記録ID: 4567803
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
前岳西稜
2022年08月06日(土) [日帰り]
体力度
6
1~2泊以上が適当
- GPS
- 14:59
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 2,924m
- 下り
- 2,923m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 14:37
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 14:55
天候 | ガスときどき雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■釜沢集落付近(スタート)〜七釜橋 崩壊の進む林道。スタート地点は林道通行止め位置で路駐(路肩はキャパ2台程度)。スタートからすぐにピンクテープが誘導してくれる大崩壊、その先ほどなく沢筋の大崩壊を経て湯折ゲートに至る。湯折ゲートから七釜橋の区間は沢での押し出しや部分崩落による道幅狭小化など比較的穏やかな内容。 ■七釜橋〜小渋川〜西稜取り付き 七釜橋を渡って左岸から河原へ5m程度のギャップ(崩壊)を下るが、今回は丁度いい具合の崩れ方のラインを利用し快適にできた。河原歩きが始まってほどなくして川幅が狭くなり渡渉を繰り返し進む。苔は少なく滑りにくい印象。かつての一般道とあってか各渡渉点には水深の浅い場所が必ず存在するように感じた(もちろん天候などは考慮すべきであるが)。通過時の水量は渡渉点で膝付近。 広河原小屋への福川出合を見送ってもう少し河原を上がると井戸川・荒川本谷の分岐点を頂点として広がる三角形のような緩勾配地形に上陸。 ■西稜(取り付き〜主稜線JCT〜前岳) 冒頭は尾根筋があまりはっきりしないので適当に取り付いたが、シダや苔生した岩などが気になってすぐに尾根形に乗り換えた。そこからほどなくして倒木&藪か露岩&枝を選択する場面があり、割と厳しい内容に先行き不安も覚えた(後者を選択)。その後も快適に歩ける区間はあまり多くなく、藪や枝を進んでは落ち着くという、言わばインターバル藪漕ぎが2550m帯辺りまで続く(1回1回が農鳥岳大唐松尾根のように延々続く訳ではありません)。独標2306直下の尾根筋が細くなる辺りから藪漕ぎをいよいよ避けにくくなるが、獣道が良いアシストをしてくれる場合も少なくない(踏み跡を辿れば瞬間風速は高いがその先弱風、みたいな場合が多い)。登り右手の大崩壊に感動しつつ、時々藪から逃げてその縁を歩く場合もあった。独標2566付近の標高帯から右手に沢形(U字)が現れ、この内部は草付きorガレの非常に快適な内容でハイマツは一度も漕ぐ事なく終わった。沢形を詰めれば主稜線JCTピークまでほとんど草付き斜面で進んで行けるようにも見えたが、面白さを取って稜線に出ると脆い岩稜でとてもシビれた。浮石に注意しながら小ピーク直登の連続を経て主稜線へ合流。 主稜線もナイフlikeで気は抜けない。しかし、西稜上部と違って脆弱性は低くハイマツもあるため問題ない。 ■小渋川ルート(大聖寺平〜広河原小屋) 踏み跡は全体的に明瞭。テープも豊富で落ち着いて見渡せば必ず見つかるような密度のように感じた。尾根の上部と下部は踏み跡を追いやすいが、中部は倒木等でルートを少々追いにくい印象で、特に支尾根分岐には要注意。尾根を外れて大聖寺平へ向かう区間は少し藪が出ているが踏み跡はしっかりしている。末端は地図の徒歩道記号がルートの所をあえて尾根筋を通しているが、踏み跡は薄らあり見通しも効くのでそれほど無理はない。主稜線からの下降点の標柱はケルンのある方が正解。 |
その他周辺情報 | 道の駅 歌舞伎の里 大鹿 |
写真
感想
【8/14更新】
偉大なる先人が2017年12月末に登った記録を見つけて興味を持ちました。
先日の赤石岳小渋川ルート時と、直近の悪沢岳山行の際に前岳西稜を観察を重ねて決行を決断。
もちろん撤退やもしもの場合に備えて懸垂下降システムを導入し、ビバーク装備も。
結果的に無事でしたが、なかなか体力・ルートファインディングに対して緊張感のあるルートでした。
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コメント
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アルパインやってる今だから刃の先まで這松あって優しい(易しいではない)感じ安心感あるなと思いますが、結構な迫力だった記憶。
西稜、崩落で残った尾根筋?
なかなかアルパインチックで。
前岳に直で突き上げる岩稜のフォトジェニックなこと…やりたくなったんじゃないでしょうか?
こういう山行、私には出来ませんが手垢付きまくりのクライミングより楽しそうですね。
すみません!お返事がすっかり遅くなってしまいました。本当に申し訳ありません。
今回のルートは脆い岩やナイフリッジが最後に待っていたのでやはり万人向けではありませんが、南アルプス特有の誰にも助けてもらえない中での緊張感がたまらなく面白い内容でした。
鋸岳(南ア北部)の小ギャップのように等高線に出てこない急峻な地形もあるので、今の僕の技量では危険行為もいい所だと後から反省しましたが、この様な誰にも見向きもされないけれど魅力的なルートを歩いて行きたいのでレベルアップあるのみです!
自分が今立っているのは藪と分類されるジャンルかと思いますが、今後アルパインや沢などもある程度はできる技量を身に付けて楽しんでいこうと思っております。
北岳バットレスの第4尾根や、三峰川・赤石沢など、南アルプスをもっと自由に楽しむことができるよう精進して参ります。
というか、むしろ藪そのものはそんなに好きじゃないと認識しました(笑)
見たことのないアングルの山容と、冒険的要素を求めて歩いておりますが、茶臼〜聖〜前のような気持ちの良い稜線歩きができるならその方が好きです💦
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