秋山集大成・葛根田川〜関東沢下降〜大深沢東ノ又〜松川温泉
- GPS
- 80:00
- 距離
- 38.3km
- 登り
- 1,681m
- 下り
- 1,178m
コースタイム
- 山行
- 2:01
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:01
- 山行
- 6:11
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 7:25
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 8:30
- 山行
- 2:01
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 2:21
天候 | 10/7 快晴(電車での移動のみ) /8 晴れのち曇り /9 晴れ時々曇り /10 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
※秋の乗り放題パスを利用:7710円…3日連続利用の18きっぷのようなもので、鉄道の日周辺のみ発売。利用日の前日までに購入しないとダメです。 ちなみに盛岡までの乗車券は8420円なので元は取れます。 ※2 あねっこバスは雫石町がタクシー会社に委託して運行しており、当日でも要予約(始発は前日まで)バス停は北口バスターミナル(?)で待てばいいそうですが、運行車両は小型タクシーでした。:200円 【復路】松川温泉 14:45(岩手県北交通)16:50 盛岡 17:54(やまびこ54)21:12 東京 21:22(中央・通快高尾)22:17 八王子 ※JR東日本の株主優待券利用:金券ショップで1枚2200円でした。(店で異なる) 1枚で2割引、1度に2枚まで使用可。つまり4割引きです。乗車券と特急券の両方が4割引になり、新幹線利用で自宅最寄り駅まで8700円位でした。 通常、盛岡〜東京は14740円、なので少し割安です。 ※2 松川温泉からのバス便は1日3本:1140円+秋限定で八幡平往復の数便があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・各沢、地形図に表れない源頭部の枝沢が多く、藪なしで行こうとすればしっかり読図して下さい。私はどちらの沢も湿原を外しました(-_-;) ・各小屋新しくなっています。 ・95年のエアリアだったので、ルートが変わっているところがありました。新しい地図って必要ですね。(大深山荘〜松川温泉は点線ルートで、小屋から直接水場に至るルートは載ってませんでした。その他諸々) |
その他周辺情報 | 松川・峡雲荘:500円…やっと憧れの宿で入浴できましたが結構混んでました。 |
写真
感想
今年の秋は自分の中で3部作と銘打ち、3週連続で秋沢に入ることで一つの山行の区切りと位置づけ、家族もそっちのけで山に没頭してみた。偶然にも悪天に遭遇することもなく、あまりに順調に行き過ぎ、さらに学生に戻ったように列車利用して山に行くことができた。また、当時の不便(??)だったころを思い出したが、これぞ山旅というような山行ができたことにとても満足している。
10/7 以前来た時と盛岡駅はすっかり様変わり、地下の惣菜コーナーで弁当を購入し、帰宅者で割と混雑している田沢湖線ホームで夕飯を済ませる。
時刻表通りに雫石駅に到着、13時間ちょっとかかったか…すっかり日も沈み今朝、黒磯駅で予約した『あねっこバス』を探す。バス、バス…まだ来てないか?不安に思い駅の改札でバス停を確認、場所は合っていた。するとタクシー運転手が『玄武まで?』と聞いてきたので、バスを予約した旨を話すと、『いや、これがバスだよ』と言った先にあるのは小型タクシーで、すでに先客の方が乗り込んでいる。
相乗りタクシーで定められた経路を回るシステムのようだ。気のいい運転手さんと先客のおばさんと話しながら玄武温泉到着。聞けば今朝は岩手山初冠雪とのこと。台風だから暖かいとは言い切れないようだ。
満月の元、ヘッデン片手に歩き始める。木が車道にかかっていないところは明かりなしで歩ける。クマよけになったかはわからないが、ホイッスル吹きまくりで進む。途中1台の車が抜いて行ったが、無理やり停めて乗せて行ってもらえば良かったか…でも、自分だったらこんな時間に一人で歩く人が車を停めに来たらかなり引いてしまうなと思うと、停まってくれないのも当たり前か。歩き続けること2時間くらいで記憶とは全く変貌していた滝ノ上温泉Pに到着。舗装されたうえ、立派な休憩所ができている。なんと中に入ることができ、あまりにも快適そうだったのでこの中で就寝させてもらう。
/8 快適な夜を過ごし入渓準備の整え出パ。両側に発電所の設備を見ながら進むと大きなゲートが出てくる。これを過ぎてさらに進むと、これ以上先に施設がないと思われる辺りで左に川に降りてゆく大きな切開きがあり、ここから入渓する。
何度も膝下程度の渡渉を繰り返すが、少し水は多いようだ。さすがに水は冷たく紅葉も進んでおり、ブナが黄色がかってきている。関東ではまだこの標高で紅葉なんて望めず、得した気分だ。右岸の岸壁に大きな滝を見て過ぎればアキドリ沢。
河原をすぐでオオベコ沢が台形の滝で合流、右岸のお助け2か所(必要もない感じだけど…)からだんだん岩盤が発達してきて、そのうちにお函に突入する。水の緑、白茶けた岩盤、紅葉…素晴らしい空間を一人占めしている自分は贅沢だ。欲を言えば晴れていて欲しかった。このゴルジュを抜けると、河原が広がり紅葉のゴルジュに変わる。盛岡まで来てもったいないので、ゆっくり味わって歩く。携帯のカメラしかないのが残念だ。本流の川床が岩盤になると右岸から大石沢が合流する。出合に2か所の幕地、一度ここでも泊まってみたい。
この先小滝が出てきて楽しい区間があり、沼ノ又沢が1:1くらいで合流する。この先はひたすら河原状で突然葛根田大滝が2段で登場。1段目の左岸から巻き道があるが、1段登って大釜の左岸から巻く。補助ロープもある。昨年の大雨の影響だろうか、越えるととても荒れた渓相に変わる。岸が広くなっており、夜以降の天気が保障されているならば、幕営可能な部分もある。正面に20m位の滝を見て沢が左折すると滝ノ又沢出合。幕場も健在で、橙色に紅葉した楓が丁度真上にある。今日はここには泊まれない。
流れは細くなり岩積み小滝状となる。すぐに右岸から沢が小滝となって入り、この沢を登る。この先、プチナメのオンパレード&水がソーダ水のようだ。しばらくして20m滝一段目を左から、さらに左の巻き道でトラバースして滝に戻るようにして本流に降りる。その上の10m滝は右上するクラック沿いに登り、最後は木を掴んでパワーで越す。すぐに二俣となるが1040mか1050mのものかわからない。偵察の結果、右にかけた。流れが蛇行を繰り返すとナメ滝となり、上半部はパワーで越す。もう戻れない。左、左しかないと思いつつ、踏跡も残っていることから自信を持って進んだが…突き当たった藪をこぐこと1分、登山道に飛び出たが湿原がない!?前回のごとくドラマチックに大場谷地で締めるつもりが、やっちまった!何となく東寄りに来た感じがしてるので西に進むと『P1168』の看板が…きっと正解は20mの左から入っていた沢が1040の二俣、迷った方を左だったようだ。高度計の誤差はまめに修正しなければと思うのであった。下ってゆけば大場谷地を通過して、本日の宿である八瀬森山荘に到着した。水場は豊富に流れていた。
/9 昨夜はラジオが皆既月食で盛り上がっており、赤黒い月が熊でも出るんじゃないかと思わせた夜を過ごす。今日はド快晴、湿原は霜とモヤで白くなっていた。水場から関東沢の下降に入るが、結果、湿原中央に流れは向かっており、普通に湿原を突っ切れば良かったと後悔した。笹のかぶった沢形を進むと、すぐに歩きやすいナメ床に変わる。しばらくして右岸から支流をあわせると、ナメと大岩を繰り返すようになり、右岸から関東沢の本流が入ると流れは大きくなる。この沢は1050m位からイワナがいるが、魚影が濃いものの方は小さい。途中、6m程度の滝を右岸から巻き下り、全体的に悪いところもなく大深沢に出合う。ここも泊まってみたい河原の一つだ。とても懐かしい。幕地に寄ると焚火用のやぐら組まれており、次回はここに絶対泊まると誓った。昨日の曇り空ではよくわからなかったが、山が真っ黄色だ。しばし休憩する。
大深沢を遡行始めると、すぐに右壁にロープのついた10m位の滝があり、左から登る。このロープの意味は??滝上でわかったが、右からの方が上に行ってからが楽ということのようだ。流れの中の大岩で飛び石ジャンプで左岸へ。関東沢出合から30分くらいがこの沢のハイライトである区間、その先すぐでナイアガラが出てくる。真夏に比べれば水は少ないが、紅葉のナイアガラもまた良しである。
古い記録を読むと、ロープの上に大木が生えていた写真があった。滝中央の補助ロープや結んである根は強度が保てているんだろうか?ここはさらに左の凹角右側から登る。登れば自転車で走れると思われるナメ床が広がる。癒される〜!あっという間に三又、ガツガツ登りすぎか??
前回は北ノ又に入り、ラストの藪にかなりやられた。この30分の区間を帳消しにしてくれたので、いろいろな記録から藪1分と思われる東ノ又を選択した。いい思い出にしたかったんです。始めはナメ床の継続で十分素晴らしい。この区間が終わるとひたすら単調なゴーロが続く。沢が『く』の字に曲がるとミニゴルジュで、上越の沢に似た感じになる。単調な流れにいいアクセントとなっている。再び単調になり、水量も減ってくる。
遡行図はなかったものの、地形図に通るべき沢は矢印で記載してきた。忠実にたどったはずだったんだけど…1240mの枝沢はチョロチョロ、1250も思ったほど流量はない。右俣はインゼル状になっている。1350mの真ん中にシラビソが立つ二俣は左、その先は…藪は嫌だが突き上げる湿原が大きいと思われることから、きっと何とかなると信じ、笹が結構かぶった沢形をパワーでこなし、怪しい感じの流水溝を抜けると『でたー!湿原だ!!』と絶叫してしまった。紅葉も過ぎ去った湿原でガッツポーズをしたものの、登山道がない…正しい方角に身の丈以上の藪をこいでいけば道にぶつかると思われるが、楽がしたい一心から再び流水溝に戻る。完全に間違ってしまったようだ。
蛇行する沢をたどり、いい加減ここならというところで藪に再突入するも、さっきのところより条件が悪い。身の丈以上の笹薮がやや開けたところで確認するも、湿原がありようもない感じだ。やけくそで南に向かうと突然登山道に出た。藪時間は3分程度だったか?感動ではありながらも、またもや湿原を外してしまった。大深山へ歩き始め振り返れば、大きな湿原が見える。うーん、シラビソ二俣は右だったかなぁ…
予定は網張方面、この時間であれば三ツ石山荘までは行けそうだ。ただ、大深山荘の水場は捨てがたい。昔、北ノ又から抜けて小屋に泊まれると思っていたら改築中だった大深山荘に未練があったので、大深山荘へ向かうことにする。周辺の木々が低くなると岩手山が美しい姿を見せた。自分は岩手山を見るのが好きだ。形がいい。明日の行動にこの展望はとっておこうと、山荘へ向かった。小屋裏から水場へ行く道が所有のエアリアには存在せず、以前もその道があった記憶がなかったので、通常の分岐から水場を往復した。水がじゃんじゃん湧き出すところで足周りを交換する。あの柄杓がなかったのでどうしたんだろうと思っていたが、それはまだその先の本当の水場にあった。小屋は10年近く経っているとは思えないほどきれいで、快適な一夜を過ごした。
/10 昨夜はあんなに天気が良かったにもかかわらず、夜半から前線通過の風雨があった。この天気で三ツ石山を歩いても何も見えず、風にあたって帰るだけと思い、バス便が3本しかないものの松川温泉に下ることに変更した。平地では晴れているらしい。水場前を通過し下りにかかると、下界方面が見渡せた。ルート途中の水場は柄杓もついて量も豊富だ。火口壁状の縁を歩いているときに、対面に見えた山の木々の色が、小暮真望色だった。ブナ林内の道を歩き、歩きにくい石畳み状を抜けると樹海ラインに飛び出した。あこがれの宿である松川・峡雲荘で入浴。硫黄臭、濁り湯と五感のうちの二つで脳がやられ、宿のおかみさんの配慮もあって、二度入浴し待合室でバスを待たせてもらえた。
明日は娘の運動会の手伝い。盛岡でじゃじゃ麺を食し、帰りは新幹線で帰宅の途に就いた。
もっと近かったらよかったのに…でも東北最高!!
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
完成おめでとうございます。
錦秋の秋沢の様子、写真からも伝わって来ました。
カメラを壊したことや大深山荘の寒かったことなどを思い出しました。
もう沢はおしまいだね。
ありがとうございます。
沢旅系2本、充実していました。
焚火は一度も致しませんでしたが、これもまた良しかと思いました。
あと1本くらい、日帰りで行きたいと思っています。
では、来シーズンもよろしくお願いいたします
エビちゃんおめでとう
一緒に行けなくてごめん。
大深山荘 夜空を見ながら眠った夜
想い出しました
いえ、一人はもう慣れました
あとはつかさんからの返信待ちですね。
関東沢出合でちょっと悪戯してきました。
でも食べてません
2回目になると、思ったより短い沢でしたね。
よろしかったら来シーズン、お願いいたします。
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