撤退!2022年GWの岩木山
- GPS
- 07:07
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 1,490m
- 下り
- 407m
コースタイム
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 7:07
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは岩木山神社本殿の左側 |
写真
感想
GWの好天2日間を狙ってやって来ました青森県。第2弾は岩木山です。
弘前のホテルを出て岩木山神社へ。途中,リンゴ畑から雄大な岩木山を拝む。岩木山神社にも駐車場はあるが,長時間なので70m先の百沢駐車場に駐車。先着されている方が一人おられた。岩木山神社から山頂往復だそうだ。岩木山神社は鳥居,参道,門,本殿が一直線に並び,その背後に岩木山が聳え立つ。荘厳だ。岩木山神社の本殿から左側に登山口があり,そこに登山カードを出して登頂開始。桜林公園のキャンプ場,百沢スキー場のリフトのわきを通過。樹林帯に入るところで,道が二股に分かれている。最初はそれに気づかずにまっすぐ進んでしまったが,これは砂防ダムの管理用道路だったようだ。ダムまで行って誤りに気づき,折り返して二股から左へ。こちらを曲がるとすぐに道標があった。
七曲付近は林の中の登山道で,カタクリの群生が両脇に広がる。標高600mくらいから積雪が目立ち始める。姥石の付近から上は広い尾根の明るい樹林帯(ダケカンバ?)。所々に見えるピンクテープを目印に登るが,すぐに道を見失う。途中でスノーボードを担いだ方と出会う。この方は鳥海山の方へ登って行かれた。焼止まりヒュッテが見えたときには結構道を逸れていたので修正し,樹林帯の上でアイゼン装着。ここからは木々も少なく雪の斜面だ。雪面は適度に柔らかく踏みしめられるので足元から滑る恐れはないが,転んだら滑っていきそうだ。ストック両手に雪を踏みしめながら鳥海山と岩木山の間のコルを目指して進む。
鳥海山と岩木山の間のコルは種蒔苗代だった。ここから尾根の一部は雪がなく,ようやくほっとする。尾根沿いに行くのかと思ってアイゼンを外したが,実際は種蒔苗代の背後の雪斜面を登るのだった。ただその斜面を登れば鳳鳴ヒュッテだった。百沢コースでは1人しか出会わなかったのに,鳳鳴ヒュッテの尾根に出るといきなり沢山の人に出会う。しかも結構軽装の人,ワンちゃんを連れた人も。スカイライン8合目からリフトを使って登ってくる人が多いようだ。リフトから10分・・・。ひぃひぃ言いながら登ってきた身としてはなんだか切ない。
鳳鳴ヒュッテから山頂までは雪のない岩の登山道。人は多いが,上りと下りの道が分かれているので,行き交うのにあまり苦労しない。山頂には,ヤマレコで多くの人が撮影されていた三角のモニュメント。ゴツゴツした山頂だが,座りやすい岩も多く広いので,多くの人がまったりしていた。風もなく快晴なので,周囲の景色は最高だ。八甲田山,白神山地,日本海が見渡せる。麓から岩木山神社奥宮へのお参りも完了。ここでランチタイムに。予定では,11時には下山開始のつもりだったが,1時間近く遅れてしまった。帰京の飛行機に乗るためには,麓の嶽温泉で14時半発のバスに乗ることが必須だ。徐々に焦りが出てくる。
鳳鳴ヒュッテから西側には2つのルートがあり,リフト乗り場ではないルートを進むと遭難慰霊碑のある行き止まりだった。失意をもって下り返したとき…。左足が岩の上の小石ですべって下へ抜ける。左ひざは古傷があり,踏ん張りがきかない。咄嗟に左手を着くと体重を支え切れずに指が逆向きに曲がった。激痛が走るが,なんとか動かせるので,骨は折れてはいないようだ。リフト乗り場への道を進み,9合目分岐から,登山道は雪道のトラバースへ。灌木帯の雪道で,踏み抜くことも多く歩きにくい。ピッケルも上の枝に引っ掛かり,弱り目に祟り目でイライラも募る。8合目駐車場に着いたときは喉がカラカラだった。レストハウスに自販機を見つけて1リットルがぶ飲み。ようやく水分不足が解消した。
しかし,ときはすでに13時。麓の嶽温泉から乗車予定のバスを逃すと,帰りの飛行機に間に合わない。8合目から嶽温泉まではコースタイムで1時間50分。夏道なら1時間半で降りられるかもしれないが,雪原の灌木帯ではかなり危ういタイミングだ。体力ももう限界に近く,左手指の捻挫もあり,次にトラブルがあったら致命傷だ。一方,目の前には嶽温泉行きのバスが停車中。ここは自分に負けてリスク回避だ!結局,8合目駐車場を13時に出発するバスに乗車して嶽温泉へ失下山した。嶽温泉から振り返った岩木山は,やはり美しかった。最後の撤退だけは残念だったが,岩木山は麓から見ても,登ってみても,大好きな名山だ。
(反省点)
今回の反省点は3つ。
・雪山はコースタイム通りには行くとは限らない。
特に,前日,八甲田山を登った後,弘前城めぐりなどしてしまったので,出だしから足が重かった。しかも,雪原の灌木帯は道が分かりにくく,足をとられやすい。一方,樹林帯の上の雪の斜面は緊張感も続き,時間と体力がどんどん奪われていった。飲料水も当然必要となり,山頂までには1.5リットル消費していた。
・遭難慰霊碑では手を合わせるべき。
鳳鳴ヒュッテそばの慰霊碑は,1964年の大館鳳鳴高校メンバーの遭難を慰霊するもの。間違えてそこに踏む入れたとき,体力もなかったのですぐに立ち去ったのだが,同じ山好きとして,せめて手を合わせるべきだった。その心の余裕のなさが足を滑らせ手指の捻挫につながった。帰宅後に知った彼らの遭難は壮絶なものだった。
・飛行機のフライトとの組み合わせは危険。
帰りのフライトから逆算し,麓の嶽温泉からレンタカーを駐車した岩木山神社までのバスを予定していた。コースタイム的には比較的余裕があると思っていた。しかし,これはごく簡単なコースを除いては,やってはいけない。自分の体力と自然のコンディションを鑑みれば,このような皮算用は慎むべきと反省した。
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