疑似好天後の暴風雨で洗われた秋の空―白馬岳・白馬三山縦走
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,780m
- 下り
- 2,376m
コースタイム
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:20
天候 | 1日目:雨のち暴風雨 2日目:薄曇り風強し |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
往路: 松本05:58(JR大糸線) 信濃大町07:03/07:18 白馬08:00 白馬駅〜栂池高原駅(タクシー¥3000) (※バスは白馬岳09:25栂池高原09:55だったのでタクシー利用した。) 復路: 猿倉〜白馬駅(タクシー¥3700) (※バスは猿倉15:05白馬岳15:32なのだが、タクシー相乗りの方が格安。) 白馬16:39(JR大糸線) 信濃大町17:15/17:19 松本18:11/18:35(スーパーあずさ32号) 八王子20:36 |
写真
装備
備考 | 寒冷前線通過中の稜線はやはり危険だった。 |
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感想
晴天を期待した9月最初の週末の天気予報も悪い方へと転んだ。
特に初日は本州日本海側に長く伸びた寒冷前線の動きが遅く、丁度日中に北アルプスを通過しそうな感じになってしまった。
前日泊した松本では朝は昨晩の雨は止んでいたが、北アルプスは雲の中。
そして白馬駅に着くと案の定しっかりと雨が降っている。
最初は大雪渓を登るつもりだったのだが、駅前の登山相談所で相談して、栂池から登ることにした。
これなら途中天候が大きく崩れて危なくなった場合、白馬大池山荘で泊まることも可能だからだ。
栂池自然園から雨の中歩きだす。
雨はしっかりと降っていたが、風はまだなく白馬乗鞍を経て白馬大池に着くころには雨も止んだくらいだった。
白馬大池に着くまですれ違ったのは下山してくる数人だけであり、他は誰もいなかった。
平日だからか、9月に入ったからか、それともこんな天気予報だったからだろうか。
白馬大池では天気も小康状態になり、昼食を摂っている時にやっと登りの人たちと出会いこれから白馬山荘を目指すとのことだったので、予定通り白馬山荘を目指すことにした。
今日白馬山荘まで行っておかないと明日白馬三山を縦走することができなくなるというのも理由の一つだった。
時折雲が切れて陽も射すくらいになってきたが、小蓮華岳に着くころには北西の風が強くなり暴風雨になってきた。
いよいよ寒冷前線の本体がやってきたらしい。
日本海側から吹きつける暴風雨の中を歩いていて、やっぱり白馬大池泊まりにしておけばよかったのかなと少し後悔した。
春山などでは暴風雪をもたらす寒冷前線の通過前の一時的な好天=「疑似好天」があることを知っていたが、今回も寒冷前線の通過前だったし、青空とまではいかなかったが陽が射すくらいまでになったので疑似好天といって間違いないだろう。
疑似好天を身をもって体験するとは思いもよらなかった。
12年前には白馬岳山頂から三国境まで来ていたので三国境まで来るとほっとした。
そして節理岩だとか二重山稜だとか見覚えのある風景が出てきたので山頂まであと少しということが分かり安心できたが、同行者たちは暴風雨の中目指す山頂も全く見えず山頂までどのくらいか分からなかったので、かなり不安だったことだろうと思う。
今回は小蓮華岳から白馬岳の緩やかな稜線だったので、暴風雨でも特別に危険な状態になることはなかったが、切り立った稜線だったらあの風だとかなり危険な状態になることも考えられる。
そして今回は雷がなかったことも幸いした。
やはり事前に寒冷前線が通過することが分かっていたら稜線歩きはしない方がいいと肝に銘じた。
暴風雨のなか白馬岳を通過しやっと白馬山荘に到着。
12年前に来た時は村営頂上山荘のテント場だったが、その時に泊まってみたいなと思っていた山荘である。
思った通り中も旅館みたいな作りで、1F2Fは6畳の個室になっていて、3Fも2畳ずつ仕切りのあるブースになっていた。
そして白馬山荘の名所でもある山上レストランでゆっくりとしていると、寒冷前線が通過して雲が切れ、剱岳が顔を出してきた。
白馬岳から見ると、剱岳はこんなにもピラミダルなのだ。
雲からだんだん顔を出す山々と夕陽の赤さが幻想的だった。
翌朝は雲もなく朝日に染まる山々を眺めた後出発。
朝日が登りきると太陽は薄雲に隠れて全体的に暗い雰囲気になった。
が、高曇りだったため、山々の眺めは最高だった。
これから向かう杓子岳・白馬鑓ヶ岳は間近に迫力がある。
その横には立山と剱岳。
そしてその向こうには遠く槍穂高まで見えている。
穂高連峰を挟んで明神岳と槍ヶ岳が対称的でいい姿だ。
予定通り杓子岳・白馬鑓ヶ岳と縦走するが、昨日抜けた寒冷前線がまだ本州南岸にあるらしく、そこに向かっての風がとにかく強い。
ものすごくいい風景なのだが、風が強くてそれぞれの山頂でゆっくりできなかったのが残念だった。
それでも昨日のあの悪天候からすればこの風景を眺められただけでもありがたいことだ。
白馬鑓ヶ岳から白馬岳を眺める。
12年前は大雪渓から白馬岳を往復しただけだったので、間近からこの形のいい白馬岳を見るのは初めてだった。
昨日のあの暴風雨の中の縦走はちょっと危険だったが、結果的に白馬山荘まで辿り着いたので今この白馬岳を眺めることができたのだ。
白馬岳に散骨して欲しいと言っていた亡くなった知り合いを思い出し、なんだか慰霊登山ができた気がした。
その後は白馬鑓温泉を経て猿倉へ。
白馬鑓温泉からは丁度杓子岳と白馬鑓ヶ岳と縦走してきた分を白馬岳直下へと戻っていくことになる。
猿倉でのバスの時間があったので白馬鑓温泉に入らなかったのだが、猿倉ではタクシーの相乗りをした方が安かったのでそれなら白馬鑓温泉に入ってもよかった。
あの大自然のなかの露天風呂はすごく魅力的だ。
今回同行したメンバーは本来白馬大雪渓が目的だったので、今回は目的は達成できず。
なので、大雪渓と白馬鑓温泉を目的に白馬岳にはまた近い内に再訪したい。
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