厳冬期の富士山登頂:(いつかは挑戦してみたかった厳冬期の富士山登山達成)
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- GPS
- 15:30
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 2,450m
- 下り
- 2,447m
コースタイム
- 山行
- 13:30
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 15:31
天候 | 晴れ(富士山頂上の天気予報から:気温約ー20℃/風速約22m/s) |
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過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・富士スバルライン:積雪無し(夕方温度-5℃) ・頂上ー20℃(正午頃)くらいだった。 ・頂上はかなり強い突風あり。(気象予報では25m/sくらい) ・新五合目から新五合目五勺は地面剥き出しの路面もあるが雪面は氷状態の凍結(この当たりからアイゼン装着) ・新五合目五勺から六合目小屋までは、カチカチに凍結してアイゼンがガッチリと入らない雪面もあれば、サクサクしてアイゼンが効きやすい雪面もあり。 ・六合目から八合目は、斜面一面、凍ってはいるが、5cm位氷の固まりが寄せ集まって固まっている感じなので(一枚岩のスケートリンクの様な塊では無く)アイゼン、ピッケルは効きやすかった。 ・八合目あたりから、雪が積もって堅めになっている感じでアイゼン、ピッケルはしっかりと効いた。 ・今回は、全体的には、新五合目から六合目までが一番スリップに気を使う感じで他はアイゼン、ピッケルは効き具合は安心感があった。但し、滑落しピッケル制動できなかったら、数百mの滑落するという恐怖、緊張感で精神的に疲れる。 ・突風も時折吹いて体を持っていかれそうになり幾度かバランスを崩しそうになった。もしバランス崩したら滑落する可能性があるので常に気を抜かない様に。 |
予約できる山小屋 |
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ファイル |
27日の富士山の天気予報
(更新時刻:2015/01/03 18:26) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ネックウォーマー
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ヘルメット
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感想
厳冬期の富士山をいつか登ってみたいと以前から思っていたが、積雪時の富士山登山は2004年5月1日に経験があり頂上にテントを張り頂上で一人満喫した事はあったが、厳冬期の富士山はリスクが高そうなのでこれまで厳冬期の富士山登山は避けてきた。挑戦するにあたり事前に厳冬期の富士山登山についてネット上の情報で色々と調べたが他の冬山とは違う難しさ、リスクがあることが多く記載してあり、来月は子供の結婚が予定されており、また家族も相当に心配しており、雪面、風等の状況では勇気ある撤退をする安全最優先で決行することにした。アイゼンとピッケルの歯はヤスリで鋭角に研いでおいた。
富士山の天気予報(気温、風力、登山指数等)は下記のURLが大変参考になりました。”http://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=19150004&type=15&ba=kk”
太郎坊洞門に駐車できるスペースがあり前日に移動し車中泊。他に6名ほどの方もいた。深夜2時に出発。大石茶屋付近から積雪があり。このあたりから旧五合目あたりまでは雪が融雪して再び凍っているので、場所に寄っては完全な氷となっており、表面は堅くアイゼン、ピッケルは刺さりにくい感じだったので、五合目あたりでこのような状態なら八合目、九合目はもっとがガチガチの氷一面の状態かもしれないと思い、今日は頂上は諦めざるを得ないかなと思いながら暗闇の中をヘッドライトで照らしながら登る。下山時に思ったが、五合目から六合目まで4時間半も費やす長い道のりは、先が全く見えない暗闇の中、いつの間にか六合目に着いた感じだったので、遙かに遠い頂上方面が見えなくて良かったと思った。六合目で夜明けとなり、相模湾の方向から太陽が上がってきて、富士山の斜面を照らし出したが、六合目から、七合目の”日の出館”が望め、凍り付いた斜面がはっきりと見えるようになり、緊張感が漂う。スノーシューも持ってきたが必要が無く、六合目の小屋のそばで下ろす。慎重になるべく氷の状態になっていないような場所を探しながら登る。想像したよりは、アイゼン、ピッケルの刺さり具合は良く、慎重に登る。一面がガチガチになっているところを通らざるを得ない場所は、流石に緊張が走る。七合目に行く途中で足の痙攣が出始める。2週間前に風邪を引き、運動は何もしておらず、まだ若干咳が出る状態であったので、運動不足が原因だと思い、無理であれば何とか七合目まで登って撤退するつもりで頑張る。七合目まで登って、風力もさほど強くなく、雪面へのアイゼンの食い込みも良く、これなら今日の富士山のコンディションはリスクが低いと判断。このあたりで1名の方が途中下山されたが、この調子なら八合目まで登ろうと決断。八合目まで登り切ると、頂上まであと1時間チョイという思いになり、雪面の具合もいいので頂上まで登ると決断した。時々、突風が吹き体がフワッと浮きバランスを崩しそうになることが数度あったので、突風が来ると感じた時は、じっと風が過ぎるまで体制を整えながら登り、突風だけは一番用心した。八合目から頂上の雪面の状態は一面氷の様に凍っている部分は少なく、雪が積もっており、この雪が堅くなっている感じで、アイゼン、ピッケルの食い込み具合はここが一番良かった様に思う。但しこのルートの上には岩に凍り付いた氷や、むき出した岩が、雪の斜面を落下してきそうな場所なので時々、上を注意しながら登る。途中20cmくらいの氷の塊が、すぐそばを勢いよく落下して来た。
六合目から頂上までは6時間弱かかったが、遂に厳冬期の富士山踏破を実現することが出来、最高の達成感である。剣が峰は2004年5月1日の積雪時に登っていることもあり、また御鉢の稜線の突風は強烈なので、剣が峰に行かなくても、御殿場口頂上まで登ったことで満足感、達成感120%だった。下山時の滑落事故も多いので、慎重に下山。雪面の状態が良かったので直線に降りることができた。尻セードの誘惑もあったが、流石に富士山の斜面で尻セードする気分にはなれなかった。朝から15時間も歩き、薄暗くなってしまった。駐車場までの道のりはきつく遠かったが、無事に下山。他の冬山とは違う達成感を味わえる山行であった。
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