エベレスト街道(後)・・ロブチェ東峰〜チョラパス〜ゴーキョリ〜ルクラ
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- GPS
- 46:13
- 距離
- 69.1km
- 登り
- 3,438m
- 下り
- 5,465m
コースタイム
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:07
- 山行
- 11:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:43
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:38
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:16
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:06
- 山行
- 8:16
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 8:17
天候 | 連日、未明からしばらくは晴れまたは高曇り。早いときで8時〜9時、遅くとも午後から雲が上がり始め、高い山から展望が消えていきます。日によっては雪または雨に。 ゴーキョ〜ナムチェは霧・雪・雨に多く見舞われました 朝・昼・晩の寒暖の差が大きく、特に日が出るかどうかでまるで違ってきます(細かな重ね着対応必要) 空気の乾燥、寒冷な風への対策も必須(ネックゲイター・ウレタンマスク等) |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
飛行機
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コース状況/ 危険箇所等 |
ロブチェイースト(エベレスト目指す人たちが高度順応に使うピーク)はアルパインクライミングの世界。何十本ものフィックスロープが張ってあってユマーリングで安全確保できますが、急坂が長く続きます。自分的な経験からは、積雪期の宝剣岳にロープが張ってあってそれが延々と続くようなイメージです。 もしフィックスロープが無かったら、Wアックスで、核心部はスタカットのアルパインクライミングになると思います。 下山時は概ねロープにランヤード架け替えながら下りますが、2ヶ所垂壁があって懸垂下降が必要でした。 フィックスロープとユマールシステム(もちろんクライミングガイドのサポート)のおかげで、自分のようなハイカーでもアルパインクラスの登下降を楽しめました。 ゾンラ〜ゴーキョはグレートヒマラヤトレイルの一部で、エベレスト街道に比べて静かに歩けます。 最大の難所とされるチョラパスは、チェンスパ着ければ快適な雪山ハイキングコース。 その後のルクラへの下山道も歩き易いトレッキングコースで、特に危険箇所もありませんでした。 |
その他周辺情報 | 宿:エベレスト街道・各村のロッジに宿泊 ロッジにベッド、マット、敷き布団、枕はあり。掛け布団はあったりなかったりで、半々か。 部屋の暖房は一切無く、レストランのみ薪ストーブがあり、冬用シュラフの持参必要。 個室ながら安眠のために耳栓・アイマスク必須。鼻喉の保湿のためのウレタンマスクも。 「郷に入れば郷に従え」が快適に過ごすコツ 日本と違う現地の常識をリスペクト 食:味はどれもマズマズなのだが一品の量が多く、栄養バランスが悪い印象。ダルバート(ネパール定食)やカレーも3~4回は良いが、独特のスパイスが次第に鼻についてくる。(カトマンズ・タカリバンチャのダルバートが一番美味しかった) うどんのトゥクパは、日本から持参した顆粒ダシ〜醤油で格段に美味になるが、(スパゲッティなども)麺類は総じてコシがないニャラニャラで、これも次第に敬遠するようになった。 モモ(餃子)は逆に、タネはマズマズながら皮が厚くてこれも余りオーダーせず。 小麦粉系のチャパティー、チベタンブレッド(油で揚げてあるナン)、ピザは口に合い易く、次第に選択回数が増えていき、サンドイッチもホットサンドになっていて美味しいのでお勧め。 野菜が多いシェルパシチューをオーダーするよう努めたが、やはり野菜が取れない。栄養のバランスを考えた献立に何故できないのだろうか?カロリーは十分だが、チーズマカロニだと本当にチーズとマカロニしか入っていない。かといって2皿オーダーは量多過ぎ、日本人的には少量ずつ多品目食べたいが真逆。 体が求めるのか、当初はミルク系が中心だった飲物が、次第にレモン系(ホットレモン、レモンティー)に変わっていった。 水:ミネラルW(150〜450Rs/L)+HWで大体1日千円かかる。(標高により値段増減)水はタダの日本がありがたい スマホ:Wifiはナムチェの500Rs/日に始まりロブチェ以上では800Rsと、これも標高とともに値上がり 高度障害:ロブチェ〜ゴラクシェプでダウンしてカラパタールまで届かない人も居ると聞く中(唯川恵著「バッグをザックに持ち替えて」)で、5千m×3、6千m×1に登頂できたことは、高度順応はマズマズうまくいったのでは。常に深呼吸(O2減少を補うために空気を多く吸う)するイメージ。 危険なのは睡眠時、写真撮影時など何かに集中して息を止めたとき。急坂を登る時などもO2多く消費。体がO2不足になるので空気を深呼吸で多く取り込む。おかげで、今回はダイヤモックスを使わずとも高山病の症状は殆ど出ず。 但し、ロブチェイースト登頂後は、意識した深呼吸はしなくても日常通りとなったが、急坂を登る時だけは200〜250m↑/hが精一杯で、ゴーキョリなど「これで高度順応できたと言えるのだろうか」と?が付いた 衣:同じ服で数日過ごしても、サラッとした気候で殆ど気にならない。汗が滴る日本では全く考えられないが本当だった。下着それぞれ3~4枚持参したもので17日間は全然臭くならず(少なくとも自分には)、結局洗濯は1度もせず。 体も、疲労や水が冷たいこともあって、デオドラントボディーペーパーで清拭するのみでシャワーは使わず。皆さん書いておられる通り「何とかなるものだ」 但し、喉鼻を守る乾燥対策は必要。ネックゲイター、コロナには全く効果が無いウレタンマスクなどで。 充電: ワンダーズ無料レンタルのモバイルバッテリー(4万Ah)充電1回1500RSで、ホテルはコンセントあり(C型アダプター持参したが差込むと緩く、サイズ可変式のアダプターが有効だった) 健康:つい登山・トレッキング関係に目が向きがちだが、長丁場の体調管理が最も重要。アルコール消毒はもちろん、うがい・歯みがきもミネラルWで行って食あたり対策はOKだったが、ロブチェハイキャンプで風邪をひいたようで、翌日からのゾンラ〜タンナ〜ゴーキョでは37℃前後の微熱に。風邪薬の力を借りて進むうち、ゴーキョの朝には何とか熱が下がってラッキー。 99.9%の人がマスクなしで、マスクは咳が出る人が着けるのが徹底している印象。 |
写真
感想
ロブチェハイキャンプを、ガイド前日の指示通り2時起床で3時にスタート。急坂・雪の九十九折れを12本爪を効かせてユックリ登っていく。途中からフィックスロープが現れユマーリング開始する。
クライミングガイドのチェパさんはエベレスト7回・8千m峰数知れず登頂の敏腕ガイドで、ロープが絡んだりして架け替えでモタモタすると手際よくサポートをしてくれて全く問題なし。
明るくなるにつれマカルーなどのシルエットが浮びあがってきてテンション↑するものの、慣れないアッセンダーを使って急坂を上がっていくのが精一杯だった。(腹筋・体幹の弱さを痛感)
その後は急坂続きと高度に苦しみながらも何とか狭い頂上に立て、喜びを爆発させた。
山頂からは漆黒のエベレスト〜ローツエを中心に、マカルー〜アマダブラムなど名だたる名峰が一望。疲労と頭ボーから写真をジックリ撮る余裕は無かったが、今回最大の目標達成。やり切った達成感に酔った。
天気に恵まれなかった感のあるこの遠征も、最も重要なこの日この瞬間は晴れてくれて本当にラッキー。過去最高到達点でもあり、快哉上がるロブチェイースト山頂だった。
その後、最後の展望ピーク・ゴーキョリも展望には恵まれず残念。結局、展望三大ピーク(チュクンリ・カラパタール・ゴーキョリ)は全敗となってしまった。
遠征山行の天気は一期一会。逆に、降雪のお陰で雪化粧のエベレスト街道を楽しめたので良しとしよう。
今回の遠征総合点としては、クンデピーク含めて目標5ピーク登頂で10×5=50点。展望はロブチェ東峰のみの10×1=10点。ヘリや馬のお世話にならずに計画コース完歩したボーナス点10点を加え、総合70点といったところだ。
6千m峰のさらに上について、苦しかったのは間違いないが、全然ムリでもない感じ。まだ諦めることなく山に向って行きたい。
ヒマラヤについて
両手に絶景のトレッキングコースは、世界のトレッカーが集まってくるのは必然のエリア。
一方で、ヤク・ゾッキョなど動物のフンだらけの道、清潔とはいえず便座も冷たいトイレや冷え切った部屋には3週間では中々慣れない。
高価な湯・水や栄養バランスの悪い食事に、かさむ毎日のwifi代。海外に行くといつも再確認できる「日本って何て素晴らしい国だろう」は今回も。
それでも、「ヒマラヤロス」といいう言葉に象徴される忘れがたい居心地の良さ。車が走っていない、TVラジオもない日常。歩く速度が生活の基準。それが居心地の良さの源かも?
コメント
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今回はルクラでニアミスでしたか〜、少し時間がズレていたらまたリアルスライドだったかもしれませんね。
バゲッジロストに遭遇しながらもシッカリとエベレストを捕らえられたあたりサスガです。お疲れ様でした!
はじめまして
チェパが登場して思わずコメントさせてもらいました。
ロブチェイースト登頂おめでとうございます!!
高山病は大丈夫でしたか?
私自身、チェパには2013年のマナスル、2015年のエベレストBCでの雪崩、2016年のエベレスト登頂と大変お世話になっています。
生真面目で実力もあるチェパとなら安心して登ることができたと思います。
またチェパと一緒に登りたくなりました
またshtさんもぜひ彼らとヒマラヤの高みを目指してください
こちらこそはじめまして・・と言うか、自分にとってはレジェンドのsumi8848さんのレコは時々拝見するので、”はじめまして”感はないのですが。
チェパさん、パーフェクトにガイドしてくださいました。日本語も本当に堪能ですね。おかげで、頭ボーはありましたが、無事登頂させていただきました。
この先、sumi8848さんに続いて〜などとはとても言えませんが、取り敢えずヒマラヤロスが既に始まっているところです。温かいコメントいただきありがとうございました
スケールの大きさに驚くばかりです!本やネットで見る世界なので感激しました!
素敵な写真の数々、食欲をそそる食事の数々、楽しく拝見いたしました。
お疲れ様でした!
三大展望ピークの天気は全敗でしたが、確かに「これは世界中からトレッカーが集まってくるわなぁ」という絶景を随所で楽しませていただきました。結果的には、家族のブーイングなどどこ吹く風で思い切って出かけて良かったです。
日本や日本の山の良さも再認識できましたしね。
嬉しいコメントいただき、ありがとうございました♪
スマホの充電やザックの大きさについて知りたいところです。変なところが気になっています😁️
ネパールでのスマホ充電は、ホテルと名の付くところは無料のACコンセントが大抵あり、日本のタイプがそのまま使える所が殆どですが、サイズ可変式のC型アダプターを持参すれば完璧と思います。2万〜4万Ah程度のモバイルバッテリーも必須と思います。
ロッジではフロントでの有料充電が殆ど(標高が上がるにつれ料金も↑)でしたが、USBタイプ、ACコンセントタイプいずれもありました。(ACは日本式そのままでOKで、アダプター不要の所が殆ど)
ザックは、2度ヒマラヤに行きましたが、38Lのオスプレー・ミュータントの使用で問題ありませんでした。
ロブチェを楽しんできてください!
ありがとうございます。
また質問するかもしれません。よろしくお願いします。
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