南郷山―星ヶ山―白銀山―三所山―浅間山縦走
- GPS
- --:--
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 2,085m
- 下り
- 1,787m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:箱根登山鉄道 大平台駅 |
感想
このところ、月日の過ぎるのが、あっという間という感じで、気がついたら2ヶ月半も山に行っていない。
前回の延長ということで、再び箱根に向かうことに。今回は、星ヶ山や白銀山など、登山地図にルートが載っていない山に登ろうと思う。この前は、予想外のヤブで怖い思いをしたこともあって、事前に色々と情報を収集した。
湯河原駅で電車を降りると、既に暖かい。いつの間にか冬が終わってしまったようだ。
まずは、南郷山に向かう。早速、道を間違え、東に大分進んでから北上する。JRの在来線、新幹線をくぐって進むと、五郎神社があり、その先は、果樹園の中を登って行く。なんだか柑橘系のいい香りがする。
ゴルフ場の左側の簡易舗装の道を登って行くと、既に周りは笹だらけだ。ゴルフ場も元々はものすごいヤブだったことだろう。しばらくすると、白銀林道に合流した。右折して少し先に南郷山の登山口がある。ここは、2ヶ月前にも通った道だ。
途中、少し開けて、海の眺めがいい。登山口から南郷山の頂上は700mほど。すぐに到着した。
休憩しながら、この先のヤブ対策をする。今回、用意してきたのは、メガネとタオルだ。薮を歩くと、いつも目を突かれる恐怖に襲われる。前回も、眼球を叩かれて、2日ほど痛かったし、以前、耳の中に薮の枝が入って、1ヶ月以上痛みが残ったこともあった。ゴーグルがあるといいのだろうけど、持っていないので、花粉症対策の伊達眼鏡を持ってきた。顔面とメガネとの間に隙間がないから、薮対策にも使えそうだ。あとは、タオルを頭にかぶり、少し下にずらして耳まで覆ってみた。これで役に立つだろうか。
山頂からは、北に星ヶ山が窺えた。木がなく、のどかな草原状に見えるけれど、実際は猛烈な薮なのだという。
南郷山から北西に向かう。途中までは、よく整備された道で、道標もある。自鑑水への分岐を過ぎて、道がUターンするように、急激に右に曲がるところが、星ヶ山への道とのこと。確かに背の高いハコネダケの間に、細い踏み跡が延びている。おそるおそる入り込んでみると、人一人がかろうじて通れる隙間がある。
周りは、びっしりと生えた3mほどの高さのハコネダケで、薄暗くて少し怖い。しばらく狭いトンネルの中を西に進むと、北に向きを変え、一旦、薮が切れた。尾根に乗ると、再び薮に突入し、また狭く暗い竹薮を進む。
しかし、メガネとタオルは、とてもいい。以前刈られた後、伸びたのか、目の高さくらいに細い竹の切り口があったりするので、メガネがなければ、目を突かないようにするのに神経を使いそうだけど、その心配もないし、タオルで額や耳もガードされていて、安心感がある。昨日の雨が残っているようで、Tシャツがかなり濡れたけれど、今日は暖かいので、このくらいがちょうどいいくらいだ。
オレンジ色の布が付いているところを右に入ると、数m先に狭い空間があった。ここが星ヶ山の山頂のようで、山名標もある。
周りは、竹やぶで何も見えず。なんだか、奥秩父の石保土山の山頂と同じ雰囲気だ。
白銀山に向かうため、すぐに分岐に戻ると、5mくらい先に、また分岐が出てきた。コンパスで西を確認して、左に折れる。しばらく進むと、腰くらいの高さの赤いポールが次々と出てきた。これは境界を表すポールだろう。地形図には、登山ルートと市区町境界線が一致しているので、位置の確認に、とても役立つ。
しかし、どんどん道幅が狭くなって行き、掻き分けないと進めなくなってきた。やがて北に進行方向を変えた辺りから、更に狭くなり、怪しくなってきた。本当にここでいいのかと心配になると、赤いポールが出てきて、安心する。その先、少し薮が薄くなった。竹やぶの中はトンネルを進むしかなく、分かりやすかったけれど、ヤブから飛び出すと、途端に踏み跡が分からなくなる。倒木や笹などにも邪魔され、しばらく迷ってしまった。北に向かうことを意識し、ポールを見つけ出しながら進んで行くと、急に綺麗な道に出た。そこには道標があり、星ヶ山の方向に「ゴルフ場行き止まり」となっているけれど、歩きやすそうな道が延びていた。もっと早くこの道に出るルートがあったのかもしれない。
ここからターンパイクまでは、とても快適な道だ。刈り払われた広い道で、先ほどまでの苦労が嘘のよう。5月くらいの陽気で天気もよく、難所を抜けたこともあって、楽しくなってきた。
ターンパイクで、立派な車道に出た。車が来ないことを確認して、すぐに横断。地形図では、その先から白銀山に向かって徒歩道の破線が描かれているが、薮で踏み跡らしき物が見えない。しばらく薮の切れ間を探してみたものの、見つからず。先人の記録によると、この区間、踏み跡のようなものは無いようだったし、今日は藪漕ぎはもう十分ということで、白銀山の西側にある、もう一つの登路に向かう。
ターンパイクは自動車専用の道とのことなので、ガードレールの外側を歩いていると、足下には成長したフキノトウが沢山で、春を感じる。600mほど進んで、道路が左に曲がり始める辺りに、「玉川大学演習林」の大きな看板があり、そこに白銀山の登山口の道標があった。
この道は、至って普通の登山道でとても歩きやすい。緩やかに登って行くと、すぐに山頂に着いた。電波塔のような物が立っている。ここも眺めは無い。
少し先の空き地で、早めの昼食休憩。気持ちのよい風が吹いている。ここまで思いの外、順調に来られたこともあって、気分がいい。
ただ、この先の、箱根湯本に向かって下山する道も登山地図には描かれていない道で、不安がある。休憩もそこそこに下山を開始した。
白銀山から、箱根湯本に下る途中に老懐山がある。東に向かって快適な道を緩やかに下って行くと、鞍部に到達した。このすぐ先が老懐山だな、と思って気をつけて進むと、左に薄い道が分かれていて「箱根湯本」の小さな道標があった。直進する道は、明瞭な道だが道標がなく、人が入らないように木で塞がれている。この地点、地形図では分岐としては描かれていないけれど、老懐山の東のすぐ先に徒歩道が延びているから、直進すれば、その道につながるのだろう。
分岐のすぐ先が老懐山だろうと、薮に入って、山名標を探すも見つからない。ここがピークなのだから間違いないはずだが、結局見つからず。
細い道を、今度は、三所山に向かって下って行く。先ほどまでの道と比べると、大分薄くなったものの、まだしっかりした踏み跡が続く。少し植物が覆いかかってきているところもある。尾根上に緑の金網がでてきた。少し登り返すと、少し広い山頂になり、そこが三所山だった。今度は山名標もある。
東に向きを変えて、尾根を下って行く。鞍部から登り返した次のピークで右に巻く踏み跡に乗り、あやうく東南東に向かう尾根に引き込まれそうになったが、すぐに気が付いて、北東に延びる尾根に乗った。
三等三角点のある406地点までは、しっかりした踏み跡が続いたものの、その先で、怪しくなってきた。地形図では、標高250m付近までは尾根伝いに下り、そこから右にそれて車道に下りる線が引かれているが、それより大分早い時点で、右に尾根をそれるように踏み跡が進む。この辺り竹林で、赤テープもあるのだけれど、その先、倒木などで荒れていて、踏み跡がよくわからない。
尾根に戻ってみても、尾根上の踏み跡は薄い。竹林を下る踏み跡に戻り、道を探すと、獣よけの電気柵らしきものが見つかり、その横に踏み跡があるように見える。電気柵に沿って下って行くと、柵が終わったところで、踏み跡がなくなった。やはり、もっと尾根を下らなければいけなかったのかと、強引に尾根に戻ってみた。すると、結構はっきりした踏み跡を発見。少し安心して下って行くと、急に開けて送電鉄塔の下に出てしまった。あれっと思って、地形図を確認すると、確かに送電線が通っているけれど、そこまで下ってしまっては、下山道を通りすぎている。
戻らないとと思いつつも、鉄塔の先に続く、更に明瞭な道が目に入ってしまった。これは、巡視路だろうか。これで、下ってしまおうかと思って、快適な道を下って行くと、車の音が近づいてくる。最後は、階段まであって、車道に降り立った。しかし、これは高速道路ではないか。20mほど下に一般道が見えるけれど、そこまでは急斜面でとても下りられそうにない。
やっぱり、ちゃんと道を探そうと思い直し、200mほど尾根を登り返した。登る最中に、東に下る道を探したが見つからず、先ほどの竹林に下って行く踏み跡まで来てしまった。やはりこれが正規の道なのだろうと、再度、そこを下り、慎重に踏み跡をたどって行くと先ほどの電気柵が出てきた。
よく見ると、電気柵をまたいだ先に、明瞭な踏み跡が続いている。あまりにはっきりした道で赤テープもあって、自分の馬鹿さ加減に呆れてしまう。
そこからは、迷いようのない道が続き、林道まで下りた。
湯本茶屋まで下りてくると、まだ13:00前だ。今回、予定よりかなり早く下山できたのは、自分の力ではなく、事前に集めた情報のおかげだろう。地形図とコンパスだけで歩いていたら、今頃はまだ、星ヶ山のヤブに捕まっているかもしれない。
予定では、温泉に浸かって帰ろうと思っていたのだが、少し時間が早すぎる。それに、この辺りの温泉は驚くほど値段が高い。日帰り入浴1400円なんて看板が見えるし、建物も立派で、こんな汚い格好で入れる雰囲気ではない。
それではと、旧街道をぶらぶらして、浅間山を越えて大平台まで歩くことに。そこには500円で入れる大衆温泉がある。
旧街道の石畳は、とてもヒンヤリとして気持ちがいい。畑宿から大平台までは、何の心配も要らない道が続き、のんびりと歩くことができた。浅間山の山頂のベンチで、しばらく寛いでから、温泉に向かった。
半年ぶりの温泉。登山後の温泉は、やはりいい。高温の湯で、あっという間に体の芯まで温まった。あとは、登山鉄道でスイッチバックを楽しんで帰るだけだと、ホームで電車を待っていると、超満員の電車がやってきた。
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