不帰ノ嶮(+白馬三山縦走)
- GPS
- 18:02
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 2,869m
- 下り
- 2,256m
コースタイム
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 10:00
- 山行
- 5:54
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 7:49
天候 | 1日目:晴れ→ガス/雨 2日目:晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
猿倉荘駐車場に駐車。 AM2:30時点で空き6割くらい。 【帰り】 八方バスターミナルから猿倉荘までバス。 950円/人。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【猿倉荘〜白馬尻小屋】 斜度の緩い林道歩き。特筆すべき危険箇所は無い。 【白馬尻小屋〜白馬大雪渓】 時期によって長さが変わる。雪渓を歩けない箇所は、左岸を歩いていく。 左岸は崩れやすく、ザレているのでスリップ注意。 【白馬大雪渓】 今回は200m程度の長さ。斜度が緩く、一見滑り止め無しで歩けそうに見えるが、クラストした雪は滑りやすい。一度スリップすれば雪渓下部まで一直線なので要注意。 【白馬大雪渓〜白馬山荘】 目立った危険箇所は無いが、ひたすらに登り。意外と体力を使うのでペース管理をしっかりと。 小屋手前のカール底部のような所は楽園。 【白馬山荘〜天狗山荘】 白馬三山縦走路。長野側は切れ落ちており、登山道は長野側に着いているので、滑落注意。道としては歩きやすく、ザレてはいるが危険箇所は無い。 【天狗山荘〜唐松岳頂上山荘】 不帰キレット。 先ずは天狗の頭までは単調な登り。特に危険箇所無し。 天狗の頭〜最低コルまで(天狗の大下り)は、鎖場、ザレ場とスラブで構成された難所。上部のスラブに鎖場がある。高度感が強く、恐怖に呑まれないようにしたい。 最低コル〜一峰と二峰間のコルは、特に危険箇所は無し。よくある岩稜なので転倒に気をつけて歩くこと。 コル〜二峰北峰が、このキレットの核心。殆ど垂直に近い岩場を登っていく。鎖と目印はあるので、周囲をきちんと確認すること。ホールドとスタンスはあるので、しっかりと体勢を整えて安定して通過すること。上部からの落石に注意。 以降の唐松岳頂上山荘まで(二峰南峰〜)は特に危険箇所は無し。 【頂上山荘〜下山口】 特に危険箇所は無し。 |
その他周辺情報 | みみずくの湯 |
写真
感想
日本三大キレットの一つ、不帰キレットを歩いてきた。テントを購入したときから計画だけは作っていたが、不帰キレットを歩けると思える精神と肉体のコンディションを作り上げるのに1年以上掛かった。
1日目朝、少し湿っぽかったが天気は快晴。猿倉荘より歩き始めた。少し歩くと、モルゲンロートの白馬岳が早々に姿を見せてくれた。
よく整備された、けれども山道らしさを残した道を登っていくと、直ぐに白馬尻小屋に出た。大雪渓への入渓を前に息を整える。
白馬尻小屋を出て暫くの間は、大雪渓の端のザレ場を登って行く。もう少し早い時期に来れば、もっと長く大雪渓を歩けたのかもしれないが、もう既に、殆どはザレ場を登る道だった。
いよいよ大雪渓への侵入点に到着。最初はスパイク無しで歩いてみたが、クラストした雪は余りにも滑りやすく、直ぐに戻る。チェーンスパイクを装着して再度侵入する。たった数百メートルの雪渓だが、滑れば下まで真っ逆さまのイメージが容易に浮かぶほど、滑りやすい。そんな危険さと裏腹に、景観は壮大。これぞアルプスという雄大さを感じた。
大雪渓を過ぎて、暫くの間登っていくと、庭園のような、極楽のような場所に出た。ただただ美しかった。時間が止まったかのような場所だった。
そこからは少し登れば白馬岳。山頂は特になんとも、という感じではあったが、白馬山荘がとにかく良かった。きれいな食堂にセンスの良い音楽がかかっていて、嬉しかった。
白馬山荘を出発すると、直ぐにガスに巻かれた。白馬三山を歩いている間は、終始ガスで何も見えなかった。それでも、そのお陰か、杓子岳を降りるときには、目の前に雷鳥が飛んできてくれた。まるで見せつけるように、僕の眼の前を歩いてくれた。
その後もガスはずっと続いて、やっと天狗山荘に到着した。大変でしたねと、ご主人の労いの言葉を受けて、嬉しかった。
その後はテントを立てて、明日が晴れる事を願って、寝た。
2日目、期待通り快晴。雲一つ無い晴天。体調も良好で、キレットに挑むのに最良と思えた。
まだ起ききらない体を温めながら、天狗の大下りへ向かう。
天狗の大下りに取り付いても、寝ぼけた体は動きが悪く、とても怖く感じた。終始、自分が滑落するイメージが頭から離れなかった。それでも恐怖に呑まれれば動けなると知っているから、恐怖に呑まれないようにゆっくりと降っていった。
最低コルに到着すると、眼の前に不帰一峰〜二峰の、急峻な岩稜が見えた。一峰に向かう道は、通常の岩稜帯という印象だったが、二峰は殊更に急峻に見えた。
直ぐに一峰に登頂すると、二峰のコルへの降り。ここは急ではあったが、怖くは無かった。道は比較的良くて、楽に歩けた。
一蜂を降ってコルに到着すると、遂に核心部、二峰北峰の登りが始まった。殆ど垂直ノような岩壁の登りや鎖場所、橋が連続する。登りだったので、そんなに苦労はしなかったが、やはり落ちれば即死は免れない。特に二峰北峰直下の、細い岩稜のトラバースは、少し手が汗ばむような怖さがあった。
二峰北峰へ登ってしまえば、後はもはや難所は無し。三峰はトラバースだし、唐松岳は楽々だった。
唐松岳からは八方尾根の下山で、特筆するようなことはない。強いて言えば、不帰キレットを通過したあとでは、少し物足りないようにも感じていた。
これで感想は終わり。三大キレットの一つを歩けて、大満足だった。自分で歩かなければ感じられない事が沢山あった。良い山行だった。
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