剱岳 池ノ谷二俣
- GPS
- 12:55
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,715m
- 下り
- 1,719m
コースタイム
天候 | 29日 晴れからの昼から大雨大風からの深夜まで雪 30日 晴れ最高の天気 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
元々は、剱尾根のR4を登るつもりの計画だったが、仕事の都合により二俣までの往復の山行になった。初めての残雪期の剱は大きくて格好良くて冒険的で改めて惚れ惚れした。事前のネット情報で予想はしていたが、氷は全く見る事はなく、初日の昼から長く降り続けた雨でどっちにしても、さらにダメになっただろうと思う。来年は、もう一カ月ぐらいは早く入らないと登攀は楽しめないかもしれない。
初日
麓で1時間ほど仮眠し、4時前に馬場島に到着。神戸ナンバーの2人のパーティーが駐車場で用意していた。少し挨拶して先に出発をしていった。ほぼ同じコースを行くようだ。残雪期に入るのは私たちは初めてなので少し安心な気分になる。4時20分に出発、歩き始めるとすぐに、うっすらと明るくなってきた。空は蒼く予想より良い天気で治山林道から尾根がよく見え心躍る。最終堰堤付近から、夏道を行かずゴルジュへ向かいたかったが、ルートがよくわからない。。。先に行った2人のトレースもよくわからず、何度か通った事がある夏道から進む事にする。さっそくの急斜面の雪のトラバース、慎重にステップを刻み進んで行く。ここでイキナリの事件発生。トラバースの中間に10m以上の大木があり、その木を跨いで越えようとしていると大木から生えている枝がザックに引っかかり、大木に跨がりゴソゴソ取ろうとしていると、なんと大木が雪渓を滑り出す。木の上に座っていた私は大木と一緒に滑落。下部には4mほどの空洞が出来ていて、そこに一緒に落ちた。幸い落ちた場所は雪が少し残っていたのだが、先に落ちた自分に大木が当たってきたらヤバイ、頼む当たらないでくれーと願いながら落ちたのだが運良く当たらなかった。左足首と脇腹に痛みがある。ゆっくりと身体を動かし、いろいろ確認。脇腹は大丈夫そう。足首は擦り傷を負った時のような痛みしかない。心配して相棒が駆け下りてきた。「大丈夫そうだ」と返事をすると嬉しそうに上から写真を撮ってくれた(笑)身体の調子を気にしながら再度出発。いつものアスレチックスのような箇所を越え、土や雪のトラバースが続き、慎重に進む。薮薮の尾根に出てゴルジュへ向けての下降ラインを探し降りて行くとゴルジュに到着。岩肌から綺麗に水が流れていてコップを出ししっかりと水を飲みながら休憩。少し肋骨が痛いが気にしてもしょうがない。ここから暫くは初めて通るルート。ワクワクと緊張と目の前に見える絶景がカッコイイ。ゴルジュは土石流の跡のように真っ茶色になっているが、木や泥の下は固くなった雪渓、デブリのまま固くなっているので歩きにくい、少しでも段差の少ない場所を求めて歩く。周囲から落石や落雪に注意はしていたが一つも落ちてくる気配はない。3月の錫杖岳を最後に、もう冬山から、心が離れていたので久しぶりに履くアイゼンが重く足取りも悪く序盤からしんどい。少し歩いては少し休むを繰り返しながら、漸く池ノ谷出合に到着。正面に二俣が見えて少し元気になるが、見えても中々、たどり着くことができないのは経験済みだが、やはり近くに見える感じがして不思議だ。ここからは汚れた雪渓ではなく、だいぶフラットになり、なだらかな斜面になる。周りの景色で誤魔化しながら黙々と重い足を進める。若い相棒はどんどん小さくなっていく。先に行ってテントでも張っといてほしいが、テントは私のザックの中、あまり遅れずに行きたいが足は重い。進んでも進んでも二俣の大きな岩壁は同じように見える。昼から雨の予報だが10時ぐらいから曇だし早くも降ってきそうだ。服や荷物を濡らしたくないので早くテントを張りたいが、なかなか到着しない。11時30分頃、相棒に遅れる事、約10分で漸く到着。岩屋っぽくなっている処には、朝、お会いしたお二人のテントが張ってあり良い場所を探しているとポツポツの雨が降ってきた。もう最高の場所を探している暇はないので、一段上の雪のない岩場の上に決定し慌ててテントを張る。最高の場所ではないが、なんとか本降りになる前に張り終え荷物を投げ込む。突風も吹いてきて、ポールが折れるのではないかと思うほどテントにぶつかってくるし、雨も叩きつけてきた。ストーブを点け暖かい飲物で乾杯すると、二人ともいつの間にか眠っていた。殆ど寝ずに広島から来ての雪渓歩きは疲れたようだ。16時前ぐらいから、ゴソゴソしだし鍋を作る。外は相変わらずの大雨。水を汲みに行かなくてもフライの下に置いた鍋に雨水がすぐに溜まるので楽チンだ。初日はいつもの用に鍋、相変わらず作りすぎて完食するのがツラい、担いであがったビールも疲れすぎたのか、あまり進まない。明日は下山するだけだから、もっと飲みたかったけど19時頃には目覚ましもセットせず眠ってしまった。翌日は4時過ぎに目が覚めた。なんと9時間近くも眠ってしまった。とりあえずお湯を沸かして暖かい飲物を呑んだりしていると明るくなってきたので、ドキドキしながら外を見ると新雪は5僂曚匹靴積もっておらず安心。外に出て池ノ谷を眺めると感動の景色。雲海が広がり素晴らしい。暫く景色を楽しみ昨日の鍋にラーメンを入れて朝食を済ます。本心はまだ帰りたくない。まだここに居たいという気持ちが沸いてくるが仕方ない。パッキングを済ましテントを片付ける。まだ帰りたくないので、付近を暫く散策しいよいよ下山開始。昨日、苦労した雪渓を下って行く。相棒はスコップをソリにして想像以上に良い感じで滑っていく。羨ましくて、自分もやりたくなった。昨日と違い、進むスピードは速い、勿体ないので時々、止まり360度の景色を何度も楽しみながら進む。池ノ谷出合でアイゼンを装着、来シーズンの為に尾根に上がらず白萩川沿いに降りて行く。進むたびに冒険的ルートが続く。最後らへんが、どこから抜けるかどうしても判らず仕方なく一旦、尾根に登り、行く時のルートに合流し林道へと出た。そして長く感じる林道を下り馬場島へ帰ってきた。上市町で少しのんびりし、広島へと帰りました。
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