地の果ての天空の散歩道 羅臼岳-硫黄山縦走-チャリ周回日帰り

- GPS
- 12:58
- 距離
- 38.3km
- 登り
- 2,687m
- 下り
- 2,691m
コースタイム
- 山行
- 12:20
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 12:52
| 天候 | 晴天 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自転車
また、前日のうちに自転車をカムイワッカ湯の滝ゲートにデポ。 登山当日は、木下小屋を出発して羅臼岳から硫黄山縦走し、カムイワッカ湯の滝へ下山。自転車で砂利道の知床林道10km、舗装道8kmほどを漕いで木下小屋へ戻って、車を回収した。 砂利道は所々砂利が深く、20インチノーマルタイヤでは横滑りした。そのため、通算1kmほど押し歩きした。 また、岩尾別温泉分岐から木下小屋までは標高を270mほど上げる。 日帰り登山と併せて行うには、なかなかハードだった。 *参考情報1 カムイワッカ湯の滝からは、7/22~8/19の期間限定運行のバスが運行していた。停車バス停は、岩尾別、ウトロバスターミナル、斜里バスターミナル等。 登山当日は既に運行終了。 なお、岩尾別バス停は、岩尾別温泉から4km離れている。 *参考情報2 カムイワッカ湯の滝から岩尾別温泉までタクシーを利用した場合、8000円のゾーン定額料金が適用される。 ウトロにタクシー会社は1つしかないので、事前予約必須。 カムイワッカ湯の滝は携帯電波が不通なので、乗車時刻を確定するには、電波の通じる展望台から電話するのが良いと思う。 ウトロ観光ハイヤー: 0152-24-2121 <木下小屋を宿泊利用しない場合の駐車場> 近くのホテル地の涯の駐車場舗装部分は、宿泊者専用で利用不可。芝生部分(5台分程度)は、宿泊者以外も利用可。 他には、ホテル地の涯より手前の路上と、ホテル地の涯と木下小屋の間のごく狭い路上で、路肩駐車が見られた。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
コース中、百名山の羅臼岳は整備が行き届いている。 それ以外の箇所は、以下の通り歩きにくい。 -三ツ峰岳から南岳にかけて断続的に低潅木の藪が続く。とくに南岳登りが手で押し除けないと歩けないレベルで酷い。 -二つ池露営地から南岳に向かう区間で、豪雪のために潅木の幹が登山道上に横たわるように育っている。何本も足元に横向きに生えていて、障害物競走のように歩きにくい。 -南岳から知円別岳に向かう区間は、草木のない開けた稜線がだだっ広く広がっている箇所がある。ガス時ルート外に迷い込まないよう、一定間隔で杭が打ってある。 -知円別岳はガレており、石車に乗って滑落しないよう注意。また、5mほどの砂利の急斜面があり、足がかりになるものが何もないので、滑る。 -硫黄山直下の下りはザレた急斜面なので、滑落注意。 -硫黄山下りから大岩がゴロゴロする枯れ沢を下るルートに入る。このルートでは、沢の真ん中を歩くが、2箇所で高巻く。最初は、沢の真ん中が落差6mほどの崖になる箇所で、右手に高巻く。枯れ沢右手にひっそりある、ピンクテープが目印。次は、2mほどの段差が登場する箇所で、左手に高巻く。「この段差をどう処理しよう?」と迷ったら、ピンクテープを探すと良い。また、この枯れ沢の中盤以下は、ナメ滝にある滑らかな一枚岩が延々と続き、濡れていると滑る。雨の日は危ない。 そもそも眺望期待のこのロングコース自体、雨の日は頑張って来る所ではない。 <水場> 弥三吉水: じゃんじゃん出ていた。湧水。取水口が水吐き出し口から近くてキツネの接触の余地がないため、浄水不要とされている。羅臼岳登山口から標準コースタイムで2時間くらいの、まだほんの入り口に位置する。 銀冷水: 弱流。雪解け水。要浄水。 岩清水: 未確認 三ツ峰: 未確認 二つ池: 池の水をそのまま取水するらしい。要浄水。 <トイレ> 羅臼岳登山口の50mほど手前の、ホテル地の涯駐車場内に公衆トイレあり 木下小屋(有料: ボットン便所) カムイワッカ湯の滝ゲート(携帯トイレブース) <補給> 木下小屋で、冷えたコーラやジュースを販売(100-150円) <宿泊した木下小屋> 素泊まりのみ(2500円)。要電話予約(0152-24-2824)。相部屋。 寝具、食事提供無し。 火を使った調理は、小屋外のデッキで可能。 露天風呂あり。洗い場無しで、シャンプー等利用不可。有料で外来入浴も可能。 コンセント無し。 docomo 、au電波良好。 小屋前に宿泊者専用駐車場あり(5台程度)。ホテル地の涯の駐車場脇から入る。 |
| その他周辺情報 | <カムイワッカ湯の滝ルートは、事前届出が必要> 以下、自治体のホームページからの抜粋↓ カムイワッカから硫黄山登山口までの区間(約600メートル)は、知床連山の登山ルートの重要拠点である硫黄山登山口への唯一のアクセス道路であることから、落石の危険を理解したうえで「通行止区間の特例使用申請」を行った登山者に限り、徒歩による通行を認めることとします。 なお、この取り扱いは当面の間、取り組みます(実施状況を評価し、毎年見直します)。 ・期間 当年度の6月第1開庁日から同じく10月最終開庁日まで (令和5年度は工事のため6月1日~10月2日までとなります。) ・申請方法 ダウンロード可能な場合「道路特例使用承認申請書(Application for road permission)(Word)」に必要事項を記載して、持参・投函のほか、下記のいずれかの方法(郵送、FAX、電子メール)で事前に提出願います。 https://www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/kk/akk/shiretoko_riyou.html ※ 申請書が提出されたことをもって通行を承認しますので、当方から発出する書類はありません。 メール宛先 abashiridoboku.kanri1@pref.hokkaido.lg.jp <湯の滝には水場、売店は無し> 駐車場と携帯トイレブースのみあります。 麓の町までの補給は、自前で担ぎ上げておきましょう。 |
写真
きれいに整地された水平なキャンプ場で、快適そうです。ただし、水の確保は今の時期大変です。
キャンプ指定地には、フードロッカーが設置されています。食べ物や食べ終わった後のゴミの匂いが熊を誘引するとのことで、テント内に食べ物を持ち込まず、フードロッカーに保管するよう注意書きがありました。
知床は熊の巣窟です。もともと熊がいた場所に人間が訪問するので、熊の生態を踏まえた行動が求められています。
オッカバケ岳はピークが2つあります。その間に斜里町と羅臼町の町境が走っています。
アイヌ語でオッカバケの意味は、鳥が住むところだそうです。鳥は見かけませんでした。
水は澄んでいてきれいでした。
二つ池にはキャンプ指定地があります。
二つ池から来たと言う登山者に、ここまでの間8組出会いました。キャンプ場は昨夜は大盛況だったのでしょう。
雪の重みで横倒しになってしまったそうです。
このような木が密に張り巡らされた道が延々と続くので、木の幹を踏まずに歩く事は大変困難です。さながら運動会の障害物競走です。
背丈以上のハイマツ藪で、手で押し除けないと進めません。
自動洗車機に入り込んだ気分です。藪を抜け出てきた頃にはピカピカ美しく・・・アレ?なってない
はいっ、洗い直しっ!
山は知床岳です。麓までの道が存在しない、最難関の山だそうです。スキーか沢登りで登頂するとか。人間のチャレンジ精神って無限大ですね。
数年前、私も一家で乗船しました。その時、船長の見どころアナウンスで、知床連山は「熊の巣窟であり、水の調達も困難で、登山上級者がガイドを連れて初めて行くことが叶う、難しいコース」と紹介されていました。
その時点では、ヒラの登山者の私が、まさかこのコースにソロでチャレンジしたくなろうとは、夢にも思ってもいませんでした。
狐が立ち止まってこちらを物欲しそうに見ていました。「おねだり狐」でしょうか?
一度でも餌をやると、人に向かって来るようになり、最終的には高速で走り去る車にも飛び込んで轢かれたりすると、ビジターセンターの注意喚起で見かけました。なので目線を合わせないようにしました。
その後、ウトロ道の駅で、閉店作業中のお店にて、ここでしか買えない特売の羅臼昆布を何とか手に入れることができました。何年か前にも購入したのですが、安いのに極上の出汁が出ます。羅臼昆布自体は北海道の最上級品の位置付けで、普段はプレミアム価格が付いています。
ウトロの飲食店は早々に閉まったので、斜里で晩御飯を食べました
その後、女満別空港でやっと生乳100%のソフトクリームに出会えました。忙しい2日間でした。
感想
知床の語源、アイヌ語のシリ・エトクは「地の果て」または「地の先端」と言う意味だそうだ。そんな地の果てには、知床連山と言う、天空の散歩道が広がっていると言う話を、数年前知床岬までの遊覧船内の観光アナウンスで耳にした。
ただし、熊の巣窟であり、水の確保も難しいことから、上級者がガイドを伴ってやっと訪れるような難しいコースとも言っていた。
その頃は、「私には無理無理無理」と即座に却下してそれっきりだった。
ところが、縦走が楽しくなってきた今年になって、「知床連山縦走」と言うキーワードが頭をかすめるようになって来た。
先人たちの山行記録や新聞記事を分析してみると、熊に遭遇した記録は多いものの、熊よけスプレーを使ったと言う(そこまで接近戦となったと言う)記録はなかった。これで俄然やる気になった。
水は、水場が涸れてルート上で調達できないのなら担ぐことになるが、泊まりになると重くなって、弱肩の私にとっては難易度が一気に上がってしまう。
コースタイムと睨めっこし、軽荷なら行けると踏んで日帰りで行くことにした。
熊に遭遇した時の対処方法を予習して、いざと言う時の身のこなしをイメージトレーニングしたりもした。↓
https://www.shiretoko.or.jp/higumanokoto/bear/bear2/
天気に恵まれたおかげで、天空の散歩道の縦走を存分に楽しむことができた。
途中藪っぽかったり、硫黄山を下り終わってからの登山道がやたら長かったり、と言ったちょっとした不自由はあったものの、知床ならではの太古の自然風景を堪能出来て幸せな山行だった。
ところで、知床連山に行ってきま~す、と伝えた時の家族の反応は、数年前の私の反応そのままだった。「え、あそこは無理じゃないの。遊覧船の船長が、一般人には無理って言ってたし。」
不可能を可能にしよう、とか大それた目標を持って行ったのではない。ただ、やりたいことをやり残して後悔しないよう、目の前にある小さな夢を叶える方法を精一杯考えただけだ。それが実現できて嬉しい。
コメント
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晴れが好き。

















大昔、三ツ峰露営場にテン泊し同じコース歩いたことを思い出しながら拝見しました。素晴らしいルートですよね。カムイワッカの湯滝には浸かんなかったのですか。
当時、マイカー規制も無く、カムイワッカから親切な方から岩尾別温泉まで送ってもらいました。それにしても俊足ですね。しかも女性、単独で。ニックネーム通り天晴です
あのルートは本当に知床ならではの、唯一無二の素敵なコースですね!
カムイワッカの滝は、今年から予約制、有料2800円に変わったんですよ。事故が相次いだためとかで。数年前、観光で行った時は、街歩きの恰好の方が大勢いて、下りでツルツル滑ってたのを思い出しました。
ところで、またやんさんが塩見岳に登頂された日に、時間帯は違えど私も同じところを通りました。奇遇ですね。
またどこかでお会いするかな?
カムイワッカの滝は有料というので検索し斜里町観光協会のHPみたら、またビックリ。1997年の湯滝、まさにその年、あの滝に浸かったのですが、川底が埋まってかつての入浴は叶わないのですね。
そうですね。どこかでお会い出来たらよろしくお願いします。フォローさせていただき、これからの山行も楽しませてもらいます。
私は足がチャプチャプ漬けられるぐらいの浅さになってからしか行ったことありませんので、良い頃をご存知で羨ましいです。自然は不変ではないのですね。
またやんさんのお話を聞くにつれ、行きたいところに行けるうちに行っておきたいな、とあらためて思いました。またやんさんも是非良き山旅を!
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