大間違いの 野伏ヶ岳
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- GPS
- --:--
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,053m
- 下り
- 1,063m
コースタイム
天候 | ピーカン |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大進橋手前の駐車スペースにはすでに一台が止まっていて、わたしが出発する時にもう一台やってきました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
先週に比べて雪の量は減り、雪質もザラザラに変わっていました。林道は雪の無い場所も増えていましたが、少し上がると積雪です。先週はスノーシューでしたが、今日は12本歯のアイゼンを装着します。 一昨日は雨だったのでしょう、この雪、モナカ状態で踏み込みっぱなしです。スノーシューを車に置いてきたことが悔やまれます。これが最初の大間違い。ショートカット道を通って和田山牧場跡まで登ります。牧場跡の丘の上では踏み込みはありません。ブナの古木辺りでも左程の踏み込みはありません。 ダイレクト尾根の取り付き、なるべく低い所から登ろうとしますが、見上げると尾根まで大したことは無さそうです。これが2度目の大間違い。湿った雪にズボズボと足を取られ、雪に差し込んだピッケルを頼りに真っすぐ上を目指します。左手下から単独行の女性が左程苦労も無さそうに斜めに上がって行き、わたしより先に尾根上に登りついています。疲労困憊して尾根に登りつきました。 尾根の登りも踏み抜きの連続です。先行者の踏み跡を辿ります。最初は緩やかだった尾根、徐々に勾配を増します。途中で何度も座り込んで休みます。 両側の谷には亀裂が走っています。ダイレクト尾根にも亀裂があります。昨年よりも大きな亀裂です。これを回り込んでクラックを渡ると、あとは広い尾根を頂上に向かって登るだけです。 頂上は無風、快晴、苦労して登った甲斐がありました。大展望を楽しんでから下りにかかります。プラスティック橇を持ってきましたが、急斜面では怖くって使えません。適当な勾配だと思って試してみますが、滑ることが出来るのは僅かな距離です。 ダイレクト尾根の勾配が緩やかになったところで、左下の池に向かってシリセード。調子よく滑り下ります。降り立ったところは池のある平坦な場所です。池の右手を横断中、股まで踏み抜き、右足が抜けません。悪戦苦闘、ピッケルで足の周りの雪を搔き分け搔き分け、やっとこさで足を引きずりだすことが出来ました。池の右手を回って谷に入ります。これが3度目の大間違い。ガーミンオレゴンと地図を広げてにらめっこ。和田山牧場跡は左手の山の向こうのようです。牧場跡に行こうとして山を登り始め、もう一度オレゴンとにらめっこ。この谷にも登山道を表す点線がついているので引き返し、谷を下ります。でも、どう見ても登山道らしくはありませんし、赤テープも足跡もありません。一歩進むごとにズボズボ、疲れます。広い谷が急に細くなります。こんな怪しい谷を下る気にはなれません。迷った時は上に登れ。左手の尾根を登ります。何度もガーミンとにらめっこ。オレゴンの電池が無くなりかけ、電池を交換します。尾根のてっぺんに着き、右手の谷に下ります。おッ、スキーの跡があります。これを辿って谷を下りますが、スキーの跡は消えてしまいます。ウロウロ。そうなんです、これは遭難と思った時スノーシューの跡が谷を横切っているのを発見。左手に向かってその跡を辿りますが、山の上に向かって行きます。戻って今度は右手に辿りますが、これまた山の上に向かっています。ふ〜む、オレゴンを取り出そうと思ったら、あれ!ありません。カラビナでザックの紐に引っ掛けておいた筈なのに。ザックをデポして下ってきた谷を登り返し、先程オレゴンとにらめっこした場所まで戻ります。ん?無い。どこへ行ってしまったのか? これが4度目の大間違い。頼りになるものはもうありません。スノーシューの跡を左に辿りますが、跡は消えてしまいます。大きな谷がこっちへいらっしゃい、こっちの方が近道ですよと口を広げていますが、我慢して東へトラバース。ず〜っとズボズボが続きます。そして同じようなズボズボ跡を発見、ヤッター。それを辿って和田山牧場跡の林道に出た時はもうこれで安心、へたり込んでしまいました。これで遭難脱出、嬉しかったです。 林道を下ります。踏み抜きの連続ですがそんなことは気にもなりません。途中左手に下るショートカット道に入ります。先週も通った道です。そろそろ右にトラバースして林道と合流する筈なんだがな。本日つけられたばかりの足跡はまだ先に下って行きます。これは知らない道だけど、こっちの方が楽そうですので、わたしも足跡について下ります。これが5度目の大間違い。下った先は崖、足跡は右手に急旋回し登り始めます。ブスブスズボズボ、股まで踏み抜き、トホホホホ。苦労して林道に上がりつくことが出来ました。もう何があっても林道から離れないぞ。山の端に夕日が沈み、大日ヶ岳が夕日に薄く映えます。念のためヘッデンを取り出し頭につけます。朝よりグジャグジャの雪道、踏み抜き踏み抜き、雪が無い場所に出るとホッ。 ヘッデンのお世話になることなく、無事駐車地まで戻ることが出来ました。 よかった。 |
写真
感想
一昨日から昨日の朝にかけては雨でした。天気予報では週末土曜日は晴れのち曇り、日曜日は雨マーク。週末前の金曜日は晴れマーク、これを逃しては野伏ヶ岳のリベンジは出来ないと、年休をとって金曜日に登ることにしました。
雨が降ったのでふかふかの雪ではないだろうと、スノーシューは車に置いてアイゼンとピッケルで出掛けました。これが大間違い、もなか状態の雪で、ズボズボ、ブスブス、ブカブカ。多少荷物になってもこの山ではスノーシューもアイゼンも必携でした。
いつもは小さなペットボトル一本ですが、今日はあったかくなりそうなので500MLのお茶を持参。ところが頂上に着いた時にはもう空けて無くなってしまいました。ヤマセンボトルに雪を詰め込みましたが、さすがヤマセン、溶けることはありません。仕方なく、積った雪の表面を払って、中の白い雪を食べました。雪といっても小粒の氷、カリカリ、冷た〜い。
尾根に登りつくまでに体力を消耗し、尾根の急な登りは休み休み。でも頂上に着いた時には疲れは吹っ飛んでいました。下りは踏み抜きながらも快適でした。
迷い込んだ谷。踏み跡、赤テープ、一切ありません。迷った時には上に登れ。ズボズボとあちこち迷い歩くこと4時間弱、疲労困憊。遭難の文字が頭に浮かびます。ザックにはレスキューシート、ダウンジャケット、一日分の食糧もあるし、なんたって今日はあったかいのでなんとかなるとは思いつつ、あっちへ下りたり、こっちへ登ったり。谷との格闘が終わり、林道に出た時は安堵のあまりへたり込んでしまいました。ガーミンオレゴン一個紛失したのは惜しいけど、そんなことで済んで良かった。
日の出前から登り始め、日の入り後まで12時間以上、野伏ヶ岳に勉強させて頂きました。アリガトさんでした。
コメント
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無事に帰れて良かったですが、それ、遭難ですよ…(((*>д<*)))
ガーミン、次の登山までに買いなおしてくださいね。
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