槍ヶ岳・南岳縦走
- GPS
- 23:02
- 距離
- 49.0km
- 登り
- 2,714m
- 下り
- 2,655m
コースタイム
- 山行
- 4:56
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 5:42
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 2:09
- 合計
- 11:56
- 山行
- 4:12
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 4:49
天候 | 8/26晴れ後夜半一時雨 8/27晴れ後曇り時々晴れ一時雨後晴れ 8/28晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地〜横尾、ほぼ平坦、ハイカー多し 横尾〜ババ平、登山路になる、徐々に傾斜も出てくるがまだまだ緩やか。 ババ平〜大曲、沢に沿って緩やかに高度を上げて行く 大曲から先はゴツゴツとした岩をひたすら高度を上げて行く。 鑓ヶ岳山荘から鑓ヶ岳山頂。完全な岩登り、鎖場、梯子あり、落石などもあり得るためヘルメット装着すべきところ。 鑓ヶ岳山荘から南岳、気持ちよい縦走路が続く。中岳近く、梯子なども出てくるが、ゴロゴロとした岩場の上をマークを確認しながら浮き石に注意し進んで行く。 南岳の分岐から天狗原までは大きな岩の急な下りの連続となる。鎖場や梯子などもある。慎重に進む。 |
その他周辺情報 | 山形村 唐沢そば集落 信州手打ちそば そば幸 営業:11:00〜14:00 TEL:0263-98-2075 |
写真
感想
登山再開後3シーズン目にして、いよいよ北アルプスの3000m峰登頂の機会が巡って来た。山岳会の先輩方が企画いただいた山行計画に参加させてもらえることになった。何時も、どこからも目立つあの尖った先っちょに登るというのだ。期待に胸膨らまし、参加させていただいた。早朝4:00頃、地元を出発、沢渡9:00発上高地行きのバスに搭乗、9:30上高地バスターミナルに到着。9:40登山開始。この日のゴールはババ平テント場。スタート地点の上高地は全くの観光地、自分達テント泊装備の大きなザックを背負った登山客はマイナーな存在。なんか、不思議な感じである。暫くはすれ違う客も、ハイカーがメインとなる。車も通れるような整備された林道を進むことになる。天気もよく日差しもあるが、林に囲まれたルートは木陰になっており気持ちよく歩くことが出来る。前半は殆ど高度も上がらないまま続くことになる。
池に映った景色は、はっとするように鮮やかで美しい。明神館にて最初の小休止。あんパンと一緒にと自販機で紅茶花伝のミルクティを購入するも、何故かアンバササワーホワイトを購入することになってしまい、むりくり流し込む。その後も、順調に進み、徳澤園で2回目の小休止。横尾山荘までの道路脇に猿が出現。登山客がすぐそばを通過するが全く動じる様子もない。慣れきっているみたいだ。横尾山荘を過ぎると、やっと車は入れない登山道になり、傾斜も出て来た。ハイカーたちとは会うこともなくなる。昼食休憩、何時ものカップ麺&完全食カレーを食べる。登山再開、傾斜が出てくると、重量の付加がじわじわと実感される。呼吸を意識し、大量の汗を流しながら、それまであまり消費せずにすんでいた水分補給も消費が上がっていく。途中一ノ俣で小休止を挟み、14:35槍沢ロッヂ到着。テント場の受付を行う。予定だったが、週末で混雑するからか、現地で受付しているとのこと。先へ進む。15:24ババ平テント場に到着。
テント設営、夕食準備、テント場横の沢は枯れており、受付小屋横の水場の水でビールを冷やした。心配していた夕方の雨もなく、外での夕飯となった。ビール、ワインで乾杯、食料の準備を担当していたメンバーが、温めるだけの下準備をしてくれており、順調に食事の支度が整った。唐辛子をきかせた豚汁、炊き込みご飯と美味しくいただいた。というところだが、何故か自分は体調が優れず、あまり食べられずにいた。大好きなアルコールも乾杯程度で済ませた。どうしたものか。食事もすんで、片付けも終わり、翌日の予定を確認、出発の準備を整え、テント内にて、ワインやお茶を飲みながら暫く語らう。3:00起床予定となり、20:00前には就寝となった。
ふと目覚めて、もう明け方かとまどろんでいたが、時間を確認して驚いた。まだ20:30。全然寝てなかった。暫くうとうとしていると雷光が時折差している。21:30頃だろうか、1時間ほど激しい雨にみまわれた。雨が上がってのち、手足の指先に痺れを覚えた。どうやら水分補給が足りていなさそうだと、トイレに起きて、水場でがぶがぶと水を飲んだ。
うとうとしていると、2:50皆も動き始め、少しフライング気味に起床となる。寝具をかたし、朝食の味噌ラーメンを用意。しっかり食べてお茶を飲み、片付けたら出発。
4:14ヘッドランプを装着して、登山開始。沢沿いを登って行く。時折支流が合流する箇所を通過する。それぞれの沢の名称が目立つように岩にペイントで記されている。赤岩沢、水越沢、槍沢大曲り(水俣乗越分岐)を過ぎ、暫く進むと、徐々に空が白んで来る。雲も湧いておらず、遠くまで見通せる。5:30前には峰々の頂きを朝日が赤く照らし出して来た。モルゲンロートってやつですなぁ。中ノ沢、大岩、槍沢・天狗原分岐、水沢を通過、6:48播隆窟に到着。遠方に富士山が見えだした。更に高度を上げると、富士山の手前右側に南アルプスの山々が姿を表している。7:23殺生ヒュッテへの分岐を過ぎて小休止。槍ヶ岳山荘までの距離600mとなっている。8:13槍ヶ岳山荘で小休止。小屋で記念にバッヂを購入した。風除けに雨具の上を着て、ヘルメットを装着。いよいよ山頂へ取り付く。完全な岩登りコースである。しかし、ホールドは充分にあり、落石、脆弱なホールドを掴まないように注意しながら、慎重に登って行く。急なところにはしっかりした鎖や、いよいよ切り立った箇所には頑丈な梯子がかけてあり、順番に登って行く。梯子場は登り、下りでコースを分けて設置してあった。混雑時の渋滞を避けるためだろう。最後の2連梯子を登り終わると8:37山頂に到着。やはり尖って見えるだけあって山頂はそれ程広くはない。見下ろすと切り立った斜面が遥か下まで続いている。山頂標識で集合写真を撮ってもらい、その後もめいめい、記念撮影を取り合って、暫く山頂からの景色を楽しんだ。時折少し先までガスが切れる時もあり、この後、進む予定の稜線も確認出来た。山頂からみると槍ヶ岳山荘の規模の大きさに驚かされる。あの小屋泊の登山客が山頂を目指したら、それは混雑もしようものである。先を目指して8:53下山を開始。下山用の梯子を使い下りて行く。鎖場も何ヶ所か設置してある。急な箇所は岩に体を向けて登るようにしながら下りて行く箇所もある。20分程度で槍ヶ岳山荘まで下りて来た。時折ガスが切れて山頂が覗くので、写真におさめたり、皆で集合写真を撮ったりした後、9:30縦走路に進む。こちらも槍ヶ岳山荘からの距離が岩に100m置きにペイントされている。槍ヶ岳山荘のテント場は登山道脇に設定してある。すべてのサイトに番号を振った立て札が表示されている。9:40飛騨乗越分岐を過ぎ、10:01大喰岳(おおばみだけ)3,101m到着。登って来たルート、この後降りることになる天狗原も見渡せる。小さな池も見えている。気持ちよい稜線歩きを楽しみ、中岳手前で梯子を登る。10:44中岳3,084m到着、小休止。11:54南岳への分岐。体調が優れず、お腹が緩てくなっている。自分はここで荷物をデポして南岳に向かう。12:15南岳3,032.68m到着。3,000m峰4座の登頂を果たす。M先輩は、ここで3,000m峰の完登を達成なったとのこと。記念すべき喜びの場に一緒にいられることを嬉しく思いました。12:34天狗原分岐まで戻り、昼食休憩となる。自分はお腹を壊しており、ペースが出ず、また高度を下げたくもあり、リーダーに天狗池までとして、先に下山をさせてもらった。ここの下りは大きな岩が急な傾斜で続いており、マーカーを頼りに慎重にくだった。天狗池まで半分も下っていないところで、皆が追いついて来た。天狗池はずっと見えているのだか、なかなか近づいてこないなぁと不安にもなる。上からだとマーカーを探しづらいところもあり、探しながら下る。14:21天狗池は本当にこじんまりとした池で、なんで干上がったりしないのだろうと不思議に思っていたが、縁を回りこむように進むと、少しではあるが、水が流れ出ている箇所があった。注いだ分がそのまま流れ出ているみたいだ。淀んで見えたが、循環しているみたいだ。傾斜はゆるまったが、まだまだ岩の上を歩くようなルートが続いている。暫く傾斜こそ緩くなったが相変わらずゴロゴロとした岩稜帯を下っているとついに雨が落ちて来た。どうやら強くなりそう気配。雨具を上下装着し、アタックザックにもレインカバーをかけた。ただ着替えるだけなのだが、身体がしんどい。手間取っているうちに皆は出発の準備が出来ている。先に進んでもらい、後を追いかける。座って着替えていたが、出かけようと立ち上がったとき、今まで気合いで押さえつけていた便が漏れ出てしまった。直ぐに踏ん張ってこらえ直し、最小限の被害に留める。んー、やってしまった。コンプレッションタイツを着用しているから押さえつけてありズレ落ちて来る心配はなさそうである。このまま、我慢して先に進む。雨は降り止む気配を見せていたが、とにかく先を急ぐ。サブリーダーが残って待っていてくれる。私のペースが上がらないところ、後ろを気遣いながらつかず離れずの微妙な距離で先導してくれる。そのうち雨も激しくなって来た。足元が濡れているので、スリップに気をつけ進む。15:15槍沢・天狗原分岐の登りとの合流地点あたりで、先が小休止していたところになんとか追いついた。サブリーダーに事情を伝え最後から追いかけさせてもらう。もう一人、Fさんも膝の状態が悪いとのことで、2人で後から追いかけることになった。明け方登って来た沢沿いの道をひたすら下って行く。赤岩沢の石は本当に赤く染まっていた。15:54槍沢大曲り通過、16:07宿泊地のババ平テント場に到着。あんなに激しく降った雨もいつしか上がり、青空も覗いている。びしょ濡れの装備を乾かし、夕食準備にかかる。自分はトイレに駆け込み、用を足し、水を用意して河原で洗浄、着替える。今夜のメニューはカレーライス。ご飯もとても上手く炊け、皆で美味しくいただく。しかし、自分だけは、やはりお腹の調子が戻らず、軽くよそってもらい、なんとか食べるといった状況だった。明日も3:00起床と決まり、就寝となった。
3:00起床、寝具をかたし、朝食の餅入り塩ラーメンを準備。今日は上高地まで下るだけのルート。まだお腹の調子は上がらない。それでも、少しばかりは食べておく。お茶を飲み、片付けたら、荷物をテント外に出してテントの撤収。この日は快晴で、星空がすぐ近くに輝いていた。前日の雨などで、テントはかなり濡れている。ふけるだけタオルで拭いて、後は6名総出でテントを払い出来る限り水分をとばす。そのまま空中でたたみこんでしまった。最後のパッキング。消費した食料やアルコール、持たなくてもよい水などの分総量は減っているはずである。それぞれ計量後微調整して準備完了。自分は体調不良のため、かなり減らしてもらっている。往路より5kg以上軽くなっている。出発直前、最後のトイレにいかせてもらう。なんと、ここで溜まっていたものが、ズバッバッと出てしまう。すっきりさっぱり出発出来た。
体調不良の自分と、膝があやしいFさんと2人で後ろから着いて行くオーダーとなった。
5:04下山開始。5:28槍沢ロッヂ。衣服調整。フィールドスコープでもう一度槍ヶ岳の山頂部を眺める。自分は本当にあそこに立ったんだよなぁと感慨深い。5:39発。6:50横尾山荘6:52発、7:49徳澤園、名物だというソフトクリームを食べる。8:04発、8:47明神館。ここで行きに買い損なった紅茶花伝ミルクティを購入。どら焼きと一緒に食べる。出発直前に出せたからか、やたらお腹が減っている。8:55発、9:29小梨平。しまった。調子にのって食べていたら、激しい便意を催して来た。テントサイトにあるはずのトイレを探してさまよった。結局、ルートを直進したすぐ脇にあった。トイレで用を足して驚いた。個室の中に紙が無い。個室の外に用意してあった。誰もいないうちに、もそもそと個室外の紙をとり、個室に戻って済ますことが出来た。最後の最後、皆から遅れて9:47河童橋、9:51上高地バスターミナルに到着した。今日も多くの観光客で賑わっている。山頂を踏んで戻って来ると、なんだか晴れがましい気分になる。10:15沢渡行きバスに乗車、駐車場で共同装備を確認し、軽く着替え、唐沢そば集落の一つ、信州手打ちそば そば幸に立ち寄った。名物だという、山っちそばをいただく。蕎麦の麺のように細く刻んだ山芋が載せてある。面白い食感でさっぱり美味しい。ここはお茶と共に提供される漬け物もおいしかった。また、最後に出てくる蕎麦湯も濃厚で、ほっとする美味しさです。ゆったり食事を堪能した後、近くのお風呂で、山行の汚れを流す。すっきり、さっぱりして帰路についた。
今回、思いもかけず、槍ヶ岳登頂の機会を得、気合いたっぷり挑んだものの、思わず体調不良となり、食事も食べれず、飲みも出来ず、そして何より、みなの工程の足を引っ張る形となってしまったことが本当に情けない。気をつけてはいたつもりだが、体調管理を心がけなければといたく感じた。経験豊富な諸先輩方に頼ってばかりであった。もう少し、役にたてたらと思う。とにかく、いろいろ初めての経験を得ることが出来て皆さんに感謝です。
また、一緒にいろいろな山に登りたいと思っております。今後とも、よろしくお願いします。
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