【北ア】ブナ立尾根から行く残雪の野口五郎岳・水晶岳
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- GPS
- 17:01
- 距離
- 45.8km
- 登り
- 3,516m
- 下り
- 3,467m
コースタイム
- 山行
- 16:31
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 17:41
天候 | 天気 晴れ時々くもり、早朝一時雨 気温 七倉山荘11℃(AM4:40頃)、野口五郎岳−3℃(PM11:30頃)、水晶岳−1℃(PM2:00頃) 風 北東の風強くのち北西の風非常に強く(尾根上、稜線上で午前中13〜17m/s、午後からは18〜26m/s) 積雪 ブナ立尾根の標高1800mから上で30〜80cm位、稜線夏道上では無い所がほとんどで、所々に雪庇上に張り出した所が夏道や周辺を覆っている。量はブ厚いもので5m位。 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
七倉山荘前に無料の駐車場があり、そちらに駐車。50台位は駐車可能か。七倉山荘から高瀬ダムまでは認可タクシー(営業時間は季節によって異なる)とダム関係車両のみが車両通行可能。夜間・早朝出発の登山者は当然のことながら歩くことになる。七倉山荘から高瀬ダムまでは約6km/徒歩約1時間半。タクシーだと15分。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
!注意! 5月28日現在、野口五郎岳から水晶岳間の一部では、残雪が多く通過困難な箇所があります。特に水晶小屋手前と水晶岳取付直後には雪質の悪い高い雪壁があり、ピッケル&アイゼンはもちろんのこと、登攀用具もあったほうがいいです。また水晶小屋手前の赤い山肌は触れるだけで崩れてしまうような岩が多く雪壁を避けて岩に逃げると酷い目に遭います。水晶岳周辺は雪がなくなってから行くのが良いです。 ブナ立尾根の標高1800mから上は残雪が多く、一部急斜面となっているため、アイゼンとピッケル(またはストック)が無いと危険だった。以後は野口五郎岳まで稜線上にほとんど雪は無く、快適なハイキングを楽しむことができる。しかし野口五郎岳から先の水晶岳へは前述の通り、残雪による通過困難箇所があり、相応の装備が無いと立ち入るべきでは無いと感じた。全般に稜線上はアップダウンが多く名のあるもの無いもの含めて多数のピークがあるが、その殆どを省略して体力の節約を意識した。 以下、各セクションごとの状況 @七倉山荘から高瀬ダムサイトまで@ 徒歩にて通行。全長約6km。トンネルやスノーシェッドが幾つか有り、時間帯によってはトンネル内の照明は消されるので、ヘッドライトは必須。特に七倉山荘側の最初のトンネルは長い。 @高瀬ダムサイトから裏銀座登山口まで@ ダムサイトからトンネルを抜け長めの吊り橋を渡ると、工事現場の水無し川を歩く。明るい時間帯は周辺の状況を見て注意して歩けば問題ないと思われるが、暗いと迷う恐れ有り。 @ブナ立尾根@ 北アルプス3大急登とも。大きな段差がないように整備されてあって、自分も今回初めて通行したのだが、確かに急登だがあまり苦にならなかった。ただ今回のように雪が覆っている場合、特に視界不良の際や下りでは要ルートファインディング。 @烏帽子小屋から野口五郎岳@ 稜線上には雪が無い所が大部分で、北アルプスのメジャーなルートらしく申し分の無い眺望と道筋で、ただひたすら感動的。雪が無い所が大部分とはいえ、雪がある所ではそれなりに注意がいる部分はあって、三ノ岳直下の雪の斜面はアイゼンやピッケルは欲しくなる場面。雪が夏道を覆い隠す場面では要ルートファインディングニモ。 @野口五郎岳から水晶岳小屋@ 烏帽子小屋から野口五郎岳の間と比べると、ルートが荒々しくなる。野口から水晶側の下り口は砂地のザレ道。そこから先はゴーロ帯と岩稜帯、水晶小屋の前は荒々しく脆い赤岩地帯と変化に富んでいる。最後の水晶小屋手前は、夏道が雪に隠れていて、その雪は高い雪壁を形成しておりその雪質はユルユルで登れたものではない。そこで尾根筋へ逃げたのだがこれが間違いで、脆く崩れやすい岩で進退窮まりかけた。幸いハイマツが近くにあったので中を泳いで雪壁上部の端に出ることができた。そこからは草付きの急斜面を這い上がって無事水晶小屋に出ることができた。帰りは気温が下がって雪が硬くなったのもあって容易に下ることができた。 @水晶岳本体@ 水晶小屋からは牧歌的な雰囲気の広い尾根道で、天空の楽園。所々に残雪が覆うが傾斜が緩いので歩きやすかった。本体取り付き後しばらくで高くて柔らかい雪壁が現れ、まともには登れないと判断し、上りでは雪壁横の岩にビレイを取って攀じ登り、下りはロープを垂らして安全に降下した。この部分の雪がある程度無くならないと普通には登り降り出来る状態には無いように思った。 |
その他周辺情報 | 七倉山荘 http://webmarunaka.com/nanakura 葛温泉仙人閣 https://www.hitou.or.jp/provider/detail?providerId=701 葛温泉 高瀬館 http://www.takasekan.com |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
今回のツアーは、水晶岳と野口五郎岳を中心とした北アルプス最深部のの雪景色鑑賞。この山域柄、冬真っ只中というのはちょっと考えにくく、行くなら残雪期だなと思っていたので、このタイミングで決行することにした。本当は新穂高からが良いと思っていたが、あのルートはアプローチから雪が多すぎて現実的でなかったので、雪が少ないと思われるブナ立尾根からにした。行ってみると、出逢った登山者は野口五郎小屋泊の1名のみ、雪の量も多くて、まだ今は人を寄せ付けない山域なのだなと感じた。ハイキングのつもりが進退窮まりかけるほどになったり、ロープを出すハメになったりで、思った以上に大変で危険だった。この山域へは雪が消えてからにすることをオススメするが個人的には優雅でありながらピリッと感も有り大変満足だった。
以下、備忘録
着用衣服・装備(スタート時)@
ミレーのアミアミ、半袖Tシャツ、アームカバー、靴下(中厚手)、薄手ソフトシェルパンツ、薄手グローブ、帽子、3シーズンミドルカットブーツ
@持参装備・衣服(状況により使用する物など)@
12本爪アイゼン(使用)、チェーンスパイク、ピッケル(使用)、登攀用具一式(ハーネス、スリング、カラビナ、カム、ロープ、ATC使用)、ハードシェルジャケット(使用)、ハードフリースジャケット(使用)、予備化繊ベースレイヤー、予備薄手グローブ、防寒テムレス(使用)、サングラス(使用)、夏季用シュラフ、ヘッドランプ2個(1個使用)、予備のGPS機、気象観測計(使用)
@飲・食料@
ポカリ4リットル(2リットル消費)、梅干しおにぎり3個(2個消費)、明太フランスパン2本(消費せず)、プロテインバー2個(全消費)、ベビースターラーメン60g?2袋(消費せず)
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