神室連峰主稜線縦走🐻 水晶森/前神室/神室/小又/火打/八森/杢蔵(神室ダム〜山屋口)
- GPS
- 33:09
- 距離
- 63.5km
- 登り
- 3,433m
- 下り
- 3,439m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 7:31
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:24
天候 | 一日目 曇り、断続的に小雨、最後は本降りに 二日目 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
■アクセス 仙台市からR48→R13→東北中央自動車道(東根北IC〜新庄IC)→山屋口(杢蔵山登山口) ■駐車場 山屋口に5,6台程駐車可能。無料。 100m程ダートあり、少し荒れている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 山屋口にも水晶森口にも登山ポストなし。今回はCompassにて提出。 ■ルート状況 ・神室ダム〜水晶森登山口〜P934〜水晶森〜主稜線分岐 山屋口から神室ダムまでは自転車使用。登り60%、下りと平地40%位。神室ダムまで登りだがそれほどキツイ登りではない。水晶森ルートを歩くのは2018年以来、その時は下りで使用したので登りは今回が初めて。写真で説明入れていますが神室ダムから水晶森登山口の荒れ様にかなり驚きました。また歩き始めて一つ目の橋を渡った所の出合頭で3m位の距離で熊とバッタリ。詳細は感想にて。神室ダムから橋を2回渡り終えるとT字分岐となる。今回間違って分岐を左折し少し進んだ所で間違いに気付いて引き返したが正解は右折。さらに進むと舗装が終わり踏み跡明鏡な川沿いの道となる。たまりへつりもこなしながら進むとピンテのある渡渉を2回。ここから尾根の激急登の始まり。私見だがこの急登は神室連峰の中で火打新道に次ぐ急登である。新しく新設されたロープが2か所。P934の黒森と水晶森の分岐まで所により細尾根があるので慎重に。分岐から水晶森、さらに主稜線の分岐まではアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。このルートを歩く人は少ないと思いますが刈り払いは完璧!左側が切れている所もあるが概ね良好な登山道です。前神室山を見上げる主稜線直下はやや急登。ダム沿いは荒れている箇所ありますが気を付けて進めば問題ありません。登山道も明瞭ですし刈り払いもしっかりされています。静かで奥深い神室連峰を満喫できるお勧めのルートです。 ・神室連峰北部(前神室山〜神室山〜小又山〜火打岳) 全区間で刈り払いされており登山道は明瞭です。全体的に東側が切れ落ちている箇所が多いのでその点は注意です。前神室山から神室山までは少しアップダウンを繰り返します。避難小屋は山頂直下。水場は小屋からガレ・ザレ場を150m程下った谷から冷たい清水が得られます。神室山から南下すると一旦大きく下ってから天狗森への登りまた少し下ってから連峰最高峰の小又山へ登ります。天狗森周辺は少し熊の気配が強いです。小又山からは笹原の快適区間が続きます。砂利押し分岐を過ぎると徐々に怪峰火打への登りが始まり、北峰と本峰の直下は距離は短いが四つん這いで登るほどの激急登です。下りで利用する場合はさらに注意が必要です。 ・神室連峰南部(火打岳〜槍が先〜八森山〜杢蔵山) 全区間で刈り払いされており登山道は明瞭です。北部と同じく南部も東側が切れ落ちている箇所が多いので注意です。火打岳から杢蔵山までのピークは、火打岳、大尺山、中先、槍が先、烏帽子山、八森山、一杯森、杢蔵山とピークのオンパレード(笑)。火打岳以外は標高1,200m以下だが各ピークの登り下りがボディブローのように効いてきます。火打岳〜八森山は歩く区間の見晴らしが良くアップダウンはありますが気持ち良く歩けます。八森山から一杯森方面は谷に向けて一気に下ります。谷では冷たくて美味しい水が得られ、ピンテも豊富なので迷うことはありません。谷から一杯森へは少し登り返しがあります。一杯森から荻野口の分岐を杢蔵山方面へ歩くと、2017年の夏に歩いた時は倒木が多く苦労したが今回は整備バッチリでとても歩き易かったです。草原からはラスボス杢蔵山への壁が立ちはだかります。強いて言えば杢蔵山への急登部が少しだけ荒れている印象。登り切って杢蔵山山頂へも東側が切れている箇所多数なので注意必要です。杢蔵山からは金杢水、杢蔵山荘を経て山屋口へと降ります。 ■水場 ・神室山山頂避難の水場 小屋内に水場への地図もありますが、小屋出て正面下側に見える谷が水場です。ガレ・ザレ場あり急降下なので気を付けて。谷に着くと水音が聞こえ少し下るとチョロチョロの冷たい清水が得られます。 ・砂利押しテントサイトの水場 今回は未確認です。もし主稜線上で水が無い場合のエスケープ。ただし秋に出ているかは不明。砂利押し分岐から下って15分程。テントサイトとは反対方向に水場があります。 ・八森山〜一杯森間の水場 八森山から谷に大きく下った所にある水場。沢ですが冷たくて美味しい水が得られます。ピンテも豊富で迷うところはありません。 ・金杢水 杢蔵山から下った杢蔵山荘手前にある水場。チョロチョロですが出ています。八森山、一杯森間の水場と飲み比べると硬い印象でした。 ■神室連峰過去の縦走記録 2018/10/21-22 神室連峰縦走 薬師原口〜水晶森口(八森山〜主稜線〜水晶森) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1625771.html 2017/8/5-6 神室連峰縦走 山屋口〜役内口(杢蔵山、一杯森、槍ヶ先、火打岳、小又山、神室山) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1216702.html 2016/9/2-3 神室山(神室連峰を南北縦走 新倉見口から役内口) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-954085.html |
その他周辺情報 | ■温泉 ホットハウスカムロ \400 |
写真
感想
2018年から暫く遠ざかっていた神室連峰主稜線縦走。過去3回の縦走は全て北上だったが今回は初めて南下での縦走を試みてみた。JR、バス、徒歩、自転車等神室の縦走は色々な手段があるが今回は自転車を使用してまさに神室連峰の全ピークを巡る全山縦走にチャレンジしてきた。歩き通せて感じることはやっぱり神室連峰は最高!の一言。色々ありましたが仙台の自称カムラーのao_hachiの山行感想並べます。(長文です汗)
一日目
山屋口に車をデポし通勤で使用しているクロスバイクのGIOS号に乗って一路神室ダムを目指す。多少のアップダウンはあるが金山町まで順調に進む。ここからは神室ダムへ向けて徐々に上っていく。途中の景色や朝陽を眺めながら小雨に降られる事なく神室ダム到着。21段変速なので一度も自転車を降りずにダムまで来ることが出来た。欄干に自転車をデポし山形名物十勝あずきのあんこたっぷりのあじまんを食べながら出発準備。橋上からは神室山と小屋も見えたが予報通りどんより曇りそらで間もなく小雨がパラパラと降り始めてきた。有屋口とは反対方向の水晶森登山口方面へ向けて神室ダム沿いを歩き始める。水晶森ルートを歩くのは2018年以来。歩き始めてすぐにダム沿いの舗装路の荒れっぷりに驚いた。前回は落石程度で車で通る事も可能であったが、落石、簡単に避けられない倒木、山側からの土砂流入、規模の大きい土砂崩れで歩きでないと入る事が出来ない状態だった。荒れた道を抜けて一つ目の橋で綺麗な川を眺め、再び進みL字の角を曲がった直後、目の前に一匹の子熊とまさに出会い頭で遭遇した。体長は50cm程、距離は3m。完全に目が合い、子熊も驚いたようでこっちに向かっていたが即座に引き返し、お尻をフリフリさせながら私の進む方向にヨチヨチ逃げて行った。か、可愛い…。なんて一瞬思ったが、母熊は!?と直ぐに我に返る。最近YOUTUBEで話題になった子熊が近くに居た為母熊に襲われて格闘した動画を観た。あれは岩場だったが私が今居るのは左側はダム、右側は山肌の擁壁の道路上。もし子熊を襲われると勘違いして怒った親熊が現れたら私には逃げ道がない。あたりを一通り見まわしたが母熊が出てくる様子は無かった。子熊はまだヨチヨチ逃げている途中。母熊を警戒しつつそのまままっすぐ逃げられても私も進めなくなるなと思いつつ、鈴を鳴らしたり声を出したりしながら少し進んでみる。少し先に擁壁が切れた急斜面の藪に子熊が入っていったようだが、上へ上がって行った雰囲気がない。続けて声を出し続けると藪が下から上へ揺れるのが見えた。どうやら上へ逃げて行ったようだ。そこまで見届けてほんの少しだけ安心。熊鈴と声を出し、たまに後を警戒しながらさらに進み二つ目の橋まで辿り着きT字の分岐に到着。本来は右折のはずが左折してしまい、記憶にない東屋まで出てきて地図を確認してようやく間違いに気づいた。子熊と出会い完全に動揺しているようでT字まで戻り準備と気持ちを整えて漸く水晶森登山口から歩き出す。登山口からは暫く川沿いの道を歩く。たまにへつりや細かい枝沢がありピンテのある渡渉を2回終えるとP934へ向けての激急登が始まる。額を擦りそうな箇所もありながらたまに振り返ると紅葉の紅がとても綺麗。新設されたロープが二か所、落ちられないヤセ尾根をこなし右手の水晶森のピークが近付くと黒森と水晶森との分岐に到着。ここからは刈り払い完璧の快適トレイルが続いていた。水晶森ルートはあまり歩く人は少ないと思われる。登山口へのアクセスもそれに拍車を掛けているのだろう。しかし気を付けて歩けば問題は無い。神室連峰の中でも随一の静かなトレイルは本当に素晴らしく是非一度歩いてみてもらいたい。少しの急登を越えるとやっと水晶森に到着。踏み跡を辿ると見晴らしが良くなるが生憎に曇り空で視界はいまいち。水晶森からは一旦標高をグッと下げ、再び前神室山手前の分岐ポイントへの大きな登り返しが待っています。最低鞍部辺りで再び熊の唸り声…。一日に二回も会いたくないと再び声出したり鈴鳴らしたりしてなんとかやり過ごす。分岐までの登りでは朝のヒルクライムが効いたのか分岐目前で両足のハムストリングスを攣ってしまい悶絶(>_<)。暫し休憩しやっとの思いで分岐へ到着すると同じタイミングで神室山から歩かれてきた方と遭遇し、その方がヤマレコで通じていたkenさんでビックリ。前神室山山頂の広場でお互いの山行の話しや今日出会った熊の話しなどして楽しいひと時でした。役内から周回されていたkenさんに別れを告げ神室山までアップダウンを繰り返しながら進むと山頂少し手前で雨が本降りに。山頂写真をサッと撮り転がるように小屋へ逃げ込む。色々あったがなんとか小屋まで到着しやっと安堵出来た。少し休んで雨が止んだタイミングで明日の分も含めて水を調達しに谷へ下る。ガレ・ザレ場はいつもの事だが谷周辺が少し刈り払われており歩きやすかった。冷たい清水を3L調達し小屋へ戻り着替えを済ませて遅めの昼食にありつく。明日は快晴予報だったので小屋泊の方が居るかと思ったが結局貸し切りだった。小屋に常備されている銀マットと毛布を存分に使わせて頂き雨に濡れた体を温めて過ごした。外は断続的に雨が降りガスで眺望が得られないので早めに夕食とし日が落ちる頃には早々に横になった。夜に何度も目が覚め窓の外が明るかったので覗いてみると夜景が見えて天気は回復傾向だなと感じ、am3時頃には星空が広がっていた!
二日目
am4:00起床。時間もたっぷりあるのでゆっくり準備を進め、パスタとおにぎりを食べてコーヒーで温まる。寒い小屋泊でとても重宝したマットと毛布を片付けているうちになんだか外が明るくなってきた。窓を開けるとだいぶ白んできた。空には雲一つなく今日は朝日🌅と縦走中の天気は予報通り良さげな様子。小屋に別れを告げ後にする。2018年以来の神室山での小屋泊だったがやっぱり良い小屋だと再認識。小屋にはガスストーブがあったので今度は暖を取れるようにガス缶を持ってこよう。山頂は勿論独り占め。下界は畝る雲海、東には徐々に赤みを帯びて燃えてくる地平線、西には冠雪して人を寄せ付けない雰囲気を放つ鳥海山。少し風があるがシェルの中にダウンを着るととても暖かい。今か今かとその瞬間を待っていると地平線の彼方にある雲が真っ赤に燃えてきた。上空は雲一つ無く、今年最後?と思われる山頂からの朝日に一人歓喜しながら日の出の瞬間を沢山写真に収める事が出来た。歩いてきた前神室山方面、これから歩く小又山方面もモルゲンロートで赤くなっている。振り返ると鳥海山も頂上付近から徐々に赤くなる。今年も沢山の朝陽を山頂や稜線で観ることができた。真っ赤な朝陽を充分堪能しそれを左手に眺めながらこの度のメインとなる主稜線縦走の始まりである。まずは根の先分岐から天狗森方面へ一気に下る。東側が切れているので朝から気を引き締める。下った後は天狗森への登り返し。この区間やはり熊の気配が強く一度唸られたが2日連続での遭遇は回避出来た。天狗森からは少し下り神室連峰最高峰の小又山への登りが待っている。徐々に遠くなる神室山を振り返りながら小又山登頂。山頂からは歩いてきた稜線とこれから歩く稜線が一望。だいぶ気温も上がって来たので装備を夏仕様にチェンジし今日もあじまんを頬張りながらコーヒーブレイク。ここまで来ると気持ちは神室連峰南部方面へ徐々に向いてくる。小又山からは笹原のとても気持ち良いトレイルが続く。ここで火打新道を登って神室山、台山尾根経由で周回されるソロ男性とスライドし少し会話。雷滝付近の情報を伝えた。どのルートを歩くか決めかねている様子もあったが無事周回されただろうか。結局この日の主稜線で出会った人はこの男性のみであった。鞍部まで下ると今度は火打岳へ向けた登りとなる。砂利押し分岐を過ぎ徐々に火打岳本峰と北峰の急登が近付いてきた。小又山と火打岳間を南下するのは初めてなので本峰、北峰を登るのも初めて。どちらも北斜面なのでまだ朝露が残っており岩と草と泥で滑りまくった💦四つん這いになりながら北峰、本峰と登り漸く火打岳に登頂。前神室山から杢蔵山までの主稜線ではだいたい中間点あたりかな?それだけに神室山方面、八森山や杢蔵山方面、どちらの景色を見えて神室連峰の真っ只中に居る感じがした。神室山から火打岳までは大きいアップダウンだがここからは小さいピークが連続する細かいアップダウンが続く。大尺山、中先、槍が先、烏帽子山、八森山、一杯森、杢蔵山である。大尺山から槍が先は新倉見口から火打岳へのピストンで何度か歩いた事がある。標高1,000m付近でのアップダウンがいくつも続く。槍が先からは烏帽子山へ登ったあと少し下り八森山へ緩やかに登り返す。ここは笹原が続く気持ち良い登りであった。薬師原口からの分岐を右へ折れ八森山西峰へ。あんなに遠かった杢蔵山がだいぶ近付いてきた。ここからは初めて歩く区間で大きく標高を落とし、八森山と一杯森間の谷へ降りる。水場は沢であるがとても冷たくて美味しい水であった。神室連峰ではこの手の水場はとても貴重である。手拭い濡らして顔を洗いさっぱりすることが出来た。渡渉点周辺にはピンテがあり、この区間の刈り払いもされており整備に感謝致します。一杯森へ登り返し荻野口と杢蔵山への分岐を杢蔵山方面へ。2017年にここを歩いた時は倒木がいくつも登山道を塞いでおり歩くのに難儀した記憶があったが、倒木は殆ど見当たらず整備され紅葉の木漏れ日の気持ち良い樹林帯歩きが出来た。標柱も新しくなっており新庄市と書いてあったので新庄市の山岳会の方々が整備されたのであろうか?私の記憶の情報がアップデートされた。樹林帯を抜けると笹原へ出て杢蔵山の北斜面の最後の試練となる。強いて言えばこの登りが少しだけ荒れた印象ではあったが踏み跡もしっかりしていたし概ね登りやすかった。杢蔵山からは辛うじて神室山が見えた!そしてとても遠く、今日の主稜線縦走がどれだけ長い距離であったかを物語っていた。杢蔵山からは後は下るだけ。金杢水で再び喉を潤して杢蔵山荘で泊まりの方と会話。薪ストーブの良い匂いが漂っていた。冬にでもこの山荘に泊まってみたいものだ。山荘からは急登を下り黄葉が素晴らしいトレイルを抜けてやっと山屋口へ到着。自転車から始まった神室連峰主稜線の大周回をやっと繋げることが出来た❗今回の縦走でも神室連峰の素晴らしさ奥深さを再認識出来た。また微妙にアクセス手段やルートを変えながら再びこの稜線を歩くだろう。
※2018年以来の縦走でなるべく細かく情報載せました。最後まで読んで頂きありがとうございます。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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水晶森コースは未踏なので、貴重な情報ありがとうございます。
ここまで詳細な神室連峰の記録は見たことがなく、神室を歩くハイカーのバイブルと言っていいと思います!
また「バッタリ」しましょう!
久しぶりに歩いたのでなるべく多くの情報載せてみました😄
今回はバッタリお会い出来、楽しいお話ありがとうございました❗是非またバッタリお会いしましょう😄
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