法師山、大塔山(宗小屋橋から周回)、本州最南の1,100m山脈縦走【大塔山系、和歌山県】
- GPS
- 07:56
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,551m
- 下り
- 1,561m
コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 7:55
宗小屋橋付近駐車場所 827 ― 林道安川線分岐点 828 ― 法師山登山道入口 829 ― 水桶 840 ― 932mピーク 930 ― 法師山縦走路分岐点(A) 945 ― 百間山方面縦走路分岐点(B) 957 ― 法師山 1003/1012 ― (B) 1018 ― (A) 1026 ― 968mピーク 1046/1052 ― 994mピーク 1115/1118 ―886mピーク 1144 ― 最初のキレット 1212 ― 次のキレット 1226 ― 905m分岐点(C) 1231 ― 昼食休憩 1232/1240 ― 一ノ森下分岐点(D) 1304 ― 一ノ森(E) 1309/1314 ― 鞍部(F) 1323 ― 大塔山 1342/1353 ― (F) 1405 ― (E) 1416/1428 ― (D) 1431 ― (C) 1455/1503 ― 水桶 1528 ― 林道安川線 1542 ― もう一つの登山口 1554 ― 宗小屋橋付近駐車場所 1624
●行動時間
07:57
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・県道219号の奥地にある。国道311号「田辺市鮎川」で鮎川新橋を渡り、街中を抜けたところから左折して県道219号へ。トンネルで峠を抜けて下りていくと国道371号に突き当たるので左折して一旦合流。富里温泉「乙女の湯」を過ぎたところで右折し再び県道219号へ。狭い舗装路を道なりに25分程度進むと宗小屋橋。橋を渡ったところに数台駐車できるだけの余地がある ○林道安川線登山口 ・宗小屋橋を渡ったところで右折すると林道安川線。未舗装路だが終点まで車で入ることができる。あまり駐車余地はなさそう (いずれの記述も2022.10現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○宗小屋橋〜法師山 ・登山道入口には標記がある。入るとすぐに吊り橋がある。その後は「法師山」標記が複数回現れるが、それ以外に道標はない ・ずっと急登が続く。眺望は縦走路分岐点のすぐ手前まで全くない ○法師山〜縦走路〜905m分岐点 ・縦走路との分岐点には「大塔山」を示す標示がある。それが唯一の分岐を表すもの。途中には標示はいくつかある。文字がひっくり返った標示が3枚現れるが、いずれも矢印を正しく見せるために、あえて文字は逆さまで妥協したようだ。矢印を信じたらよい ・途中の968m付近は別尾根にも踏み跡があり紛らわしい ・905m分岐点手前の小ピークの前後にはキレットがある。いずれもロープがあり木の根を掴んで昇降する。ロープは細く古いので、あまり当てにせず木の根や地面を選んで掴むほうが良さそうに思う ○905m分岐点〜一ノ森〜大塔山 ・尾根上の一本道だが、小ピークからは複数の方面への踏み跡があるため間違いやすい。そんな所では誘導テープをよく確認するとよい ・一ノ森と大塔山の間の鞍部付近は、幅広い面状の樹林帯にある。林業向けのピンクテープがさらに下部へと導いており、それに釣られると道に迷う。ここでも地図をよく見て進路を選びたい ・この間にもあまり道標はない。一ノ森には手製道標が一枚のみ。大塔山にはネットで囲われた山頂部のフェンスに小さな山名標がくくりつけられているのみ ○905m分岐点〜林道安川線終点 ・急坂が続く。標高600m〜700m付近のみは緩やかな部分もあるが、あとはずっと急な尾根道。痩せ尾根に木の根が張っている道 ・途中の道標は「大塔山」が数枚あるのみ。905m分岐点にも特に標記はない上に縦走路は上記の通りなので、地図を頼らないと判別できないかもしれない ○林道安川線 ・未舗装路だが、クルマが走るに十分な道。宗小屋橋まで約2.8km。歩くと40分程度 (いずれの記述も2022.10現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアや飲食店は国道311号沿いのものが最後 ●日帰り温泉 ・クルマでの道中に富里温泉「乙女の湯」がある (いずれの記述も2022.10現在) |
写真
感想
本州最南の千メートル級山脈、大塔山系に向かった。主峰大塔山と眺望の佳峰法師山を環状に縦走する計画とした。
県道219号で奥地へと入るが、ここは屈指の無居住地帯。途中からは人家を見ることもなく黙々と走った。
登山口付近にはすでに先行車が3台。うち1台の男性がちょうど出発していった。そのあとを追うように法師山登山口へ。いきなり吊り橋を渡る。橋の先からは急登が始まる。斜面を登り切るとあとは細い尾根の急坂が続く。尾根ではあるが、見通しは利かない。
ようやく中辺路方面の見通しが得られたと思ったら分岐点に到着。ただし分岐点らしい標示は特にない。そこからは緩やかに下って登り返す。小さなピークに着くと、「百間山←」と書かれた木札。ここが百間山方面の縦走路分岐点のようだ。更に進み、法師山山頂直下では再び痩せ尾根の急登を登り山頂へ。
頂上で先行者と入れ違い。四方の眺望が利くなかなかの展望台だ。頂上には昔設けられていた電波反射板の跡がある。今はもう巨大なコンクリートの切り欠いた箱が残るだけだが、山頂遺構としては珍しい。地面に埋まった形態なのであまり視覚の邪魔にはならない。
一通り眺めを堪能してから出発。分岐までは来た道を戻る。分岐からは縦走路へ。縦走路も痩せ尾根ながら樹木に覆われ眺望のない道が続く。案内標示は時折現れるが、中には文字が逆立ちしているものもある。予め矢印込みで準備してきたものの、現地に適した向きで取り付けることができず、やむなく文字を逆立ちさせて矢印だけでも正しい向きとなるようにしたということのようだ。愛嬌があるが、涙ぐましい努力のたまものだとも言えよう。
この縦走路は踏み跡も弱く、ピークのように尾根筋が分かれるところではどちらがルートなのか迷うことがある。誘導テープも要所では頻度高く現れるのだが、幅広な樹林帯に限ってテープがわかりにくいなど、道取りには苦労を要する。今時のGPSを活用しているからいいようなものの、紙の地図だけで正確に歩くのは苦労する山域だ。
905m分岐点が近づき、痩せ尾根度合いが高まってきた。そしていよいよキレット。確かにロープを設置したくなるような急崖だ。しかも横幅もないので高度感が自ずと高まる。ロープは細く、しかも古びているのであまり頼りたくはない。木の根を掴んでの懸垂下降、上昇でくりぬけた。905m手前最後のピークを越えると、再びキレット。こちらのほうが登り返しはきつかった。
大塔山系は両側が十分にそぎ落とされた残存岩稜のようだ。おかげで痩せ尾根の峻険な峰が至る所にあるのであろう。温暖な土地だけに植生は豊かだが、その内側には険しい地形が潜んでいる。
もう十分に疲れて905m分岐点へ。ここで昼食休憩。どうにか大塔山まで往復しても日暮れまでには下山できるめどが立ったようだ。
一ノ森や大塔山のある頂稜までにはもうひと登り痩せ尾根を進む。その先は、これまでの厳しさが嘘のような幅広の穏やかな尾根が待っていた。穏やかに進んで一ノ森へ。
一ノ森は大した眺めもなく、山名標も手作りのものがぽつんとあるだけの寂しいピーク。休憩もそこそこに大塔山へ。ここから再び100m規模の登り返しでようやく大塔山に着く。鞍部に向けて下っているうちに、足を攣ってしまった。先ほど右足裏をひねりかけたことを気にして、それをかばうように歩いていたためなのか、右足の腿が攣った。こんな経験はこれまでにない。しばらく休んで、右足に負荷をかけないように進む。
なんとか登り返して大塔山へ。山頂部の北側は植生保護の防護ネットに覆われている。そして山頂広場もそれとは別のグリーンネットで隔てられている。そちらのネットは動物除けなのか、裾を上げて入れるようになっている。ススキが十分に成長した山頂部に入ってみると、小さな山名標が柵にぶら下げられているだけであった。
戻って今来た道を戻る。先ほど同様に右足をかばいながら歩く。どうにか二度の登り返しを越え、905m分岐点まで来た。ここからは林道まで一気の下りになる。
この下りは法師山の登りよりも急激で、およそ登ってくる気がしなくなるほどの激しさだ。これを見ても大塔山系の地形が分かるようなもので、削られるだけ削られた姿のようにも感じる。
斜面を降りているはずなのだが、痩せ尾根状の地形にある木の根道を窮屈な歩き方で降りていく。林道にたどり着いたときには、歩行距離以上の疲れを感じた。
最後の林道歩きは、先行者の方と四方山話に花が咲いた。先行者の方とは905m分岐点からは殆ど抜きつ抜かれつで歩いている。道取りが悩ましい山だけに、同好の士がいらっしゃったことは心強かった。
悠々自適に過ごされているようで、うらやましくも思う。これから3時間を越えるドライブでようやくのご帰宅、お見送りをしてから、こちらも勇躍帰宅の途についた。
久しぶりに山らしい山を歩いた一日だった。
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