双六岳・三俣蓮華岳@新穂高


- GPS
- 21:20
- 距離
- 32.9km
- 登り
- 2,306m
- 下り
- 2,296m
コースタイム
7:00双六小屋-8:05双六岳8:20-9:45三俣蓮華岳10:10-12:00双六小屋12:40-14:45鏡平小屋
7:40鏡平小屋-10:55わさび小屋11:40-13:05新穂高PA
天候 | 1日目 快晴、2日目 快晴、3日目 晴→曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2006年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
槍ヶ岳の展望台である、鏡平池経由双六岳・三俣蓮華岳に登った。
初めの北アルプス縦走であり、泊まる場所も泊数も未定の山行である。
登るに連れてせり上がってくる槍穂のスカイライン、鏡池からの逆さ槍穂、双六岳のたおやかな尾根越しに見る槍穂、三俣蓮華から見る鷲羽岳・黒部源流部と雲ノ平・・・
登山者も少なく、大自然を満喫できた山行である。
●登山 新穂高温泉→双六小屋
初めは長い林道歩きである。1時間30分ほどである。思ったより清涼感があり、苦痛ではない。でも車で通れると思うと、チョット登山心が萎える。
ほどほどのグループが登っている、丁度いい具合である。地元の単独登山の男性と話をする。しょっちゅうこの道を登っているらしい、今回できれば三俣山荘まで行くとのこと、それでは10時間の行程である。
わさび小屋で休憩して、そこから10分ほどで、本格的な登山道に入る。
天気は晴天、目の前に目的地らしい山並みが横たわり沢の音で気持ちが和む。
12時鏡平小屋到着を目標に歩いてゆく。
やはり登る山のグレートが上がってくると、登る人達もより岳人になってくる。
抜くグループと抜かれるグループが半々ぐらいである。
右手には、槍穂がチラチラ見え始め、後ろには乗鞍と焼岳が鎮座している、左手は笠が岳への稜線を作る山塊である。
鏡平まで5時間、その先双六まで2時間、都合7時間はこれまでにない長いトレースである。
夏に比べると気温がかなり低く登りでもそれほどバテない。
熊の踊場で食事をして、残りを一気に駆け上がると、目前に槍穂が飛び出してきた。
ハイライトの驚きは、山行のたびにグレードアップしている。
素晴らしい光景で唖然としてしまう。鏡池と思われる池の畔で写真を取り捲った。
これまでに見た槍穂と位置が逆なので、当然配置が逆になる。槍の姿も目新しく見えた。特に、西鎌・北鎌・平倉尾根がきれいに見える。
鏡平小屋では名物のカキ氷を食べる。1万円の価値のカキ氷である。そのあとも、鏡池で写真を撮り増した。これ以上ない景観である。
体力はまったく問題ない。時間も問題なし。それに周りの人は全て双六小屋を目指している。
我々も、躊躇なく双六小屋に向かって出発した。
弓折乗越までは急登である。しかし、槍穂が素晴らしい。高度を上げるにつれ、西鎌の後ろから北鎌尾根もせり上がって来る。
乗越からは適度なupdownの繰り返し、気持ちのいい尾根歩きが続く。
いつもながら午後から天気はチョットDownで、最後は槍穂が隠れてしまった。
散々見たので諦めはつくが、こんなにいい天気でも山岳部の午後は雲が湧いてくる。これは常識のようだ。
尾根を左に巻くと、鷲羽岳と小屋が見えてくる。大自然の鞍部に小屋はある。
スイスアルプスに居る(それ以上かも)ような景色である。
予定通り、双六小屋到着した。宿泊の手続をしたが、ほとんど一番のようだ。小屋はがらんとしている。
部屋は8畳ぐらいの山側で景色はgood。フトンをkeepすると、小屋前のテラスで至福のビールである。順次登って来る人もとてもフランクでお友達状態である。
ここまで来る人は皆同僚友達 ということである。これが、山小屋の山の楽しみでもある。
小屋での天気は快晴で、目の前に鷲羽岳が大きい。槍穂が見えないのが残念であるが、羨望の山々がかすかに見える。明日が楽しみである。
●双六小屋
結局30名ぐらいの泊り客となった。収容人数が200名であるから、悠々である。我々は8畳間に2グループ4人である。
小屋は燕山荘に比べればこじんまりしているが、接客も設備もGOODである。特に料理にはフライと天ぷらこれが美味しい!噂通りである。
談話室で話が弾む。聞こえてくる話は全て登山関係。それもかなりマニアックな話題である。
結局、常念小屋・蝶が岳ヒュッテは臭いがあり×(今2009年は、改善しているようである。)。南アルプスの北側の小屋も総じて・・。特に肩の小屋は最悪。北アの小屋はやはり良い。 との情報をえた。
小屋から夕焼けは期待できない。朝焼けもイマイチであった。
宿泊者の多くは明日槍が岳に向かう人が6割ぐらいで、ここが槍への主要なルートであることを初めて知った。
登山口までバスなどの時間の制約がないので結構いいかもしれない。要チェックである。
相部屋になったのは、父親と娘の二人組。お父さんはかなりの年齢に見える。娘さんは大学生ぐらいかな・・・。ちょっとアンバランスであるが、双六までは父さんがバテテしまって娘さんに活を入れられていた。娘さんは百名山を目指すとのことで、頼もしい。
夕食時、テント泊の二人組と席を隣にした。かなりのツワモノで色々な話を聞くことができた。南アの南部の小屋が良い。と言っていたが、小屋まで大変で我々では行けそうもない・・・。
HPを開設している、とのことでURLの書いた名刺をいただいた。小屋の住人は全てマニアである。
相部屋の二人は夕食後すぐに眠ってしまい、こちらも気を使って明日の用意もできず、談話室にもどり時間をつぶした。
夜はあまり眠れなかった、都合4時間ぐらいかな。
日の出に合わせて起床して、小屋前でモルゲンロートを期待した。しかし、鷲羽岳が少し赤くなっただけで、迫力なしであった。
槍や水晶岳を目指す人たちは、どんどん発ってゆく。遅めの朝食を食べて、準備万端、双六岳に向けて出発した。
●登山 双六小屋→双六岳→三俣蓮華岳→鏡平小屋
引き続き天気は最高、人も少なく、大変気分がいい。
今日は、最低双六岳を通りその後はピストンで新穂高まで下りてしまうのが一案、三俣蓮華岳まで行ってそこからもどり、出来れば新穂高まで、無理なら鏡平小屋泊、の予定である。
双六岳までは問題なく到着。一部岩場の急登があるが、山頂近くはなだらかである。そのなだらかな山肌の先に、槍穂がシルエットで浮かぶ・・。天空人の気分である。
最高の天気に感謝である。
双六岳山頂には3人の先客がいた。みなツワモノである。人当たりはとてもいい。皆そうなるのか、そのような人のみ登山するのか・・・?
山頂からは、槍穂はもちろん、笠が岳・黒部五郎岳・薬師岳・鷲羽岳が大きく見える。小さく剣と立山も見える。こんなに見えるとは予期してなかった分感激がひとしおである。
時間も体力もあり天気は最高(風もない)、迷わず三俣蓮華に向かって出発する。360度の景色は絶対に飽きさせない。
途中の丸山も大きく、ちょっと苦労しながら歩く。三俣蓮華の前に、3県の県境の標識がある。その先が山頂である。
山深いせいかこんな素晴らしい時なのに、人はまばらである。そこらじゅうに百名山が顔をだしているのに。
いつもの通り、少し雲が湧いてきた。剣と立山は雲の中、でも近郊の山々は見事な山容に変わりはない。
またもや予期せぬ、憧れの雲ノ平も見えているではないか!。教わり慌てて写真を撮った。ちょっと勉強不足である。
この山頂にもツワモノ夫婦がいる。一週間テント泊で回っているとの事でほとんどの道は走破済みとのこと。話が弾み長居になる。名残惜しいが帰路もあり、下山に入る。
三俣小屋と双六小屋の巻道を通ったが、この道結構上り下りがあり、結果、中道を使ったほうが早かった・・・。
双六小屋の前で弁当を食べ、デポした荷物を回収し、小屋のマスタ?と話をして、鏡平に向かって下山に入る。
鏡平までの様子により本日の今後のスケジュールを決める。巻道でもチョット左ヒザに痛みがあり、新穂高までの下山はかなり難しいかもしれない。
弓折乗越までは軽いupdownでほぼ平らであるが、下り時ヒザが痛くなる。スピードは3割DOWN。ほぼ鏡平泊が決まりである。天気は曇りで槍穂は全く見えない。
●鏡平小屋
宿泊手続きをして、部屋を決めて、さっそくテラスでビールである。
夕食までは、相部屋になった夫婦と山の話が弾む。みなツワモノ・・・。旦那は、ちょっと強面の強力風である。
夕飯は、品数の多いが皆美味しい。夕食で一緒になったご夫婦も定年退職してゆっくり山を楽しんでいる。小屋のオーナの小池さんと懇意らしく、山小屋の話で盛り上がる。みな話が面白い。
夕食後、私以外3人は眠りモードで時間つぶしに苦労する。
そうそう、19時ごろ小屋前にちょっと怪しげな30歳ぐらいの登山者が立っていて「これから下山するが、水を買いたい。小屋の人を呼んでくれ」と言われた。周りは真っ暗でかつほぼ新月である。「へー、降りれるんだ」と関心するやら心配するやらである。
応対にでた小屋のおじさんは「これから降りるのか元気いいな!」などと言っている。普通のことなのかもしれない・・。
9時就寝後は、爆睡してしまった。
いつもの通り朝はモルゲンロート狙いで早起きである。部屋から見る槍穂は雲が途切れ途切れかかっている。
鏡池に出向き写真である。空が赤らんで来ると、不思議と雲が消えてくる、劇的である。日の出は5:39と聞いているが、結局槍が岳を越えるまで+1時間もかかってしまった。そんなで、早朝池のほとりにで1時間強・・・。それほど寒くはなかったのが救いである。
途中、下山する人が数名通る。見ていたいが、バスの時間が・・と残念そうに下りて行った。その後、なんと昨夜の怪しげな人が通る「昨夜は下山中ライトの電球が切れてしまい、真っ暗の中小屋にもどり泊った」とのことである。すげー、ライトなしで登ったんだ!
200名山を目指していて、昨日は、赤牛岳まで日帰りで登る予定だった、とのこと。聞くと、赤牛岳は、水晶岳のまた奥である。日帰りなど信じられない距離である。
撮影が終わり戻り食堂に行くと我々二人分だけの食事がさびしく残っている。多くの人は上に向かうので早立ちである。我々はあと4時間で下山なので慌てない。
●登山 鏡平小屋→新穂高温泉
気持ちよく下山に入る。天気はちょっと下り気味、でも曇り。ヒザをかばいながらゆっくり歩く。
下からは昨日の4倍ぐらいの人が登って来る。ツアーらしき団体も2Gある。それでも、これまでの他の山よりは人が少ないが。
途中ものすごいスピードで下りてくる若者がいる。聞くと小屋の人とのこと、確かに双六小屋でみた顔である。無事にわさび平に到着した。
ビールとカレーとキュウリが美味しこと。どうも、小屋にはオーナーの小池さんがいるらしく、打ち合わせをしている。
そこからは林道を一時間ばかりで新穂高温泉に到着した。
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