記録ID: 59045
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無雪期ピークハント/縦走
丹沢
表丹沢/札掛〜行者岳〜ヨモギ平
2010年04月24日(土) [日帰り]
kamog
その他2人
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 896m
- 下り
- 898m
コースタイム
渋沢駅7:40=
8:40札掛駐車場(読図基本説明)9:15−
10:20境沢・ヤゲン沢二俣10:43−
12:05行者ケ岳南峰12:25−
12:45烏尾岳12:55−
13:20三ノ塔ピーク北側−
長尾根13:50−
14:20ヨモギ平14:35−
15:30藤熊川・タライゴヤ沢二俣上部
(悪場下降のための懸垂下降実践)−
16:35札掛駐車場=
秦野駅
8:40札掛駐車場(読図基本説明)9:15−
10:20境沢・ヤゲン沢二俣10:43−
12:05行者ケ岳南峰12:25−
12:45烏尾岳12:55−
13:20三ノ塔ピーク北側−
長尾根13:50−
14:20ヨモギ平14:35−
15:30藤熊川・タライゴヤ沢二俣上部
(悪場下降のための懸垂下降実践)−
16:35札掛駐車場=
秦野駅
天候 | 曇り時々晴れ(稜線は何と粉雪!) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■読図概要 【目的】地形図とコンパスを使って安全・適切なルート選択ができるようにする。 1.マクロな目的・・・読図は「登山計画」 「1時間歩いたから1本休もう」...時間だけに捉え休む場所は考えて いない。最終的な目的地とそこに行くのにかかるトータル時間、そして 赤実線で書かれた登山地図の線としてのコースだけしか見ない。 ⇒読図ができれば山を「線」ではなく「面」として捉えることができ、 山のフィールドが何倍も拡大できる。それが安全登山につながる。 2.読図はハイキングから沢登り、雪山まですべての登山者がマスターしなけれ ばならない登山基礎の必修技術である。 むしろ里に近い低山ほど登山道以外の踏み跡(森林作業路、測量作業路、 電力会社作業路、釣り師の巻き道など)が錯綜し道迷いを起こしやすい。 ハイカーほどこの技術は必須である。 【事前準備】 1.1:25000図(磁北線を自分で記入)、カシミール3Dなど地形図を各自入手 する。 1:25000図は原本に記入するよりも、コピーをとってそれを使った方がよい でしょう。 老眼などの方はコピーの段階で2倍にして1:12500図にすれば更に見やすく なる。 その他、フリーソフト『Trekking Map Editor』 2.今回のエリア周辺の谷線(水線)を青細ペンで細かく引いてみる。 次に人工物(送電線、建物、道路、三角点など)、地形的に現在位置が確認 できそうなポイント(ピーク、コル(峠)、ガレ場やザレ場、池、傾斜が 急に変化する場所など)を入れる。 地形図を見慣れていない方は、尾根線(谷線の逆)を茶色の蛍光ペンで なぞってもよい。 3.予定ルート中で「迷いやすそうなポイント」「危険と思われるポイント」を チェックしておく。 迷いやすそうなポイント・・・特に下りに多い。 例)ルートに沢が横切っているポイント →渡ってから同高度とは限ら ない 太った尾根上 →その後の進路は左右どちらに注意すればよいのか で変る ニセピーク 尾根が分派しているポイント 危険ポイント 例)ガレ、ザレ、痩せ尾根、コル(峠)の前後、等高線が急な斜面や 尾根、尾根の末端 4.予定ルート中で有事の際の「エスケープルート」をチェックしておく。 エスケープルートの設定は、主に3つの原因を想定し、一番早くかつ安全に、 安全圏に降りられるルートを作る。 ヾ躙吋櫂ぅ鵐箸簗造い笋垢修Δ淵櫂ぅ鵐箸亮蠢 → 事前読図や他記録である程度対応できるはず。 悪天候に摑まる一歩手前の脱出ルート(悪天になったらどうなるか を考えて) → 直前の天気予報、行動中の携帯サイト、観天望気で対応できるはず。 メンバー内トラブル(体調不良等)で下山するルート → 会や仲間内で、持病等の情報、体力(精神体力も含む)の 情報、山行経験や最近のトレーニング情報などを共有化して いればある程度対応できるはず。 5.最近はカシミールなどに代表される地図ソフト(フリーソフト。『カシミール 3D GPSで山登り』(実業之日本社)は東北から中国までの1:25000 地形図が入ったDVDが付属されているので便利。¥2,000)を利用すると、 自分の行くエリアのみ抽出もできるし、設定すれば磁北線も引くことができ 便利です。 併せてGPSにその情報をダウンロードして現地で使うことも便利ですが、 GPSに頼りきると危険です。GPSは現地においてはあくまで補助的に、 山行後の記録として使うことに主眼を置くべきです。ただし、遭難時に自分 の現在位置を北緯・東経を使って救助関係者に伝えるのには非常によいと 思います。 【内容】 1.あらかじめ地図上で現在位置の確認(視認)ができそうな場所を選定できる ように、事前に話し合っておく。 2.実際に歩いてみて、選定した目標地点の位置を歩きながら確認してみる。 3.目標地点への進むべき方向をコンパスを使って決める。 4.目標地点までのコースタイムが予測できるようにする。 ●確認できそうな場所とは…… 顕著なピーク、コル(峠)、支尾根の分岐点(支尾根が分岐する所は小さな ピークになることが多い)、人工物(送電線、小屋や家、道路の曲がり角 など)が見える場所 など ●注意点 〇挌根の分岐点は、等高線に表れない(つまり10m未満の小ピークが多い) ピークであることも多い。この場合、等高線は閉塞せずに、しずく型 (くじら型)になっている。 ▲魁璽江紊燃稜Г任る人工物などは、磁北線とコンパスを合わせて何度の 位置に見えるか(360度方式)確認する。 8什澎銘屬粒稜Г蓮一つの証拠だけで確信しないこと。必ず複数の証拠を あげて実証する。例えば、 ・証拠1「登り始めから3つ目のピークだから」 ・証拠2「270度の方向に林道が180度曲がっている地点が見え地図と一致する」 ・証拠3「予想したタイムとほぼ同じである」 など、3つも証拠が揃えばかなりの確率で現在位置を確定できる。 そのほか「送電線の下である」「高度計が○○mをさしている」 「右側に大きなガレ場があり地図と一致する」 「支尾根が3つに分かれている場所である」 「左側に見える顕著な尾根が終了している地点だ」などなど。 て豹泙旅佑方は「推測」→「実証」→「確信」の作業です。 100%思いこみをしてしまうと間違った時にパニクリます。 上記のような複数の証拠を根拠に「たぶん今はココにいるのだろう」と 常に疑うことの余地も残しておく気構えも必要です。 ゥ魁璽好織ぅ爐寮瀋衞椣造録佑砲茲衢諭垢△襪と思いますが、以下の目安を 基本にして下さい。 ・ 登りの場合 → 水平距離15分/1,000m + 高度差10分/100m 例)現在位置AからピークBまでのコースタイム (※傾斜がそれほど変化がなく一律な場合) 水平距離750m、高度差250mの場合 11.25分 + 25分 = 36.25分 ・ 下りの場合 → 水平距離15分/1,000m + 高度差5分/100m 例)水平距離750m、高度差250mの下りの場合 11.25分 + 12.5分 = 23.75分 Υ岼磴辰寝媾蠅呂修慮彊を話し合って下さい。 踏み跡がついていれば、そのまま追いかけてしまう傾向が強いようです。 踏み跡は、何かの目的でついていることに間違いはないのですが、それが 東京電力や森林組合の仕事道であったり、また時には進むべき方向の先に 危険地帯があるため迂回していることもあります。 読図のみ行っていると次のリスクが考えられます。 ・地形図を見ながら歩いてると、木につまずいたり崖に気づかなかったり、 返ってリスクが大きくなるので、上述の現在位置を確認できるポイント で行い、次のポイントまでのプロセスを覚えておく。 ・いちいち立ち止まって確認作業をしていると、行動時間が遅れてしまい ます。 現在位置が確認できそうなポイント = 休憩ポイント に事前に設定すれば効率的な行動ができる。 場合によっては懸垂下降等を使用した方がよい場合もあります。 斜度が寝ている下降で使えるダイアッパーハーネス(スリングとカラビナを 使用した簡易ハーネス)とムンターヒッチ(半マスト結び)をマスターして おきましょう。 |
写真
撮影機器:
感想
今月の読図講習は昨年秋にも使った札掛から表尾根の行者ケ岳へ登り
一般登山道を三ノ塔まで南下して
一部のハイカーに人気のヨモギ平を通って札掛に戻るコース。
天気予報では昼から晴れるとのことであったが
表尾根に着く前から何と雪が舞っている。
(おいおいマジかよぉ)
時折日が差すと太陽が暑いし
何だか冬と初夏が混ざったような変な天気だった。
さて受講者のお二人には地図読みの意義と基本をお教えしたつもりではあるが
うまく伝わったか否か。
それが今後お二人の山行に現れてくれれば幸いです。
たくさんの関連書籍が販売されていたり
ヤマケイ等の雑誌でも特集は組まれたりしているが
こればっかりは本で読んだだけでは活かされないでしょうね。
現場とイメージを何度も合致させなければ
実際の山行には役に立ちません。
最後に声を大にして言いたいのは
「読図は登山計画だ」
ですか。
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