船形山

うるしさんと山寺から雨呼山縦走

2014年02月23日(日) [日帰り]
 - 拍手
HITOIKI その他1人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
09:11
距離
8.6km
登り
908m
下り
831m
歩くペース
ゆっくり
1.71.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

千手院(6:47)−552mピーク(8:20)−773mピーク(10:06)−雨呼山山頂(11:15−11:16)−休憩(11:26−11:54)−鵜沢山(14:12)−三角山(14:59)−若松寺(15:59)
往路 4時間28分
復路 4時間15分 (休憩時間除く)
移動距離 8.6 km
総上昇量 1143 m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年02月の天気図
アクセス 1台は若松寺にデポして1台は山寺の千手院
コース状況/
危険箇所等
厳冬期に総上昇量1143 mは単独では無理だっただろう。また、稜線の殆どに雪庇が出来ていて、避けて歩いたつもりだったが、うるしさんの言葉では「雪庇の一部にもともと穴があいていたのでした。そこから崖の壁面の岩と崖の下の方が見えました。夏道ではないです。ゾッとしました(汗)。雪庇を踏み抜いたら即崖下に転落です。気をつけないといけませんね。いや〜、怖かった!」とあるように生きて帰れたのが不思議だった。このレコを読んで真似しないように願いたい。
千手院の鳥居
2014年02月23日 06:43撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 6:43
千手院の鳥居
周りは遊歩道
2014年02月23日 06:43撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 6:43
周りは遊歩道
階段を登る
2014年02月23日 18:27撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:27
階段を登る
線路を渡る
2014年02月23日 06:48撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 6:48
線路を渡る
墓地
2014年02月23日 06:59撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 6:59
墓地
雪で遊歩道は見えない
2014年02月23日 07:09撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:09
雪で遊歩道は見えない
尾根に取りつく
2014年02月23日 07:16撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:16
尾根に取りつく
キックステップ左
2014年02月23日 18:27撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:27
キックステップ左
2014年02月23日 18:27撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:27
間違えたかな
2014年02月23日 07:23撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:23
間違えたかな
馬場跡に来てしまった
2014年02月23日 07:24撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:24
馬場跡に来てしまった
戻る
2014年02月23日 18:28撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:28
戻る
552mピークを目指そう
2014年02月23日 07:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:30
552mピークを目指そう
垂水不動の分岐
2014年02月23日 07:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:33
垂水不動の分岐
ロープを跨ぐ
2014年02月23日 07:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:33
ロープを跨ぐ
先は遠い
2014年02月23日 18:28撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:28
先は遠い
確かな目印
2014年02月23日 07:50撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 7:50
確かな目印
552mピークはもうすぐ
2014年02月23日 08:18撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:18
552mピークはもうすぐ
552mピークから振り返る
2014年02月23日 08:23撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:23
552mピークから振り返る
ここから少し下る
2014年02月23日 08:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:30
ここから少し下る
青空が差す
2014年02月23日 08:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:30
青空が差す
見上げる
2014年02月23日 08:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:33
見上げる
今日一番の急登
2014年02月23日 08:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:33
今日一番の急登
まだまだ
2014年02月23日 18:29撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:29
まだまだ
休まず
2014年02月23日 18:29撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:29
休まず
少し開けた
2014年02月23日 08:36撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:36
少し開けた
滑りそうな坂
2014年02月23日 08:41撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:41
滑りそうな坂
45度の斜面
2014年02月23日 08:45撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:45
45度の斜面
稜線近い
2014年02月23日 08:46撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:46
稜線近い
待ってるよ
2014年02月23日 18:29撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:29
待ってるよ
優しい白の斜面
2014年02月23日 08:47撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:47
優しい白の斜面
緩くなる
2014年02月23日 18:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:30
緩くなる
山形と天童との境
2014年02月23日 08:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:53
山形と天童との境
また、登り
2014年02月23日 08:54撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 8:54
また、登り
春光
2014年02月23日 18:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:30
春光
雪庇に近づいていた
2014年02月23日 18:30撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:30
雪庇に近づいていた
一気の展望
2014年02月23日 09:43撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:43
一気の展望
天童市街
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
天童市街
山寺方面
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
山寺方面
空が眩しい
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
空が眩しい
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
2014年02月23日 09:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:44
2014年02月23日 09:48撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:48
2014年02月23日 09:51撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:51
2014年02月23日 09:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:53
2014年02月23日 09:58撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:58
2014年02月23日 09:59撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:59
2014年02月23日 09:59撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:59
2014年02月23日 09:59撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 9:59
2014年02月23日 10:47撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:47
2014年02月23日 10:47撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:47
2014年02月23日 10:47撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:47
2014年02月23日 10:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:53
2014年02月23日 10:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:53
2014年02月23日 10:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:53
2014年02月23日 10:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
1
2/23 10:53
2014年02月23日 18:32撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:32
2014年02月23日 10:53撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:53
2014年02月23日 10:55撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:55
2014年02月23日 10:55撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 10:55
2014年02月23日 11:04撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:04
2014年02月23日 18:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
1
2/23 18:33
2014年02月23日 18:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:33
2014年02月23日 11:17撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:17
2014年02月23日 11:18撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:18
2014年02月23日 11:35撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:35
2014年02月23日 11:37撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:37
2014年02月23日 11:54撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:54
2014年02月23日 11:55撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:55
2014年02月23日 11:55撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:55
2014年02月23日 11:56撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:56
2014年02月23日 11:57撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:57
2014年02月23日 11:57撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 11:57
2014年02月23日 12:03撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:03
2014年02月23日 12:05撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
1
2/23 12:05
2014年02月23日 12:05撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:05
2014年02月23日 18:34撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:34
2014年02月23日 12:06撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:06
2014年02月23日 12:06撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:06
2014年02月23日 18:34撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:34
2014年02月23日 12:22撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:22
2014年02月23日 12:33撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:33
2014年02月23日 18:34撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:34
2014年02月23日 18:34撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:34
2014年02月23日 12:34撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:34
2014年02月23日 12:38撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:38
2014年02月23日 12:45撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 12:45
2014年02月23日 13:05撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:05
2014年02月23日 13:08撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:08
2014年02月23日 13:09撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:09
2014年02月23日 13:24撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:24
2014年02月23日 13:24撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:24
2014年02月23日 13:26撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:26
2014年02月23日 13:31撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:31
2014年02月23日 13:49撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 13:49
2014年02月23日 14:08撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:08
2014年02月23日 14:08撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:08
2014年02月23日 14:08撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:08
2014年02月23日 14:09撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:09
2014年02月23日 14:11撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:11
2014年02月23日 18:35撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:35
2014年02月23日 14:13撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:13
2014年02月23日 14:13撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:13
2014年02月23日 14:47撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:47
2014年02月23日 14:58撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 14:58
2014年02月23日 15:11撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:11
2014年02月23日 15:11撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:11
2014年02月23日 15:14撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:14
2014年02月23日 15:14撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:14
2014年02月23日 15:15撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:15
2014年02月23日 15:15撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:15
2014年02月23日 15:15撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:15
2014年02月23日 15:18撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:18
2014年02月23日 18:36撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:36
2014年02月23日 15:44撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:44
2014年02月23日 18:36撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 18:36
2014年02月23日 15:57撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:57
2014年02月23日 15:57撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:57
2014年02月23日 15:58撮影 by  COOLPIX S31, NIKON
2/23 15:58
撮影機器:

感想

 車2台で山寺の千手院から雨呼山を縦走し若松寺に下った。好天に恵まれ怪我することもなく無事下山で来た。かなりの体力を消耗し私は両足がパンパンになったがうるしさんは最後まで元気だった。単独では得られない縦走の楽しさを満喫した一日だった。
 写真はうるしさんが撮影してくれました。

 靴ひもを結んでいると仙台行の電車が走りぬけて行った。千手院の鳥居をぬけると踏切もない線路だった。そのレールを跨いで登山の開始となる。本堂の裏に回ると雪が深くなりワカンをはく。しゃがみ込むともう太ももが痛くなった。身体が硬い。右側に案内板があるが遊歩道は雪に埋まり裏山を登り始める。裏山の上から東に進み左に沢をみて進むと北に続く尾根が見えてきた。尾根を登り始めると朝の柔らかな日差しが木肌を暖めだした。GPSに記憶した取り付き地点と一致したので安心した。あとは地形図とコンパスで歩こうと思ったがうまくはいかなかった。
 取り付きから登り始めるとすぐに小ピークに出た。現在地点を地図で確認して西に進むとピンクテープが木に巻いてあった。気持ちよく歩いていくと行き止まりだった。実は南下していた。いつの間にかループしてしまったようだ。上を向くと552mピークが確認できた。うるしさんと地図を見直して折り返す。小ピークまで戻って反対方向に進むとロープのある標識があった。右手には垂水不動が氷づいて見えた。ロープをまたいで北に進む。雪はまだ締まりなく、ワカンを後ろに跳ね上げて蹴り込む。一歩ずつ尾根を登る。
 552mピークへの坂を登ると次第に展望が開けてきた。修験者の道も真冬ならば脇目も触れる。でも大雪の後の重い雪は両足にのしかかってくる。振り返るとゲレンデのような木のない山肌が見えた。高瀬の里山だろうか。552mのピークからはいったん下って今日一番の急登となる。両足ではからだを支えられないでストックを手首に下げて手袋を雪面に突き刺して登る。途中、踏みぬくと岩肌が見える所もあった。防寒長靴のうるしさんはキックステップが効かないので難儀している。高度を上げるに従って真っ青な空に近づく。銀稜は眩しすぎてゴーグルで目を守った。
 山形市と天童市の境まで登って来た。目指す山頂がガスの中に隠れている。9時20分、あとどのくらいだろう。11時には登頂できるか。傾斜は緩くなったが雪も緩い。木がまばらな高まりにでると一気に展望が開けた。さらに進むと雪庇から下界が見えたそうな。たぶんここは岩場で木が少ないので風の通り道なのかもしれない。あと標高差200m足らずでバテテきた。登頂を急いで帰りの体力を使い果たしてはいけない。休みながら休まず歩く、体力を温存しながらのラッセルが続く。それでも下りのラッセルを考えた。いつもならピストンなので帰路はらくちんだった。しかし縦走となると。それに帰路には鵜沢山と三角山の2つの登り返しがある。うるしさんに折り返そうかと持ちかけた。登ってから考えることにした。結局、緩くなった雪庇を踏襲しなくて幸運だった。
 松葉が凍って私の目を引いた。後ろから日差しが下りて来て雪化粧した枝がブルーの空に浮かび上がる。疲れを忘れさせてくれる一瞬だ。目標の時刻は過ぎてしまったがようやく山頂の白い高まりは左斜め向こうに霞んで見えてきた。足は上がらずお腹の具合も微妙だ。行くも戻るも逃げることは出来なかった。二人だから頑張れたのだろう。雨呼山の山頂は狭い雪原で頂標を掘り返すことも思いつかなかった。まだ気が張った状態で休みたくはなかった。展望のよい北の方まで歩いた。平坦な雪の上には足跡が残っていた。
 鵜沢山が望める頂きの北の端で昼食にした。カップ麺を食べる元気はなかった。雑炊とお汁粉を湯で溶かして味わった。うるしさんは元気そうでお昼を食べたり、シャッターを切っていた。ここまできたので予定通り縦走することに決めた。天候の崩れはなさそうなので心配なのは疲労からくる怪我だ。地図を見て下る方向を確かめた。それにGPSで過去の軌跡をアップした。最後の展望を楽しむと風で木に積もった雪が舞い降りてきた。その雪の向こうに春光が輝き出す。元気をもらった。
 ここからの下山は何度か歩いていた。鵜沢山までの鞍部で何時も迷った。厳冬期は初めてだった。方角とGPSの軌跡を確認して下った。いったん平坦な雪原になって以前にトレースを突然見いだした山行を思い出した。その後にジャガラモガラへの分岐があった。目指す尾根は右側で目印のピンクテープがそのまま残っていた。そこからは右に大きく雪庇が伸びていてその下は切れ落ちているのは以前の登りでわかっていた。さらに進むと急坂の下りに差しかかった。ここでうるしさんにハプニングが起きてしまった。原因は彼の履物にあった。
 雪がない時でも枝に捕まらなければ登ることも下ることも出来ないヤセ尾根の急坂を滑落せずに一歩ずつ下るため、かかとをけり込みながら雪面を削るようにバランスを崩さず下った。捕まる枝がない時は数メートル先にある木を目がけて滑り落ちる。危険で緊張するが楽しくもあった。後ろから来るはずのうるしさんの姿が見えない。坂を少し下ったところで上体を立て直そうとしていた。足が滑ってしまったようだ。その際に帽子を失くしてしまった。毛糸の帽子は藪こぎの時には脱げやすい。僕は買ったばかりの眼鏡を失くしたこともあった。うるしさんは態勢を立て直して、それからは持って生まれた運動神経のよさで滑り易い防寒靴をコントロールしてヤセ尾根を下ってきた。
 雨呼山の北尾根は無雪期にはその荒廃した尾根の僅かに残る踏み跡と赤布を頼りに足を滑らせながら下ったが、葉の茂る中で目印を見つけるのは難しく、歩きやすそうな坂を進むと尾根を外してしまって地を這う蔓に足を奪われて身動きが出来なくなった。厳冬期の今は程良い間隔に赤布が見つけられた。鞍部に下りると途中までは目印を見失うことなく縦断できたがそれもなくなった。鵜沢山の尾根の方角と地形図の方角を確認し少し下りぎみに歩いた。この辺から日差しが強くなり雪もゆるんできた。するとワカンに雪が団子のようにくっついて来た。ここから鵜沢山までの登りはその団子との格闘でついに先頭をうるしさんに譲った。
 鵜沢山までの稜線にも雪庇が伸びていた。後ろから口だけ出す。足元は雪団子と戯れる。振り返ると面白山の麓の天童高原スキー場から雨呼山に繋がる稜線が見えてきた。いつかは歩いてみたい、とうるしさんに話しかけた。御所山は雲の中だったがその裾の山稜が銀色に輝いて見えた。鵜沢山手前で休むことにした。
 雪の上に座り込むとワカンのベルトが外れているのに気づいた。ベルトを締め直して、うるしさんとおやつにした。ここまでくればあともうすぐで下山できる。これからはまた私が先頭を務めることにした。鵜沢山からの下りでスリップした記憶があったからだ。下り坂は雪が深くゆっくり歩けば転ぶこともなかった。日は傾き林の間から暖かく差しこんできた。展望こそ恵まれなかったが柔らかに輝く雪の尾根は二人を軽々と前に進めてくれる。
 三角山までの鞍部に着くとまたしても登り坂になった。百メートルはありそうだったが、GPSの高度計で確かめるとうるしさんの言うように50メートル余りだった。三角山の山頂から天童市街を見渡した。こんな真冬にはここまででも歩く人はいないのだろうか。辺りはひっそりとしていた。
 ここから尾根を真っ直ぐに下る。私はクダラーでどうしても先走ってしまう。うるしさんはカメラに足跡を残しながらついてきた。若松寺までの夏道は途中で大きくカーブしてトラバースする。少し進んだが腰まで抜かった。沢沿いの吹きだまりは避けることにして、カーブ地点まで戻ってそのまま尾根を下ることにした。
 標高が低くなると雪は緩んで灌木がうるさくなってきた。なるべく尾根を外さないようにしたがかなり手こずった。うるしさんは枝の跳ね返りでコンタクトを失くしそうになった。最後まで気を許せない山行だったがようやく車道に行き着いた。やれやれと車道を歩いて駐車地点に戻ると心配している二人が待っていた。

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