赤牛岳、水晶岳、双六岳
- GPS
- 80:00
- 距離
- 59.0km
- 登り
- 4,499m
- 下り
- 4,494m
コースタイム
新穂高無料駐車場5:52ー新穂高温泉6:02ー笠新道分岐7:17ー7:29ワサビ平小屋7:34ー小池新道口7:57ー秩父沢8:44ーイタドリヶ原9:31ー10:10シシウドヶ原10:26ー鏡平小屋11:13ー弓折岳分岐12:32ー花見平 12:49ー双六池テン場13:43
25日
双六池テン場5:56ー巻道分岐6:14ー中道分岐6:17ー双六岳山頂7:06ー中道分岐7:29ー三俣蓮華岳山頂8:21ー巻道分岐8:31ー9:17三俣テン場(テント設営)9:54ー黒部源流10:13ー岩苔乗越11:13ーワリモ北分岐11:26 ー11:56水晶小屋12:42ーワリモ北分岐13:39ーワリモ岳山頂13:59ー鷲羽岳山頂14:34ー三俣テン場15:44
26日
三俣テン場4:07ー黒部源流4:36ー岩苔乗越5:31ーワリモ北分岐5:41ー6:15水晶小屋6:25ー水晶岳山頂6:53ー温泉沢の頭7:44ー9:31赤牛岳山頂9:56ー温泉沢の頭11:45ー水晶岳山頂12:50ー水晶小屋13:23ーワリモ北分岐13:52ー岩苔乗越14:00ー黒部源流14:53ー三俣テン場15:33
27日
三俣テン場6:06ー巻道分岐6:52ー巻道分岐8:27ー8:42双六池テン場9:00ー花見平9:53ー弓折岳分岐10:10ー鏡平小屋10:46ー11:26シシウドヶ原11:38ーイタドリヶ原12:00ー秩父小沢12:29ー12:38秩父沢12:51ー小池新道口13:27ー13:49ワサビ平小屋13:57ー笠新道分岐14:12ー新穂高温泉15:11
天候 | 1日目 雨時々暴風雨 2日目 曇りのち晴 3日目 晴 4日目 雨のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目、4日目が雨天一時強風雨で歩きにくかった。コース状況は一部雪渓が残っていたがアイゼンなしでも大きな支障無し。但し、黒部源流付近は雪渓上の踏み跡が薄く踏み抜く恐れがあったため、慎重に通過。 |
その他周辺情報 | ひらゆの森で入浴・土産調達 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ランニングシューズ
ラジオ
|
---|---|
備考 | 水を担ぎすぎた(4函2箸能淑だった。 |
感想
24日
今夏は赤牛、野口五郎岳を目指すことにした。
三俣山荘キャンプ場をベースにして赤牛、野口五郎へと1日ずつピストンする。ランシューズを持っていき、トレランも取り入れてみることにした。
ところが前夜発から失敗。家を出発して1時間近く走ってから登山靴を忘れたことに気がつく。いきなり2時間近いロスだ。
結局、新穂高の無料駐車場に2:30に着いた。
道中時折降る小雨が気になる。空はどんより星も見えない。
ところで木曜未明とはいえ、もう夏休みに入っているし駐車場は混雑かと思いきや半分近く空いている。ここで仮眠を取る。
5時頃目が覚める、今にも降りそうな天気。6時前に出発。
結構同じ方向の人が多い。林道歩きの内に、雨が降り出し、やがて本降りになっていく。いきなりザックカバーとカッパだ。
鏡平、弓折岳分岐と進むほどに雨が強くなる。外からの雨に加え、登りの汗だくで内からも湿っていく。休憩すると冷たさに震える。 梅雨明けしたというのに、最悪の展開となっている。背中の23kgのテン泊荷が重く、肩を締め付ける。足取りも重い。
あたりはガスった白い風景のみ、何ら見るべきものもないまま8時間近くかかって双六池に辿り着いた。
既に1時半、この悪天で寝不足疲労で、テン泊荷で体中濡れていて、更に三俣山荘キャンプ場まで3時間はどうだろうか。小屋の人のアドバイスもあり、今日はここで泊まることとした。
ところがこの頃から風雨はクライマックス。白煙のような横なぐりの暴風雨にテントを張ることができず、手間取る間にザックの中もびしょ濡れになってしまう。風上に向いて立っていると雨がカッパの中に入ってくる。フードを被り風下に向いておよそ30分寒さをこらえて風の止むのを待ちながら空しく立っていた。
同じようにテントを設営できず立っていた方が寄ってきて「もう我慢できないので(協力して)設営しませんか?」と話しかけてきた。
その時雨が小雨になり風も若干緩くなった。「今がチャンスですよ」 各々自分のテントを張りだした。しかしまもなく風が強まり、その方は風に飛ばされそうなテントを握っていた。助けに行って何とか設営できた。私もようやく自分のテントに滑り込んだ。2時半だった。ザックの荷はほとんど濡れていたが、着替えはビニル袋に守られ無事だった。
ワインで体を温め。服を着替えて湿ったシュラフに潜り込んで昼寝した。
25日
昨日、三俣山荘キャンプ場までの予定がいきなり雨で3時間のビハインドとなった。
翌朝も天候はあまり回復しておらず、起きてテントをたたむ気力も出ない。朝食に初めて試したパスタも、柔らかくふくれあがって失敗--。
結局、6時前に出発。展望のない白いガスの世界だが、私にとって未踏の双六岳にとにかく登ることにする。
中道分岐を過ぎしばらく登った後は、平坦な道が続く。ガスで数十m先しか見えない中、ケルンを追いかけながら頂上を目指す。
7時過ぎ、山頂到着。今回の山行での最初のピークだ。
双六を過ぎると少しずつ雲が取れて行っているような気がする。が、まだまだ視界は開けない。
9時を過ぎてようやく三俣山荘キャンプ場に辿り着いた。
朝だからか、テン場は空いてる。水場と黒部源流への下り口に近い一等地にテント設営した。サブザックには水筒と携帯食と防寒着を詰め、靴はランシューズに履き替えた。これが丁と出るか半と出るか?小屋でテント受付を済ませてから、10時前黒部源流へと駆け下りていった。
底の薄いランシューズはさすがに石の衝撃を受けるが、やはり軽くて滑りにくいこともあり、下りはスイスイと行けた、が、登りとなるとスピードは上がらない。雪渓は歩きにくい。結局、岩苔乗越までは標準タイムどおりでシューズ効果はなし。水晶小屋まで2時間かかり、もう12時になってしまった。
ガスはすっかり晴れて、立山、後立山、槍、鷲羽、黒部五郎、薬師と素晴らしい風景が広がっていた。
しかしここから足を伸ばせない、昨日の雨を恨む。
やはり昨日のうちに三俣まで来られなかったのは大きかった。4時までにテン場に戻るためにはここから1時間圏内までしか行けない。赤牛はもちろん野口五郎も無理。
ここで思案。明日はどの山に登るか?
もし野口五郎なら今日の内に水晶岳を登っておくと有利だ。しかも野口五郎はグレーの美しい山体で私を誘っている。百高山の南真砂も登れる可能性もある。つまり3つの山をゲットできる。魅力的だ。
反面、赤牛岳は、距離も遠いこともあって小さく赤茶けて目だたない山体を見せている。
軽食をかじりながら、日焼けクリームを塗りながら、地図を眺めながら用を足しながら--30分考えて出した結論!やはり赤牛に行こう。
野口五郎はいずれ烏帽子から登ればいい、その機会はきっとある。しかし今回を逃すと赤牛を目指す機会はなかなか訪れないだろう。
そう決まったら、今日はゆっくり写真を撮りながらワリモ岳、鷲羽岳と登って、4時前にテン場についた。
テン場では、隣の区画に大きなターフが張ってる。丸刈りの兄ちゃんがいた。そしておじいちゃんも話しかけてきた。なんか南ア的状況。彼は新穂高から入って、太郎兵衛小屋に泊まって、今日はここに泊まって、明日赤牛から読売新道を下って、黒部から松本に電車で戻って、大天井から貧乏沢を下り、北鎌から槍を登って穂高へ抜けるのだと言ってた。(一体何日休むんだろ?)彼の張ったターフは底もなく外から丸見え、寒くなったら防寒着を着こんでザックを足に履いて寝ると言ってた。加藤文太郎のようだ。
おじいちゃんは小川が流れて水が豊富なこんなテン場ではそうめんがいいとアドバイス。そうだ!マルタイラーメンを小川の水に晒して醤油とほんだしスティックを混ぜためんつゆで食べよう!果たして、美味しかった!モチも焼いて食べた。とにかく夕方まで楽しく過ごした。
この日の雷鳥
https://youtu.be/Nooc1qwcj0g
https://youtu.be/GaI2UOj6oSA
26日
翌未明、2時過ぎに目が覚めると眠れなくなった。
空にはすごい数の星、人工衛星もいくつか見つけた。
さて、赤牛だが、ピストンだと12時間近くかかるだろう。今日失敗したら今回5日間も取って、ここまで来たのに何の成果もなくなる。
朝ご飯に炊きモチを食べて薄明の4時前出発。今日は山靴だ。
黒部源流への下り、スピードは出ないがやはり堅い靴底の安定感がいい。しかも岩苔乗越への登り返しはかえってランシューズより速かった。 6時15分水晶小屋、7時前に水晶岳山頂に着いた。グループのおじさん、おばさんがはしゃいでて、狭い頂上になかなかたどり着けない。やっとこさ頂上まで来たが、騒がしくて落ち着かない。また帰りもある、そう考え、早々に頂上を辞した。
水晶岳を越えると人が全くいなくなった。岩場、ゴロ場、ガレ場が続くが快調だ。1カ所だけ15分程迷ってハイマツを踏んで進んだ。赤い牛が少しずつ大きくなってくる。牛はこちらの方を向いて足を折って座り、首を地面にベタッとつけている。温泉沢の頭を越えるとその図体は巨大になっていく。
赤茶けた色の正体はボロボロに砕けた花崗岩。歩くとザクッザクッを沈むようだ。そんな小石の海の中に岩がゴロゴロ、ゴリラに似た石もあった。
9時半赤牛岳山頂に辿り着いた。テン場から5時間半。決して良いペースではないが、復路の時間的余裕もある。
そして、西には薬師岳、東には烏帽子や三ツ岳、北は黒部湖を挟んで西に立山、右に針ノ木蓮華、奧に白馬三山、振りかえれば、左に槍、右に笠を従えた水晶が座っていた。
https://youtu.be/W3Ks6spf5eo
頂上には71の男性がいた。もう100名山も終わって、今100高山をやってるが、ここで83座だそうだ。私は名山はやってないが、高山の方はここで74座、今回野口五郎、南真砂はやり残したが、ここまで来た甲斐はありました。
復路では何人かとすれ違った。昨日のターフの兄ちゃんもいた。奧黒部ヒュッテには5時頃かな、と言ってた。
また赤牛目的ではなく、温泉沢の頭から高天原を目指す人が何人かいたのは意外だった。地図では熟達者向になっていたが、道標にはそんな注意書きもなかった。
そういえば、今回初めてハイドレーションを買って使ってみた。遅ればせながらこれは便利だ!
その後、水晶小屋、岩苔乗越、黒部源流と往路を忠実に辿り、3時半テン場に戻った。暑くて暑くて、思わずビールを2本買って飲んでしまった。
夕刻、一団の風が吹いた。近くで「この風は以前も吹いたことがある。天気が悪くなるよ。--」という声が聞こえた。
27日
日本国中梅雨明けと思っていたが、実は北陸はまだ梅雨だったのだ。
夜中、空には星などなく、白い風があるだけだった。
ラジオを聞いていると、ときおりジャリジャリという雑音が混じる。雷雨とは聞いていないが、少し様子を見てみよう。
6時、特に雷が近づいている様子もうかがえないので出発する。
三俣峠からカールの巻道に入る頃から雨は本降りになってきた。せっかく乾いたカッパを再度取り出した。雨脚はどんどん強くなる。
8時40分頃、双六小屋につく頃には強雨となる。外で休憩などしていられない。小屋の玄関先に入り、うどんを注文した。
ほんとは、ここから西鎌に入り、樅沢岳をゲットして、千丈乗越から槍平に下るつもりだった。この日槍平には所属の山の会がテン泊する予定。アルプスへは単独ばかりで、会には不義理ばかりしているので、今日ぐらいは顔を出しておこうと思ったが--。
結局、強風雨に下山という無難な結論を出した。雨、ガス、風、何か空しい下山だった。
正午過ぎ、秩父沢あたりから雨も止み、晴れ間も出てくる。振りかえれば弓折岳あたりか、稜線がはっきり見えてる。天候回復が2〜3時間早ければなあ--。
あとでテレビで知ったが、ちょうど強風雨の時間帯は寒冷前線が北ア付近を通過していたという。雷に打たれないだけマシだったのかも。
いつもならほしいとは思わないワサビ平のリンゴがなぜか、無性に食べたくなった。そして美味かった。
3時過ぎ、新穂高温泉着、ひらゆの森で入浴後、帰路に着いた。
類似の考えを持っています。
三俣山荘まで届かないか、トライしてみます。
どういたしまして。
三俣は十分届くと思います。
山で「もし晴れだったら」は禁句かもしれませんが
天候が良ければ、予定を全て行けたと思うのですが--。
ただ、ランシューは衝撃強いです。
岩ゴロの場所はキツいです。
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