南ア・北沢峠から両俣小屋─三峰岳─間ノ岳


- GPS
- 17:58
- 距離
- 40.9km
- 登り
- 3,032m
- 下り
- 2,952m
コースタイム
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:53
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 9:03
天候 | (1日目)晴れのち曇り (2日目)晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
仙流荘の駐車場にクルマを置いた。駐車場料金は\1,000で、帰りのバス降車時に支払い。 仙流荘6:05発のバスを目掛けて仙流荘を目指し、5時半に到着したけど、すでにバス待ちの長蛇の列が出来ており、バスに乗れたのは7時を過ぎた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
北沢橋から両俣小屋までの林道は荒れており、時間がかかる。 |
その他周辺情報 | 権兵衛トンネルと鳥居峠を抜けた先にあるトランスジャパンアルプスレースの聖地(苦笑)『スーパーマーケットまると』でカットすいかを購入(苦笑)。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
スパッツ
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感想
南アルプスの日本百名山に選ばれた10座については1994年までに全部踏破し、現在2順目以降に入ってる。昨年、29年ぶり光岳に登頂し(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4831508.html)、最も御無沙汰になっているのは、間ノ岳になっていた。2002年に広河原から聖岳まで縦走した時(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2565483.html)以来だから21年ぶり。この時に北岳にも登ってるけど、北岳は2年後に弟子(現・妻)と登ってるし(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2455436.html)、鳳凰も同じ年に(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2459763.html)、仙丈は2006年に(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2605279.html)、甲斐駒は2011年に(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1468815.html)弟子と登ってるので、間ノ岳が一番ブランクが空いてる。このブランクを埋めに、21年ぶりに間ノ岳に向かった。間ノ岳だけを目標とした登山なので、北岳には寄らない(笑)。弟子と北岳に登った時は、両俣小屋から野呂川越─三峰岳を経て間ノ岳─北岳を目指す計画だったけど、悪天候のため左股から中白根沢ノ頭経由に変更し、弟子の不興を買った(苦笑…今の目でみると「悪天候のため左股から中白根沢ノ頭経由に変更」という記述が凄くシュールに映るが…)。今回はあの時歩けなかった両俣小屋から野呂川越─三峰岳経由で間ノ岳だけを往復するプランを立てた。まあ、広河原から北岳経由で往復だと2002年の縦走と変わり映えがしないことと、富山から芦安までクルマで移動するのがツラいので回避したんだけど…(苦笑)。今季無人小屋扱いが決まってる農鳥小屋でテント泊の予定で、あわよくば農鳥ピストンも…という欲張りな計画を立てたけど、ここ最近『ヤマレコ』で0.8掛けの計画ばかり立ててたため、フル装備持った場合は1.0になることを前日に思い出し、伊那市営バスは8時の便に乗りゃいいか…という甘い考えを払拭。始発の6時の便に間に合わせるように『キャラメルハウス』(自宅)を出発。仙流荘には5時半に到着するも、凄いバス待ちの列! この時期にこんなに混雑するのは想定外だったけど、水害で南アルプス市営バスが運休なのが影響してるんだろう。保有するバス車両が全部出払って北沢峠まで行って戻ってきた3便目くらい(全部で9〜10便目?)にようやく乗車。北沢峠には8時前の到着となり、この時点で1時間遅れ…。
まずは、峠から北沢橋まで林道の下り。南アルプス市営バスが健在なら北沢橋までバスで下りれるのに…と思うけど、仕方がない。峠から少し下ると、仙丈ヶ岳二合目登山口と仙水峠入口があり、市営バスの待機場がある。ここにバスの待機場があるということが、帰りに重要な意味があった(苦笑)。さらに進むと、北沢峠にあんなにバスで大勢の登山客が来たというのに、みんないったいどこに行ったんだ?…と思うほど人影をみなくなる(苦笑)。『ヤマレコ』のライヴァル(苦笑)の地図では北沢峠から北沢橋までの区間も通行禁止であるかのような記載がなされてるけど、通行禁止はあくまで北沢橋から広河原方面。北沢橋までは普通に歩けた。北沢橋から両俣小屋への林道に入る。入口でいきなり土砂崩れで車両侵入不能。そのため、北沢橋詰には両俣小屋関係者の車両が駐車されてる。この林道、土砂崩れ、倒木、落石、路面欠損…と、あらゆる土砂災害の見本市のようなありさま…。歩行不能な箇所は無いけど、今度また大雨があったらどうなる?…という危機感を覚えた。両俣小屋までの最大の難所は小仙丈沢の横断で、現在の水量だと靴濡れを厭わなければ問題無いけど、それが嫌なら靴を脱ぐしかない。靴を脱ぐのが面倒だったのでどこか飛び石で渡れるところが無いか、上流側で探す。なかなか渡渉適地はみつからなかったけど、堰堤の直下でくぐれそうだったので、傘さしてくぐった。仙流荘でバス待ちの間『てんきとくらす』をみてたら翌日の午前に小雨がありそうだというので、クルマに傘を取りに戻ってたんだけど、さっそく出番があった(笑)。にしても、小仙丈沢渡るのに9分もかかったよ。最初から靴脱いだほうがよかった?
小仙丈沢を渡った先もひたすら荒れた林道を往く。小仙丈沢同様に渉るのに苦労する箇所があるかも…と恐れてたけど、大仙丈沢と奥仙丈沢には木橋があり、荒倉沢は簡単に渉れた。それにしてもこの荒れた林道、大仙丈沢と奥仙丈沢の木橋が落ちたら両俣小屋までのルートはどうなるんだろう。奥仙丈沢はともかく、現状の大仙丈沢は落橋したら渉れないんじゃあ…(汗)。やがて両俣小屋の放置されたクルマがみえて来た。前にも後ろにも進めなくなり、行き場を失った車両だけど、その先に従来の林道の分岐があり、道は川床に下りていく。そしたら…。従来の道は水害で持っていかれ、野呂川の左岸をへつるように細いトレースが付けられてる。これを目にした時、北アルプスの大東新道のD沢を思い出してしまった(苦笑)。たまに水害から逃れた区間も現れるから、新旧の落差がハッキリ分かる。11:23に両俣小屋に到着。19年前に弟子と来た時は奥に広々とキャンプ指定地が広がってたけど、水害のためか奥行きが無いコンパクトな立地になってしまった…(汗)。
休憩してると、管理人の星さんから声をかけられる。どこまで行くか訊かれたので、「農鳥です」と答えたら、「農鳥は遠いよ〜。それに、誰も居ないって聞いてるよ」と、熊ノ平行きを勧められる。「誰も居ないところよりも、誰かが居るところが安心でしょ」と。この時点では農鳥まで行く気で居たので、「農鳥まで水場が無いから水を汲んでって」と勧められるがままに水を汲み、2 Lの水を追加。これで荷物が2 kg重くなった(苦笑)。野呂川越までは意外に簡単に登れたけど、その先に入ると重くなった荷物に苦しめられた。フル装備の荷物を背負うのは昨年の栂海新道でのボッカ訓練(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4437468.html)以来で、フル装備の重さをよく分かっていなかった(苦笑)。あわよくば2時間で三峰岳…という考えは甘く、その2時間くらいでようやく森林限界を抜けて岩稜を往くようになる。・2,699 mピークに行き着く手前で、両俣小屋を出てから初めてソロの登山者とすれ違った。それだけ人影がまばら。15:26にようやく間ノ岳分岐に出て、ひと登りで15:29に三峰岳頂上に到着。高い山はガスでみえなくなって来ており、ずっと旅のお供だった仙丈にも雲がかかり始めてる。長居は無用とばかりに、三国平へ下り始める。
予定どおり農鳥小屋まで行ったら、17時を廻るのが確定的。いくら無人とはいえ、その時間に農鳥小屋に行ったら叱責されてしまう(誰に?…苦笑)との思いがあり、また、久しぶりにフル装備を背負った登山で体力的にギヴアップに近かったうえ、両俣小屋でのアドヴァイス「人が居るところのほうが安心でしょ」がジンワリと効いてきて、熊ノ平に向かうことを決断。熊ノ平小屋には16:36に到着。当然管理人が居るものと思ってたけど、営業期間外のため小屋の入口も窓も閉鎖されてる。しかし、こんな状態でも登山者が数名居て、全くの無人では無かった。この日は1994年から29年ぶりに熊ノ平小屋でテント泊。熊ノ平は水が豊富だから、最初から熊ノ平で泊まると分かってたら、両俣小屋での2 Lの給水はしなかった。無駄に重い荷物を背負ってきたことになってしまった…(泣)。せっかく水を背負ってきたので、自分の努力を無にしまい!…と、意地でも熊ノ平の水場は利用せず、背負って来た水でひと晩過ごした(苦笑)。ちなみに、今回のテントは、モンベルの『クロノスドーム2型 シトロンイエロー 1122371 [2人用]』。2014年に消費税が8%に上がる前に駆け込み購入したけど、その後は殆どテント泊をしなくなったため、ザックで背負って山のなかで宿泊に使うのは、2018年8月の立山(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1551986.html)以来5年ぶり!
翌日は4:05にヘッドライトを点けながらテン場を出発。2 Lの水が無くなっただけで身軽に感じられるから不思議なモノ(苦笑)。一発で三峰岳に戻るのは無理で、三国平で一旦休憩。朝焼けで赤く映えた塩見岳が美しい。登るにつれ農鳥の左側に富士山が姿をみせるようになる。5:29に三峰岳頂上に到着。ここは素通りし、間ノ岳分岐に降りようとしたところ、標識の手前で道を踏み外し、コケた…(汗)。メガネが吹っ飛び、ウエストバックの外ポケットに穴が空いた…(汗)。いくらメガネを探すためハイマツの上を這いずり廻ったけどメガネはみつからない。去年北アルプスの船窪岳からの下りでコケてメガネが飛んだ時(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4617129.html)の反省を踏まえ、スペアのメガネを常備してるので、スペアのメガネでこの先、行動。分岐に荷物をデポし、空身で間ノ岳へ向かう。6:13に、21年ぶりの間ノ岳頂上に到着。両俣小屋を出てから登山者の姿は4人しかみてないけど、間ノ岳の頂上だけで40人くらい登山者をみた(苦笑)。北岳方面から次から次からやって来る。間ノ岳頂上からの景色は絶景で、仙丈の左手に連なる北アルプス、その左の乗鞍。中央アルプスの向こうにアタマだけ覗かせる御嶽。正面に塩見岳、その左奥に荒川・悪沢、そのさらに奥に赤石、笊ヶ岳とその向こうの安倍奥。富士山、そして北岳、甲斐駒。長居してても飽きない景色だけど、風が強く寒くて10分しか居られなかった(苦笑)。
三峰岳に戻る道に入った途端、ひと気が無くなる。分岐に戻ってからもメガネを探してみたけどみつからず、諦めて下山にかかる。緊張を強いられる岩稜を抜け、樹林帯に入ったところで気分がラクになった。下りはやはり早く、8:56に野呂川越に戻り、9:34に両俣小屋に下りた。星さんに昨日のアドヴァイスのお蔭で熊ノ平に行き先を変更したと一言お礼を言おうかと思ってたけど、あいにく姿はみえなかった。
両俣小屋まで無事下れたことですっかり生還した気分で居たけど、帰りの北沢橋までの歩きも長い。さらに北沢峠までは車道の上り。『キャラメルハウス』の夕食時間までには帰宅したかったので、13:10のバスに間に合わせたかった。両俣小屋9:44発なら間に合うつもりで居たけど、障害物だらけの林道歩きは思いの外、時間がかかる。しかも、時間的に太陽の角度が林道にモロ当たりで、暑い! 難所の小仙丈沢は堰堤まで迂回すると時間がかかったため、靴脱ぎ渡渉で挑んだけど、濡れた足拭きの時間などもあり、そんなには時短につながらない…。12:08に北沢橋に到着。
北沢橋で休憩して12:18に出発。バスの時刻は13:10で、上りに1時間かかるとしたら絶望を感じる時間。しかし、日光丸当たりの暑さのなか諦めずに歩いたところ、13:08に仙丈ヶ岳二合目登山口に到着し、向かいのバスの待機場にバスが1台居て、じゃんじゃん登山者を乗せてるじゃないか! 運転手さんの好意で私もバスの乗客となった後、ソロソロと北沢峠に向かってバスは移動。定期の戸台口ゆきのバスで、登山者の多くは先に走らせた臨時便で下って行ったばかりとのこと。北沢峠で15人ほど登山者が乗り、予定どおり14時前に仙流荘に到着。大きな遅れも無く、18時半前に『キャラメルハウス』に戻れた。
ここ最近、フル装備の山歩きをしていないにもかかわらず、軽装備でヤマレコMAPのコースタイム×0.8で歩いてイイ気になり過ぎてたしっぺ返しを喰らったかのような「お仕置き登山」で、体力的にキツかった。あと、メガネが吹っ飛ぶミスをやらかし、この点でも大いに反省が残る苦い山行となった。
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