五竜岳~唐松岳縦走


- GPS
- 15:52
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 2,016m
- 下り
- 1,800m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 8:46
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 6:55
08:48 地蔵ノ頭
10:07 小遠見山 10:18
10:40 中遠見山
11:24 大遠見山
12:25 西遠見山
13:35 五竜山荘(休憩・テント設営) 14:29
16:01 五竜岳 16:16
17:40 五竜山荘(幕営)
●4月28日(月)
07:32 五竜山荘
08:46 大黒岳
10:47 唐松岳頂上山荘 11:00
11:20 唐松岳 11:38
11:52 唐松岳頂上山荘 12:02
12:45 丸山ケルン
13:55 八方ケルン
14:24 八方池山荘
天候 | 4月27日(日):晴れ 4月28日(月):高曇りのち晴れ 両日ともにほぼ無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
●リフト 行き:テレキャビン+アルプス第1ペアリフト(1200円+手荷物料200円) 帰り:グラートクワッドリフト+アルペンクワッドリフト+ゴンドラ・アダム(1400円) ●タクシー:ゴンドラ・アダム乗り場~エスカルプラザ駐車場(2400円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 白馬五竜テレキャビン乗り場にあり。 【コース状況】 ※全行程ほぼトレースあり。ただし五竜山荘~唐松岳頂上山荘間は全体的に薄かったです ※全行程を通して雪があるところは踏み抜きに注意 ●地蔵ノ頭~五竜山荘 テレキャビンでアルプス平へ。そしてアルプス第1ペアリフトに乗り継ぎ、 地蔵ノ頭手前から歩き始めます。雪はスタート地点より付いていました。 一ノ背髪、二ノ背髪と眺望の良いポイントを通過し、小遠見山に到着。 ここからの鹿島槍の北壁は圧巻です。 小遠見山から中遠見山までは緩やかなアップダウンを繰り返してに斜度を上げていきます。 中遠見山から小ピークを1つ越え急登すると大遠見山に到着。 大遠見山をからは平坦な道が続き、この辺りからは幕営適地だらけ。 平坦なルートは西遠見山手前まで続きます。 西遠見山から白岳との鞍部まで下り、白岳の尾根に取り付きます。 今回は雪が安定していたので途中から白岳の南面をトラバースして 五竜山荘まで進みましたが、少しでも危険を感じた場合は白岳を尾根通しに登るべき。 この日は日中気温が上がったため、五竜山荘までのルート上の雪は腐っており、 終始踏み抜きに悩まされました。 ●五竜山荘~五竜岳 G0まではほぼ夏道に沿ってトラバースしていきます。 G0を過ぎるとルンゼっぽい斜面を直登して稜線に乗ります。 稜線の黒部側の岩稜帯を進みG2を経由後、五竜岳との鞍部まで下ります。 頂上直下からは雪壁となっており、ここの登下降が核心部だったかと。 雪壁を登りきると緩やかな稜線に出て、進む先には五竜岳の頂上標が見えます。 しかし、このファイナルアプローチも油断するとズボリと踏み抜きます。 五竜山荘から五竜岳までは登った時間が午後だったため、 雪が緩んでいて崩れ落ちることもしばしば。特に下りは気を遣いました。 クライムダウンを必要とした箇所は山頂直下の雪壁とG2を過ぎた辺り。 ●五竜岳~唐松岳頂上山荘 五竜山荘から白岳へ登り返し、遠見尾根分岐とルートを分け、 白岳の西側をトラバース気味に下っていきます。 稜線に乗り積雪の少ないハイマツ帯を通過後、九十九折のガレ場を引き続き下り、 下りきったところが最低鞍部となります。 最低鞍部付近からは雪の多いシラビソの樹林帯を進み、 稜線の黒部側から大黒岳へ登り返します。 鞍部付近は東側に張り出した雪庇の崩壊とクラックに注意。 大黒岳と牛首の鞍部からはほとんど雪は付いておらずほぼ夏道通りに登っていきます。 やがてルートは岩稜帯に入っていきますが、ところどころに雪が残っていたりするので アイゼンを外すことはできませんでした。 牛首に近づくに連れてクサリが出始めます。 クサリはほとんど出ていましたが、アイゼンの引っかけに注意しながら進む必要があります。 牛首の1つ手前の2570mのピークから氷の張り付いた斜面を下り、 黒部側に雪の岩稜をトラバースする箇所が一番の難所でした。 ここをクリアすると再び稜線通しに牛首までクサリ場が続きます。 牛首を通過すると目の前に唐松岳頂上山荘がようやく見えひと心地着くことができます。 ●唐松岳頂上山荘~唐松岳 唐松岳山頂へのルートですが、夏道は稜線より若干西側にルートが付いていますが、 この時季は稜線をほぼ直登して頂上へ達します。 ●唐松岳~八方池山荘 山荘手前のルートはまだ尾根を直登する冬道となっていました。 また、扇雪渓のある上ノ樺も尾根通しで進みます。 アイゼンは丸山ケルンを過ぎた辺りで外しました。 公衆トイレまで雪が付いていますが、ところどころ地肌が出ているところもあります。 【五竜山荘テン場】 テント:整地されていないので無料とのこと。ただし外トイレ使用料として500円/人 水:100円/リットル 【温泉】 十郎の湯(600円) |
写真
感想
今週は土日の天気が良く、月曜日には曇ってくるとの予報。
しかし、土曜日は動く気がせず、日曜日からと出遅れてしまいました。
行き先は五竜~唐松の縦走。
元気&天気の良さそうな1日目に五竜を往復し、
2日目に五竜~唐松の稜線漫歩を楽しもうという計画です。
八方尾根は秋に登ったばかり。五竜は数年前の夏に登りましたがその時は眺望ゼロ。
雪の鹿島槍の北壁とカクネ里も見たいということで遠見尾根からの出発としました。
痺れる五竜山頂直下の雪壁やkomemameが踏み抜いて姿が見えなくなったこと、
牛首付近の難所の通過、今シーズン初雷鳥などいろいろとありましたが、
何より嬉しかったのが予想よりも月曜日の天気が良かったことでした
(その分踏み抜きには苦しめられましたが…)。
条件にも恵まれ、このルートを予定通り1泊2日で仕上げることができました。
しかし…予想外の好天で写真を撮りすぎたため処理するのがたいへんだぁ~。
テン泊山行は、年末の塩見岳以来。なんと4ヶ月ぶり。
ずっしり重い荷物で歩きとおせるのか…やや不安を感じながらスタート。
最初からひたすら登り、登り、登る…。
雪がぐずぐずしていて、バランスがうまく取れなくてとーっても歩きにくい。
でもそんな辛さもお天気の良さに助けられ、あっという間に吹き飛ぶ。
しばらく歩いているうちにノってきて、ペース良く一歩一歩と前へと進めるように。
気温もあたたかで、歩いていると汗ばむ陽気。
最近、日焼け防止でバラクラバをしているのだけど、
暑くてたまらず、鼻先まで下げると一気に冷たくて新鮮な空気がカラダの中に入ってきて、
すごーく気持ちがいい。
冷たい水をごくごく飲んでいるような。
…って、バラクラバの使い方間違ってるよな~。
そろそろこれからの時期に向けて、日焼け防止策を考えないとな~。
なんてことを考えながら、ひたすら歩きます。
danyamaと私は、山で歩いているときはあんまりしゃべることなく黙々と歩くことが多く、
私はひとりでくだらないことを考えている。しかも山以外のことが頭を占拠すること多々…。
そして、そうやって考え事をしているうちにゴールにたどり着く。
しかし今回は、そんな考え事が尽きてしまうくらい、ゴールまでが長かった。
それでも歩き通せたのは、すばらしい景色とお天気の良さがあったからこそ。
ときどきバラクラバを鼻下まで下げては、おいしい空気を吸ったりして、
この気持ち良さに心から感謝、感謝。
こうしてようやく五竜山荘に到着。
このとき私はすでに達成感でいっぱいで、
「テント設営したらサクッと五竜岳へ行こう!」とウキウキしているdanyamaをよそに、
「疲れちゃったから、行かないで待ってようかな~」
「いやいや、ここで行かなきゃあとで後悔する。しかもdanyamaに後々まで根性なしと言われるかも…」
なんて葛藤をしていた。
結局は五竜岳を目の前にして、行かないなんてもったいない選択ができるはずもなく、
疲れ果てたカラダを引きずって五竜岳を目指すことに。
山頂までの道は、緊張感を強いられるところばかりで、
このときばかりは、いつもの考え事は封印。
周囲の状況に意識を集中して、一歩一歩足を進めることだけを考えた。
何組か下ってきている人ともすれ違ったけど、
その人たちもみんな緊張した面持ちで歩いている。(ように見えた)
登りながらつい下りの心配してしまうが、今この瞬間に集中しなくちゃ!と自分に言い聞かせ登っていく。
山頂に着いたときは、恐怖と疲れでへたれ混んでしまったが、
剣岳に降り注ぐ光がなんとも幻想的で、ぼーっと見とれていたら、
こんなところに自分がいるのが不思議な気がしてくる。
ほんとにここまで来ることができて良かった。うれしい。ありがとう。
この余韻にもう少し浸っていたかったけど、
時間も時間なので気持ちを切り替え下山開始です。
登り以上に慎重に、丁寧に。
テントまで帰ってきてやっとふーっと一息。
今日は一日よく頑張ったなぁとしみじみとしながらビールを飲んだ。
翌日は唐松岳へ。
こちらも緊張感たっぷり。
重いザックで手足をつかって岩場をよじ登ったり、
心もとない足場の道がところどころにあって、
とにかくドキドキハラハラの連続。
唐松岳山荘でザックをおろして、やっと開放感を味わう。
この日は天気が崩れるという予報だったわりに、
晴れというわけではないものの、遠くの景色も昨日よりよく見えるし、
気温も歩くにはちょうどいい感じ。
唐松岳へは、空身ということもあって身も心も軽やか。
このとき山頂に向かっていたのは私たちだけ。
山荘にもスタッフの方しかいなかったみたい。
唐松岳山頂は、何の音も聞こえないくらい静かだった。
耳がおかしくなってしまったのかと思うほど。
気持ちよすぎて、思わずごろーんと寝転がってしまう。
今回の充実した山行を思い返しながら…
でもdanyamaにはただ倒れているようにしか見えなかったようで。失礼な!(笑)
さて、そろそろ帰る時間です。
後ろ髪をひかれながら、でもやりきった満足感いっぱいで下山。
下りてしまうのがもったいなくて、のんびりのんびりと。
写真撮ったり、尻セードしたり遊んだりしながら。
スキー場が見えてきたときは「あぁ~、終わっちゃったなぁ」とちょっと悲しい気分に。
GWだったとはいえ、人も少なく静かな山歩きが出来たこと、
崩れると言われていた天気も持ち、終始すばらしい景色を堪能できたこと、
そして達成感を存分に味わえる五竜岳~唐松岳縦走を歩きとおせたこと、
すべてが満足いくもので、ほんとうに心に残る二日間となった。
おつかれさまでした。
いつもチャレンジングな山を拝見して楽しませていただいています。
そろそろこういう山をやってみたいと思いますが、今年はもう終わりですよね。
八ヶ岳ばっかり通いましたが、来期は北アルプスにも手を出していきたいと思っています。
いつも、アウトフォーカスを使ってきれいに撮られますね。余裕を感じますね。
フィルム時代はよくぼかしを使ったりもしましたが、デジカメになってやり難いのもあり、あまり絞りやフォーカスで遊ぶことをしなくなりました。
また、挑戦的な山を期待していますね。
devilmanさん
こんにちは。
今回の五竜~唐松はなかなか痺れました。
2年前くらいから雪の時季にチャンスがあれば、
と思っていたルートですが、厳冬期にはなかなか手を出せず、
今の時季になってしまいました。
devilmanさんは今シーズン本当に精力的に八ヶ岳にかよわれましたね~。
でも毎回いろんなテーマを持って登られているところが流石です。
>いつも、アウトフォーカスを使ってきれいに撮られますね。
山の写真にも関わらず風景を撮るよりもスナップ的に撮る方が性に合っているので、
今のところこんな感じで撮るようにしています。
それにしても今回の山行は2日目の天気は諦めていたので、
予想よりも天気が良かったことに舞い上がり、写真撮りまくってしまい大変でした(汗)
コメントありがとうございます!
もうゴールデンウイークの山に行ってきたのですね
この週末の4連休かと思っていました。
・・・そうか!4連休はもっと凄いところに行くのですね
このコースは私も昨年の秋、初雪の頃に歩きました。
残念ながらあのときは五竜山頂は山荘の方に止められて登れませんでしたが、やっぱり登っておけば良かったかな~とちょっと後悔しています。
でも、素晴らしい写真をたくさん見せて頂いたので、なんだか自分でも登ったような気がしてきました。
komemameさんもブランクを感じさせない、ナイスファイトでした。
ズッポリ踏み抜きも実際には相当ヤバい状況ですが、怪我が無くて幸いでした。
不謹慎で申し訳ありませんが、踏み抜きは春山の醍醐味ですので全身で体験出来たのは、良かったかも・・・。(スミマセン)
ゴールデンウイーク後半戦も楽しみにしています。
私は今週はちょっと無理そうです
yamayaさん
こんにちは。
もちろんyamayaさんの記録覚えていますよ。
今シーズンの雪山を先取りされていて、
うらやましく写真を眺めていたのを思い出します。
>素晴らしい写真をたくさん見せて頂いたので、
>なんだか自分でも登ったような気がしてきました。
今回は写真撮り過ぎてしまい、家に戻ってからが大変でしたが、
yamayaさんにそう言っていただけるとたくさん撮った甲斐がありました。
komemameは4ヶ月ぶりのテン泊に加えて、
ほぼ雪山フル装備だったのでちょっと心配でしたが、
蓋を開けてみるとまったく問題ありませんでした。
むしろ遠見尾根では先行するkomemameに追いつけないほど。
これからはもっと荷物を持ってもらおうと固く心に誓いながら、背中を追いました(笑)
komemameのテン場での踏み抜き。
神隠しに遭ったように突然いなくなったのにはホントにビックリしました。
五竜にアタックする前に10分以上雪と格闘しており、
これで疲れたと本人は言っております。
でもこういうことがあると改めて雪崩れのコワさを実感しますね。
コメントありがとうございます!
師匠、お疲れ様でした!
それにしても、躍動感を感じるお写真の数々!惚れ惚れします!
やっぱり残雪期の山は模様が出てかっちょいいっすね!
33枚目の写真なんて、もーかっこよすぎてゾクっとしましたよ!
五竜は一度歩いてるんで、お二人の凄さがよくわかります!
踏み抜きもお怪我がなくて何よりでした。
仕事柄GWはないので笑、師匠の写真を見て気持ちを落ち着けます。
次のレコも楽しみにしております!
atsushi-kunさん
こんばんは。
またまた師匠だなんて気恥ずかしいですが…(笑)
でも、コメントいただきうれしいです。
このルートは歩き出しから最後まで森林限界以上なので、
フォトジェニックな景色が続くのがいいですよね。
でも、良い景色が目の前に広がっていると条件反射でシャッターを押してしまい、
まさに後先が考えられないパブロフの犬状態で帰ってからが大変でした(笑)
GWお休みできないとのことですが、
atushi-kunさんの記録が上がってくるのを楽しみにしています。
コメントありがとうございます!
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