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ハイキング
塩見・赤石・聖
[塩見岳に逢いたくて]笹山/黒河内岳(奈良田からの往復/ダイレクト尾根ルート)
2014年07月29日(火) [日帰り]
- GPS
- --:--
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,960m
- 下り
- 1,958m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:50
4:30
10分
スタート地点
14:20
ゴール地点
往路:6時間
復路:2時間40分
※いずれも休憩時間を含みます
復路:2時間40分
※いずれも休憩時間を含みます
天候 | 晴れのちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
甲府南ICから奈良田温泉まで一般道(R358、R140、R52、県道37号) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆駐車場から登山口まで◆ 今回は上流の第二駐車場に車を停めました。夜叉神峠登山口から広河原まで通行止(7/29現在)のためか、平日にもかかわらず車は多かったです。 乗り合いタクシーの運転手さんの客引きをかわし、登山口へ進みます。運転手さんにどこに行くのか問われ、笹山と答えたけれどご存じないようでした。地元でもあまり知名度は高くないのかもしれません。 登山口へは県道37号の奈良田温泉駐車場手前、早川の左岸から右岸にかかっている吊り橋を渡ります。 橋からは左側に進んでトンネルを越えると支沢(白河内沢)の渡渉が二か所ありますが、増水していなければ岩を伝って渡れます。 川からは奈良田第二発電所の建物を左に見て沢の右岸を右に進めば登山口があります。 ◆登山口から水場入口まで◆ 登山口からは手すりに沿って発電所の作業道を進みます。のっけからいきなりの急登ですが、山頂までとにかく急登が続きますので、焦らないことが肝要です。 急登が一段落すると平坦な尾根道となります。全体的に言えることですが、踏み跡が不明瞭なところが多いです。基本的に尾根に沿って道が付いていますので、進む方向とマーキング(ピンクテープや白テープ)を随時確かめながら登ることをお勧めします。 ◆水場入口(標高1,603m地点)から標高2,256m地点まで◆ 水場付近は平坦でキャンプ跡も見られます。そこからも急登に次ぐ急登ですが、右側の崩壊地(唯一展望が開けるところだが当日はガスで何も見えず)を過ぎれば急登はやみ、標高2,256m地点に到着します。標高差からみれば水場入口付近が5合目なのでしょうが、ここからが正念場、事実上の5合目かと思われます。高温多湿の中、疲労が蓄積した身体に容赦なく急登が立ちはだかります。ガスで周囲は真っ白になり、展望が望めないのならもう帰ろうかと思いましたが、気持ちを奮い立たせ、黙々と進みます。 ◆標高2,256m地点から南峰(標高2,717m)まで◆ ここからは藪の隙間の踏み跡をマーキングを頼りに進みます。随所に倒木があります。一般道だと進入禁止の印かもしれませんが、方角が合っていれば躊躇なく乗り越えます。二重山稜周辺にもキャンプ跡がいくつかあります。何度も上を見上げ、次の空の下が山頂かと期待するもそこはただの平坦地、何度も期待を裏切られながら、突然南峰の山頂に飛び出します。まさに躍り出る感じです。 ◆南峰から北峰(標高2,733m)まで◆ 一旦高度を下げ、シャクナゲやハイマツの藪をくぐり抜けてひと登りしたら北峰の山頂です。ここでやっと森林限界を抜けます。360度の大展望が待っています。 ◆下山時◆ 急な登りの後は急な下りが待っています。この道には難所(クサリ場やハシゴなど)はなく、基本的には樹林帯を通るのですが、足には相当のダメージがあります。翌日もヨチヨチ歩きでまるで産まれたばかりのバンビのようでした。下山後はストレッチなどで念入りに身体をほぐした方がいいかもしれません。 ◆登山道の印象◆ とにかく急登です。ところどころ平坦になるところがありますので、そこを活用したペース配分がこの道のキモです。また、人が非常に少ないところなので、基本的には人に頼ることはできません。道迷いや予期せぬ傷病など、山で予想されるアクシデントへの備えがいつにも増して重要だと思います。 |
その他周辺情報 | ◆奈良田駐車場について◆ 早川下流に第一駐車場(ここにトイレあり/水洗/ペーパー完備)、上流の橋の手前に第二駐車場があります。広河原方面へのバスはどちらにも停まります。 ◆下山後の温泉◆ 早川町営奈良田の里内の「女帝の湯」に立ち寄りました。ナトリウム‐塩化物-炭酸水素塩泉(低張性アルカリ高温泉)でヌルヌルの泉質がとても気持ち良かったです。 料金は大人550円、小人220円です。 水曜日が定休日ですが、夏季のハイシーズンは無休のようです(要確認)。 |
写真
感想
◆大展望を求めて静寂の森を歩く…南アルプスの醍醐味ここにあり◆
白峰南嶺…そこは永らく限られたエキスパートにのみ許された聖域でした。
そこに2008年、山梨県韮崎市に本拠を置く山岳会「白鳳会」の方々のご尽力によって登山道が拓かれ、笹山(黒河内岳)に直接登ることができるようになりました。
その経緯については白鳳会さんのブログでも紹介されています。
http://hakuhohkai.sakura.ne.jp/2008/10/2-2.html
アクセスが良くなったとはいえ地図やガイドでもほとんど紹介がなく、登る人もまだまだ少ない笹山へ行ってきました。
昨年歩いた仙塩尾根の(一部ですが/三峰岳〜塩見岳)を振り返るのが目的です。
山頂直下まで急登に次ぐ急登の連続でした。
薄い踏み跡を辿り、普段の登山道ではありえないような斜度を登るのは確かに苦しい。
だけど、周囲に人の姿はなく、小鳥のさえずりや蝉の声、風に枝葉が揺れる音を聞きながら緑濃き森を歩くのは存外に快適で楽しく、まさに身も心も洗われるような心持を堪能することができました。
そして、山頂で仰ぎ見た塩見岳のなんと美しいことでしょう!
それに加えて仙塩尾根の稜線、大井川の源流部。悠久の時を経てなお雄大な姿を保つ山々を前に、ただただ立ち尽くすばかりでした。
深い森と雄大な山、それが織りなす自然の営み。ここには南アルプスの醍醐味が凝縮されているという印象を持ちました。
また、季節を変えて訪れたいと思います。
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