奥穂南陵へ・・・行けずに前穂へ涙の転進(奥明神沢)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,766m
- 下り
- 1,764m
コースタイム
上高地BST 06:20 → 岳沢登山口 06:40 → 09:04 岳沢小屋(幕営)
奥穂南陵取り付き部偵察 11:30 〜 12:50
2日目
岳沢小屋 05:10 → 07:40 前穂高岳山頂 08:07 → 09:15 岳沢小屋 10:35 (テント撤収、他) → 11:55 上高地BST
天候 | 1日目 麓は晴れ、上高地は曇り、標高1,800m以上はガス・霧雨。 後半は晴れ。 2日目 文句なしの快晴。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(いつも市営第2駐車場に停める事にしてます) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・上高地BST 〜 岳沢小屋 岳沢登山口までは遊歩道を歩く。 登山口より風穴付近まで雪はほとんどなし、それ以降は雪道となる。 遅い時間になれば踏み抜き等もあり。 岳沢小屋手前500m辺りより岳沢の河原を直登するようになる(勿論、雪の上)。 ところどころ赤符があるので視界不良時でも迷う事はないと思う。 ・岳沢小屋 〜 前穂高岳 (奥明神沢) 標高2,300m より 2,700m付近までデブリ跡あり。 2,550m 付近の雪渓左岸側にクラックが入っていた。 2,800m付近で左に分岐後、傾斜は一層強くなるので滑落注意、 特に早朝は雪がクラストしているので的確なピッケル・アイゼンワークが要求される。 ・奥穂南陵(取り付き部下からと前穂山頂より見た感じ) 今回は取り付く事がなかったが、南陵取り付き部手前10m付近に幾筋かのクラックがあり。 今後はシュルンドも口を開けて待ち受けるだろうから取り付き部で要注意。 核心部とも云えるトリコニー(第I峰〜II峰)に雪は全くと云っていいほど無さそう、 アイゼンつけたままの岩登りとなりそう。 III峰を左に見て雪稜に沿って右に方向を変えるが、 その上も雪が無く岩場の急斜面を通過する事になりそう。 更にその上は完全な雪のルート。 ・吊り尾根 前穂山頂から見るには、かなり厳しそうな様子、ある意味でここが核心部となるかも。 特に奥穂からの下降にかなり手こずるのは間違いない。 奥穂側から吊り尾根を見てもそれ程難しそうに思えなかったが、 反対側より見て、難易度がかなり高いと云われる意味が理解できた。 確保等の問題からもソロでの通過はかなり危険、 夏道が利用できるようになるまで待った方が無難だろう。 今回寝坊せず突っ込んでいたら、多分この吊り尾根で相当な苦労をしただろう。 下手すれば尾根上のどこかでビバーク、 無事に通過出来たとしても岳沢小屋に戻るのはかなり遅い時間になったろう。 釜トンネルが閉まる前に上高地を出るのは、はっきり云って無理だったと思われる。 今回は寝坊したのが幸いかもしれない。 ・登山ポスト 上高地 BSTにある登山ポストを利用。 ・下山後の温泉 入浴せず直帰。 次回は沢渡市営第2駐車場料金所前にある川上商店が経営する露天風呂(300円だったかな?)に入ってみたい。 ・飲食店情報 新島々のセブンイレブンで唐揚げ棒1本のみ、他はどこにも寄ってない。 |
写真
感想
今回の山行は今季の集大成として臨んだものでした。
計画では、岳沢〜奥穂南陵〜奥穂〜吊り尾根〜前穂〜奥明神沢 or 前穂沢〜岳沢。
泊地から奥穂まで5時間半、吊り尾根3時間、前穂よりテントまで1時間半、テント撤収1時間、
上高地への下山2時間、休息込みの合計13時間。
少々タイトな計画だが、釜トンネルのゲートが閉まる時間を考慮すれば朝の行動開始は遅くとも午前3時半となる。
初日、早めに岳沢小屋をめざしガスの中を登る。
髪の毛が少し濡れる程度の霧雨が降っていて、標高が上がると展望なし。
小屋の特設テン場にて幕営後、天気の回復待ちで2時間近く待機。
次第に霞沢岳や乗鞍が見え始め、吊り尾根も時折ガスの中から姿を現して来るのを見計らい、
奥穂南陵取り付き部まで偵察に出かける。
テントに戻り独り宴会開始(その前に偵察から戻った際に小屋でジョッキ一杯の生ビールを飲んだが)、
今回はバーボン(ジャックダニエル)をたっぷり(450ml)持参した。
ポカポカ陽気で暑いくらい、テントの入口は当然全開とし、
向かい側に見える霞沢岳、yokoさんが今日登ってる筈の乗鞍を眺めながらチビリチビリやる、至極の時間だ。
夕食時のバーボンを残してお昼寝タイム、いいねぇ〜。(笑)
10分もウトウトしたかと思ったが既に2時間以上爆睡していたようだ、平日の睡眠不足のせいか。
再びバーボンを飲みながら晩飯の仕度、とは云っても何も特別な物は持参していない、
家に在庫していた保存食類のみなので調理時間も全くかからない。
持参した酒も呑み干し、再びシュラフに潜り込み睡眠を貪る、気持ちいい・・・
テントの裏をアイゼン付けて歩く人たちの足音で目が覚めた。
テントの外は既に明るい、時計を見て飛び上がった、時刻は午前4時を回っているではないか!
「なんだこりゃぁ〜」と思わず大声を出してしまった。
頭の中が真っ白な状態、思考回路が働かないままシュラフを収納し、湯を沸かし朝食の仕度。
コーヒー飲んでオニギリ雑炊食べながら、頭の中に浮かんだのは、「取り付く前の敗退」だった。
今から準備しても出発は5時過ぎ、計画より1時間半遅れ、でもこのロスタイム、上では挽回のしようがない。
無事にここに戻ってテント撤収し上高地に下っても釜トンネルは既に閉まってるだろうし、
もう一晩上高地に閉じ込められると、大切なアポがある月曜は出社出来ず・・・、えらいこっちゃ。
このところの山行、登山口での車中泊やテント泊で悉く寝坊している。
平日の多忙、毎日のような睡眠不足、それでも週末の山を計画し、
金曜の夜仕事を終えてから寝ずに登山口への運転、仮眠、行動開始・・・、この歳にはやっぱきついか・・・
後ろ髪引かれながらも奥穂南陵は諦めて奥明神沢を前穂までピストンする事にしてテントを出発。
ロープ、登攀用具等はテントに残し、軽装でヘルメットとダブルアックスのみで奥穂沢を詰めた。
前日登頂された方が二人、時間切れで途中撤退された方が三人、
夕方になって奥又白・明神経由で下りて来られた方が二人、その方達のトレースが刻み込まれていて歩き易い。
前日登頂された方達の話では、山頂まで3時間50分かかった、私は4時間でした・・・、と聞いていたが、
クラストした雪面でとても歩き易く、登ってみれば2時間半程で山頂に着いてしまった。
360度の絶景でいじけた気持ちが幾分癒され、奥穂南陵・吊り尾根、更にはコブ尾根を凝視しながら思った。
当初予定の通り3時半に出発しても南陵のトリコニ-通過、雪稜上部の露岩地帯、
吊り尾根、奥穂からの下降部分を眺めるにつれて自分の計画がかなり無謀だったことが分かった。
寝坊して良かったのかも・・・
40分近く山頂に居て下山開始。
登りで追い越した2番手の方と山頂直下ですれ違い、3番手・4番手の方達とも途中ですれ違いながら奥明神沢を下降。
山頂より1時間ちょいで小屋に戻ると、ちょうど小屋番さん達が外での tea time 。
缶ビールを1本いただきながら雑談した相手は大天井ヒュッテの小池さんでした。
その後、テント撤収し上高地BSTに戻ったのはお昼直前、梓川周辺は既に夏景色だった。
ちょっぴり苦く物足りない気持ちで終わった今回の山行、挑戦せずに終わった奥穂南陵・・・。
来期以降再び挑戦する事があるんだろうかな・・・
二番手の者です。
登りで追い抜かれた時には気が付きませんでしたが、山頂直下ですれ違った時に「あれ、なんか見覚えのある方だな・・・ひょっとしてヤマレコのnoborundaさんかな?」と思い、こちらのレコに辿り着きました。
いつもnoborundaさんのレコを読む度にすごい方だな〜と思っていましたが、今回初めて実際に登られている様子を目の当たりにして、改めてその強脚に驚かされました。颯爽と追い抜き、山頂直下で「いや〜、60になる身にこの傾斜は厳しいね!」と爽やかな笑顔でお話されていたnoborundaさんを見て、自分もこんな強くて爽やかな60歳になりたいなと思わずにはいられませんでした。
今後もnoborundaさんのご活躍に期待するとともに、またどこかの山でお会いできることを楽しみにしています。
今更の亀レスで申し訳ありません。
mameby さんは私よりも1時間も先にテントを出発されてましたが、
雪渓の下部でずっと写真撮影に勤しまれてましたね。
そうじゃなければとても追いつけませんでした。
mamebyさんとは出身地が直ぐ傍のようですね。
旭川は私の高校時代を過ごした街です。
またどこかでお会いした際には気軽に声掛けして下さい。
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