白馬岳〜滑落の恐怖!大雪渓急峻部〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,696m
- 下り
- 1,691m
コースタイム
白馬岳頂上1100−白馬山荘−村営頂上宿舎−白馬尻小屋1400−猿倉荘1445
天候 | 6/17 午前中 快晴 午後 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道〜登山道は、ニリンソウとサンカヨウ満開 白馬尻小屋の手前から大雪渓を歩くので、頂上宿舎下の夏道まで12本爪アイゼン着装 大雪渓急峻部は、アイゼン+ピッケル |
写真
感想
☆感想
5月中旬の涸沢テント泊&北穂高・奥穂高w登頂、最後の晩に涸沢ヒュッテテラスでの大盛上がりの大宴会というおまけまで付いた夢のような4日間から早くも1ヶ月。
7月は1泊2日で富士山、8月は初旬頃に4〜5日程度北アルプスを縦走しようと密かに計画しており、有給休暇も貯めておかなければならないので、6月は行けても近場の低山でお茶を濁すしかないなと漠然と思いながら、ヤマレコを拝読していたら、日帰りで白馬岳ピークアントのレポートを発見!エ〜白馬岳って、日帰りで登れるの〜?
更に昨年一昨年のこの時期登った方のレポートを調べていくと、この時期シラネアオイ、ウルップソウ、ツクモグサという珍しい花にお目にかかれるとのこと。それに天気が良ければ自分を山に魅了してくれた剱岳も大きく見られるとか?これは狙わにゃなるまい!
皆さんのレポート読んでて分からなかったのが、葱平?と小雪渓?でも行けば何とかなるだろう…。
この時期、アイゼンも簡易アイゼンで十分とか、ピッケルなしでトレッキングポールで登ったとか、白馬岳は女子に人気の山(=女子供でも登れる山)とか書かれたレポートやブログもあって、段々気楽に考えるようになってしまったのですが、念のために12本爪アイゼンと50僖團奪吋1本を装備して行きましたけど、結論から言うと念のために装備するもんじゃなくて、12本爪アイゼンもピッケルもこの時期の必需品です!
☆行動の記録
0513 猿倉荘出発。
0615 大雪渓とご対面!
平日の早朝だったせいか、快晴なのにハイカーは自分一人。誰も自分の前を歩いておらず、前日までのトレースやベンガラなども全くない。
さあ、困った。どこをどう歩けばいいんだ?と自分に問いかける。まずは落石がどっから来ても逃げ易いように真ん中を歩く。段々登って行くうちに谷の形が複雑になり、あっちの谷からもこっちの谷からも雪渓が伸びているので、益々不安になり、トレースやマーキング等があれば見落とさないよう周囲に目を配りながら歩いた。仕舞には結構試行錯誤しながらジグザグに歩いたりした。結局シリセードの跡くらいしか見つからず。
大雪渓は大きく分けて、落ち葉地帯、落石地帯、急峻部の3つ。
落石地帯は高射砲やVP弾の弾幕の中に突っ込んでいく神風特攻隊か、カンボジアの地雷地帯を進む民兵になったみたいなもんで安全なルートなんてどこにもない。
急峻部は落石があっても留まれないくらい急だけど、傾斜角が微妙でトレッキングポールでは長すぎて、50僖團奪吋襪任話擦垢て、どっちも中途半端。1本なら65僉70僂らいのピッケルがいいんだろうな。
問題は下りだ!
奥穂高の核心部並みの壁なら素直に後ろ向きになって下るが、それ程でもない、というか距離が長すぎ!じゃあ前向きで下りられるかというと午後になっても雪が戯れず固く締っていて、正直下りでは通りたくないとの印象を強く抱いた。時間も日没までギリギリあるし、杓子岳〜白馬鑓ケ岳〜白馬鑓温泉ルートで帰ろうか真剣に考えながら、延々続いた急峻部をようやく越えて、ダブルストックに持ち替えて暫く登っていくとようやく右稜線上に村営頂上宿舎が見えてホッとした。
後は頂上宿舎を目指して登っていくと付近の岩に初めて黄色いペンキのマーキングを見つけることが出来た。
08:54 雪に埋もれた避難小屋の横通過。
09:25 岩場に木の階段のある夏道を見つけ、アイゼンを外す。
後はツボ足で頂上宿舎横からショートカットして稜線に出ると左手にどーんと剱岳!そして白馬鑓ヶ岳の右に小さく槍ケ岳?
右手に大きな白馬山荘、その上に白馬岳頂上を望むことが出来た。
頂上に向かう道でウルップソウを探すもどこにも咲いていない。
でもなにやら小さくて黄色っぽい花が一面に咲きまくり。これが噂のツクモグサ?うん、間違いない。
でも自分的にはウルップソウが一番見たかった!
ちょうど白馬山荘からご夫婦が下りてこられ、ウルップソウのことを聞くもまだ咲いていないとのこと。
序でにどちらから下りるか尋ねたら大雪渓から下りるというので、登ってくるの大変じゃなかったか尋ねたら、
小矢部から登って来たって!富山県小矢部って津幡の隣じゃん、金沢から近いじゃん!
そんなとこから白馬岳の登山ルートあるんや?知らんかった〜。
そのご夫婦、大雪渓から下りますって平然と答えるんですよ。しかもトレッキングポールで十分みたいな口調。
う〜ん、やっぱもっと楽なルートあるんかいな〜?
あと10分弱で頂上というところで、頂上に人影発見!
自分が登るまで待っててくれ〜、一緒に写真撮り合いましょう!と心の中で叫ぶも願いは届かず、その方はさっさと下り始めてしまい、がっかり。その方とすれ違ったのはただの道端。今にして思えば、ツクモグサをバックに記念撮影お願いすればよかったと後悔。
10:30 誰もいない頂上に到着!
タイマー撮影で自分撮りを試みるも三脚を持ってこなかったので適当な石の上に乗せての撮影だったのと、太陽が眩しすぎて液晶モニターが見えにくかったため、真面な写真が撮れない。
諦めて剱岳眺めながら、麦茶とオニギリでまったり過ごす。
11:10 下山開始、大雪渓では自分のはるか下に3人程登ってきていたはずなのに、誰も頂上まで登って来ないとは、山小屋の関係者だったのか?
少なくとも自分と入れ違いに3人は大雪渓に下りて行ったから、今ならトレースあるはずと考え、大雪渓から下りることに決定!来る時、アイゼンを外した夏道末端でアイゼン装着。暫くはトレースがはっきり残っていて追従できたけど、急峻部近くになると雪質も固くなって不鮮明になり見失う。
結局、大雪渓のど真中を降りることに。大雪渓の急峻部に至るも横着こいてダブルストックのまま、横向きになって降りようと途中まで頑張ってみたけど、やっぱトレッキングポールで滑落したらお仕舞だし、怖くなって急斜面でなんとかザックからピッケルを抜き出し、トレッキングポールを脇差にする。そこから10歩も下りない内に山足側のアイゼンの角度が悪かったのか、滑落!
5〜10m空走し仰向けで頭が下向きになりそうになるのを何とか立て直し、思いっきりピッケルを突き立てて5m程で何とか止まってくれました。ピッケルに持ち替えていて大正解!トレッキングポールだったら止まれず何百mも滑落して、ヘリか担架のお世話になっているところでした。
それと先月、北穂から涸沢への下りでシリセードしながら滑落停止訓練を20回程やっておいたのが功を奏したのかも?!
14:45 猿倉荘に無事怪我もなく到着。
ごきげんよう、さようなら。
今日、白馬岳に登り、下山時急峻部で滑落しました。50mくらい滑落して勾配が緩くなり止まりました。この時デジカメを無くしてしまいましたが、命は無くしませんでした。急峻部はベンガラや緑ロープに従って夏道を降りた方が安全でした。
TheBatさん、はじめまして!
自分が登ってる時、急峻部の杓子岳側に木の階段のある短い岩場(夏道)があるのに気付いたんですが、いちいちアイゼンを外すのが面倒なのでアイゼンのまま歩いてみようとしたけど、ガタガタの岩の上はアイゼンじゃ歩けたもんじゃなくて、これなら急でも雪渓を登った方が楽だと思い、直ぐに雪渓に引き返しました。でも下山時は面倒でもアイゼンを外してこのルートを使うべきでした。お互い怪我がなくて良かったですね。
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