針ノ木岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 1,415m
- 下り
- 1,394m
コースタイム
ー11:15針ノ木岳山頂―14:05登山口帰着
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
マヤクボのコルから針ノ木岳山頂直下のトラバースは雪が締まって渡り易かったです。 |
写真
感想
初めて3000m級の春山として行ってみた。GPV天気予報を数日前からチェックし、天候の良いこの日を選んだ。
案の定、登山口からは赤沢岳方面のモルゲンロートがまぶしい。登山口を出て、どこから右岸にわたってよいのかわからなかったが、車道と一回目に出会ったところに夏道用と右岸に渡渉する方向と2か所にピンクテープが付いていたので、さっそく渡渉し(水量は少ないので、石を伝って)右岸の雪原を少し高めに歩くとスキーの跡があり、それに従う。(実はもう少し上流側で右岸にわたると渡渉する必要が無く、下山時はそこを通った。)
砂防堰堤をいくつか超えると左岸に大沢小屋が見えてくる。行く手に針ノ木岳らしき山が見えてきた。雲一つない快晴で気持ちいい。ここまで一人だったが、その先にスキーヤーが先行しているのが見えた。ここでアイゼンを履く。
昨日の雨の後、今朝急に晴天になったせいか、谷の下側から気温差によるガスが出てきた。その向こうに爺ヶ岳が見える。山頂の右手に盛んにガスを巻いている。北側の稜線は雪で真っ白だが、その左手の鳴沢岳付近は荒々しい岩山だ。
間もなく陽の光に照らされるはずだったのが、しばらくはガスの中を登ることになった。沢は両側からのデブリが押し寄せ、その上を通過することが何回かあった。下山時には注意せねば。
更に谷のガスの上まで登ってきた。その向こうの爺ヶ岳がきれいだ。今度は山頂付近のガスは消えていた。スキーヤーを越したと思ったら、すぐに2人組のスキーヤーに越された。聞けば一級ガイドで、知人が昨年ダウラギリで亡くなったという。それにしても恐ろしく速い。
まだマヤクボ沢出会いは随分上なので、少し休んだ。後方から更に3人ほど登ってくる。爺ヶ岳の左の山は岩小屋沢岳らしいがこの山も荒々しい見事な山容だ。
更に進んでマヤクボ沢出会い。また休憩だ。先行した2人組は針ノ木岳直下へ向かっている。あまり自信がなかったので、追いついてきたスキーヤーに確認したところ、彼も始めてきたそうだが、地図を見ながら間違いないという。
予定通りマヤクボ沢を登るが、一歩ごとに15〜20cm沈むので思いのほか体力を消耗する。右手にはスバリ岳から大きなデブリがあり、正面(針ノ木岳直下方向)にも小さいデブリがある。この中間を登っていく。斜度は急なところで35度くらいか。
やや緩やかになったところで小休止。下を見るとスキーヤーは正面に、二人組は私のトレースを追っている。東側に蓮華岳が覆いかぶさるように見える。もう針ノ木峠はずっと下になった。
天気は晴れ間にガスがときどき通過するようになってきた。風も出てきて、陽が差さないとけっこう寒いので雨具兼用アウターを出した。この後コルに出るまで随分長かったような気がする。コルは左手に見えるのでトラバース気味に左手に登っていくと、スバリ岳方面からのデブリがその先にある。今はまだ朝なので新たなデブリが出ることはないことにして、そのデブリを越え、暫くしてヘトヘトになりながらコルに到着した。あまりの嬉しさに小躍りしたい気分だ。天気は晴れたり曇ったり。スバリ岳方面はけっこう険しい。山頂方向はガスが巻き荒々しい。東側の蓮華岳はほぼ同じ高さに見える。そして立山方面はというと、剱岳から真砂岳、雄山、五色が原などがガスに見え隠れしている。この先は険しいので休憩してから。
ヤマレコの他の方々の記録にある難所、山頂直下のトラバースに着いた。斜度は40度くらいだろうか。ストックをピッケルに持ち換える。ここの雪質はガチガチのクラスト雪になっており、思いっきりキックしてもつま先程度しか入らない。だがピッケル胴部全体が沈むほど雪があるので安心だ。
しかもけっこう距離がある。2/3程度進んだところで上を見ると、尾根に出られそうだ。浮石が多いので慎重に手を掛け、尾根に上がってみるともう難関はなさそうである。
小さいスノーリッジを越えようとしたら、まさに足元に山頂の標識が10cm程出ていた。先客の足跡がある。例の2人組のようだ。東側に少し移動すると下に黒部湖が見えた。立山方面はますますガスが多くなりもうほとんど同定はできない。スバリ岳から岩小屋沢岳への稜線はほぼ見ることができる。南側には水晶岳・鷲羽岳と右側に薬師岳、ところどころガスっている。山頂からマヤクボ沢を見下ろすと、例の2人組がこちらを見ている。「おめでとう」と言われているような気がした。景色を堪能しながら、ノンアルコールビールで乾杯だ。
ふと靴を見るとアイゼンのスノープレートが外れかけている。やっぱり安物はイマイチだ。さっきのトラバースで思いっきり蹴り込んだ際に取れかかったようだ。両方脱いで付け直す。アルミの薄板なので簡単に曲げ伸ばしできる。
下山のはじめは足を踏み抜くこと数回、一回はその足がなかなか抜けずに苦労した。つぎは斜度45度越えの所だが、距離が短くしかもその下が緩斜面なので、前向きで降りられた。
当初はこの後針ノ木峠に向かう予定だったが、昨日の雨がこの辺では雪となり、トレースが全く見えない。スキーヤーはここからドロップしている。よく見ると急なのはほんの2・3mで、その先は斜度35度程度になっているではないか。峠行きは止めて、ここを下ることに決めた。さすがにドロップの所は後ろ向きになり、一歩一歩降りた。一段落したので、左岸に目をやるとマヤクボのコル直前のスバリ岳からの新たなデブリがあり、自分のルートを消している。もう危ない・・・後続の二人はどうしただろうか?
後は前向きでずんずん降りていく。山頂直下を見るとそこにもスキーヤーのドロップがあった。さすがに上級のガイドだけのことはある。
針ノ木沢出会いが見えるところまで下りてきた。下からは数人のスキーヤーが三々五々登ってきている。少し情報交換だ。私は今までのコースの概要を話し、彼らは朝デブリの多かったところが非常に危険で、高巻いて行った方がいいとのことだった。
その場所に行ってみると、次から次へとデブリが降りてくる。
https://www.youtube.com/watch?v=Fovm-_VUkl8
しばらくは右岸を高巻いて下りた。
大沢小屋が近づいてきた。ここでも山頂付近がよく見える。ん?デジカメで50倍?位に拡大してみると、なんと自分がドロップして降りたトレースがハッキリ見える。天気は相変わらず晴天で、白い山肌と青い空が見事なコントラストだ。
せっかくなので大沢小屋に寄り道してみたが、やはりまだ営業はしていなかったがベンチがいくつか出ている。付近にはテントが数張あった。この後道は再び川床を渡り右岸になって、自動車道が近づいたところでまた左岸に渡り、夏道に出る。
今回のハイライトは・・・登っても登っても続く雪渓、そしてマヤクボ沢のコルから山頂直下のトラバース。そしていい天気だったのに立山方面の肝心なところにガスがかかって<`ヘ´>
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