中房温泉→燕岳→大天井岳→常念岳→蝶ヶ岳→上高地BT
- GPS
- 20:12
- 距離
- 42.1km
- 登り
- 3,603m
- 下り
- 3,541m
コースタイム
- 山行
- 8:12
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 9:43
- 山行
- 9:17
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 10:18
天候 | 1日目:雨のち曇 2日目:曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
11日朝は台風の影響確認のため、バス発車遅れ。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
装備
個人装備 |
水
食事
行動食・おやつ
タオル
レインウェア
上着
着替え
ザックカバー
カメラ・カメラケース
ヘッドライト
財布
Suica
携帯電話
手袋
ストック
帽子
シュラフ
マット
メガネ
歯ブラシ
GPSロガー(1)
地図
温度計
コンパス
テント・ポール
トイレットペーパー
|
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感想
予定では土日から4連休だったのだが、あいにくの空模様。天気は月曜午前まで雨だがその後は晴、火曜まで天気が持つとの予報を信じ、燕岳〜蝶ヶ岳の縦走に決定。
当初はマイカーで周回を考えていたのだが、直前に深夜バスに空きが出ていたので、これを予約して深夜に出発。夜行バスでの登山は初めてで山行への期待も高まっていたせいか、はたまた事前に2時間ほど仮眠していたのせいかなかなか寝付けない。うつらうつらしているうちに安曇野穂高バス停には10分ほど遅れて到着。
ここから朝一のバスまでまだ1時間以上あるのでしばらく退屈だと思っていたら、バス停に運行中止との案内が掲示されている。他の登山者が近くのタクシーの運転手に確認したところ、台風の影響を確認するまでゲートが開かないのだとか。やむをえず5時過ぎまで状況の連絡を待つ。最悪中房温泉が通れない場合には常念岳に直接登るルートを考えていたのだが、5時半前にゲート開放との連絡があり、寄せ集めのメンバー4人(割り勘要員)でタクシーに乗り込んで出発した。普段はタクシーを使うことはないのだが、人が多いところはこういう時に助かる。結局駅から7500円(一人頭1875円)で中房温泉に到着。バスと比してわずか200円足らずで快適空間+バス組に先行できたのは大きい。
【1日目】
中房温泉→燕岳
駅付近は晴れていたものの、中房温泉に近づくにつれて雨が降り始める。登山口横で雨具(上のみ)とスパッツ、レインカバーをセットして出発する。雨は少雨ながら断続的に降って一向に止む気配がなく、稜線に上がったら着替える場所もなさそうなので、合戦小屋で雨具の下を履いておく。
北アルプス3大急登として名高い合戦尾根は思ったほど厳しくなかったという印象。第3ベンチから富士見ベンチまでの区間は若干きつかったが、それにしても30分刻みくらいで休憩所が現れるせいか、初日の登り始めでで気力体力が充実していたせいか、それほど厳しく感じなかった。これなら正直先日の楢の木尾根の方が厳しかったように思う。登山者が多いため、踏み跡がしっかりしていて歩きやすいからかもしれない。
燕岳の稜線に出ると風が凄く、雨に濡れた体が冷やされて寒い。早々に燕山荘に逃げ込み、雨具の下に上着を羽織る。ザックを軒下にデポして燕岳をピストンするもガスのため眺望はほぼなく、早々に燕山荘に戻る。タクシーに同乗した男性は大天井までの予定を諦めここにテントを張ることにしたらしいが、こちらはこの風雨の中かつて雨漏りの実績があるテントで長時間過ごすのは避けたい。好天に好転するのを期待して先へと進む。
燕岳→大天井岳
天気が良ければ稜線は一大パノラマが広がるのであろうが、ガスまみれの中ではただ黙々と歩くしかなく、風にあおられながら先へと進む。途中から雨は収まり、大下りを下って登り返すあたりから曇りながらも遠望がきくようになるが、名だたる山々の頂は、厚い雲に覆われてほとんど見えない。それでも何も見えなかったさっきまでに比べると大分マシだ。
合戦尾根の疲れが出たのか、大天荘までの登りはなかなかきつかった。大天荘のテン場はこの時点ではまだほとんどテントがなかった。稜線にあるテン場は強風下では厳しそうだ。計画ではここが幕営予定地だったが翌日の行程を考えると常念小屋まで行くのが望ましい。事前の調べでは大きなアップダウンはなさそうで余力もあったので先に進むことにする。
大天井岳→常念小屋
大天井岳から先は緩いアップダウンのある稜線歩き。曇り空ながら天気も安定し、常念岳が見え隠れする。すでに昼下がりのせいか先行・後続の姿もなく、快適なトレッキング。晴れていればきっと最高だっただろう。長い稜線歩きを堪能した後、ようやく眼下に常念小屋が見える。広いテン場スペースが空いているのだが、強風を避けるため樹林帯側にテントが集まっていた。自分もそれにならって樹林帯脇にテントを設営する。
ここで水を2L補給。宿泊者は無料だったが、テン泊者は別料金(200円/L)。その他もトイレは外のを使うように、休憩は小屋内でしないようにと、格差社会をまざまざと見せつけられた。特にテン場横のトイレは立て付けが悪く、鍵が締まりづらかった。しかも扉がテン場側を向いているので、尻丸出しで誰かに開けられると悲惨なことになりそうだ。
曇り空で景色も冴えないので早々に寝る。
【2日目】
常念小屋→常念岳
テント内は10℃。上着を着て寝ていたが少し暑くて寝苦しい。2時位までは寝たり起きたりを繰り返していたが、出発までの短い時間で寝付けそうにないので出発の準備を開始する。軽く食事等をとってトイレに行くと、小屋側のテン場の人々はすでに皆起きだしていた。渋滞に巻き込まれてはかなわないのですぐに出発する。
常念岳に取り付いた時点では登山道にはライトの明かりが見えなかったのでしめた(一番乗りだ)と思ったのもつかの間、10分ほどするとテン場から続々とヘッドライトを付けた集団が登ってくる。蜘蛛の糸を手繰るカンダタの気持ちでひたすら登る。所々少し道を外してしまったものの、登山道自体は遠くからでも視認できるほどはっきりしていたので暗闇でも特に問題はなかった。
途中から東の空が徐々に赤く染まりだし、常念岳頂上では雲間から太陽を拝むことができたが、天気は昨日に引き続き雲が多く出ていて眺望はあまり良くなかった。
ここで軽く栄養補給していると、続々と後続の登山者たちが登頂してきたので先へと進む。
常念岳→蝶ヶ岳
この区間も長い稜線歩きだが2日目の疲れもあるからだろうかアップダウンが今までに比べてかなりキツイ。眺望があればそれも救われるのだが、天気は晴れるどころか昨日以上の雨となった。雨が強まり始めたところで雨具を装着して歩き始める。雨が厳しいのでカメラはザックにしまい、以降写真はほとんど撮れなかった。
いつもなら眺めが悪くて嬉しくない樹林帯も、風雨にさらされるのに比べるとまるで天国のようだ。この時点でカッパの下に着込んだシャツと中間着は汗か染みてきた雨で大分湿って風が吹くと明らかに寒く、これで動けなくなれば低体温症は免れない。帰ったら雨具に防水スプレーして、メリノウールの下着も欲しいなとか、最悪ビバークをするための算段を脳内シミュレートし始める。
苦しかった蝶槍を超えた辺りでようやく急なアップダウンは終了。なだらかなアップダウンが蝶ヶ岳まで続くが、今はそれさえも辛い。遮蔽物のない稜線では風は容赦なく吹きつけ、礫となった雨は雨具のない顔面を激しく打ち付ける。ヘトヘトになりながらやっとの思いで蝶ヶ岳ヒュッテに到着。こっちはこんなに酷い目に遭っているというのにヒュッテ内では生バンド演奏中の優雅な空間だったので、(自分の好きで歩いているのにも関わらず)やり場のない怒りのような感情が湧いてきた。いや、小屋の人はまったく悪くないんですけど…。
ここで水1Lを補給して、ラーメンを作る。温かいものが染みる…と思いきや湿った服を着たままではそれほどでもない。着替えはあるにはあったが、稜線歩きももう終わりだということで帰りの分の着替えを温存するため、ここでは着の身着のままにする。
蝶ヶ岳→上高地バスターミナル
腹ごしらえが済んだところで蝶ヶ岳ヒュッテから目と鼻の先にある蝶ヶ岳の山頂を踏んで早々に下山する。覚悟はしていたが徳沢まで3時間近くかかるこの道、ひたすら長い。長雨のせいで所々ぬかるみがひどく、完全に水たまりになっているところも多々あった。丸木橋や石などを踏んでできるだけ避けていたものの靴は完全にぐしょ濡れ。途中で徳沢まで4.4km、4km、2km、1kmの標識があったが、2→1の区間に比べて4→2や1→登山口の区間はやけに長く感じた。
徳沢からはほぼ平らな道路だが、なかなか距離が長い。平地の歩きにはそれなりに自信があったが、猛者たちがでかいザックを担いで次々に抜きさっていき修行不足を痛感した。
余力があれば上高地観光などと考えていたが、天気も悪く早く帰ることだけを考えていた。盆休みシーズン(若干早いか?)だが、天気も今一つのせいか、人の出は思ったほどでもなかったのは助かった。
総括
天候は今ひとつだったが、縦走装備で長時間トレッキングを無事にできたことは良かった。風雨の中の長時間トレッキングも(やりたくはないが)いい経験になったと思う。特に着替を含めた雨天時の装備については色々と見直したい。
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