ナメワッカ岳(札内川10.5の沢から)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 37.8km
- 登り
- 1,940m
- 下り
- 1,939m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:42
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 12:11
天候 | 7/28 晴れ→曇り 7/29 晴れ 7/30 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
幌尻ゲート〜七ノ沢出合は自転車使用 |
写真
感想
ナメワッカ岳は日高でも上位に入る奥深い山。無雪期に登るには、日高側の新冠川やシュンベツ川の上流部を遡行するか、主稜線の分岐から藪漕ぎで往復するしかない。日高側の沢はどれも難しく、技術の無い自分には無理なうえ、シュンベツ川に至ってはコイボク林道のアプローチが遠すぎて現実的ではない。そんなわけで、主稜線からの藪漕ぎしか選択肢は無かった。
ナメワッカ分岐までのアプローチとしてはエサオマントッタベツ川からのルートが考えられるが、札内分岐〜ナメワッカ分岐の間の主稜線はハイマツが濃くて意外に消耗するということを去年学習した。そこで、札内川10.5の沢を利用して最短ルートでナメワッカ分岐を目指すことにした。
【1日目 7/28】
前夜は中札内の道の駅で車中泊し、早朝に幌尻ゲートを出発。七ノ沢出合までは自転車を使って時間短縮し、その先も八ノ沢出合までは歩き慣れたルートを辿る。途中でカムエクに向かうと思われる登山者を3名ほど抜く。83歳でカムエク日帰りすると言うおじいさんがいてびっくり。果たして無事に日帰りできたのだろうか。
八ノ沢出合から先も札内川本流を進む。十ノ沢出合までは平坦な沢歩きが延々と続く。それまでの歩きやすい巻き道などはあまりなく、河畔林に入っても藪が濃かったりでペースは少し落ちる。適当に渡渉しながら歩きやすい所を歩いた。
十ノ沢出合で本流と分かれ、さらにその先の1030mあたりで分岐する(通称)10.5の沢に入る。十ノ沢と十一ノ沢の間にあるから便宜的にそう呼ばれているようだ。出合は藪に覆われて分かり辛いとの情報があったが、10.5の沢もしっかりした水量が流れていて思ったより明瞭だった。1250m〜1500mあたりまでは小滝が続く。小滝と言うには落差の大きい滝も出てくるし、巻くにも脆い急斜面の草付きで滑りやすくて緊張した。きわめて容易・・・という山谷の情報とは少しギャップを感じつつも、無事に源頭まで到達。
10.5の沢源頭で水を5.5L汲み、40分ほど藪を漕いで主稜線に上がる。ちょうど1年前のエサオマン〜カムエク縦走で歩いた稜線を進み、1時間ほどでナメワッカ分岐に到着。開けていて強風時は厳しいテン場だが、今回は3日間とも風が弱かったので幸運だった。下段にテントを張り、明るいうちに就寝。
【2日目 7/29】
3時過ぎに起床。昨日までのガスは抜けてナメワッカ岳がくっきり見えていた。水は2.8Lを担ぎ、日帰り装備で出発。
ナメワッカ分岐を下り始めると明瞭な獣道があるのには驚いた。さらに稜線の北側に藪の薄い部分が少し続く。分岐から300mくらいで歩きやすい部分は終わり、それ以降は踏み跡の無いハイマツの稜線となる。
・1766ピーク手前〜・1620コル〜ナメワッカカール縁の間は最も藪が濃い区間だった。稜線上部には背丈くらいのハイマツが密生し、灌木と笹も混じる。トラバースできる逃げ場も無い。主稜線で例えるなら1599峰の西側の藪がず〜っと続くような感じでしんどかった。期待したカール壁の踏み跡もなかなか出てこなくて、精神的にも消耗した。
・1620コルとナメワッカ岳の中間地点を過ぎたあたりで待望の踏み跡が登場。ナメワッカカールを横目に、天国のようなお花畑の踏み跡を進む。直下で少しハイマツを漕ぐと、ようやくナメワッカ岳に到着。草に埋もれそうになっていたが三角点も見つけることができて良かった。この先当分来ることはないと思われる山頂からの眺望を目に焼き付けておく。
帰りは気温も上がり、快晴&無風での藪漕ぎとなる。暑くてたまらないが、水の残量にも余裕が無くて辛い。干からびそうになりながら亀の歩みで漕いでいたが、だんだん力が入らなくなってしまう。・1766ピークでとうとう力尽き、藪の中に倒れ込んで1時間ほど昼寝・・・。
起きると少しだけ体力が回復した。水も全て飲み干し、最後の力を振り絞ってナメワッカ分岐へのアップダウンを進む。結果的に往復12時間以上もかかり、疲労困憊でテン場に帰還した。
【3日目 7/30】
この日は帰るだけ。
二晩お世話になったナメワッカ分岐のテン場を後にし、10.5の沢へ。連続する小滝を慎重に下っていく。滝は上から見ると意外な所に足掛かりを見いだせることに気が付いた。登りよりも大分早い所要時間で十ノ沢出合まで下った。
昨日に増して気温が高かったが、尾根歩きと違って水に困らないのが沢の楽なところ。七ノ沢出合まで平坦な河原を淡々と歩き、幌尻ゲートには昼過ぎに到着。いつもの新嵐山荘で風呂→芽室インデアンのルーティンをこなして、充実感に浸りながら帰路についた。
【まとめ】
情報の少ない沢の遡行や往復11時間を越える藪漕ぎなど、かなりハードな山行だった。体力と水が足りなくて1800m北ピークに行けなかったのが反省点ではあるけど、とりあえずは今年一番の目標の山に登頂することができて満足である。今後再訪する機会があるとすれば積雪期にナメワッカ〜イドンナップの間を繋げてみたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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このコースに大変興味有ります。
質問なんですが滝迂回等でのロープワークは必要でしたか?
宜しくお願いします。
マイナーなルートですが興味を持っていただきありがとうございます。
登り下りともにロープは不要です。ただ斜面を巻く場合はもろい草付きでフェルトソールの沢靴だと非常に滑るので、チェーンスパイクがあると良いかもしれません。(私は持っていきませんでしたが何とかなりました)
ご返信ありがとうございます!
大変参考になりました☀️!ありがとうございます。
早ければ9月の山行にて考察中です。天気次第ですが、、
山行日記はYAMAPの方へ投稿予定です。(YAMAP名:ダイちゃん)
さっそく考察中なんですね!
札内川の水量と稜線の風が落ち着いてることが条件になりそうですが…ご健闘をお祈りしてます。
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