【奥多摩】御嶽〜雲取山〜飛龍山〜親川【初めてのビバーク】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 54.3km
- 登り
- 3,676m
- 下り
- 3,363m
天候 | 5/10 快晴 5/11 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:下山地点(親川バス停)から鴨沢バス停まで徒歩30分強 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雲取〜飛龍の巻き道は何箇所か雪が残っていた。昼に通過すれば問題ない。 |
写真
感想
去年「高尾山〜三頭山」の記事で予告した通り、棒の折山〜雲取を歩いてきた。
「長い距離を踏破したいが走りたくはない→夜歩く」というコンセプトのもと、高尾山を皮切りにあちこちで夜の山を歩いてきた。そろそろ現時点での実力を試してみたいと思い、今年も日の長いこの時期に日帰り(?)長距離山行を計画した次第である。自分の中ではかなり本気の計画だったため、装備や行程の吟味にも真剣に取り組んだつもりだったが、結果は以下の通り、自分の未熟さを思い知らされることとなった。
なお、登山届は1泊2日として提出した。
5月9日
5限の授業後、吉野家で夕食を取って直ちに帰宅。スーパーで行動食を買い、明日の準備を手早く済ませて睡眠時間を確保するはずが、あれやこれやで就寝は9時半になってしまった。
5月10日
4時起床。駅前の松屋で朝から牛丼を食べ(このところ週に2回は牛丼を食べている気が・・・)、電車に乗り込む。青梅線車内の天気予報によると今日は夜までずっと晴れるらしい。しかし映像が乱れていて何だか幸先が悪い。
御嶽駅で降り、準備体操をして7時過ぎ出発。高水三山には高1の春に登った筈だが全く記憶にない道が続く。新緑が目に眩しく、木々を抜けて吹き寄せる風も爽やか。でもそんなものに気を配る余裕はない。
岩茸石を過ぎるとゼッケンをつけた人たちと頻繁にすれ違うようになる。どうやらトレランの大会らしい。悪い時に当たったものだ。自分では本気の山登りをしているつもりなのに、後ろから次々に、易々と抜かされるのは何ともやるせない。もっとも中には足の遅めな人もいて、抜きつ抜かれつが励みになったから悪いことばかりでもなかった。トレランの人は概して平坦地は速いが登りが遅い。
黒山でようやく長沢背梁に合流する。元は小沢峠から歩く予定だったが、自分の乗れる始バスが8時台だったので止むを得ず御嶽駅から歩いたのだった。おかげで1時間早く歩き始められたが距離は延びてしまった。
再び何の変哲もない尾根道を歩き棒の折山。山頂は広く見晴らしがいい。黒山で休んだばかりだがまた腰をおろしてしまった。遅れを取り戻すため6km先の日向沢の峰まで一息に歩こうとするも、力及ばず手前のピークで座り込む。どうもスイッチが入らない。いや、単に体力がないだけか。
日向沢の峰からは高2の時に歩いた道。何となく記憶が残っている。平坦で幅の広い、爽やかな道が続く。
蕎麦粒山は4年前と同じく妙に羽虫が多かった。ここでとっておきのコーラを放出する。僕が来た時には誰もいなかった山頂は、僕が座ってから徐々に休憩するランナーが増え始め、10分後には人で一杯になった。皆が休んでいると自分も休みたくなるものなのだろう。
山頂でランナーの方と話していると水が余っていないか聞かれた。山で知らない人にものをねだられたのは初めてだ。残量は多いが余っている訳ではなく一度は断ったのだが、まさかと思って聞くともう一滴も残っていないという。流石にこのままほったらかしにするのは人道に反すると思い、仕方なくお分けすることにした(でもレース中にエイド以外で補給を受けたら失格なんじゃないかな・・・別にいいけど)。分ける段になって一杯水の水場が出ていると教えられる。そうと知っていれば別に渋る必要はなかった。というか今回は水場が全て枯れている想定で4.5Lも持ってきてしまった。きちんと調べればよかった。
蕎麦粒山から先は、天祖山への分岐まで延々と平らな巻道が続いている。尾根上の道に比べてあまりにも楽で罪悪感を感じる。一杯水は確かに出ていたが、ランナーの人が列を作っていたのでここで汲むのはやめた。
一杯水避難小屋は今回のレースの最終エイドだった。スタッフの人に聞くと、最長コースの人はタワ尾根経由で日原に降りるそうだ。エアリアで点線にもなっていないルートでトレラン大会とは、大胆というかなんというか。
避難小屋を出発して天目山の南を歩いていると先程のエイドにいた男性スタッフがすれ違いざまに、水のお詫びとしてスニッカーズをくれた。これですっかりこのレースのことが好きになってしまった。細いトラバースでランナーに何度も追い抜かれたし一杯水の水場も使えなかったけど、全てこのスニッカーズのために許そうと思った。来年はこの大会に出てみてもいいかもしれない。以降ゼッケン組の姿を見かけることはなかった。
ひたすら尾根の南側を巻き続ける。酉谷山だけは何となく登ってみたが、わざわざ登るほどの山ではなかった。巻いた他のピークも同じような感じだろう。天祖山への分岐の先でようやく道が尾根上に復帰する。日が陰り始め、焦りが募る。せめて日没前に芋の木ドッケにはついておこうと思い、歩を速める。日没後10分ほどで芋の木ドッケ到着。ヘッドランプをつける。奇しくも4年前の雲取山と同じ時間帯に同じ場所を通過することとなった。
4年前はひっそりと静まり返っていた雲取山荘も今日は大賑わいで、小屋の前を子供たちが元気に走り回っている。ここでかびたプラティパスに入れていた水を捨て、きれいなプラティパスに水場の水を汲みなおす。山頂まではすぐ。東京方面の夜景がきれい。
いよいよ未知の山域に突入する。ここもひたすら尾根の南側をトラバースする。ところどころ道に笹がかかっている。足を踏み外しそうな細い個所もあってあまりいい道ではない。GWにもこのあたりで行方不明になっている人がいるので注意して歩いた。
北天のタルを超えるとちらほら残雪が現れる。やがて沢状地形を横切る個所で足が止まった。かちかちになった雪に浅くステップが切られている。下は沢の先が折れ曲がって見えなくなる点までずっと雪が残っていて、足を踏み外せばどこまで滑り落ちるのか見当もつかない。雪は固くて蹴りこめず、手がかりになりそうなブッシュもない。道を外れて藪を繋げば切り抜けられそうだが、ヘッドライトの明かりでそこまでする気にはなれなかった。あれこれ考えて今日はここで寝ることにした。この夜のことは日記のほうに書いた。
5月11日
上下とも着られるものは全て着たまま出発。
昨日の目論見通り、藪を繋ぐことで雪は回避できた。飛竜山の東から山頂に至るエアリアの点線ルートを辿るつもりだったが、いつの間にやら通り過ぎてしまったため飛龍権現からピストンする。聞いていた通りの何ということはないピークで満足。
後はひたすら下るだけ。途中の前飛竜は岩が出ていてなかなか眺めが良い。以後丹波天平までなだらかな道が続く。丹波天平あたりは開けた台地状になっていて気持ちいい場所。のんびりしたいところだが1日4本しかないバスの時間が迫っているので休まずに飛ばす。複雑な地形の不明瞭な道形を赤テープを頼りに辿っていく。尾根を外れて急斜面を下っていくと急に林が開け、廃屋跡(かどうかも怪しいくらい跡形もなかった)に出る。ここからのトラバースは急斜面につけられた細い道で少し注意して歩いた。やがて登山道の途中に、比較的新しい廃屋がいくつも現れる。よくもまあこんな場所に住んでいたものだ。というか夜中にここを通過することを考えたら、昨日ビバークしたのはある意味正解だったかもしれない。
最後に再び急な九十九折りを降りると国道411号。親切にも丁度国道に出る場所が親川バス停だった。急ぎ過ぎたせいで始バスまで1時間近くある。ジュースを求めて鴨川までぶらぶら歩き、ビックルを飲みながらバスを待った。
まとめ
当初の意気込みに山中の行動が追い付いていなかった。1日の行動時間を長く取り過ぎたため、緊張感がなくなってだらだら歩いていた印象。やはり日没や終電など、一定のリミットがあった方がメリハリがつく。今後は歩きに拘らずトレランもやってみたい。
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