【露往作戦】唐沢鉱泉〜天狗岳〜ニュウ〜白駒池〜唐沢鉱泉【甲39.7】
- GPS
- 08:33
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,387m
- 下り
- 1,365m
コースタイム
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 8:33
天候 | 快晴 無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
岩やら石がごろついていて、若干滑りやすく感じた。若干の凍結あり。 ニュウまでの道はグレイト。ニュウ以降は荒れて歩きにくい。泥濘気味。 唐沢鉱泉北側は「パノラマコース」と書いてあったが苔生した樹林帯の道だった。 |
その他周辺情報 | 登山口の唐沢鉱泉でも良かったが、ふれあいセンターもみの湯(500円)に。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
9月下旬の御嶽山噴火。10月に入って、「1300件の予約キャンセル」とか、「観光アピールにクレーム」といった、くだらないニュースが耳に入るようになり、またネット上では「二度とこのような被害に遭わないためには ・・・ 火山に行かないこと」という学者の受け答えが物議を醸していたようである。
そうした中で、木曽を訪れようという気持ちはあったのだが、10月の三連休は台風が来るだろうと花の金曜日に飲みに行った結果、翌日土曜日が意外な晴天で万斛(ばんこく)の涙を注ぐ。
別に木曽に行くと言っても山を歩く必要性は無いのだが、まずは御嶽山を、よく見えるところから遥拝したいと、空木岳を目指すこととする。しかし、季節は既に10月。タイミングを逃すと積雪で高山は困難となる。そういうわけで三連休初日を逃したのは痛かった。
その後、晴れが続くのを期待したが、日本列島を雨雲が覆う。肌寒い雨空に、あちらは雪だろうと憂鬱になる。御嶽山捜索のニュースでも積雪を報じていたが、これが山行を決行するか否かの参考となった。積雪1cmか。週末まで晴天が続けば、或いは・・・。
と、ここで、空木岳を目指して何で天狗岳?となるわけだが、当初、好天の期待できる日曜一本で考えていたところ、日が近くなって、土曜も風が強そうだが晴れという予想になった。また、10月も半ば、積雪もしているだろうし、いきなり2800m峰に登るのは不安であるということ、金曜夜に仕事を終えて車で木曽に向かい翌朝山行というのは厳しいこと、前々から北八を歩きたかったこと、、という事情もあり、土曜日は北八ケ岳、日曜日に中央アルプスを歩くという二段構えの作戦としたのである。
【唐沢鉱泉出発】
所々人為的にやったんじゃないかと思うほど凸凹の砂利道を唐沢鉱泉へ向かう。日本秘湯を守る会会員というのはそそられる。今度はここか渋の湯に泊まるというのも良いだろう。駐車場に着いたのは23時過ぎ。早速就寝する。未明に車が続々やってくるのを感じたが概ねじっくり寝ることができた。
朝5時頃起床して外に出る。唐沢鉱泉から薪の燃える良い匂いが漂ってくる。駐車場脇のトイレで用を足して日の出前に出立する。ライトは一応用意したが使わなかった。
【天狗岳まで】
薄暗い森の中、岩がゴロゴロする上を歩いていくことから山行は始まる。間もなく陽が昇り、数十分も歩けば落葉した木立の向こうに周囲の山々が見えてくる。展望が開けると元気が出るのでこれは有難い。そしてそらは雲ひとつ無し。まさに瑞々しい秋の空だ。
西尾根の唐沢鉱泉下降点から上は傾斜が増すといっても苦しいほど急騰というわけではない。岩が落ち着き、代わりに木の根が張り出してくる。道幅はやや広くなったか。地面が凍結してきたな、と思って間もなく標高2400m強の第一展望台に達し、本日最初の大展望を右に左に眺め渡す。南側は南八ケ岳の名だたる峰々から南アルプスまで。西側は中央アルプスに御嶽山、北アルプスと広がる大パノラマに身も心も軽くなる。編笠山でも見られる山頂直下の巨岩群を乗り越え天狗岳に至る。
山頂は地面からこれでもかと言うほど霜柱が飛び出していたが、事前の予想とは裏腹に風も無く穏やかだ。体が冷える心配も無さそうなので朝食を摂り、360度の展望を独り占めという至福のひとときを過ごす。
【にゅう を経て白駒池へ】
展望は北八ツ随一とも言われる東天狗では、より東側の展望が開けてくる。生憎、東側は雲が多いようだが、しばらくの間、360度の展望散歩を楽しめる。中山峠を経てにゅうへと向かう道は樹林帯の中となるが、薄暗い森の中、木漏れ日に輝く苔生した緑の回廊。対向者はポツポツと出てきたが、基本単独か2,3名程度。足元も悪くなく、静かで落ち着いた道で、まさに森林浴の好適地だ。麦草峠から歩けば、より気軽なハイキングを楽しめることだろう。森林の静寂の向こうに歓声が聞こえてくると、間もなく、にゅうに到達する。
にゅうからは天狗岳の他、硫黄岳、さらには富士山も若干見える。南八ツに遮られて期待薄と思っていただけに富嶽が見えたのは意外な喜びだ。
「にゅう」という名称とは裏腹な岩のピークを下り、白駒池へ向かう。一見、中山峠からニュウへ向かう道と同じと思いきや、下っていくということもあり、足元の状況があまりよろしくない。しまいにはぬかるんでくる始末。白駒湿原手前で道が木道になり、ほっとする。池の周囲は開けているものと思っていたが、白駒池南端に到達しても相変わらず森の中。反時計回りに池の周りを回って、青苔荘、白駒荘前でようやく大きな池の水面を拝むことができる。白駒池は冬ともなれば水面が完全に凍結し、天然のスケートリンク状態になるというので、一度凍結した池も見てみたいものだが、さぞかし寒かろう。
【中山峠から下山】
賑やかな白駒荘脇に僅かに残る紅葉を仰いで白駒池を去り中山峠へ。引き続き樹林帯が続くのかと思いきや、緩やかな傾斜を上っていくと中山手前で再度展望が開ける。惜しむらくは高見石をスルーしてしまったことだが、また北八ツを歩くこともあろうから今回は良しとしよう。
中山峠から下り始めると他の下山者もちょうど降りるところで、皆で連なって降りる。この下山道がこれまたニュウへの道と同じように綺麗で落ち着いた緑輝く道で、結構岩が転がっていたりするものの、ほとんど気にならなかった。
唐沢鉱泉分岐を唐沢鉱泉に向かわず、引き続き尾根道を行くと人気は無くなり、地面もあまり踏み込まれていない細道となるが、人がいないのがもったいないほどの良い道だ。ガイドではパノラマコースとあるのは、昔の名残だろうが、パノラマの無い現在でも十分楽しめる尾根道だ(もしかしたら八方台まで下るとパノラマがあるのかもしれない)。
穏やかに始まった山行は、これぞ秋空という絶好の快晴の下、穏やかな天気に包まれて完了した。秋山はまさに爽、まさに快。それを具現化した山行に自信を得、満を持して木曽地方へと向かうのであった。
〜つづく〜
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