梅雨の晴れ間、雲の海を渡って〜釈迦ヶ岳・大日岳〜
- GPS
- 08:04
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 904m
- 下り
- 891m
コースタイム
7:10 古田ノ森
7:34 千丈平
8:01 釈迦ヶ岳山頂 (〜8:22 休憩)
9:02 深仙小屋
9:50 大日岳山頂 (〜10:05 休憩)
10:40 深仙小屋 (〜11:35 昼食)
11:51 下山開始
13:55 太尾登山口
天候 | 曇り時々晴れ 下山後に雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場代無料 トイレあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的に危険箇所はありませんが、朝露や雨で濡れ泥を咬むと、 岩の上や木の根でスリップ。今回は特に、落ちて積もったシロヤシオの花に 足を取られる事もありました。 大日岳の行場(クサリ場)は、一人では行かない方が良いかも。 GPSログ、途中飛んでます 下山後の立ち寄り温泉は、大塔温泉「夢乃湯」 http://www.ootou.jp/fureai.html |
写真
感想
6月1日に予定していた釈迦ヶ岳。梅雨入りしてしばらく難しいかな…と思っていたところ
ラッキーな事に日曜日に「A判定」のお天気予報。これは決行あるのみと、2:30に起きて荷物を積み込み、
星空に期待も膨らませて出発。
ところが現地に近づくにつれ、ガスが濃くなり視界も奪われ、テンションをしぼませながら駐車場に到着。
(実はこのガスが30分後に大きな感動を与えてくれることに気付きもせず)
支度とトイレを済ませ、ガスの中でビチョビチョになった登山届の用紙に予定と連絡先を書いて、いざ出発!
登山道に入るとすぐに、5分ほど先に出発されたご夫婦が「お先にどうぞ」と道を譲ってくださりながら、
「あと20分早く来られれば、良い物が見れたのに」と、ご主人
「えっ!何があったんですか?」(私)
「雲海が朝日を浴びてピンクに染まってたんですよ!あんな綺麗な景色は見たことがない。
それはそれは素晴らしくて感動しました。
嫁さんなんか、化粧してる間に終わっちゃって見損ねちゃったんですよ」(ご主人)
どうやら駐車場の先で素晴らしい雲海が見れた事に興奮して、思わず教えてくださったようです。
(う〜ん。目覚まし30分早くしとけば良かった)
ところが、そこから歩くことわずか20分。
あっと言う間に稜線に出たかと思うと、なんと視界の両側に雲海が広がり、
静かな雲の海に浮かぶ山の頂きの島々が、絵にも言われぬ景色を惜しげも無く披露してくれてました。
(うわー!スゴい)
山に来ている事も忘れるぐらい只々呆然とその景色を眺めてました。
(そっか、ガスの中に居たのは、雲海の中に居たんだ)
歩きやすい稜線に居るものの、立ち止まっては振り返り、しずかに、ゆるやかに姿を変えて行く雲海に夢中で、
ちっとも前へ進みません。終いにはよそ見しながら倒木を跨いだ拍子に出ていた枝で左膝を強打 (>_<)
サポートタイツを穿いてたので確認出来なかったのですが、後で脱いでみたら血だらけでした。
雲海の上に居る自分は、当然ながら晴れた登山道をスイスイ。
気持ちの良い稜線にバイケイソウの群生。
残念ながら花には早かったですが、あれだけの株が一斉に花開くと壮観でしょうね。
緩やかな稜線歩きも、山頂近くなってクイっと登れば、突然にお釈迦さまのお姿が…!
(あら、意外とお身丈が小さくてらっしゃる)
それでも、狭い山頂に凛として立たれてるお姿は、なんともありがたく、
しばらく対峙させていただき、心洗われた気持ちでいっぱいになりました。
ここから孔雀岳まで行ってみるつもりだったのですが、行く手を見るとガスが上がって来て真っ白
(今日は引き返して、大日岳にだけ行ってみよ)
「また参ります。ありがとうございました」と手を合わせ、山頂を後にしました。
大日岳への道も、所々落ちたシロヤシオの花で覆われた白い道
踏み跡も少なく恐縮しながら歩き、深仙小屋前を通過。
(雨に降られても、ココまで戻ればお昼が出来るな)と避難小屋の中を確認だけして、
時折ガスが抜けては見え隠れする大日岳へ
行場と言われる核心への岩場へ着いたものの、ヤマレコで見た鎖が見当たらない。
誰も居ないし、分からないまま目の前の岩をよじ登ると、岩の裏に踏み跡とロープを発見
(危ない危ない、身動き出来なくなるとこだった)とズリズリと下りて、ヤマレコで見覚えのあるクサリ場へ到着
(へっ?最初は鎖が無いのね…えっと三点支持、三点支持)とイメージしてクサリまで登り、
残りはクサリを掴んでガシガシと。
このクサリ、一つ一つに寄進された方のお名前が刻印してありましたが、
正直読んでるヒマも写真を撮る余裕もありませんでした (^_^;)
ただ、岩場の好きな方の高揚感と言うか、達成感と言うか、そんなものが少しだけ分かった気がしました。
しばらく岩の上に座り、お山の大将を気取ってましたが、相変わらず眺望もなく、
誰かが登って来る気配もないので、山頂の大日如来像に手を合わせて、巻き道より下山。
深仙小屋へ戻ってお昼を済ませ、コーヒーで寛いでたところへ、朝、雲海の様子を教えてくださったご夫婦が到着
こちらは小屋の中に入られて食事の用意を始められたようでしたが、なにやらトラブルの様子。
聞けば、水と思って買ってきたペットボトルが、フタを開けると炭酸水だったとの事
奥さんが地図を広げて「この辺りに水場ありましたよね?」
確かに地図には「水」とあるんですが、私も初めて来た所ですぐには分からず。
夏山に向けてトレーニングのつもりでザックに入れてたペットボトルを差し出し使っていただきました。
とても感謝していただき、かえって恐縮。ホントは、朝に強打した膝が痛み出してて、助かったのは私の方 (^_^;)
ちなみに地図の通り、深仙小屋から北側に見える大岩の絶壁の足元に「香精水」がチョロチョロと湧き出ています。
冷たい水でしたので、ここで炭酸水を冷やせば、食後にシュワッと爽やかだったかも (^_^;)
そんなこんなで、またしても1時間以上ののんびりランチタイムを過ごし、迷わず巻き道を選択して下山開始
途中、鹿と合流したり、賑やかな団体さんとすれ違ったり。
「お兄ちゃん、ココから山頂までどのくらい?5分くらい?」
(ご、5分って…)
「さすがに5分じゃ無理ですが、もう少しですよ、30分ぐらいです」
「いや〜!また30分やて!あーしんど」
きっとすぐ手前でも誰かに同じ事を訊いたんでしょうね。
いかにも関西人らしい団体さん
「今、すぐそこに鹿が三頭居ましたよ」と、元気付けに教えると、
「いやっ!鹿って、ホンマもんの生きてる鹿?」
(この山の中で着ぐるみの鹿に出会う方がレアだと思うが…)
「○○さん、鹿居てんねんて、早よ行こ!」
オバちゃん達の足取りが軽くなったようなので、それはそれでヨシとしましょ (^_^)
雲海があり、お釈迦さまの凛々しいお姿があり、岩場のスリルがあり、
花があり、水があり、楽しいお喋りがあり、最後はクルマに着いた途端に雨が降り出す
ラッキーの多い山行きでした。次は仏生ヶ岳辺りを目指してまた来ます。
コメント
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行ってみてください。
それはそれは素晴らしい雲海が見れますから。
コメントありがとうございます。
行ってはみたいんですけどね、北アルプス、稜線、縦走…
なかなかおいそれとは出かけられない、遠い空です。
雲海めっちゃ綺麗ですね!
朝焼けに染まる雲海も見てみたい(*^^*)
大日岳はやっぱり険しそうですね!
でも鹿さんに癒されるー♪
朝焼けの雲海をご覧になられたご夫婦、私の後に登られた方にも「あと30分早ければ…」と力説してらしたそうです。(10分後から登られたヤマレコユーザーさんがいらして判明)
あと、奈良の北部近辺に住んでる人は、鹿を見ても何とも思わなくなっちゃってるんです。
本文に出て来た鹿にめちゃくちゃテンション上げられたオバさん達、和歌山○○山岳会と書かれたバスでお越しのようでしたよ (^_^)
追記 : プロフィール写真、変えられたんですね。赤で分かりやすくて良いですね
釈迦ヶ岳でお会いした夫婦です。
ヤマレコで検索していたらたどり着きました。
その節は貴重な水をいただき本当にありがとうございました。
おかげさまで夫婦喧嘩を避けることができました^o^
20分前の朝焼けを相棒のブログでアップしていますのでよかったら見てくださいね。
Yahoo!ブログ[森の小径]で検索していただければ見れると思います。
主に奈良の山を歩いています。またどこかの山でお会いできたらいいですね。
コメントありがとうございます。
ブログで「20分前の景色」拝見させていただきました。
もうひと方のヤマレコユーザーさんにも「30分前の景色」が見れますよ…と、
ブログの事、お伝えさせてくださいね (^_^)
また、何処かのお山で会える事、楽しみにしております。
f_nob さん はじめまして^^
雲海に浮かぶ上がる山々の風景は素晴らしいですね!
そうそう、私は鹿サンとはお友達の奈良県北部民ですw
街に鹿サンがいることは当たり前、山で鹿サンを見ると
“山にも鹿がいるんだ~!”って感激しちゃう私(;^_^A
釈迦ヶ岳はいいお山ですね
同じ奈良県とは思えないほど遠いですが・・・w
はじめまして。コメントありがとうございます。
いろんな偶然が重なって、素晴らしい景色を見せていただきました。
「山登りには何も悪い事がない」某山番組でタレントさんが言ってた受け売りですが、
ホント、行くたびに魅せられてハマります。
北と南で人口密度がまるで違うのに、鹿の密度は同じ…
魅力的なお山が沢山ありますね、奈良県には。
そうそう、深仙小屋付近でのテン泊も良さそうですね (^_^)
深仙ノ宿ではお世話になりました(^^)
そして ブログ(森の小径)のコメントありがとうございました〜♪
大日の岩場、今まで2度ほどチャレンジしましたが、あえなく撃沈でした。
高所恐怖症で主(ヘビ)もいるようなので 今では諦めています(笑)
この日は雨にもあわず良かったですネ〜♪
またお会いしましょう〜
隣に駐車していた者です。(最後の写真に写ってますね)
この日は孔雀岳より深仙・大日の方が正解だったようですね。
掾ノ鼻から釈迦ヶ岳の写真をUPしていますので
よろしかったら「narakumaのブログ」で検索してみて下さい。
また、7月に京都「ぎゃらりぃ西利」で仲間と写真展を行いますので
宜しければお立ち寄り下さい。
フォトクラブ大峰25周年記念写真展 「渓峰静謐 紀伊半島の四季」です。
PS:和歌山のおばちゃんに「山頂までここから30分位」と言ったのは私でした。
やっぱり…
和歌山のオバちゃんの落胆と言ったらなかったですよ(笑)
って言うか、プロの写真家さんだったんですね。
お車の荷台の設えや機材が違うなぁ…とは思っていたんです。
ブログも拝見させていただきました。
比べて私の拙いレコに、雑な写真。ホントお恥ずかしい限り。穴があったら入りたいです。
『写真展』都合が合えば、是非お邪魔したいです。その際は、改めてご挨拶させてくださいね。
追記 : 5月18日の葛城山でもニアミスしてますね (^_^)
雨の山行もいいものよ!なんて半分負け惜しみな感じでいますが、やっぱり晴れていると素晴らしい景色が楽しめますね!
同じコースを歩いたので、f_nobさんのレポを再度見て想像しておきました(笑)
次は晴れを狙ってチャレンジしたいと思っています。
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