笊ヶ岳


- GPS
- 12:39
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 3,106m
- 下り
- 3,102m
コースタイム
- 山行
- 9:51
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 11:17
タイムはデジカメデータより引っ張っています。それ以降はGPSログより。
天候 | 晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 林道ゲートにあり。 【コース状況】 ●コース全般 ・ルート全般を通してピンクリボンが頻繁に付いており、迷うような箇所はないでしょう。 ・雪は布引山〜笊ヶ岳の稜線でほんの僅か見られる程度でした。 ・桧横手山付近より標高が低いところは落ち葉の堆積で滑りやすいので 下山時は特に注意が必要でした。 ・すれ違ったパーティーはテント泊の4組で日帰り組は自分たちだけでした。 ●老平〜広河原 老平駐車場から先に進むとすぐに林道ゲートがあります。 ここから平坦な林道歩き。途中白い岩をくり抜いたトンネルや北側の岸壁から 水が溢れている箇所もありました。20分ほど歩くと広場に到着。 ここが林道終点となります。 林道終点から、緩やかに登るとすぐに廃屋が現れます。ルートは廃屋の左手延びており、 ここから岸壁沿いを吊り橋や鉄製の橋を何度も渡りながら進んでいきます。 崩落箇所も2〜3箇所ほどありましたが通過には問題ありません。 また、途中岸壁から水が滴り落ちて天然のシャワーになっている箇所が 2〜3箇所ありましたが、少しだけ濡れる程度で通過できました。 やがて眼下に沢が近づき、目線のに上がるまで進んでいくと広河原に到着です。 ●広河原〜山ノ神 この日は水量が少なかったようで広河原での渡渉は、靴を履いたまま飛び石で渡れました。 しかし帰りは油断していたためか、滑りやすい濡れた石の上に足を置いてしまい、 ドボンしてしまいました…。 渡渉してからようやく本格的な登山道となり、 九十九折の急登を高低差400m弱登って尾根に乗ったところが山ノ神となります。 ●山ノ神〜桧横手山 山ノ神から桧横手山までは高低差およそ800mの息つく間もない登り区間となります。 急登し始めてしばらくするとかつての林業で使用されていた 錆びたウインチやワイヤーの残骸が放置されている所を通過します。 やがて登山道は南アらしい苔むした樹林帯の中へと入りますが依然として急登が続き、 桧横手山の山頂付近でようやくなだらかになります。桧横手山は山頂然としておらず、 頂上標がなければ気づかず通り過ぎてしまうような感じでした。 ●桧横手山〜布引山 高低差およそ500mの登りとなります。桧横手山からはさらに斜度を上げます。 倒木を跨いだり潜ったりするような箇所もあり、 これまでと比べると登山道は少し荒れた印象を受けます。 桧横手山から1時間ほど登り続けるとようやく西側の視界が開けるガレ場が現れます。 ここが布引崩れとなります。ガレ場は霜柱が溶けて泥濘んでおり滑りやすかったです。 布引崩れからさらに登って登山道が平坦になったところが布引山山頂となります。 ●布引山〜笊ヶ岳 標高2400m以上あるにも関わらず苔むした樹林帯の稜線歩きとなります。 登山道はこの辺りからうっすら雪も見られるようになります。 布引山から鞍部まで160mほど下り、200mほど登り返すと笊ヶ岳山頂に到着。 山頂でようやくほぼ360度の大眺望が開けます。 |
写真
感想
先週は北アの穂高連峰の展望台、霞沢岳に行きました。
展望台繋がりというわけでもありませんが今週は南南アの展望台、
笊ヶ岳に登ることにしました。
5:30過ぎに真っ暗な老平駐車場を出発。
日の短い時季にも関わらず、少し遅いスタートになってしまいました。
だいたいいつもそうなのですが登る山が事前に決まっていることなどほとんどなく、
今回も例に漏れず笊ヶ岳に決めたのは寝る直前。
計画性の無さがこういうところに現れてしまいます。
でも…暗い道は苦手。なるべく長い時間は歩きたくないから、
これくらいの時間からのスタートでちょうどよかったのかもしれません。
懸念していた広河原の渡渉は水量が少なく飛び石で渡ることができました。
広河原を過ぎるとこれでもか!というほどの登りが布引山まで
高低差およそ1700m(老平からだと約2300m)続きます。
桧横手山に到着した時点で下山時間が気になり始めます。
このままkomemameのペースに合わせていると下山途中で
真っ暗になる可能性が出てきました。
共倒れして2人とも笊ヶ岳の山頂を踏めないのも不甲斐ない!
ということで桧横手山を過ぎた辺りから自分が先行します。
先に笊ヶ岳の山頂に立ってタイムリミットのギリギリまでkomemameを待ちます。
もしやって来なければ残念ですが下山を開始。
向かってくるkomemameと合流して一緒に下山するという作戦に変更です。
と、布引山に向かって進んでいるとどこかで見たことがあるカップルが下山してきます。
思い切って声をかけてみると…やっぱりkamasenninさんとD-chanさんでした!
お二人はテン泊で前夜は笊の山頂付近にテントを張ったとのこと。
あんな絶景を前に星空の下、ひと晩過ごせるなんてなんという贅沢!
うらやましいですね〜。
そのうちkomemameも追いついて、ひとしきり盛り上がりました。
本当はもう少しお話したかったのですが、
下山時間のこともあり残念ながらお別れです。
でも、お二人から元気を注入してもらいました。
時間制限のために半ば登頂を諦め気味だったkomemameも
この出会いで息を吹き返します。
再び一緒に登り始めるとほどなく布引山に到着。
ここから笊に向かって樹林帯の稜線を下って最後に登り返すと…何という展開でしょう!
ここまでやって来てようやく360度の展望がドカーンと山頂で開けるのです。
西側には南南アのビッグスリーが目の前に。南を見ると上河内から光と深南部。
北を見ると塩見。さらに北に目線を送ると白峰三山と仙丈。
ここから見る北岳の尖り方は一種異様でした。
そして反対の東側を見ると小笊と富士山が並んでいます。
眺望のない中をひたすら登り続けて焦らされて焦らされて、
最後の最後で劇的な展開が待っている。
こんな筋書きはベタ過ぎて神様も中々思いつけないでしょう(笑)
でも、フィナーレまでのプロセスに圧倒的な演出力があれば、
筋書きはベタなほうがいい時もあります。
いや、むしろその方が一本の作品としての完成度は上がります。
この笊ヶ岳はそんな山登りを楽しめる山であることは間違いありません。
さらに!
この物語をより一層輝かせてくれたkamasenninさん&D-chanさんとの出会い。
ステキなお二人のおかげでkomemameと一緒に山頂に立つことができました。
ありがとうございます!!!
kamasenninさん&D-chanさんのステキな記録はこちらです
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-546008.html
永遠におわる気がしない激しすぎる急登、変態向け、ドMな…
などなどつらそうな評判ばかりを耳にしていた笊ヶ岳。
これまでも何度かdanyamaとの間でも「行ってみる?」というやりとりはあったけど、
「うーーん、自信ない…」と目をつぶってきました。
とはいえ、いつまでも避けていては自分の領域も広がらないよね、
何事も経験!と思い、チャレンジすることになりました。
とはいえこの時期、日の入りも早く
「行けるところまで頑張ればいいや」「布引山までもでもいいかな」と、
正直、最初からややあきらめの気持ちはありました。
5時半。私のペースだと13時間くらい歩くことになるんじゃないか、
そうなると戻る頃には真っ暗…、
「今日は山頂まで行けないのかぁ、やだなぁ。これじゃ負け試合だよっ」
と、この時点ですでに悲しいような、クサクサしたしたような、
投げやりな気持ちを心の中で渦巻かせながら、
暗い中ヘッデンをつけて歩きはじめました。
そして林道を抜けたところで、私を待ち受けていたのは想像どおりの急登。
あぁこれか、うわさの急登はじまっちゃった、
と、ずーんと重い心を引きずり急登に突入します。
ところが、この重い気持ちとは裏腹に、
この道、なーんか気持ちいいのです。
まだやや残る紅葉の景色、
たっぷりのふかふかした落ち葉で一面色とりどりに覆われた様子。
歩きにくいには歩きにくいのだけど、
終わりかけの秋をめいっぱい感じることができます。
そんな気持ちのいい空気のなか歩いていたら、
だんだんと最初に思っていた投げやりな気持ちが
すぅっと消えていきました。
「まぁ、行けないなら行けないでいいっかぁ」と。
「このペースじゃ間に合わない」というdanyamaにも、
いつもならプリプリ怒るところを、
「どうぞ、どうぞ先に行ってちょうだい」と単独で行ってもらうことにして、
自分のペースで行けるところまで行こうと決めました。
ツライの半分、楽しいの半分って感じで
もくもくと歩きながらときどき上を見上げると、
どんどん先をいくdanyamaの姿。
しまいには見えなくなってしまいました。
しーんと静かな山歩きをすること数十分(いや10分くらいだったか?)、
姿は見えないけど、何やら上の方からにぎやかな声が。
どなたかのパーティーが下山途中に盛り上がっているのかな?と
思いながら進んでいくと、先にいったはずのdanyamaがいるではありませんか。
「kamasenninさんとD-chanさんだよ〜」
ひとりでもくもくと登っていたので、
この出会いにテンションが一気にアップ↑↑↑
とても元気いっぱい、カラカラっとした明るいおふたりで、
いっしょに山のポーズなどをしたりしてたら、
いつの間にか私も元気いっぱいになっていました。
そして、おふたりから
「布引山まであと少しだし、登り返しはきついけど大丈夫」と言ってもらって、
俄然やる気も出てきた!
そう言われたら行くしかない!と、
うしろ髪をひかれながらも元気なおふたりとサヨナラをして、
いざ笊ヶ岳へ向かうことにしました。
ついちょっと前まで「行けなくてもいいかぁ」なんて思っていたのに、
「ぜったい山頂までいくんだ!」とコロッと心変わりするんだから、
山の友ってすごいですね。(あ、勝手に友とか言ってますが)
日頃、なんでもひとりでできるもん!と勘違いをしてしまいがちですが、
必ずどこかで人に助けられているんだなぁ、とか
今回の出会いで、そんなことをあらためて考え直しちゃったりしました。
さて、気分もあらたに臨んだ山頂。
しっかり踏むことができました。バンザーイ、パチパチ〜。
行けないかもと思っていたので、この満足感はハンパありません。
下山の時間が気になるところでしたが、しっかり山頂の時間を楽しみます。
山頂でみたすばらしい景色、山頂で飲んだはちみつ入りの紅茶、
山頂で食べたおにぎりの味…ぜんぶ格別でした!
日が暮れるまでに下山することもできて、
さらに充実感でもいっぱいの笊ヶ岳でした。
貧弱な私に元気パワーをくださったkamasenninさんとD-chan(さん)に感謝します。
ありがとうございました。
(danyamaもありがとね。)
おしまい。
コメント
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いやー、目からウロコです。最近の中ではMy ベスト・ウロコです。
略してベスウロ(笑)。
なんせ山国語の偏差値が低いもんで、笊ヶ岳、ずっと読めなかったんです(国語だけじゃなく、山地理、山算数・・全部落第生ですがw)。
勝手に「こもがたけ」って読んでました(笑)。人との会話でうっかり言わなくてよかったわww
「ざるがたけ」だったと、今回載せていただいたローマ字版の標識でやっと分かりました。あれ載せていただいて正解ですww
しかし、ここ「名山鑑賞センター」という施設みたいなところですね。凄いところです。
絶対行きます!(笑)
tsukadonさん
こんばんは〜
今回はウロコ称号ちょうだいしましたっ
ありがとうございます!
こもがたけ、、ってなんか美味しそうなキノコみたい!笑
でもほんと山のなまえって難しいって、わたしも思います
山に行って覚えること多いです。
ときどき難解すぎたり、ヒネリが効きすぎていて
登りながらも「ハテ、なんて読むんだっけ?」とか思うことも…
わたしも少しずつ、山偏差値あげていかないと〜!
tsukadonさん、いっしょに頑張りましょうね
こちらの笊ヶ岳は、自分と向き合う静かな山歩きができて、
最後にすばらしいご褒美が待ち受けるという、とてもいい山でした。
tsukadonさんも辛さの先の「名山鑑賞センター」へぜひ
南アルプスはまだ雪が少ないのですね
(爺ヶ岳は凄かったですよ
ロング山行お疲れ様でした
素敵な出会いを力に変えて最後まで登りきれてよかったですね
その場所に行った者しか味わえない景色を堪能できましたね(^_^)
(danyamaさんの写真
yama59さん
こんばんは〜
爺ヶ岳レコ、みましたよーーー!
すごい雪の量!急にきましたねっ
もう柏原新道ではなく、南尾根を使わないとならない季節になったんですね(しみじみ〜)
雪山早く行きたい!今シーズンも楽しみですね
今回は時間制限があったので、半分あきらめてましたが、
最後まで行けて、下りてきたときは充実感&達成感でいっぱいでした。
こちらこそいつも写真をみてくださってありがとうございます!!!
おっと!プロフィール写真変わった
hanaちゃん前面に出て来ましたね
わんこ好きとして真っ先に飛びつきました。
やっぱりプロフィール写真はわんこですね
ところで笊が岳・・・・。
登ったこと、無いのです・・・。
ついに私が登ってない山も出て来てしまった・・・恐るべきスピード、40年分のリードをもう追いつかれてしまった。
頑張らねば
でもここは無理かな〜
yamayaさん
こんばんは
変わったの分かっちゃいましたか〜??
見つけてくださってうれしいな〜
今までもハナの写真だったけど、わかりにくかったので変えてみました。
今後はこのプロフィール写真でよろしくお願いします
笊ヶ岳、yamayaさんが登ってないなんて意外でした!
yamayaさんの昔話をいつも楽しみにしているのに、
聞けないなんて残念です…
komemameさん
再コメ失礼。
初めに私は目があまり良くないということをお断りしておきます。
おー!プロフ画像が愛犬に変わってる!
※「愛犬に変わってる」←ここ注目。
今までkomemameさんのプロフ画像、ぼーっと見ていて、
「誰か(たぶん本人)が海岸(たぶん海岸)で散歩している図」
と思い込んでいました(爆)。
またまたウロコが一つ落ちましたwww
前も今も「ハナちゃん」だったんですね。
大変失礼をしておりましたorz
tsukadonさん
こんにちは〜
プロフィール写真にツッコミありがとうございます
そう、今までのプロフも
ハナ(イタリアングレーハウンド6歳/4.4kg)が写っていたんです
でもどんなに目のいい人でも、ちっこすぎて見えてなかったと思います
tsukadonさん、
わかりやすくなった(はずの)新しいプロフ写真で、
これからもどうぞよろしくお願いします〜♪
「ざるは辛いよ〜」と、経験された皆さんからよく聞くお言葉。
山域的には居住地から近いのですが、今まで敬遠してきた笊さま。
でもdanyamaさんやkomemameさんの素敵な写真を拝見していると、全く辛そうに見えない
今度行ってみようかな〜という気持ちになりました
僕が書いたら、絶対に違った雰囲気のレコになるんでしょうね
atsu001さん
こんばんは〜
ざる、すごくいい山でした!!
山頂はもちろんのこと、山頂への道も雰囲気がとってもよくて、
また行きたいくらいです
あ、でも陽の長い季節に。それかテン泊でのんびりすごしてみたいです。
レコって、その人の感覚とか思いによって、全然違ったものになりますよね。
あ、でもキャラとはイコールではないのかな、なんて思ってます。
だって私、品よくないですもんー
atsu001さんのざるレコいつか楽しみにしています!
こんにちは、danyamaさん、komemameさん(^^)v
そして、先日は短い時間でしたがありがとうございました
結局2日間で出会った登山者はたったの5組。
そんな中、まさかお二人とここでお会いしちゃうかー(゜ロ゜)
…と、振り返ってみてもビックリです
お声を掛けて下さいましたdanyamaさんに感謝感謝
というか、danyamaさん、あの急坂であの感じ爽やか過ぎますって
しかし…予定通り日没前に下山とは、サスガのお二人ですね
我が家だったら、きっと共倒れになっていたでしょう(笑)!
最初は弱きだったみたいですが、あのハードな急登を日帰りで制覇出来たことは、komemameさんもスゴい自信になったのでは
あはは、ワタシは自信以上に身体中の筋肉痛が半端なかったですが(^-^;
いつもお二人の山旅は、ワタシの目にもとても魅力的に感じております
今回は落ち着いてゆっくりお話出来ませんでしたから、またどこかのお山でお会いできると良いですね(^^)v
kamasenninさん
こんばんは
こちらこそ、ざるではありがとうございました!
あのときも言いましたが、ほんの数日前に
D-chanさんの独り立ちレコの話題で盛り上がっていたので、
ほんとタイムリーすぎてびっくりしました
お会いできて嬉しかった〜
kamasenninさんのおっしゃるとおり、
今回は自信と達成感いっぱいで、帰りもなんだか興奮しながら帰りましたよー。
いつもなら助手席でぐーすか寝ちゃうのに、この日は私が運転して帰ったくらいです。
(ほんとうはdanyamaが免許忘れたので私が運転せざるを得なかったのですが…笑)
私もいまだ筋肉痛がおさまりません
こんなに長引くなんて、、、相当ですね。
kamasenninさんとD-chanさんのレコみましたが、
山頂のテント、すごく良さそう!
朝の景色も、陽が落ちたあとの夜景も魅力的です。
もう一度行くなら、私もあそこで夜景を見ながらお酒を飲みたい
これからもツライ山行がんばってたら、
おふたりにまた会えますかね〜?笑
その日を待ちわびて、今後も山に通うことにします!
今後ともどうぞよろしくお願いします
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