9歳児とゆくアップダウンだらけで雲の中の十谷峠→富士見山【山梨百名山】
- GPS
- 05:46
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 617m
- 下り
- 608m
コースタイム
天候 | 下界は晴れ、山は曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
富士川町のほうからは林道不通 |
コース状況/ 危険箇所等 |
一部ぜんぜんわかんないところがあったけど 迷うほどじゃない あとはきれいな登山道 |
その他周辺情報 | ヘルシー美里 ヘルシーとかマジで名乗んないほうがいい、ほんとに素敵な温泉施設 |
写真
感想
日帰りで登れる山梨百名山、未踏のところがもうほとんどなくなってきた。残るは、富士見山と八紘嶺。後者はもうヒルが出るよね。権現岳とか小川山もやろうと思えばできる……?、でも相当厳しいよね。
ということで富士見山に登ろうと思い立ったのが1ヶ月前のこと。
富士見山は下から、つまり平須・堂平のどちらかの登山口から登るのが一般的。しかしこのふたつは高低差が1000mを超えること、崩落箇所があってちょっと怖いことが妻にとってはたいへんきびしい。
そんなわけで、十谷峠からの「南アルプスフロントトレイル」ルートを選ぶ。富士川町から十谷温泉、そして十谷峠……って見事に林道通行止め! 前もこんなことあったね!
そのときは仕方がないので十谷付近の滝めぐりを楽しんだ。素晴らしい温泉を発見するなどそれなりに楽しかったが、今回はちゃんと登ろう。
十谷峠にたどり着くには、この山域を早川町側に回りこんでから林道を進む必要があった(つまり、富士川町から林道で来ることは不可能)。かくして、今回ついに無事十谷峠にたどり着くことに成功。いったい何にそんなに労力をかけているのか。
さてこのルート、高低差は600mほどとのこと。「らくらくやまのぼり」的なデータだが、高低差の図を見るとそうでもない。まず先に登る御殿山が最高点で、そこから降りてアップダウンを繰り返すルートなのだ。まあ、でもしかたないよね。がんばろうね。
この日、天気は梅雨の合間の晴れ。だったが、それは下界のこと。この山域には見事に厚い雲がひっかかっている。下から見てもそれがよくわかったが、峠に来たらもう真っ白である。しかたないよね。
車止めのゲートを横から通り抜けてすぐ登山道へ。ゲートに「工事関係者以外立ち入り禁止」と書いてあったことを妻がしきりに気にしていたがほっとく。
源氏山方面から連なる稜線に乗るまで、まずは軽く急登。ほどなく稜線に出て、そこからはちょいと斜度のある登り。土がやたらとふかふかである。杉林なのでスギヒラタケがたくさん生えている。
道の上に動物のそれはもうご立派な落とし物があって、そこに「ふとったホタル」(息子)「てんとう虫のお化け」(妻)がいた。帰りにいたらもう少しよく観察してみよう、でもこのへんはちょいと空気のかおりがよくないね。
最近のものと思われる標柱が倒れている。「南アルプスフロントトレイル セクション3 2」。なるほど、このルートは「南アルプスフロントトレイル」というのだね。また別の、昔のものと思われる看板には「十谷峠 分↔︎御殿山 分」とある。分数が完全に消えていて読めない。
しばらくたんたんと登り続けて、広場に到着。ここが御殿山、林の中の静かな山頂である。ベンチがあるので息子におまんじゅうを食わせる。
ベンチから少し離れたところに古めの山頂標と祠、猪の供養塔があった。さあ次に向かっておりよう。いやしかし、何がつらいかって、この山頂こそが本日の最高地点だということ。あとは小ピークを登っておりて進んでいく。「帰りに登り」がいかに精神的にキツいかは、雁ヶ腹摺山→姥子山のときに身に染みてわかっている。
少しだけ急なくだりをトコトコ降りていく。息子が「橋をかけて全部平たくすればいいのに!」などと怒りながら言い続けている。それじゃハイキングにならんよな。そして、また小ピークへの登りが来た。
小ピークからそれたうすい藪のほうに向かって、ごくうすい踏み跡がある。妻が「こっちに行けば次のピークは巻けるのではないか」という。息子も賛成である。あまりほめられたことではない気もするが、地形的には大丈夫そうだし行ってみるか。
ほどなくして踏み跡がなくなって、ふかふかの土と笹原の中を歩いている感じになった。ハイキングという感じがしない。ヤマレコ のGPSを確認しながら進む。妻が「ここは右だな」という。残念、左だ。
少し坂を登るようにして進むと、登山道に戻った。小ピークのピーク近くに出たので巻いたというより順調に登った感じである。ここにはフロントトレイルの標柱No.6があり、サイドに道しるべ板がついていて今きた方向に→✖️と書いてあった。妻にそれを伝えると「それがどうしたというのか」という。
少し急めの坂をくだる。途中にこのあたりのボスとおぼしき大ケヤキの木が立っていたので抱きついておく。
このあたりからどうもトレイルがあやしい。「フロントトレイル」のフダが木にかかっているが、踏み跡はそっちに向かっていない。近くに民家がまったくなさそうなこの山でこれではちょっと心細い。ピンクテープにしたがって進むが、離れたところにもテープがある。ちょっと強引ぎみに下までおりると、また明瞭なトレイルが出てきた。
ここからしばらく、気持ちのいいごく軽い登り。こういうのであればアップダウンでも気にならない。これまでのところ、帰りに登りたくないくだりポイントは2ヶ所だけ。それでもあんまり考えたくないけれど。
堂平分岐を通過し、霧の中のゆるい登りを進んでいく。それはそれでとても気持ちがいい。前後r日帰りで登れる山梨百名山、未踏のところがもうほとんどなくなってきた。残るは、富士見山と八紘嶺。後者はもうヒルが出るよね。権現岳とか小川山もやろうと思えばできる……?、でも相当厳しいよね。
ということで富士見山に登ろうと思い立ったのが1ヶ月前のこと。
富士見山は下から、つまり平須・堂平のどちらかの登山口から登るのが一般的。しかしこのふたつは高低差が1000mを超えること、崩落箇所があってちょっと怖いことが妻にとってはたいへんきびしい。
そんなわけで、十谷峠からの「南アルプスフロントトレイル」ルートを選ぶ。富士川町から十谷温泉、そして十谷峠……って見事に林道通行止め! 前もこんなことあったね!
そのときは仕方がないので十谷付近の滝めぐりを楽しんだ。素晴らしい温泉を発見するなどそれなりに楽しかったが、今回はちゃんと登ろう。
十谷峠にたどり着くには、この山域を早川町側に回りこんでから林道を進む必要があった(つまり、富士川町から林道で来ることは不可能)。かくして、今回ついに無事十谷峠にたどり着くことに成功。いったい何にそんなに労力をかけているのか。
さてこのルート、高低差は600mほどとのこと。「らくらくやまのぼり」的なデータだが、高低差の図を見るとそうでもない。まず先に登る御殿山が最高点で、そこから降りてアップダウンを繰り返すルートなのだ。まあ、でもしかたないよね。がんばろうね。
この日、天気は梅雨の合間の晴れ。だったが、それは下界のこと。この山域には見事に厚い雲がひっかかっている。下から見てもそれがよくわかったが、峠に来たらもう真っ白である。しかたないよね。
車止めのゲートを横から通り抜けてすぐ登山道へ。ゲートに「工事関係者以外立ち入り禁止」と書いてあったことを妻がしきりに気にしていたがほっとく。
源氏山方面から連なる稜線に乗るまで、まずは軽く急登。ほどなく稜線に出て、そこからはちょいと斜度のある登り。土がやたらとふかふかである。杉林なのでスギヒラタケがたくさん生えている。
道の上に動物のそれはもうご立派な落とし物があって、そこに「ふとったホタル」(息子)「てんとう虫のお化け」(妻)がいた。帰りにいたらもう少しよく観察してみよう、でもこのへんはちょいと空気のかおりがよくないね。
最近のものと思われる標柱が倒れている。「南アルプスフロントトレイル セクション3 2」。なるほど、このルートは「南アルプスフロントトレイル」というのだね。また別の、昔のものと思われる看板には「十谷峠 分↔︎御殿山 分」とある。分数が完全に消えていて読めない。
しばらくたんたんと登り続けて、広場に到着。ここが御殿山、林の中の静かな山頂である。ベンチがあるので息子におまんじゅうを食わせる。
ベンチから少し離れたところに古めの山頂標と祠、猪の供養塔があった。さあ次に向かっておりよう。いやしかし、何がつらいかって、この山頂こそが本日の最高地点だということ。あとは小ピークを登っておりて進んでいく。「帰りに登り」がいかに精神的にキツいかは、雁ヶ腹摺山→姥子山のときに身に染みてわかっている。
少しだけ急なくだりをトコトコ降りていく。息子が「橋をかけて全部平たくすればいいのに!」などと怒りながら言い続けている。それじゃハイキングにならんよな。そして、また小ピークへの登りが来た。
小ピークからそれたうすい藪のほうに向かって、ごくうすい踏み跡がある。妻が「こっちに行けば次のピークは巻けるのではないか」という。息子も賛成である。あまりほめられたことではない気もするが、地形的には大丈夫そうだし行ってみるか。
ほどなくして踏み跡がなくなって、ふかふかの土と笹原の中を歩いている感じになった。ハイキングという感じがしない。ヤマレコ のGPSを確認しながら進む。妻が「ここは右だな」という。残念、左だ。
少し坂を登るようにして進むと、登山道に戻った。小ピークのピーク近くに出たので巻いたというより順調に登った感じである。ここにはフロントトレイルの標柱No.6があり、サイドに道しるべ板がついていて今きた方向に→✖️と書いてあった。妻にそれを伝えると「それがどうしたというのか」という。
少し急めの坂をくだる。途中にこのあたりのボスとおぼしき大ケヤキの木が立っていたので抱きついておく。
このあたりからどうもトレイルがあやしい。「フロントトレイル」のフダが木にかかっているが、踏み跡はそっちに向かっていない。近くに民家がまったくなさそうなこの山でこれではちょっと心細い。ピンクテープにしたがって進むが、離れたところにもテープがある。ちょっと強引ぎみに下までおりると、また明瞭なトレイルが出てきた。
ここからしばらく、気持ちのいいごく軽い登り。こういうのであればアップダウンでも気にならない。これまでのところ、帰りに登りたくないくだりポイントは2ヶ所だけ。それでもあんまり考えたくないけれど。
堂平分岐を通過し、霧の中のゆるい登りを進んでいく。それはそれでとても気持ちがいい。前後が割れてしまい「山」とだけ書いてあるストイックな看板があった。そうだ、いま我々は山にいる。それを実感させてくれる。
登山道の傾斜がなくなり、林のようなところに出る。何も書いていない道しるべが林の中を指しているので見ると鳥居がある。由緒正しき神社かな、と思って行ってみると「念力大国神」だという。ちょっとユニークな神様であるようだ。
そこからすぐのところ、とてもかなり濃い霧の中にベンチがあった。平須口分岐だ。どうやらここからは富士山が見えたりするようなのだが、今日はあいにく水蒸気しか見えない。少し休んで次へ。
「あぶない気をつけて」というわりとぼんやりしたメッセージの看板がところどころにある。でもたしかに、気をつけよう。少ししっかりした登りがあって、山頂っぽいところに到着した。
スライスした丸太で作った山頂標、編笠山や山伏にあったものと同じタイプ。「富士見山」と書いてある。そしてその下のほうに「展望台」とくっつけてある。以前はここを富士見山山頂としていたのだろうか、登頂記念のなにやらがあったりする。でも現在はここは見晴らしのいい展望台にすぎない。今日はその見晴らしもない。
息子の空腹が限界に達したので、ここでお昼ごはんにする。道の駅とよとみで買ったお弁当をいただく、息子は大好きなからあげ弁当。目の前はほぼ完全に真っ白な世界だが、心の眼で富士山を見ておくことにする。
腹ごしらえがすんだら、山頂を目指そう。お昼を食べてしまうとうっかり「さあ下山しよう」ムードが出てしまう、あぶない気をつけよう。さっき看板にいわれたとおりである。
展望台からは一瞬あせるような急降下。妻がいやがっているが、単純に危ないということよりもあとでこれを登り返すのがけっこうイヤな感じ。
しばらくぼんやりと進んでいくが、最後の最後に短いながらもド急登があった。なんやかんや体力を削ってくるルートである。なんとか登り切って、富士見山山頂に到着。
山深い森の中の、とてもとても静かな山頂。もしかしたら天気がよければ富士山のひとつふたつ見えるのかもしれないが、今日はしっとりとした霧の中の涼しさを楽しもう。コーヒーをいれてゆっくり飲む。雲のきれはしが通り過ぎていく。なんともゆるやかな時間。
さて帰ろう。何度も登り返しを繰り返して御殿山まで行くのがなんともしんどいけれどしかたない。正直ここからそのまま下山したい。息子がいうとおり橋をかけてほしい。
頂上直下の急降下を過ぎて少し登り返し、少しくだって見晴台直下のド急登を登る。往路で「あとで大変そうだ」と思っていたところだ。ここは短いけれども帰り道にあるとちょっとつらい。見晴台では何も見晴らせないのでそのまま通過。
平須口分岐のベンチのところに先についていた妻と息子が「早く!早く!」と叫んでいる。何事かと思って急いで行ってみると、富士山の頭がちょっと出ていた。携帯のカメラを構えた瞬間に消えてしまった。だから早くって言ったのに、と言われたけどこれはもうしょうがないよね?
「念力」さんにお邪魔してから堂平分岐を通過、このあたりはのんびり下りなので気持ちがいい。しかし下りきったところで往路のときに軽くルートを見失ったポイントに来た。
壊れた道しるべやピンクテープがちょいちょいあって薄い踏み跡も見える。が、やっぱりちょっとたよりない。テープも変なところにある。ルートが何度も変わっているのだろうか、今回我々が登ったところも現行のものかどうかはっきりしなかった。
このまま登り続けて、往路のときにショートカットしようとしてまるでならなかったポイントへ。帰りはそのまま行こう。ひどく登り返すのかと思ったけれど、大したことはなかった。ふつうに歩いていいところだったね。
そこから下り、そして御殿山への登り返し。ただ、これが思ったよりキツくない。のんびりゆるゆる歩いていくとさほどかからずに御殿山山頂に到着した。
あとはもう、のんびりとくだるだけ。息子さんはさきほど見た「ふとったホタル」をまた見ることに情熱を傾けて進んでいる。そして無事遭遇。あとで調べたところ、それは「クロボシヒラタシデムシ」だそうだ。何を食べていたのかはひみつだよ。
そうしてのんびりと、登山口に戻ってきた。おつかれさまでした! 行きには気づかなかったけれど、ここに「フロントトレイル」標柱の1番目があった。
さて、早川町新倉と十谷峠のあいだに茂倉という集落がある。細い林道をかなり走ったところにいきなり住宅の密集した集落が登場するので驚かされた。もともと小規模な集落だったところに石膏や銅の鉱山ができたことで人口がどっと増えたらしい。
まさしく天空の集落だが、それらの住宅はほとんどが空き家のようだった。どことなく軍艦島を思わせるものがあった。
このあと、新倉のフォッサ・マグナを見学してから旧早川北中学校の校舎を再利用した温泉施設「ヘルシー美里」へ。建物も陸封された古代の水による温泉も素晴らしかった。この日は時間があわなかったが、ここはごはんもおいしいらしい。ここはぜひともまた来たい。
あとは夕食だが、どうも早川町には少し遅い時間にやっているような料理店があまり存在しないようだ。草塩温泉併設のお寿司屋さんがとてもよいという評判だが、ちょっとお寿司の気分ではなかった。早川町を出て、南アルプス市の「ふたば食堂」へ。地元野菜をどんどん使ってくる感じがとてもよかった。
山百の富士見山に登ることができたことに加えて、少し前まで陸の孤島だった早川町の底知れない面白さをも垣間見たなんともバラエティ豊かな1日だった。でも次回はもうちょっと晴れた日にこの富士見山に、富士川のほうから登りたい。
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