下北半島 大湊→恐山三山(釜臥山、大尽山、朝比奈岳)縦走→奥薬研温泉


- GPS
- 32:40
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 1,840m
- 下り
- 1,749m
コースタイム
二日目:大尽山頂イグルー6:00→円山9:00-30→朝比奈岳10:50-11:20→湯ノ股川林道(Co160二股)13:50→奥薬研温泉15:30(スキー),16:20(スノシュー)
(帰りの交通)
奥薬研→大畑はタクシー20分(大畑タクシー0175-34-3341) 2800円
《バス》大畑17:10→17:50下北 540円
《汽車》下北18:15−19:12野辺地19:35−20:12青森 1890円
天候 | 一日目:くもり 二日目:くもりのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪は全行程たっぷり有り 釜臥直下と大尽の急斜面は堅くて緊張する。 |
写真
感想
たがじょの健脚婦人二名と、憧れの恐山縦走を決行。
陸奥湾沿いに北上する鉄路は、先頭の窓から釜臥の接近を見られる。大湊の商店街を歩いて、ずばっと伸びている西尾根末端の林道へ。終点はTV塔なので、電線を目印に登っていく。みるみる田名部と大湊の町が俯瞰できるようになる。眺めの良い山だ。それに巨大砂州の海軍基地も。尖った尻屋崎と太平洋も見えてきた。陸奥湾は波もなく鏡のようだ。樹林が無くなり白くなって傾斜を増すと、山スキーでは緊張する堅さになり、直下の標高差100mほどスキーを担ぐ。ツボ足で潜らない。御二人のMSRスノシュウも刃が効いて快調らしい。
釜臥山頂の新レーダーはでかい。60~70mの二十階建てビルくらいはあるんじゃないだろうか。間違いなく県内最高の高層建築だ。先代の球状レーダーがかわいらしく見える。山頂からスキー滑降。北国山と障子山のコルまでは完璧除雪の空軍レーダー施設道路をスキー担いで登る。コルからは、主稜線への緩いブナの谷を斜めに滑降。雪質は先週からの暖気でイマイチだが、そこは贅沢言わず、大斜面滑降を楽しむ。ここは、フワフワ雪なら叫び声が出るような好ルート。コンタ600の東西に細長い尾根に乗るとここは極太ヒバの気持ちよいところ。ここから大尽までの稜線は昔の山はさにあらんという感じの太いブナとヒバの混交林。昔の下北の典型の森という。
大尽の登りは急だ。山頂下の標高差100mは、たまたまシールが効く雪だから行けたが、少し堅ければスキーではちょっと躊躇する。スノシュウでも足場を固めて登るという感じ。山頂で時間切れ。ガスっていたし、此処で止まれば晴れが見えるだろうと、山頂の東向きにイグルー建設。そのうち絶景が広がる。この山、山頂が狭くて眺望がよく、いい山だ。釜臥の灯り、大畑の灯り、湖畔にも灯り一つ。空には星。
イグルーは快適で、ぐっすり眠った。朝は氷点下十度くらい。計画では宇曾利山湖畔に降り、お寺にお参りだったが、これまでの速度から計画を組み直し、分水嶺稜線を北上し、朝比奈まで行くことに変更した。こっちの計画も、結構筋が通っているよ。
山頂でシールをとっぱずして、ワックスかけたてのスキーでブナの疎林の斜面をばんばん滑り進んで快適。スキーの寵児日和だ。堅い雪面をシャリシャリと進む。計画変更により円山にも登頂した。リンゴ畑のようなブナ林の広い山頂で、窪地もある。ここからは朝比奈が白く見える。梢が白く凍り付いたブナ林の中を進むと朝比奈岳。此処も見晴らしが良い山。釜臥からの長い稜線をすべて見渡せる。それに北海道の恵山、横津岳から台場山にかけての亀田半島の山、函館山が見えた。津軽半島と大千軒はかすんでいた。夏泊半島を真北から見るアングルは新鮮。
朝比奈から北への下りはコンタ500までは最高のブナ林滑走斜面。雪質は最良ではなかったがそれを引いても余りある幸せ。その終わりあたりで、スノーモービル11台とすれ違う。この下、細い尾根に載るところから先は地図読みが難しい。奥ヤゲン温泉に降りたいので湯ノ股川林道へのルートをとる。・463の尾根からクネクネとやっかいな細い尾根を辿ってコンタ160二股に、という目論見だったが、途中コンタ300あたりで、尾根上でブル道に導かれてしまい、その道がすぐちょん切れて、急斜面を沢に降りるはめになった。滝を巻いて降り渡渉して対岸の廃道林道に登り返すと、それが160二股につながる左股小沢だった。だいたいあっていたが、地図をにらんで樹林帯を下るここが、僕にはこの山行の核心だった。下降路末端は全体にスキーでも回転できなくもないヤブ密度。ただし最下部は急になっているところが多く、林道ののり面の崖を巧妙に避けなければならない。結局、降りた急斜面は最後までスキーを脱がずに済み、悪くないルートだった。
林道は風呂を目指して一直線。ワックスかけたスキーで馬車のように軽やかに棒立ち滑走で行ける区間もあったが、半分以上はクロカン歩き。スノシュウ組とは一時間の差が出た。この一時間で独りだけ河原に面したかっぱの湯に浸る。昔かっぱが教えてくれた温泉らしい。かっぱのような小学生が広い湯船で楽しそうに潜ったり泳いだりしている。かっぱ君、良い温泉を教えてくれてありがとう。
風呂の対岸の林道を二人が降りてきた。日曜日の最終バスに間に合う間際の時間だ。お気の毒様、お湯には入れなかった。公衆電話で読んでおいたタクシーに乗って大畑へ。昔はここまで鉄道があった。大畑から下北駅への路線バスから、太平洋が見えたり釜臥から朝比奈にかけての山々が見えたり。駅に着くともう釜臥は群青色になって、闇にうっすら浮かんでいた。
下北駅でも、野辺地駅でも駅前片道10分の往復範囲に缶ビールを売っていなかった。近頃、そんなもんですかね!青森駅のキオスクで買って、うちに帰ってやっと乾杯する。
長年の構想だった計画、下北半島の半分をつなげた。もう一日追加できればかっぱ湯の横にイグルー作って、翌日燧ヶ岳も越えて、下風呂温泉に降りれば、見事太平洋へ滑降できるけれど・・・などと地図をツマミに飲む。
一月ぶりの登山に、うきうき気分で参加。電車使うので、大人の遠足です。
雪道でスノーシューをつける。(本格的な登りがあるということで、急遽新調、MSRとアトラスで大分悩みましたが、MSRの縁のギザギザに期待して購入)
アンテナ山までは、電線を見印。標高がどんどんあがり、むつ市や芦崎湾がきれいに見えてくる。しかしこのあたりですでに疲労を感じる。毎回エンジンがかかるまできついが、今回はエンジンがかからない。釜臥山の固い雪面のころには疲労困憊。でも、スノーシューの効き目は素晴らしい、特に直登が気持ちいい。(直登と書いて「おとこ」と読むby冒険ボーダーJP)直登するときはいつも思い出す。女だって直登するんだよ。そんなこと考えているうちに頂上。
釜臥山頂上には巨大巨大なレーダー。軽く昼食、くねくね道路をまっすぐにおりて、分岐へ、この道路歩いて帰れば一人でも戻れるかなと弱気が、気持ちがなえると体も反応し、腿がつって痛い、このままきつい登山が続けられるかどうかわからない。ギブアップを申し出。すると休憩になり、「つった足をだましながら登山するのも訓練だ。」みたいな話をされ、それもそうだよね。と考えながら、ゆっくりペースですすむ。すっかり遅くなり、とうとう大尽山の頂上に泊まることになってしまった。ごめんなさい。
ついてすぐイグルー作り。早くしないと暗くなる。米山さんが、あっという間に1段目を作っている。雪がしまって、重くて切り出せず、大きさを小さくしながら数個取り出す頃には、上部は完成。入口をほる場所は、断崖。腰が引けるが、雪をかき出すには好都合。
完成したイグルーは4人用テントぐらいの広さで、直立できる。テントマットを2枚重ね。エアマットを座布団にすると、下からの冷たさは感じず。眠るまでは、入口をツエルトでカーテン。各自の食料はいろいろで分けてもらいながら楽しい夕食。星空をながめ、入口を雪のブロックでしめて、8時すぎ就寝。
エアーマット・ザック・寝袋・寝袋カバー・テントシューズ・うすいダウン・アウター上下・首にはタオル・ネックウォーマー・帽子。手袋ほかの荷物は登山靴も総てゴミ袋に。
朝4時起床。寝袋から出るのはちょっと寒そうだったけど、意外に温かく、素手で作業できる。凍っているものなし。食事をしてザックに物をつめて、登山靴も履いてから、入口のブロックを蹴りだす。ブロックはがけの下におとす。外にでて、360度の景色をながめて、本当にせまい頂上。よく泊まったものだと感心。
2日目は、円山を越えて、朝比奈岳に行く。冷え込んで、沈み込みがないので快適に進む。円山の上部は、雪花というのか、まるで、ブナ桜の花見をしているよう、雪面も散ったはなびらのように、キラキラがたくさん落ちている。景色も最高。楽しい楽しい。みんなに見せてあげたい素晴らしい景色。朝比奈岳への最後の登りは先頭で、走り出すうさぎを見た。朝比奈岳で昼食休憩。食べても食べてもお腹がすいて、バクバクと食べる。
さああとは下りだけと気を緩める。スノーモービルが脇を走り抜ける。興ざめ。この山の中に自分達3人だけだと思っていた。残念。
林道までの尾根探しに二人は地図を見ながら進む。疲れたところで、右側にブル道を見つけそちらに、すぐ道はとぎれ、なんと滝があるという、落ちたら大変と、足もすくみ、トラバースに嫌気もさして、スノーシューをはずす。固いと思っていた雪面も、高度がさがり、お昼もすぎると、ずぶずぶだ。沢の縁までは、ほとんど尻すべり、沢をわたってからは、スノーシューをピッケルのようにつきさして、よつんばいで林道にはいあがる。
林道に座り込んで、登山靴にはいった雪をはらって、滝の写真をとって、出発。もう頭は奥薬研温泉。しかし、米山さんと別れてからが長かった。何箇所も崩れているし、タクシーの4時30分まで間に合わせるがやっとの状態に。足は大丈夫だけど、肩が痛い。スノーモービル迎えに来てくれないかな。と思ったり、泊まるとしたら、総ヒバ風呂の古畑旅館だな(いつもCM見てたので)なんて考えたり、citrusさんと二人で歩いているのだけど、省力化のため会話少ない。
やっと林道の終点というか始点には、カッパの湯の露天風呂が、そしてゴキゲンな米山さんが入浴中。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
yoneyamaさん、こんばんは
天気も良かったみたいで、なによりでした!大尽山頂でイグルー泊ですか?山頂、凄く狭かった気がしましたが・・・お疲れさまでした
利尻で幅2mのナイフリッジの上に3人用を作ったこともありますよ。泊まりたいところで泊まれるのがイグルーのいいところです。大尽の山頂は狭くて、居心地の良いピークですね。
三途の河原イグルー泊、まぼろしと消えました。
なんとすばらしい山行何でしょう。
さぞ、同行の二人も感動されたことと思います。
さすが、米山、ヨネヤマさんですね。乾杯。
本州の先端、基地の町、
色々と物々しい施設があるのですね。
yoneyamaさんに付いて行けるとは相当な
健脚の女性陣なんでしょうね!
機関車みたいな姐さん達です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する